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   第12章

「どうやら、あの加藤までも倒したようじゃな。また、君に会えてうれしいよ、ふっ、ふっ、ふっ・・・」部屋の反対側で、元教頭の権田が銀色のマントを体に巻きつけ、腕を組んでこちらを見ていた。すぐ傍のイスには、はだかのままの美雪がぐったり目を閉じて、縛り付けられている。気を失っているのか、雪のように白い体はぴくりとも動かない。美雪の脚の間を目指していたあの機械は、すでに取り払われていた。

「美雪を・・・どうしたんですか?」美樹が権田をにらみつけながら言った。
「ふっ、ふっ、ふっ・・・手慰みに10回ほど続けて気をやらしたら、動かんようになったわい。じゃがなかなか面白かったぞ・・・」
「なんていうことを・・・。あなたは、元は学校の教師でしょう!恥ずかしくないんですか!私が来た以上、許しませんよ!」
「ふっ、ふっ、ふっ・・・威勢がいいのう。じゃが、ここまで来れるかな?・・・。君を取り囲んでいる男たちは、市内中から集めてきた男どもじゃ。札付きのワルあり、家出人あり、路上で酔いつぶれていた者ありでのう、若い女を好きなだけ犯させてやると言ったら、一も二もなくついてきたわい。もちろん、例の催淫スプレーもたっぷりと嗅がせてあるぞ。ひっ、ひっ、ひっ・・・」

美樹は思わずこぶしを握りしめて、男たちを見た。皆一様にイチモツを勃起させて、美樹の肢体を食い入るような目つきで見ている。ぴっちり乳房に張り付いたドレスと、腰まで切れ込んだスリットからのぞく美樹の白い美脚は、なまじ全裸でいるよりもよっぽど劣情をかきたてるようだった。催淫剤に侵されていなくても、とうてい勝ち目のない人数だ。しかも、男たちはかろうじてチンピラに抑えられているが、今にも美樹に飛び掛かろうと欲望に顔を引き攣らしている。
(・・・今なら、後ろの扉から飛び出せば逃げられるかもしれない・・・でも、私は許せない!美雪にあんなことをした権田を!)

「ふっ、ふっ、ふっ・・・どうした?恐しいじゃろう。20人もの男に犯されれば、君のワレメもぼろぼろに裂けてしまうじゃろうのう。この者どもにはすでに理性はない。乳房など食いちぎるかもしれんぞ、ふっ、ふっ、ふっ・・・。さぁ、ワシはここじゃ。来れるものなら来てみよ!」
美樹と権田は、西部劇のガンマンが1対1の決闘をするように、数秒間じっとにらみ合っていた。美樹はそのわずかな時間に、精神を集中し気力を体内に巡らせ、奥歯をぐっと噛み締めた。

「はっ!」美樹はひと声気合いを吐き出すと、弦から放たれた矢のように、まっすぐに部屋の奥に向かって走り出した。
「ひーっ、ひっ、ひっ、ひっ・・・来るのか?来い、来い!」権田が狂ったように笑いだす。
美樹はストレートヘアをなびかせて、チャイナドレスの裾が捲くり上がるのもかまわず、猛然と権田に向かって突っ走った。美樹がちょうど部屋の中央まで来た時、両側でにやにやといやらしい笑みを顔に浮かべていたチンピラが、「行け!」と言うなりぱっと縄を放した。
「女だ、女だ!」「犯せーっ!」「犯らせてくれ!」口々に叫びながら、全裸の男たちが津波のように左右から美樹に向かって走ってくる。

扉が閉まるように、正面が男に埋め尽くされるのを見て、美樹は左側から回り込もうと走る方向を変えた。まず、数人の男たちが叫び声をあげながら美樹に向かってきた。
「はっ!」「とう!」「はっ!」美樹は走りながら、拳を男たちの腹部や顔面に叩き込んだ。いっさい手加減のない打撃に、たちまち2、3人の男が倒れた。しかし、男たちは先を争って美樹を捕まえようと群がってくる。「とう!」「やっ!」美樹は必死に拳や蹴りを繰り出しながら先に進み、さらに何人かの男が倒れた。人垣の間から顔を醜くゆがめて笑い続ける権田がちらっと見えた。
「それぇ!」男がタックルをするように美樹に飛び掛かってきた。
「たっ!」美樹は避けながら、爪先がめり込むくらい強烈な蹴りを男のわき腹に放った。しかし、後ろから別の男に突き飛ばされ、うつ伏せにどっと床に倒れ込んでしまった。ドレスの裾がめくれて、尻まで露わになった。

「やったぞーっ!オレのもんだ!」髭面の男が美樹の下半身にがっちりしがみつく。
「放しなさい!」美樹は肘打ちを男の顔面に見舞ったが、立ち上がる間もなく、別の男に仰向けに押し倒されてしまった。そこをどっと男たちが群がり、美樹の四肢を押さえつけた。
「いやあっ!放して!みゆきーっ!」美樹の叫びが、男たちの怒号に掻き消される。

「ふっ、ふっ、ふっ・・・気が狂うまで犯して犯して犯しぬくのじゃ・・・ひーっ、ひっ、ひっ、ひっ、わっ、はっ、はっ・・・」権田の笑い声が広間に響きわたった。


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