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  ミズ・アメリカーナ:首輪                                          いぬかみ訳

ミズ・アメリカーナ:首輪
(原題:MS Americana:The Collar by Dark One)


第四章 奴隷競売


「跪け、奴隷女ブレンダ」
邪悪なワンダが言った。
「そうしたら腰を下ろして。良し、膝を広げて、大きく・・・もっと・・・良し。さて、ハイヒールを掴んでお前のデカパイを突き出すんだ。凄くいいよ!顎を上げて、そのままの姿勢を保つんだ」
 ブレンダは命令通りその姿勢を保った。他に選択の余地は無かった。命令の度に首輪から熱い魔法が全身を流れ、命令に従う他何も出来なくしていた。
次にキャンディがダミアンに連れて来られた。そして、そこにいる邪悪なワンダが命令を下し、ブレンダの横に同じ姿勢を取らせた。

クラブ・ガーガの階下にあるメイン・ダンスフロアの真ん中に、ブレンダを含め12人の売り物に成る奴隷女が長い列を作って展示されていた。上の階にあるVIPラウンジから、男と女の話し声がかすかに聞こえてくる。
 奴隷女達が一列に並んで跪き魅惑的な姿勢を取ると、邪悪なワンダは客達に、下に来て商品を見るよう招待した。
奴隷女を見に降りてくる二十人程のデルタ・シティで最も下劣で悪名高い売春宿の経営者やマダム達の姿を、列の中程にいたブレンダは視界の隅に認めた。
ミズ・アメリカーナとして手入れをし、少なくとも一度は逮捕した事がある者ばかりだった。
 彼らは、展示された商品女を査定しながら列の前を歩いた。ブレンダは、彼らが奴隷女の胸を揉んだり摘んだり、そして無抵抗の秘所を弄んだりしながら次第に近付いて来るのを見ていた。
 ブレンダ・ウェイドは売春業者に売られ、街で働かされる事に成るのだ。それは避けられない事だった。
そう考えるとブレンダは気が遠くなりそうだった。これでブレンダ・ウェイドはお終いなのか?これでミズ・アメリカーナもお終いなのだろうか?
 最初の売春業者、ダ・ランスが彼女の処へ来て、彼の黒い残忍な眼に、認識の輝き浮んだ時、一筋の涙がブレンダの頬を伝わり落ちた。
「ウヒャー、邪悪なワンダ!お前ブレンダ・ウェイドを捕まえたのか? 本物のブレンダ・ウェイドか?」
ダ・ランスは大声を上げた。喜んで踊り出さんばかりだった。
「糞ったれ女め、この女は興奮させるぜ」
「まあ、何と言うことでしょう、この嫌な臭いのする良い娘の良い娘の“ブレンダ・ワタシハアナタタチヨリズットマシナニンゲンヨ・ウェイド”は売り物なの?」
女主人のタビサが言った。美しい赤毛の女がブレンダの前にブーツの片膝を付き、ブレンダの股間に手を当てた。
「彼女濡れてるわ。本当に濡らしてる。直ぐにも始めたいみたいよ。結局彼女は、私達より益しな人間じゃなかったのね」
「ええ、彼女を“走らせる”のはとても興奮します、私が保証しますわ」
邪悪なワンダは笑った。
「彼女、昨日の晩から今朝まで、休みなしでやりっぱなしだったんですよ」
ワンダは一同を笑いの渦に巻き込んだ。
「実際、彼女は胃袋一杯の精液を三回も吐いたんです、何故って、我々がずっと精液を満たし続けたからです、満たし過ぎたかもしれませんけど・・・」
 売春宿の主人とマダム達は爆笑した。そしてブレンダを取り囲み、彼女の彫像の様な肉体を隅々に至るまで弄び始めた。撫で廻し弄び、摘んだり絞ったり、ブレンダが快楽に狂い、絶頂を求めそして絶頂に至り歓喜の嬌声を上げるまで、それは続いた。
やがて一同は、その朝行われる競売に出品される他の奴隷女達の品定めの為、散って行った。

