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   第11章


再び意識を取り戻した時、美樹は素肌の上に白い浴衣のような修行服を着せられて、簡易ベッドに寝かされていた。催淫剤の効果のためか、全身が熱っぽく、皮膚が過敏になっていた。激しいスポーツしたあとのように、体全体に力が入らなかったが、秘裂から体の中心に向けてまだバイブレータを差し込まれているかのように疼きが走り、美樹の心をみだらな感触で蝕み続けている。

簡易ベッドでいっぱいになる程度の小部屋の一面には鉄格子がはめられ、まるで動物の檻のような部屋に美樹は閉じ込められていた。もう夜なのか、鉄格子の外は薄暗かった。
「ううっ・・・なんてひどいことを・・・」美樹の両目から涙があふれた。自分の最も恥ずかしい部分を曝け出し、あんなおぞましいバイブレータによって、男たちの目の前で喜びを感じてしまった屈辱は死ぬまで忘れられないだろう。
「許せない・・・かならずここを抜け出して復讐してやるわ!」美樹は拳を握り締めた。
ふらつく体を立て直して、ゆっくりとベッドから床に降りる。深呼吸をして、舞うような動作で型をとりながら、中国拳法の呼吸法により気を集中させようと目を閉じた。

「ひっ、ひっ、ひっ・・・」ふいにかすれたような笑い声が廊下から聞こえてきた。
「誰!」美樹は叫んだ。
「まだ闘うつもりかね・・・。もの分かりの悪い女だよ。」暗がりから用務員服を着た小柄な男が現れた。
「あっ!あなたは!・・・」驚く美樹の前に、にたにたといやらしそうな笑みを浮かべながら現れたのは用務員の卑作だった。

卑作の視線が、自分の修行服の乱れた胸もとに貼りついているのを感じて、美樹は襟をかき合わせた。
「あなたもこの教団の一味なのね!」
「教頭の園田にくっついていれば、何かいい目に会えるかと思ってな。つまらん学校のあと始末があって、あんたのオナニーショーには出遅れたが、今度はわしを楽しませてもらうぜ。」
美樹は鉄格子にしがみついて、卑作をにらみつけた。しかし、ふと考えて、急におびえたような表情で、部屋の隅にしゃがみこんだ。
「いや・・・もう許してください・・・」体を震わせて卑作に哀願する。修行服の裾が乱れて白い太ももがあらわになった。
「ひっ、ひっ、ひっ・・・日頃の高慢ちきな態度はどうした。そんな奥に逃げ込んだところで、わしはこの錠前の鍵をもってきたのだ。」卑作がポケットから鍵を取り出して、鉄格子の扉をあける。

----しめた!中に入ってくればこちらのものだわ!
扉からはいってきた卑作の前に美樹はすっと立ちあがった。
「覚悟なさい!」美樹が叫んだ。
「おっ!・・・ひっ、ひっ、ひっ、そんなことだろうと思ったよ。これを見な!」
「ああっ!・・・それは!・・・」
卑作の手には、なんと美樹の体をコントロールするあの端末が握られているではないか。美樹が動くより早く、卑作は端末のスイッチを入れた。とたんに、首から下が切り離されたようなショックが走り、美樹の体は一歩も動かなくなってしまった。
「残念だったねぇ、白鳥先生。さぁ、地下にある私の部屋にきてもらおうか。いろんな道具も揃っているんだよ、いっ、ひっ、ひっ、ひっ」唇を噛み締めた美樹の耳に、卑作の甲高い笑い声が響いた。

卑作は美樹をコントロールしながら、迷路のような教団の建物内を歩いていった。廊下は薄暗く、静まり返っている。
<前方の階段を降りろ!>卑作が命じると、美樹の足はひとりでに地下に続く階段を一歩、一歩降り始めた。美樹は大声をあげて助けを呼ぼうかという考えを、かろうじて押し殺していた。
----この男ひとりなら、かならず逃げ出すチャンスはあるはず・・・
しかし、何をするかわからないこの男と、全く人気の無い暗い地下に降りていくにつれて、どうしようもない不安が美樹を押し包んでいく。美樹のそんな内心を見透かしたように、卑作は時々美樹の尻を撫でたり、胸のふくらみをさわったりして、美樹の反応を楽しんでいる。

建物の地下は広い地下スペースに雑然と机やイスなどが積み上げられ、静まり返っていた。数本の蛍光灯が弱々しい光を投げている。一角がコンクリート壁で仕切られ、鉄製の分厚い扉がついていた。美樹は卑作に連れられて、扉の中に足を踏み入れた。
「あっ!・・・・」美樹は部屋の中を見回して絶句した。
「ひっ、ひっ、ひっ・・・ようこそ、我が調教部屋へ。ここにはわしのコレクションのすべてが揃っているのだ。いかようなプレーも可能だし、どんな叫び声を出しても外には聞こえんぞ。」20畳くらいの部屋の壁には所狭しと言わんばかりに、さまざまな鞭や拘束具、縄がかかっていて、壁に据え付けられた棚には、これもいろいろな形の張り型や蝋燭、先に細いチューブがついた太い注射器、洗面器などが、見せつけるように並べられていた。コンクリートの天井からは金属製の鎖が下がり、木製の巨大な磔台が中央に据えられている。この部屋全体に漂う血と汗と糞尿の臭気のおぞましさに、美樹は頭から冷水をかけられたかのように体を震わせた。

「ひっ、ひっ、どうした?顔色が悪いじゃないか。まだ、朝までにはたっぷりと時間があるぞ。わしがお前を、縄なしにはいられないマゾ奴隷に調教してやろうじゃないか。」卑作が欲望に顔をひきつらせて言った。早くも用務員ズボンの前を大きく膨らませている。
絶対絶命の陵辱の危機が美樹を飲み込もうとしていた。


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