〜軍天使ライラ・瞬間接着剤の章
第三章 1. そうして、翌日。 「あの餓鬼...それに、あの女だ...。本職舐めやがって、なんとか思い知らせてやらねぇと、腹の虫がおさまらねぇや」 「おれたちは傭兵だぞ。大体、剣も無しに拳法家とやりあったり、ましてや空を飛ぶ羽根付きの女との戦い方なんざ、知らねぇってんだ!」 (取りあえず動きさえ止めちまえばこっちのモンなんだが...。身動き出来なくなったトコ、ガキも女も押さえ込んで、二人まとめて、輪姦して、女陰とケツの穴、引き裂いてやるのによぉ....) 男たちの中でも、頭目格と思しき面構えの男が、忌々しげに歯ぎしりしながら、心の中で毒づく。せめて地面の上に、2本の脚で立って剣で切り結べばなんとか勝ち目もあろうものを。だが、無論、向こうにこちらの土俵にあわせて喧嘩しろ、などという理屈が通じるはずもない。だが....。 (こっちが、向こうにあわせてやる義理もねぇんだよな。) 口の端に凄惨な笑みを浮かべ、男がテーブルの下から石弓を取りだし、軽く調子を見る。そして、それを仲間の一人に投げ渡すと、今度は細長い、革の袋かぶせた槍と、畳んだ網のような物をとりだし、軽くその上を叩いて見せる。 「このままじゃ腹の虫も収まらんし、一つ、プロを怒らせるとどうなるかってことをレクチャーしてやるか。あのガキと小娘によ。おれたちがただのごろつきでも、雑魚の兵士でもない、戦闘のプロだってことを教えてやろうぜ」 なにを言わんとしているのか、男の、意味ありげなささやきに、見る間に仲間たちの顔に不適な笑みが戻ってくる。少なくとも、今この場の彼らの顔を見るに、今し方まで女、子供に苦汁を味合わされ、ヤケ酒と愚痴におぼれていたちんぴらとは到底思われない。あるいは、これが彼らの本来の姿だったのやもしれない。 「が、問題はいつ、やるか、だ」 頭の呟き。不意打ちをかけて敵を倒すには、当然、それ以前の段階としてある程度の敵に対する情報を集めておく必要がある。特にそれが、今回のように正攻法では勝てない相手だというなら、なおさらその不意打ちには万全を期さなければならない。ただ、あれだけ目立つ連中ならば、情報集めはそれほど難しくないはずではある。 「天使? あぁ、あのお嬢さんかい? あのお嬢さんなら、神殿通りの酒場、abcbでアルバイトしてるか、教会で神父の手伝いやっているか、そうでなければそこのライブハウスで、演奏会でもやってるんでないかい?」 さして重要な情報でもない、というように、つまらなそうに答える店の主人に、男が軽く顔を顰めて考え込む。 (酒場に教会にライブハウスだと? いったい、どんな生活送ってやがんだ? あの女は) 「あ、でも、今日はたしか、財団のイベントで、闘技場で試合をやるらしいね。まぁ、見栄えのする娘だから、かなり盛り上がった試合になるんでないかね」 (闘技場で、試合、か) 少し含み笑いを見せた主人にかまわず、男が、心の中で復唱する。だが、そんな男の、短い思索の時間は、次の瞬間にはその足元の子供の言葉に打ち切られる。 「見物見物! なんたってめったにお目にかかれない、美人天使の羞恥放尿ショーだもんね」 男が、慌てて足元を見やる。と、そこには慌てて口を押さえる少年の姿が。 「坊主、どういう話だい? おじさんにも詳しく聞かせちゃくれねぇか?」 その、少年じみた外見とは裏腹に、少年の言葉には扇情的かつ卑猥な響きがあった。そしてそれが、あの天使への復讐を企む男の心の琴線を震わせる独特の臭いを放つ。