崩れ堕ちる高級妻 第13話
崩れ堕ちる高級妻(13) 「ハアッ…ハアッ…ハアァッ…」 ソファーに腰掛けたままの姿勢で両腕を拘束され、男達により両足を大きく広げさせられたまま、麻美は深い呼吸を繰り返している。 (ハアアッ…お、お願いッ…鎮まってッ…お願いだから…も、もう…これ以上は…感じないでッ…) 麻美は己の肉体の昂ぶりを少しでも和らげようと念じながら、キュッ…と瞼を閉じ合わせ、ゆっくりとソファーの背凭れへと身体を沈み込ませるように預ける。 深い呼吸を繰り返す麻美であるが、それでも知らぬ間に飲まされた催淫剤の効果は薄れる筈も無く…全ての刺激から解放された今も、とろ火で煮込まれるようにじわじわと、肉体を蕩けさせ続けているのだ。 (ハアアッ…ど、どうしてッ?…どうしてこんなにも…淫らな感覚を感じてしまうのッ?…アアッ…だ、駄目ッ…駄目よぉッ…) 治まるどころか更に昂ぶりゆく己の肉体に、麻美は戸惑いながらも懸命に深い呼吸を続ける。しかしいくら抗い続けたところで、快楽の罠に陥ってしまった肉体は、麻美の意思ではもうどうする事もできない程に発情しきったいた。 着衣のまま淫らに縄掛けされたバストが深い呼吸に合わせて上下すれば僅かながらも乳頭はドレスと擦れ、チリチリと燻るような快楽を感じてしまう。 快楽を押し留めようと肉体に力を入れれば自然と下腹部の筋肉も引き締まり、子宮を取り巻く胎内の粘膜を収縮させ、ジクジクとした疼きを溢れさせてしまう。 「ハアアッ……アアッ…ッウンッッ…」 大きく吐き出す息は次第に甘い色を帯び始め、耐え難いまでの焦燥感を益々募らせてしまうのだった。 そんな麻美の仕草をニヤニヤとした表情で眺める二人の男。 田所はニヤケた表情のまま大男へと視線を移すと、無言のままその足元に置かれたバッグを顎で指し示す。 田所の指示に大男は更に表情を緩め、ゆっくりと足元のバッグを弄ると、中から取り出した荒縄の束を翳して見せる。 取り出された荒縄に田所が小さく頷くと、大男は静かにその縄を解き、己の足で絡め取った麻美の美脚をそっと持ち上げるようにしながら、素早く巻き付け始める。 「…!!……えッ?!…な、何ッ?!」 不意に巻き付けられる縄のザラザラとした感触に、俯いたまま深い呼吸を繰り返していた麻美の身体がビクッ…と震え、咄嗟に瞼を開くと表情を上げる。 「アッ…アアッ…ヤッ…嫌ッ!」 膝の少し上の辺りへと巻き付けられる荒縄を確認すれば、麻美は脚に力を込め拒もうと試みる。しかし、大男の太い足に絡められていてはビクとも動かす事ができない。 「…アアアッ…い、嫌ッ…止めてぇッ…」 麻美が抵抗の言葉を続ける間にも大男は巧みに縄を捌き、麻美の片脚へと巻き付けると、その縄尻を掴みソファーから腰を上げる。 大男は縄尻を掴んだままソファーの後へと廻り込むと、その縄尻をギュッ…と引っ張り、ソファーの後脚へと固定してしまう。 膝の上辺りの太腿へと巻き付けられた荒縄が、斜め後方へと力強く引き締められれば、麻美の片脚は膝頭がソファーの背凭れへと着くように広げられてしまう。 「…ヤッ!…嫌ぁッ!…や、止めてッ…」 大きく広げられ固定される片脚の感覚に身を捩る麻美であるが、両手を拘束された上に片脚を縄で拘束され、もう片方を田所に押え付けられていては抵抗らしい抵抗もできず… 再び正面へと廻った大男は、田所が絡め取ったもう片方の脚へと腕を伸ばすと同じように縄を巻き付ける。 「…アアッ!…そ、そんなッ…嫌ッ…止めて下さいッ…」 両の脚を拘束されてしまうと判れば不安は否応無く募り、麻美は必死に哀願を繰り返す。 