薫はちょっと意外だった。まさかご不浄につれていってもらえるとは思わなかったからだ。縁は手早く鎖をほどくと薫の両腕を後ろに回し縛った。そして、薫をトイレに連れていった。薫がトイレにはいると、縁はこう言った。
「このご不浄は中から鍵が掛けられないんだ。でも30数える間、待ってあげるから。その間に済ませたかったら済ませて。30過ぎたら戸を開けるからね。もし、俺に見られたいのなら30過ぎまで我慢してくださいね」
そういって戸を閉めた。
(馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。誰がおまえなんかに見せたいわけ?)
そう思いながら薫は便器にしゃがんだ。
(はあ、間に合った)
そう思ったのはまだ早かった。薫は下半身の力を抜いて排泄しようとした。しかし出ないのだ。
「30、29、28・・・」
戸の外では縁のカウントダウンが聞こえる。
そう、腸の中で膨らんでいる風船が栓の役割をして排泄のじゃまをしているのだ。そうとは気づかない薫は懸命に力を入れてふんばった。
「25、24、23・・・」
薫は懸命になって排泄しようとした。しかしどうしてもでてこない。
「21、20、19・・・」
そのころになってようやく薫は先ほど、最後に肛門に刺された棒が悪さをしているのだと気づいた。しかし、両腕を縛られているため、そこに手が届かない。
「16、15、14・・・」
薫は身体をくねらせ何とか棒とともに排泄しようと試みてみた。
「11、10、9・・・」
すでに全身が総毛立っている。おなかは耐えられないほど張っている。出したいし出せるけど出ない。出るのは小水だけだった。
「3、2、1、0・・・時間だよ」
そういう縁の声とともにドアが開いた。それとともに、薫は苦痛の余り失神してしまった。
To be continued.
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