 競売はビックリするほど速く進行した。殆どの女は、ほんの一分か二分の間に数千ドルの値で落札された。ブレンダは最後まで保留されていた。全員が競り落としたいと願っていたからだ。
ブレンダの入札は、値が急騰する凄まじいものだった。邪悪なワンダ競売人の役割をする必要も無かった。全員がただ買値を叫び始め、それは15万3千ドルに到達するまで続いた。
悪辣な売春業への落札の時が刻々と近付いて行く間、ブレンダは次第に息苦しくなって行った。そして、その間中、ブレンダは性的欲望が次第に膨らんで行くのを感じていた。股間から下腹部へそして更に上体へと熱いものが広がって行く。
ブレンダは、落札が告げられた時には汗をかいていた。

「奴隷女ブレンダは、ダ・ランスさんが落札しました」
邪悪なワンダが嬉しそうに大声を上げた。
「そして、権力者の転落でもあります!」
「あぁぁーーーー!」
ブレンダは怖気を振るって叫んだ。
「貴方何をしたの?」
「そう、嘗ては権力の座にいた者が最低の売女に落ちたところさ」
ダ・ランスはニンマリして言った。ダ・ランスは、獲得した賞品に眼を向けたまま、
「俺は、このミス高慢ちきにきっちりと借りを返したいんだ。この女は一度俺を大衆の面前で笑いものにしやがった、それに警官やミズ・アメリカーナとレディ・ミッドナイトを二度も俺にけしかけやがったんだ。一回目は12ヶ月、その次は24ヶ月、こいつとミズ・アメリカーナのおかげで臭い飯を食ったんだ。」
 ダ・ランスは、黒い太い手でブレンダの顎を掴み、彼女が呻き涙を流すまで締め上げた。
「お前は俺の事を地上のカスと言ったな、それに最低の生き物だとも言ったな。いいだろう、姉ちゃん、俺の娼婦に成るって事は、お前は俺よりも下等だって事だぞ」
 ダ・ランスはブレンダを床に押し倒し腹を蹴りつけた。爆発する様に息を吐き出したブレンダは、悲鳴を上げながら喘いだ。続いてダ・ランスは背中を蹴りつけ、拡げたブレンダの両脚の間に跪いた。
ブレンダは、毛嫌いしていた売春業者がズボンのジッパーを下ろし、大きな黒い肉棒を取り出すのを見ていた。ダ・ランスは、冷たいタイルの床にブレンダ仰向けに押し倒し、肉棒を彼女の秘唇に導き入れると、満足しきった様な残忍な笑みを浮かべた。
「ウウググ・・・」
秘唇の奥深く肉棒を押し入れられ、ブレンダは悲鳴を上げた。今ブレンダは激しく欲情していたが、その事に強い恥辱をも感じていた。
「お慈悲を。御主人様、どうかお許しください」
「その言葉気に言ったぜ」
ダ・ランスは抽送を開始し、最も憎むべき敵の一人を叩きのめす様な気分で、熱い、屈伏する秘肉の感触を楽しみつつ言った。
「御主人様だと。嬉しい事を言うじゃねえか。お前が口にすべき正しい言葉だ。もい一度俺をご主人様と呼んでみろ」
 ブレンダは興奮した眼つきでダ・ランスの逞しい肩を掴み、
「御主人様!」
「誰がお前の御主人様だ?」
ダ・ランスは、ブレンダの下腹部が激しく蠢くのを感じながら言った。彼女は絶頂寸前だった。
「貴方が私の御主人様です!」
「全くその通りだぜ、この愚かで卑屈な白ブタめ」
ダ・ランスは言うと、今度は彼女について聞いた。
「お前は何だ?」
「貴方の愚かな白人奴隷雌犬です、御主人様」
「全くお前は良く分かってるな」
ダ・ランスは唸った。
ダ・ランスは次第にピッチを上げて行った。ブレンダは嬌声を上げ、腰を激しく捩じらせて、ダ・ランスの動きに合わせて始めた。ブレンダは、赤く塗られた長い爪をダ・ランスの肩に食い込ませ、艶かしい長い両脚を天上に向けてV字型に伸ばした。
「御主人様!御主人様!」
ブレンダは大声で言った。
「嗚呼、貴方は私の御主人様で御座います!」
その叫び声と共に、最早ブレンダ・ウェイドは自分自身を制御出来ず、驚異的な、邪悪の熱に圧倒され、一気に絶頂の高みに駆け上って行った。それは、以前何も持たなかったかの様にブレンダをバラバラに切り裂いた。そして彼女に残ったのは、弱小感と無力感だった。