しかし男達は麻美の訴えなど全く聞き入れる素振りも見せず 「…恭二…お前も縄掛け上手になったじゃねえか…俺でもそんなに手際よくは出来ねえぜ?」 「いや〜、これも全て兄貴のおかげですぜ…なんせ、兄貴からみっちりと教え込まれましたからね…でも、まだまだ兄貴の足元にも及びませんがね…」 クククッ…と笑みを零しながら愉快そうに会話を交わしている。 そんな会話を交わしながらも、大男はみるみるうちに麻美の脚を荒縄で縛り上げ、縄尻をグイッ…と引き絞るとソファーの後脚へと結び付ける。 「ヒアッ!…アッ!…アアッ!…い、嫌あぁッ!」 優に4人が座れる長さのソファーである。そのソファーの両端の後脚へと引き絞られた縄尻を固定されてしまえば、両の膝頭は背凭れへとくっ付きそうなくらいにまで引き上げられ、スラリと長い両の太腿は限界一杯にまでバックリと広げられてしまう。 「…アアアッ…い、嫌ッ…こんな恰好ッ…お、お願いッ…お願いですッ…ックウゥッ …ほ、解いて…ください…」 余りにもはしたない己の恰好に、麻美は表情をカッと紅潮させながら訴える。 縄の拘束により、自らの力で麻美の身体を押え付ける必用の無くなった男達は、ゆっくりとソファーから離れると、卑猥この上ない恰好に縛り上げられた麻美の正面へと立ち、羞恥に喘ぐ姿を好奇の眼差しで見詰める。 荒縄の巻き付けられた両脚は、ストッキング越しの成熟した濡れ肉を絞り出され、この上ない緊縛美を醸し出している。 限界まで広げられた股間には、ゴールドのラメが散りばめられたドレスがやんわりと垂れ下がり、チラリズム的興奮を煽り立てる。 それは見るも無残な恰好ながらも、芸術的なまでの「美」に彩られた完璧な「M字開脚」であった。 その上、根元から搾り出されるように縛られたバストの膨らみは、まるで釣鐘のように卑猥に突き出され、コチコチに勃起しきった乳頭がドレスの生地を突き破らんばかりにいきり起っているのだ。 「クククッ…随分といい恰好になったじゃねえか…奥さんの成熟した身体には、縄がよ〜く似合ってるぜ…」 「兄貴の言うとおりだぜ…ムチムチとした肉体に縄が食い込んで…厭らしさが益々アップしたじゃねえか…」 麻美の肉体へと卑猥な視線を這いずり回らせるようにして、男達はさも愉快そうに告げる。 「アアッ…い、嫌ッ…見ないでッ…お、お願い…です…」 無駄な抵抗と知りつつも身体をくねらせて拘束から逃れようと試みる麻美であるが、どんなに足掻いても無駄な事だと悟ると、男達の卑猥な視線を少しでも避けようとして表情を俯かせる。 しかし男達にとって、羞恥に身を焦がすような麻美の表情や仕草は、益々好虐心を煽り立てる格好の材料であった。 「縄で縛り上げられるってのは、どんな気分だ?…身動き出来ない状況が…益々奥さんを感じさせちまうんじゃねえのか?」 ニヤニヤとした表情で言う田所の言葉に、麻美は俯かせた首をブルブルと振って返す。 しかしその言葉どおり、快楽の神経を剥き出しにされた肉体へと食い込む荒縄の感触は、ズキズキとした疼きを伴いながら麻美の性感を煽り続けているのだ。 くびり出された豊満なバストの膨らみは火のように熱く滾り、その内部では詰め込まれた欲情が捌け口を求め渦を巻いている。 太腿に巻き付く荒縄のザラザラとした感触は剥き出しの性感を刺激し、股間へゾクゾクとした快楽を与え続ける。 ギリギリにまで広げられた股間の関節はピクピクと震え、流れ込む快楽と相まって下腹部の内側をジクジクと蕩けさせる。 知らぬ間に飲まされた催淫剤と男達の巧みな淫技、それに身動きが取れないと言う不安感と浅ましい姿を晒していると言う羞恥心、そして肉体に与えられるザラザラとした荒縄の感触が絶妙のスパイスとして加えられ、触れられもしていない麻美の肉体は異常なまでの昂ぶりを覚えてしまっているのであった。 