公衆の面前で、戦闘のプロとしての自分たちに恥をかかせてくれたあの小娘に、同じ公衆の面前で、女としての恥をかかせてやる事ができれば、さぞや溜飲の下る思いがすることだろう。そのためにはまず、この少年の言っている言葉の真意を探るのが先決だ。それに、最悪この少年の言葉がただの妄想にも等しいものであったとしても、自分の思いに、ある意味方向性を持たせられただけでもある意味意義はあった。 「おじさん、誰にゃ」 自分の不用意な発言を後悔しつつ、小鉄が不信げに男に尋ねる。その問いに、今度は男の頬がかすかに引きつる。 (さて、と、どう答えたものか) 何にせよ、こんな早朝の酒場にいるんだ。お互い堅気でないのは明らかだろう。なら、いっそ正直に言ってみるのも手ではあろう。だが、少なくとも相手は恐らく、あの小娘と同じ街の住人であり、少年の先の発言にも、過激ではあったが、憎悪や敵対的な感情は何一つ感じられなかった。いわばそれは、子供が好きな女の子に意地悪をするような、そんな、言うなれば不条理とでも言うべき響きを含んだ、そんな言葉であったのだ。 「おじさんは・・・」 一瞬の逡巡。そして、男が続ける。 「・・・あの天使のお嬢さんが好きになってしまってね。彼女がおしっこをもらす、なんて、すごく気になったもんだから、つい、詳しく知りたくなったんだよ」 一瞬の逡巡の後、子供にあわせた意地悪心を表現せんと、とっさに思い付いたでまかせだが、あまりにもアブノーマルな響きを含んだ発言に、思わず自己嫌悪に陥る男。いざ口に出して音にしてみると、その発言のなんと変態的なことか。 「ん。気持ち、わかるにゃ。ああいう綺麗なお姉さんがおしっこなんか漏らして羞恥に震えるのって、小鉄、そーゆーの、わかるにゃ」 少年の変質趣味に眉を寄せながらも、男は小鉄の言葉に耳を傾けた。 2. 「ライラねーちゃん! おはよぉ!」 街の郊外にある、古代の遺跡を利用した競技場の、整備し直された更衣室の前、肩に頭陀袋をかついで姿を見せた天使を呼ぶ、よく通る美声が響く。本人はあいもかわらぬチャイナドレスとも道士服ともつかぬ濃紫の着物に、前衛的にいくつもの髪の束を結い上げた無国籍少女、今回のイベントの規格屋の麗こと鳳麗雷であった。 「麗か」 こちらも相変わらずの、薄いニットの白い袖なしと、同じく薄手の、ベージュの鹿革のぴったりとしたズボンに、ブーツという、何の飾り気もないいでたちのライラが応じる。元々北地の出身の彼女にとって、このあたりの気候はいささか暑すぎるきらいがあるのやもしれない。 「相変わらず、朝から元気だな」 少し眠たげに目をこすりながらも、笑顔のライラ。正直言って、天使の割にはいささか夜型の彼女のこと、朝は、それほど得意ではないのだ。一方、対照的に元気の良い麗の方は、朝だから夜だからというのではなく、純粋に、お祭りだから元気だという、ほとんど子供と変わらない理由で、高いテンションを維持している。 「もぅ、ライラねーちゃんが元気無さすぎなんだよぉ。ウォームアップとか、ストレッチとか、イイの? やっとかなくって」 そんな麗が、寝起きのけだるさを残したままのライラに、すねたように問い掛ける。もとより今回の大会は、素手によるノールールの大会である。何せルールには体重差による階級の別も、いわんや男女の区別すらないのだから。もっとも、さすがに今回のカードでも、男女の対戦が組まれたのは第3試合である彼女と兜卒天の試合、ただ一組だけであるが。 「・・・そうだな。