「アアァァァァィィィィーーーー・・・ウ・・ウ・・イェェェェェェェォォォォォゥゥゥ!」
「ブレンダ・ウェイドは公式に征服され、そして屈伏させられました」
邪悪なワンダは大声で宣言し、皆を喜ばせた。

 ダ・ランスはこの高価な買い物に非常に満足していた。彼は奴隷女娼婦、ブレンダ・ウェイドを使って皆を楽しませたのだった。そして、彼ら全員、彼女の屈伏し絶頂してガタガタ震えている肉体を使って、野蛮で邪悪なそして最も変態的な要望に耽った。ブレンダの凌辱は昼まで続いた。そしてブレンダは再び失神していた。

 ダ・ランスは、完全に堕落し疲れ果てている購入品を抱え上げ彼の車へ運んだ。ブレンダは彼の家へ連れて行かれた後、三人の女に身体を洗ってもらった。ほんの二、三時間の仮眠を許され、セクシーな三人組みの女に起され眼を覚ました。そしてブレンダは、赤革の服、黒の超ミニ・スカート、そして腿までの赤いブーツから成る仕事着を着せられた。三人は、銀の大きな環状イアリングを着け、それに似合う銀の腕輪を手首に着けた。そしてブレンダは、彼女の支配者であり主人である、悪名高い売春業者、ダ・ランスに引き渡されたのだった。

「御主人様、準備が整いました」
ブレンダは、大きな黒人の前に跪いて言った。
「お前、すっごくいかしてるぜ」
ダ・ランスは唸った。
「お前、少なくとも千ドルは稼ぐんだぞ、雌犬、さもないと、今晩お前の白く丸いケツでヨガリ声を上げさせてやる」
「私、頑張ります、御主人様」
「頑張るだけじゃ駄目だ、実際に稼ぐんだ」
「分かりました、御主人様」

 ブレンダは街角へ連れて行かれ、仕事を始める様命令された。ダ・ランスが支配する他の十人の女もブレンダと一緒だった。彼女達はブレンダに仕事の仕方を教え、ブレンダが逃亡しない様見張る役目もあったが、逃亡する事も、新しい主人のどんな命令に対する不服従もブレンダの首輪が許さない、という事を知らなかった。命令は命令であり、それを気に入ろうが気に入るまいが、ブレンダは命令を遂行するのだ。

 彼女達は、同じ街角にある安モーテルを使っていた。ブレンダは、キャデラックに乗ってゆっくり近付いて来た最初の男を、モーテルの駐車場に案内した。男は中年で頭の禿げた中間管理職タイプの白人だった。
ブレンダは、男の続いてモーテルに入り、男に部屋代を支払わせた。しかしその部屋代は、ダ・ランスが既に支払っていたので、男はモーテルの主人から半額返してもらう事が出来た。
 次にブレンダは太った年寄りの男を部屋に入れ、高額の報酬の為に彼の変態的要望に全て答えた。
 ブレンダは、その夜午前二時を過ぎまで熱心に娼婦としての仕事を続けた。同じ部屋で別の男と、次から次へとブレンダは男の肉棒を口で奉仕し、あらゆる方法で犯された。口や秘所以外の場合には特別料金を請求した。誰一人として、買った娼婦が極め付きの美女である事、そしてその美女が何でも喜んで奉仕してくれる事が信じられなかった。それは料金の為だった。彼女の主人が金が、それも沢山の金を欲したからだった。

 ブレンダは、あらゆる種類の男と関係を持った。ヒスパニック、黒人、アジア人、白人、大男、小男、背の低い男、太った男、そして痩せた男、無礼な男、内気な男、攻撃的で乱暴な男。ブレンダは、全ての男達に、その束の間の満足の為に奉仕した。実際、全員が彼女の仕事ぶりに対して非常に満足していた。彼女ほど楽しく、客を喜ばせるのに熱心な娼婦は他に殆どいないからだった。

