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 その2

しかし後ろ手にはめられた拘束具はガッチリ食いこんで、いくら揺さぶっても緩む気配すらなく、両脚は太股の留め金はおろか足首を固定している鎖もビクともしない。
樹璃が自由を取り戻そうと足掻く間にも水は腰の辺りまで迫ってきていた。
水温が低いためか体温が奪われその分疲労度が倍加される。
腹部の辺りがキリキリ痛み、より一層の排出要求が訴えられ始める。
な、なんとかしないと...
気ばかり焦るが体は全く動かない。
樹璃はその苦しみに、唇をかみ締めた。
まさに絶体絶命だ。

そんな樹璃の様子を能面のような顔つきでじっと見詰める枝織。
浣腸された不自由な裸身をみじめにくねらせることくらいしかできない樹璃さん。
最高に無様だわ...
こちらが震え出したくなるくらいに...
もっともっと喘いでよ、苦しんでよ...それが...それが..
楽しいのよ!

ゴボゴボゴボ...
一定の間隔で水は溜まっていく。
なんとかこの状況を打開しようとするが、どうにもならないもどかしさ。
かつて笑いあったあの日々は何だったの...?枝織...
学園に戻ってきてから、もしかしたら、かつての楽しい時代を取り戻せるかもしれないと思っていたのに。
そして私の想いをいつかきっと伝えられる日が来ると...
それがどうしてこうなってしまったの..?
樹璃は煩悶するが答えは見えない。
やるせなさと悔しさに歯噛みするしかない。

「あら、樹璃さん。もう水が首のところまで来たわね。あなたが己の内にたっぷり溜め込んだ汚らわしいものを垂れ流して、汚物にまみれながら溺れるのを想像するだけでも...たまらない快感なのよ...」
「し、枝織! 眼を覚ますんだ!!もうこんなことは終わりにしてくれ!」
「じゃあ、私のこと正直に”好き”って言ってくれる?」
「え!?」
「驚くことないじゃない。私のこと好きなんでしょ?」
「そ、それは....」
「私も自分のことを好きっていってくれる人を苦しめるようなことはしたくないわ。樹璃さん、これっていいチャンスじゃない。ここで言っちゃえば奇跡の力も必要無くなるし、不毛な決闘ゲームに参加する手間も省けるのよ」
そう言うと、枝織はバルブをまわして水を止めた。

その間も樹璃は激しい便意ではぜそうな肛門をなんとかすぼめて耐えている。
体が震えているようにも見える。
あれだけの量の浣腸をされて、どれだけの時間が経っているのだろうか?
今までもっているのが不思議なくらいだ。

「正直に告白してくれたら、私の奴隷くらいにしてあげてもいいのよ。樹璃さん、あなたもそれで幸せなんでしょ。愛しているものに身を委ねるってのも案外気持ちのいいものなのよ」
枝織はとどめの一言を漏らす。

ああ...枝織...
もちろん今でも枝織のことを愛している気持ちに偽りはない。
でもそれは眼の前の枝織では決してない。
人形のように心がない枝織に愛を伝えたところで、なんの意味もないだろう。
しかも奴隷になれとまで平気でいうとは....
だが枝織に対しては憎しみという感情よりも、むしろ慈愛に満ちた気持ちが沸きあがってくる。
私は、枝織を救ってあげたい。
元の枝織に戻してあげたい...

でもきっちり拘束された上に、腸がのたうちまわるような便意は着実に樹璃を追い詰める。
しかも喉元まで迫った水面も無言の圧力を加えてくる。

しかし樹璃に残された手段はそんな不安を振り払うかのように強気に振舞うしかない。
本当に枝織を想う心、そして気高ささえ失わなければきっと元に戻ってくれる。
きっとわかってくれる。
自分が責めに屈してしまい、落ちてしまえばそれまでだ...
そこで勝負は終わる。
樹璃は肉体に与えられる苦痛をひた隠して、優しく微笑みながら語りかけた。