少し、体を伸ばしておくか」 麗の言葉に、あまり昂ぶりや猛りを感じさせない様子で、荷物を地面に投げ出すライラ。袖なしの上着から伸びた白い、しなやかな腕を大きく頭上に伸ばし、体を前後左右にゆっくりと反らせる。全体に体毛が薄いのか、筆で掃いたような産毛がわずかに覗くだけの腋下から、袖口から覗く大きく、瑞々しい豊かな乳房の、ぞくりとする生白さが、そんな殺伐とした大会前の空気を忘れさせるかのように、退廃的な色香を匂わせる。 (うわぁ。いろっぽいなぁ) そんな、天使というよりは人魚のほうがふさわしいようなしっとりとした白い肌と、なまめかしい腕と、はちきれんばかりの乳房に、見ている麗は自分が少女であるにもかかわらず、知らず顔に朱がさすのを感じていた。 「見えないなぁ」 そんな彼女のウォームアップを見ながら、麗がはにかんだ笑顔で語り掛ける。 「何がだ?」 麗の言葉に、返答に窮するといった、少し困った表情を浮かべ、ライラが応える。 「う、ん。 素手専門なら、打撃系で良いと思うんだが、私の場合あくまで専門は剣術だからな。剣が使えれば、打撃技はいらんだろう」 が、一方の麗はどうにもまだ、納得の行かぬ様子である。 「えぇ〜? 剣が使えるなら関節技もいらないじゃん〜。 立ち技の方がカッコいいよぉ〜」 指を組み、もう一度大きく背を伸ばしながら、ライラが少し、考え込む。 「何となく、使えない時もあるだろう」 頼り無い返事である。と、そんな彼女に助けを出すかのように、二人の背後から声をかけてくる男があった。 「『間合い』の関係ですよ」 二人が、同時にそちらを振り仰ぐ。浅黒い肌と髪に漆黒の僧服、神職に有りながら、何故か闇を孕んで感じさせるライラの師、ジョージ・レオン神父である。 「翼をつかって、上から攻撃のできるライラには実感はないでしょうが、人間同士の地上の戦いには、どうしても間合いの取り合いというものが生じるのですよ。剣、それも、貴女の持つような両手剣は、白兵戦の中でも比較的間合いの遠い武器ですし、対して、組み技は格闘戦間合いでも、極めて近い間合いで使われる技法なのですよ。 つまりですね」 まるで日曜の礼拝に説教を聞かせているような、静かで淡々とした神父の口調。そして、一旦、そこで話を切ると、彼は何気なく天使の手を取り、軽くその身体を引き寄せた。 「この距離では、彼女の得意な剣は使えません。しかし、私の技は自由に使えます。これが、間合いというものです。ライラの場合、もともと遠距離での攻防は剣を使えば事足りるのですよ。ならば、中途半端な中間距離の技を身につけるより、極至近距離での業を身につけた方が、使い分けがしやすいのです」 と、今度はその手を離し、そこから数歩、後ろに下がる。 「基本的に、彼女は自分の、剣の間合いで闘えばいいのですよ。でも、万一懐に入られても、次の手がある。逆に、彼女が、剣で勝てぬ相手と巡り会った場合、今度は組み業を選択する余地もある。ということです。立ち技、打撃技で しばらく、神妙な面もちで神父の蘊蓄に耳を傾けていたライラが、一通りの彼の言葉の後、軽く頷くと、今度は麗にはにかんだ笑みを見せ、一言、口を開いた。 「....と、いうコトだ」 神父の講議に、ライラがまるで、自分が誉められているかのように腕を組み、胸を張って得意げに頷く。自分の尊敬する人間が、人から感心されるのが、結構好きなのだ。彼女は。 「まぁ、あくまでソレは一般論じゃがな。....我が不破円明流には、苦手な間合いは存在せん。気をつけいよ。