 それがブレンダ・ウェイドの生活だった。ブレンダは直ぐにその生活に慣れた。二日後にはそれを受け入れていた。その週が終らない内に、ブレンダは新しい生活、特に悪徳と思われる性行為を本当に楽しんでいた。あっという間にブレンダは、自由に成る事を夢見る事さえも止めていた。一週間もしない内に、性行為も売春行為とも関係ない夢を見ることすら無くなっていた。一月もすると、ブレンダは、ソロの高級コール・ガールとして働いき、悪い時でも一晩で数千ドルを稼いでいた。
 38日後には、ブレンダは、ダ・ランスが彼女を買うのに使った15万ドルを稼ぎ返していた。

 ランスと過ごした八週間の後、即ちクラブガーガの“聖域”に足を踏み入れてから56日後、ブレンダ・ウェイドは、悪名高い赤線地帯の心臓部に深く入った69番街とリチャーズ通りとの交差点で働いていた。仕事は順調だった。
「おい、“ブーツを履いたマンコちゃん”ここへ来てその素晴らしいおっぱいを張り出してみてくれないか」
若い、かなりイケメン男が、青いメルセデスの中から声を掛けた。ブレンダは妖艶に笑みを浮かべ、ゆっくりと色気を振りまきながら近付いた。
「いくらだい?」
「デートの相手を探してんのかい、兄さん?」
ブレンダは、赤い唇を歪め笑みを浮かべて言った。眼が悦びに輝いていた。彼に近付いてみるともっと良い男に見えた。逞しい男だった。
「50ドルでいいよ、良い男さん」
男は眼を輝かせた。
「本当か? たった50ドル? それで50ドルで何をしてくれるんだい?」
「フェラと本番」
ブレンダは、誘うような目付きで言った。
「もし、もっと何か、特別なものをお望みなら、相談に乗るわよ」
「これと相談するんだな、売女」
背後で厳しい男の声がした。
 ブレンダは、反応する暇も無く、何者かに首の後ろを捕まれ、車の屋根に押付けられた。両手首も掴まれ、熟練した技で一緒に背中に引き付けられ、そして手錠が嵌められるのを感じた。
「売春行為でお前を逮捕する」
メルセデスの中の逞しい男が言った。男は笑うと車で遠ざかって行った。
ブレンダが車から引き離された時、男は言い残した、
「下品な娼婦の時に学ぶんだったな」
「いやよ!」
ブレンダは大声をあげ、死に物狂いで暴れた。
ブレンダは、蹴飛ばされながら警察のワゴン車に引っ張って行かれる間中叫び声を上げた。ブレンダは、
その夜逮捕された20人の女達の内の最初に逮捕された事を知った。数時間後、警察署へ到着すると、取調べが始まった。指紋を取られ、写真を撮られそして裸にされて調べられた。
裸身体検査を受けたブレンダは、生活に変化をきたした事に気付いた。と言うのは、魔法がかけられた首輪が取り除かれたからである。

ブレンダは眼が覚めた様な気がした。ブレンダは、過去八週間に間の出来事を何一つ覚えていなかった。しかし、彼女の最後の記憶は、エレベータの中で首輪を取り付けられた事であり、首輪を取り外された途端、彼女の意識に戻り、売春罪で逮捕されここにいると言う事から、容易に何が起こったかを想像する事が出来た。
首輪の魔法から解放されたとは言え、裸にされ、腰を折った姿勢を取らされ、秘所を含む全身検査を免れた訳ではなかった。
がっしりした体格の婦人警官がブレンダの取調べを担当した。婦人警官は、魔法に掛けられたとか、白人奴隷として売られたと言うブレンダの話は聞きたくは無かった。ブレンダは、特に金持ちで美しかったが、単なる一娼婦なのだ。
 一時間後、ブレンダは電話を掛けた。ブレンダは弁護士に電話をし、そして弁護士はリディアに連絡を取った。一時間もしない内に、ブレンダは弁護士の保護の下釈放された。
テレビやラジオのニュース番組は、“女性運動家として有名なブレンダ・ウェイド”がシュガー・タウンで一般娼婦として逮捕された、と言うニュースを大々的に報道した。


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