全身から滲み出る欲情に困惑しながらも、麻美はそれを懸命に押し留めようと深い呼吸を繰り返す。 「フウウッ…ハアッ…フウンッ…ハアッ…アアンッ…ンンッッ…」 しかし、その呼吸にも欲情の甘い吐息が混ざってしまう事を抑える事が出来ない。 (アアアッ…どうしてッ?…お、お願いッ…鎮まってッ…ハアアッ…お、お願いよッ…も、もうこれ以上は…昂ぶらないでぇッ!) 湧き上がる欲情のうねりを懸命に拒み続ける麻美。その様子をニヤニヤとした表情で眺め続ける二人の男。 「どうした奥さん?…色っぽい声出しやがって…何にもされてねえのに、気分を出しちまってるんじゃねえのか?」 「知ってるか?…こう言うのを「SM」って言うんだぜ?…真面目な奥さんでも、言葉くらいは聞いた事あるだろ?」 「奥さんも満更じゃねえみてえだな?…結構気に入って貰えたみてえじゃねえか?…真面目な女に限って、マゾが多いって言うからな?」 「まさかあの「新庄麻美」に、SM趣味があったとはな…こりゃ〜大スクープだぜ…」 男達はクククッ…と卑猥な笑みを零しながら、からかうような言葉で責め立てる。 麻美は欲情のうねりに苛まれ続けながらも僅かに残った理性を奮い立たせ、男達を睨み付ける。 「ハアアッ…ば、馬鹿なことは…い、言わないで…ックゥゥッ…わ、私は…そ、そんな女じゃ…ありませ…ん…んッッ…」 しかし弱々しく紡がれる言葉は欲情に震え、どうしようもなく零れる甘い吐息を堪える事が出来ない。 (ハアアッ…エ、エスエムだなんてッ…そ、そんな…そんな変態みたいなことッ…) お嬢様育ちの真面目な麻美でも、「SM」と言う言葉ぐらいは耳にしたことがあったし、それがどのようなものであるかも多少は判っていた。 女性の身体を拘束して強制的に淫らな行為をさせる。卑猥なポーズで縛り上げ恥ずかしめる。鞭などで叩き肉体を痛めつける。麻美の知り得る限りでは、SMとは大方そのような卑劣な行為であった。 そんな事をして一体何が愉しいのか?いたぶられる事を好む人間など、本当に居るのだろうか?――居るわけがない、と麻美は思っていた。もし本当に「サド」や「マゾ」と呼ばれるような人間が居るとしたら、それこそ「変態」と呼ばずしてなんと言うのだろう?麻美には到底理解の出来ない事であったし、そんな事はまるで別の世界の事だと思っていた。 しかし今、その別世界の事と思っていた淫らな行為が、自らの身体に施されているのだ。それも、最愛の夫を目の前にしての事である。 「クウウゥッ…」 余りの屈辱に噛み締めた麻美の唇から自然と嗚咽が漏れる。生まれてこの方、これほどの屈辱と羞恥を味わったことはなかった。 (ウグウゥッ…ど、どうして…こ、こんな…酷い…ウウウッ…こんな酷いことッ…ハアッ…い、嫌ッ…嫌よぉッ…) 俯き耐える麻美の表情が恥辱に歪む。 しかし、恥ずかしい恰好に縛り上げられた肉体は、麻美の意に反して益々昂ぶりを覚えてしまう。 「SM」と言う淫らな言葉と行為からもたらされる羞恥や屈辱、恥辱と言った感覚は、何やら得体の知れない疼きとなって、欲情しきった麻美の肉体をゾクゾクと刺激してくるのだ。 その刺激や感覚は、麻美が厳悪感を感じれば感じるほど、何とも言えないむず痒さを全身に溢れさせてしまう。 もはや麻美の肉体は男達の巧みな淫技と言葉により、羞恥の感覚でさえも快楽に変換してしまうほど淫らな物に造り替えられつつあった。 「フウゥッ…ッッフンンッ…ッハアァァッ…」 抑えようにも抑え切れない甘い吐息が麻美の唇から漏れる。 (アアッ…ど、どうしてッ?…どうしてこんなにも…身体が熱く疼いてしまうのッ?