娘」 不破烈堂武蔵。街屈指の戦闘士だ。 (本当に、人間なのか、コイツ....。鬼か魔物の血でも、まじってるんじゃないのか?) そんな、理不尽な思いを込め、ライラが男を睨み付ける。その傍らには、対照的に小柄な、彼女の友人にして、今回の対戦相手の、兜卒天の姿が。 「今から、楽しみじゃのう....神父、あんたには昔から、そそられていたからな」 そんなライラをとびこして、武蔵の視線が神父を捕らえる。 「『悪魔』と渾名される程の業、たのしみじゃ」 微かな、上目遣いに相手をねめあげる神父。その様を、面白そうに見下ろす巨漢とのやり取りを、ライラは、かたずを飲んで見守った。 「し、師匠...」 そんな師から立ち上る、ただならぬ雰囲気に、少年が半歩、師の前に出る。神父の言葉が、彼の逆鱗に触れたのか。否。 (...悦んでやがる...) その口元に浮かぶ、明らかな喜悦の歪みに、兜卒天が心の中で舌打ちをする。もう半日も待たずに、水入りなしで試合のできる相手と、何もこんな路上試合を繰り広げようなどとせずとも....。 (ヤバい) 兜卒天の肩が、反射的に引き絞られ、躊躇なく左の肘が大男の水月に吸い込まれる。ほとんど、格闘家としての本能が、身体に染み付いた型を呼び覚ましただけの、瞬時の動作。明らかに、脳をも経由しない、電光の動きであった。 「かはっ」 ジャブともフックともつかぬ拳。無論、大陸系の拳法の言う、寸勁などでもない、規格外のパワーの生み出したパンチに吹き飛ばされた若者が、地面に倒れ、のたうち、うめきをもらす。 「大丈夫か?!」 あわてて若者の元に駆け寄り、その身体を抱き起こし、心配そうにその顔を覗き込むライラ。天使の、柔らかな乳房に頭を預けつつも、その胸に吐瀉物を吐きこぼし、脂汗を流す兜卒天。 「...折れてはいないようですが、...ひびが入った可能性はありますね....」 手早く若者の上着をぬがし、青黒く変色した左の脇下に、荷物のなかから取り出したニワトコとカワヤナギの膏薬を押しあて、さらしで巻き、固める。 「...」 神父の、巧みな応急手当ての術に、一抹の無力感を感じていたライラが、その手当てがほぼ終わったのを確認すると、今度は、彼女の友人をただの一撃で倒した鬼人へと向き直る。 「なんて事をするんだ! 貴様! なんで、こんなことをしたんだ!」 白い上着から、薄革のズボンの股間に滴り落ちる、友人の吐瀉物を気にするでもなく、怒りに任せてライラが男を責め立てる、怒りの為か、上気した顔の、切れ長の澄んだ蒼い瞳は今にも泣き出しそうに潤み、反吐に濡れ、肌に貼り付いた服の下の乳房が、荒い息に激しく上下する。 「先に肘を打ち込んできたのは兜卒天じゃ。正当防衛というヤツかのう?」 一方、憤るライラとは対照的に、実に、何でもないといった風の武蔵。その淡々とした対応ぶりが、しかし、余計に彼女の怒りに油を注ぐ。 「ライラ...」 そんな彼女を落ち着かせようと、声をかける神父ですら、取り付くしまもない、といったライラの言葉。 「そんなに戦いが好きなら、戦わせてやる!」 神父の言っていた、『ライラの間合い』。それが、空だ。 「ちょうど良い肩慣らしじゃ。ひとつ、遊んでやるか!」 一方の、地上の『鬼』も両手に二刀を構える。黒光りする程使い込まれた、大小そろいの木刀である。長さ、重さ共にライラの大剣には遠く及ばぬが、それでも、男にはライラにはない...無論、長大な両手剣を振るう彼女の事、当然、鍛え抜かれたしなやかな、それでいて十分に力を秘めた筋肉をもってはいるの 3. 