「枝織、君は洗脳されているんだ。今に助けてあげるよ」


やはりこれくらいでは落ちないか...
一部始終を部屋の片隅で眺めている理事長を名乗る謎の男は感心した。
さすがに美しき雌豹とも呼ばれるだけのことはある。
その強さ、美しさ、そして精神の気高さは相当なものだ。
まあ、それだけ屈伏させがいがあるというものだがな...
肉体に対する苦痛だけではなく、精神をも崩壊させる。
それを成し遂げて初めて君みたいなじゃじゃ馬を屈伏させたことになるからね。
高槻枝織君は君が思っている以上に心に傷を負っていたよ。
それを私が切り裂き、修復不能になるまで広げてあげたんだ。
今の枝織君は樹璃、君に対する敵愾心の塊なんだよ。
それが分かった時、精神が耐えきれるのか...じっくり見せてもらおう...


樹璃の言葉にピクリと枝織は反応する。
ゆらりと顔を樹璃のほうに向ける。
だがその顔にはあからさまに侮蔑の色が浮かべられていた。

「そんな状態で私を助けるですって? やれるものならやってみなさいよ! これを飲んでまだそんな口が叩けたらね」

そういうと枝織は手にしたコップに満たされた液体を樹璃の口元に持っていき、鼻をつまんで無理矢理飲みこませる。
樹璃は吐き出そうとするが、枝織によって巧みに飲まされていく。

「フフフ、今飲んでもらったのは強力な下剤と利尿剤よ。しかも即効性のね。
これであなたは下の穴から汚物を吐きだすしかなくなったわけね」
 
ただでさえ爛れそうなほどの苦痛と戦っているというのに、更に下剤を飲まされるつらさ。
早くも効果を表しはじめたのか、より一層荒ぶる便意。
それどころか尿意までもが込み上げてくる。
くっ...どうすればいい...もう我慢などでき...ない...
水面から浮き上がった顔には脂汗が浮かんでは流れては落ちる。
あぐっ...し、枝織、私の言っていることが分からないのか...?
どうして....?

焦燥と排泄の要求にジリジリと頭の中が焼け焦げてきているようだ...
も、もう我慢....できない...
頼むから....笑わないでくれ....
ああっ!!!
一瞬頭の中が真っ白になる...

限界を超えた便意は臨界点を突破し、その排泄物はすさまじい勢いを持って水中に吐き出される。
たちまち水槽内の水は濁った色へと変色していく。
同時に利尿剤のせいか、排尿も行われたようだ。

がっくりとうなだれる樹璃。
おそるおそる枝織を見る。
そのとき

「キャハハハハハハ!!!最高ね、樹璃さん!!いいかっこよ、フ、フハハッハ、もうおかしくて苦しいくらいだわ...」

目の前で笑い転げる枝織。樹璃にしては最も見たく無かった光景だ。

「クハハハハ、ヒー、た、たまらないわ...なにが美しい雌豹よ、なにが気高い存在よ...自分の排泄物にまみれた姿では、ちゃんちゃらおかしいわね!」
「もう,...やめてくれ....」
消え入りそうな声で樹璃はつぶやく。
「どう、これでもうあなたは特別な存在じゃないのよ。私と対等、いえそれ以下ね。これで私の奴隷になる決心はついたかしら?」
「そ、それはできない....そんなことはできないよ、枝織!!」
「へえ、そうなの。このごに及んでまだそんなことを言う。言いたくないのならそんな口は塞いであげるわ。いつまでそんな態度をとってられるのかしらね!!」
バルブを開放すると再び水位があがり始める。

「や、やめるんだ枝織...ガボ...ゴバ...ゲボ...」
口を開けても水が入ってくるだけで声にならない。
それでも水位は上がりつづける。
このままでは...
樹璃は迫りくる水の恐怖と必死になって格闘せねばならなかった。
孤独な戦いは続く




号外号外号外!
いよいよ始まる水責めの真骨頂、その恐怖の前に樹璃さんはその気高い精神を維持できるのか?




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