…ハアアッ…お、お願いッ…鎮まってぇッ!) 麻美の苦悶の表情を傍目に、男達はニヤニヤとした表情のままその様子を眺め続ける。 「どうした奥さん?…まさか、マジで感じちまってるなんてこたぁねえよな?…縛られただけで感じちまうような…そんな「変態」じゃねえよな?」 「嫁さんにしたい女、ナンバーワンだった「新庄麻美」がよぉ…実は「SM」が大好きな「変態女」だったたってバレてみな?…日本中の男どもがガッカリしちまうぜ?」 「おいおい恭二…そりゃ〜違うぜ?…そんな事がバレてみな…男どもは大喜びして、またまたナンバーワンに返り咲いちまうかもな?」 「ハハハハッ…違えねえや…清楚でお上品な「新庄麻美」が、夜になりゃ「SM」好きの「マゾ牝奴隷」になっちまうって考えりゃ…誰でも嫁に貰いたくなるってもんだ…」 男達は「ハッハッハッハッ…!」と高笑いを上げながら勝手な事を捲し立てる。 「フウゥッ…な、何を…馬鹿な…事ばかり…い、言わないでッ…ッッウンッ…」 からかうような男達の言葉に必死で抵抗の言葉を返す麻美であるが、既に睨みを効かせるだけの気力は残っておらず、俯いたまま頭を振って見せるだけだ。 「まあ、あの「新庄麻美」が…そんな「変態女」な訳ゃねか?…縛られて感じるなんざ、よっぽどの「変態」か「淫乱」ぐらいなもんだからな…」 麻美がどうしようもなく肉体を昂ぶらせているのを知りながら、田所は白々しい口調で言う。――と、クルリと後を振り返り、反対側のソファーで縛り上げられたままの三島へと視線を移す。 「…どうだい三島さん?…あんたの奥さんは、縛られて感じちまうような女なのか?」 言いながら田所はそのソファーへと足を進め、横たわる三島の表情を見下ろすように覗き込む。 「ウグググゥゥッ…」 三島は田所を睨み付けるような視線を返し、猿轡の噛まされた口からくぐもったうめき声を上げると、ブルブルと首を振る。 (ウググッ…ふ、ふざけた事ばかり言うんじゃないッ!…麻美が…麻美がそんな女な訳ないだろッ!…ば、馬鹿にするのもいい加減にしろッ!) 縛り上げられた身体を震わせながら三島は全身で怒りを露にする。 田所はニヤニヤとした表情のまま三島の肩を掴むと、グイッ…と上体を起こさせソファーに腰掛ける恰好をとらせる。そうして、自分もその隣へと腰を下ろし、険しい表情の三島の肩へと腕を廻す。 「それにしてもいい女だな…あんたの奥さんはよぉ…」 田所が表情を覗き込むようにして声を掛ければ、三島はキッとした視線で睨み付け「グウッ…ウグググゥゥッ…」とうめき声を荒げる。 そんな三島の反応をまるで気にする事もなく、田所は麻美へと視線を向け 「あれほどの女は…日本中探したって、そう居るもんじゃねえぜ?…いや、世界中探しても滅多にお目に掛かる事はできねえかもな…」 ニヤニヤとした表情のままそう告げると、再び三島へと視線を戻しグイッ…と肩を引き寄せる。 「あんたももう、充分いい思いしたんだろうが?…独り占めはよくねえってもんだ…なあ、三島さんよぉ…」 田所は三島の耳元でそう囁くと、「クククッ…」と笑みを零した後で更に言葉を続ける。 「…それに…あれだけの身体をしてるんだ…あんた一人じゃ満足させられねえんじゃねえのか?…奥さんも、かなり欲求不満が溜まってるみてえだしな?」 妻を嘲るような田所の言葉に、三島は何か言たげな視線を返すが、猿轡の下からは「ウグググゥゥッ…」と言ううめきしか漏れず。 田所はそんな三島の反応にも構う素振りは見せず、更に言葉を続ける。 「三島さん…あんた奥さんとちゃ〜んとセックスしてたのか?…ちゃんと奥さんを気持ち良くしてやってたのか?