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   第八章

美樹の心の中は、恥ずかしい行為を見られたショックで動揺していたが、この謎の女は容易ならぬ相手であることが一見してわかった。見たところ空手のようだが、構えにスキがなく、女としては不格好な体型の内側に秘めたパワーを感じる。
(強敵だわ・・・。でも負けるわけにはいかない。しっかりするのよ!)
美樹も中国拳法の構えに入った。体は火のように熱いが、歯を食い縛って精神を集中する。

「ふん!」押し殺した気合いとともに、女が軽く回し蹴りを放ってきた。軽く腕でガードしようとした美樹が、蹴りがあたった瞬間、横に大きくバランスを崩した。
(重い!私とは桁違いのパワーだわ・・・)
確かに女の体重は軽く美樹の2倍以上はありそうだった。脚も丸太のように太い。
「はっ!」今度は美樹が女の膝を狙って蹴りを入れるが、女はすっとステップバックしてよけ、逆に美樹に足払いをかけてきた。
「あうっ!」美樹がドレスの裾を乱してどっと床に倒れるのを見て、女がにやっと笑った。
「あらあら、大事なところが丸見えじゃない・・・ふふっ」
(ああっ、催淫剤に侵されていなければ、もう少し動けるのに・・・)
美樹は立ち上がりながら、唇を噛みしめた。

(この女を倒すには、懐に入って急所を狙うしかないわ!)
女はサングラスをしているので表情が読めないが、美樹の考えを見透かしたように悠然と構えている。
「ふん!」女が前に大きく踏み込みながら、美樹の顔に向けて正拳突きを放ってきた。
「はっ!」美樹はその突き出された腕をたぐるように女の懐に飛び込み、満身の力を集中して鳩尾のあたりに肘打ちを打ち込んだ。
「ぐっ・・・」女は小さくうめいたが、怯む様子もなく、逆に美樹の首に腕を回して締め上げる。
(あぅぅ・・・なんて強靭な体なの?・・・ち、力が強くて抜けられない・・・)

「ふっ、ふっ、ふっ・・・捕まえたわよ。もう逃がさない・・・」女はさらに美樹の首を締めつける。
「ああっ・・・ぐっ・・・」頚動脈が圧迫されて、耳鳴りがひどくなり、視界が暗くなってくる。美樹は苦し紛れに、脚をばたつかせて、女の顔を引っ掻こうと手を伸ばした。美樹の手に女の髪の毛が絡まり、その拍子にずるっと女の髪とサングラスが落ちた。
(・・・かつら?・・・)
女の顔を見上げた美樹の目が大きく見開いた。
「あ・・・あなたは・・・加藤・・・」そこまで言って、美樹の頭ががくっと力を失って倒れた。
「そこまでね。うっ、ふっ、ふっ、ふっ・・・女に生まれたことを後悔するほど、辱めてあげるわ。ふっ、ふっ、ふっ・・・わっ、はっ、はっ、はっ」ふいに男のような高笑いが部屋中に響きわたった。
再びかつらとサングラスをつけた、元チンピラの頭領、加藤は、軽々と美樹の体を肩に担ぎ、3階に向かう階段に向かって歩いていった。


美樹は夢を見ていた。大きく脚を開かされて、自分が台の上に張り付けにされている。まわりには下品そうな笑みを浮かべた男たちが取り巻き、それぞれ手を伸ばして美樹の体を愛撫している。こんな状況なのに、美樹自身は快感で身悶えして喘ぎ声をあげているのだった。そこに権田が現れた。手には先の尖った木の杭と木槌を持っている。「さぁ、もっと気持ちのいいことをしてやろう・・・」そう言うと、美樹の秘裂に杭をあてがい、木槌で杭を叩き込み始めた。美樹は驚いて思わず大声を上げた。

「はっ!・・・ここは・・・」気がつくと、美樹は大きめの透明なバスタブのようなものの中に、仰向けになって全裸で寝かされていた。両手は縄で一括りにされ、頭の上に伸ばされた形で固定されている。脚もなぜか左足首だけが縄を巻きつけられ、パスタブの底に固定されている。美樹の背中の部分はゆるやかに傾斜しているため、ちょっと見ると、全裸の美女が砂浜で体を伸ばして寝そべっているようなかっこうだった。
部屋は恐らく3階なのだろう、部屋の3分の1は腰くらいまでの深さの水槽が壁際まで置かれ、残りの場所には何に使うのか分からないような器具がいろいろと並べられていた。美樹が縛り付けられているバスタブはちょうどその中央にあった。

美樹は自由な方の足で、左足の縄を解こうとし始めたが、縄は固く結び付けられていた。
「うっふっふっ、何もじもじしてるの?また、したくなったのかしら?」入り口からさきほどの女が、大きな桶のようなものを台車で押しながら入ってきた。美樹は慌てて右足を寄せて、自分の秘部を隠した。
「ふふっ・・・今更隠さなくても、あなたのあそこの色も形もにおいもみんな知ってるわよ・・・。」
女が縛られて横たわっている美樹の傍らに立った。



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