目録へ  悶絶投稿へ戻る  


  第1章 乙女を剥く −1−

 地下室に連れ込まれると、薫は天井から釣り下がっていた鎖に手錠を引っ掛けられ、宙に吊るされた。薫の足はつま先がわずかばかり床についている。

「ふふ。いい格好だね。じゃあ、まずはお嬢ちゃんの身体をじっくり見せてもらおうか」

そういって、縁は無造作に薫に近づく。

「!」

薫の狙い済ました蹴りのはずだった。しかし、縁はそれを十分予期していた。

「ふーん。まあ、そう簡単に落ちるとは思っていなかったけれど、さすがだね。どこまで抵抗できるか楽しみだよ」

そういうと縁は壁にかかっていた鞭を手に取ると、床に数回打ち付けた。

「この鞭はね、乗馬の鞭とは違うんだよ。大陸のほうで武器として使われていたものだから、皮膚にあたるとそこの皮膚が切れるんだよ。手足の指にあたったら、指の2、3本はちぎれちゃうだろうね・・・それ!」

縁は薫の足元に鞭を打ち下ろす。

「!」

薫は反射的に足を上げてよける。薫が足を下ろしたところを見計らって再度縁は鞭を打ち下ろす。

 5度、10度、同じことが繰り返された。あげる足がだんだん重くなり、よける高さもだんだん低くなっている。
それを見ると縁は

「ほら、足がだんだん下がってきているよ。今度こそ指を2、3本、もいでるかな」

とつぶやく。それを聞いた薫は必死の思いで足を上げる。

 薫にとって厄介だったのは、完全な宙吊りでなかったことだ。
足を下ろしたら、つま先に体重がかかる。
つま先でたってもも上げをしているようなもので、筋肉が休まる暇がない。

 何度目のことだったろうか。
ついに薫は足を上げる力を失ってしまった。
足元に鞭が振り下ろされた瞬間、薫は目をつぶり、足の痛みに耐えようとした。

 しかし、鞭は薫の足元のわずか横をたたいただけだった。

 縁は知っていた。身体の傷はいつか癒える。
だから身体に傷をつけて屈服させても、傷が治ればまた言うことをきかなくなる。
しかし、心に受けた傷は決して癒されない。
だから、薫を落とすには身体でなく心に傷をつけないといけない、と。
だから、縁は薫にぎりぎりあたらない場所に鞭を打ち下ろしていた。
しかし、薫はそれに気がつかなかった。

 薫の体力が尽きたと知った縁は、再び薫に近づく。

「さて、じゃあ、もう一度ためしてみますよ。嫌だったら遠慮無く蹴って下さいね」

もう薫に縁を蹴る余力はなかった。

「そうですか。イヤじゃないんですね。それじゃぁ遠慮無く・・・」

そう言うと、縁は薫の稽古着の胸のあわせに手をやるとバッと開いた。
白いさらしがあらわになる。

「ん!」

薫は身体を揺らして抵抗するが、それが精一杯だった。
縁は手に持っていた小刀で稽古着を切り裂き、ぼろきれとなった稽古着は床にはらりと落ちた。

「ふーん。思ったより胸が大きいのですね」

縁はそう言いながら、薫の胸のふくらみをを覗く。

(いや!恥ずかしい!!)

そして、縁はさらしの端の部分をみつけると、ゆっくりと解き始めた。

(いや、お願い!、それだけは許して!)

薫はそう叫んだ・・・つもりだった。
しかし、猿轡を通すと単なるうめき声にしかならない。

 はらりと、さらしが床の上に落ちる。

 薫は反射的に目をそむけた。

「ほお、つりさげられてるにしてはずいぶんいい形をしてますね。また、色白な肌に、桃色の乳首が映えますね」

縁は薫の胸の側に顔を近づけると舐めるように見る。

(まだ・・・誰にも見せたことがなかったのに・・・)

薫は泣き出したかった。しかし、ここで泣いては負け。
そう言い聞かせると、涙をこらえて縁をにらみつける。

To be continued.


悶絶投稿へ戻る 戻る 進む