…どうせ真面目なあんた等の事だ…オママゴト程度のセックスしかやってねえんだろ?」 田所の言葉に、三島は例えようのない怒りが湧き上がるのを抑えきれないでいた。 (ちくしょうッ…ど、どうしてこんな下衆な男達に…麻美をいいようにされなければならないんだッ…どうしてッ…) 三島は内心で叫びながら、チラリと妻の様子を覗う。 (アアッ…麻美ッ…こんな男達に弄ばれて…さぞや不快な思いをしてるんだろうね…でも、今日一日…今日一日だけ、我慢してくれ…そうすればきっと…またもとの生活に戻れるんだ…) 妻へと勇気付けるような視線を送る三島を、田所はニヤニヤと見遣りながら 「なあ三島さん…奥さんが本当に感じてる姿を、あんた見た事あるのか?…我を忘れるくらいにヨガリ泣いて…マン汁噴き零してる姿をな…」 田所の下品な言葉に、三島は怒りの篭った視線を返し「グウウウゥゥッ…」とうめく。 (あ、麻美が…そんなはしたない姿を晒すわけないじゃないかッ!…馬鹿にするのもいい加減にしろ!…麻美は…麻美は…お前らの知ってるような下衆な女達とは訳が違うんだッ!…そんな女どもと、一緒にするんじゃないッ!) 三島の眼が怒りに見開かれる。それでも田所はニヤニヤとした表情を崩す事はなく、三島の心情を玩ぶような言葉を続ける。 「あんたも見てただろ?…俺達に身体をまさぐられて、色っぽい声を零してる奥さんの姿を…」 と、一旦言葉を切り、三島の表情を覗い 「…あんたにはどんな風に見えた?…欲求不満な奥さんが、俺等みてえな男達に触られまくって…感じてるようには見えなかったか?」 田所はそう言うと、再び三島の肩を引き寄せ「なあ?どうだ?」と耳元で訊ねる。 しかし、猿轡を噛まされている三島にはどうにも応える事は出来ず、「ウグググゥゥッ…」と呻き声を漏らしながら、険しい表情で睨み返す。 (ば、馬鹿にするなッ!…麻美は…お前らみたいな下衆な男達に身体を触られて…厳悪感に身を捩っていただけじゃないかッ!…気持ち悪さに、呻き声を上げていただけだッ!…感じてたなんて…ふざけた事を言うんじゃないッ!) 男達のいたぶりによる妻の苦悶の表情や声を、三島は厳悪感からくるもの以外の何物でもないと考えていた。愛する妻の肉体が、下衆な男達による色責めで欲情させられてしまっているなどとは思いもつかないのだ。 「まあ、三島さん…あんたが満足させられなくっても…俺達がちゃ〜んと満足させてやるからよぉ…黙って見てな…あんたの奥さんを、心ゆくまで感じさせてやるよ…病み付きになっちまうくらいにな…」 田所はそこまで言うと「クククッ…」とほくそ笑みながら麻美へと視線を向ける。 三島は田所の言葉に多少の不安を覚えながらも、麻美に限ってそんな事がある筈はないと心に決め込み、厭らしい目付きで妻を見遣る男を睨み付ける。 (お前らなんかに…お前らなんかに、麻美が感じる筈がないじゃないかッ!…愛情の欠片もないお前らに嬲られて…麻美が快楽を感じるなんて…そんな事がある訳ないじゃないかッ!) 実際、結婚してからの6年間の夫婦の営みの中でも、麻美が我を忘れるほど快楽を感じている姿など一度も目にした事はなかったし、そんな姿を想像することも出来なかった。 麻美はお上品でおしとやかな女性なのだ。それ以上の快楽を求める事も、ましてや快楽に我を忘れる事などある筈がないと思った。快楽よりも愛情なのだと…愛があればこそ、そこに快楽が芽生えるのだと…そして、麻美もそれで充分満足しているのだと確信していた。 田所を睨み付けていた三島も、フッと我に返ったように表情を緩め、忌まわしい拘束を受けている妻へと視線を向ける。この状況に於いて、出来る限り暖かく見守るような視線を… (つづく) |