「イッヒッヒ。イラッシャァイィ」 ワーレン中央区、上流階級の人間の住む比較的閑静な住宅街である西部地区との、はざかいあたりにある、重苦しい小道、通称、まじない小道と言われるこのあたりは、ワーレン魔術師ギルドを頂点とする、『表』の魔法使いとは対 「ヒヒッ、『薬局』はようこそ。 ウチは表の薬局見たいに硬いコトはいわんよ。 欲しいモノがあったら、なァんでも相談にのるよォ。 惚れ薬でも、若返りの薬でも、...毒薬でもネェ。 まぁ、ソレは冗談だけどねェ」 ヒッヒッ、と、口だけで笑いながらも、冷めた目は全く笑わせず、老婆が手近な椅子に腰を下ろす。見回せば、薬と黴の匂いの充満した店内には、黒ずんだ薬草や、ビン詰めのトカゲにイモリ、得体の知れない虫や、ヒトの胎児と思しき肉塊までが、所狭しと並んでいる。 「何がお入り用だい?」 そんな二人に、老女が問い掛けてくる。 「利尿剤が欲しいニャ!」 すかさず、小鉄が答える。手を伸ばし、老女が薬棚から、薬箱を一つ取り出し、客の前で無造作に開く。 「なんにお使いだい?」 再び問う老女。 「イタズラ!」 躊躇なく答える小鉄。三つの薬瓶のうち、真ん中のモノを取り出そうとしていた老女が、その答えに、一つ溜息をもらすと、今度は一番左端のモノに手を伸ばし直す。 「いや、反対の端のヤツをくれ」 そんな老女の動作に、男が口を挟む。 「あんた、何をお言いだい。 こっちは、シャレにならないよ」 そんな言葉とは裏腹に、老女は素直に瓶を取り出し、二人の前に置く。 「あと、媚薬も欲しい。 惚れ薬じゃねぇぜ。 身体が、勝手に反応するような薬だ」 その薬瓶を受け取りながら、続けて男が訪ねる。 「そんな都合のいい薬があるとお思いかね!」 男の言葉に、しぶしぶを装いながら、老女がカウンターの下から、別の薬瓶を取り出す。 「こいつを使や、どんな貞淑な聖女さんだって、サカリのついた牝犬みたいにアソコ濡らしてあんたにすりよってくるよ。まぁ、後でそのコが思い出して、刺されても知らないよ」 男の身勝手な言葉に、しかし老女はまたも別の薬を2本取り出す。 「こっちが、性腺と女の身体の分泌系を暴走させる劇薬。こっちが、意識をしっかり持たせる覚醒剤だよ。 ちょいと中毒になるかも知れないけど、あんた、どうせ相手の女のコト、考えてないんだろ」 老女から、計4本の薬瓶を受け取り、数枚の金貨を支払いながら、男が応じる。男の、そんな様子を心配そうに見つめる小鉄の視線に、男が、口の端に皮肉な笑みを浮かべたまま、語りかける。 「ごうした? 坊主? 相手は天使様だぞ? 人間風情の薬が普通に効く訳ないだろう? じゃあ、ちょっときつい目の薬用意しとかなきゃ、効果なかったら悔しいだろう? それに、おしっこもらしながら、全身から脂汗と、股間からは愛液と、垂れ流しにしながら、真っ赤な顔で、恥辱と混乱に啜り泣くあの女の恥ずかしい姿、見たくないのか?」 男の、悪魔の囁きを思わせる言葉に、小鉄が項垂れ、顔を赤らめながら小さく呟く。と、男が軽くその肩を叩いて、二人、連れ立って、その店を後にする。 「じゃあ、決まりだな。 あの女が、その、試合の真っ最中、衆人環視の中でしょんべんと愛液垂れ流しにして、嘲笑の的になる姿をお目にかけて頂くべく、おれたちも計画を次の段階にすすめるとしようぜ。 ここからは、坊主の独り舞台だ。しっかり頼むぜ。な」 そうして、舞台は、ライラの待つ試合場へと場所を移すことになるのだ。 |