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  ミズ・アメリカーナ:運命の逆転                             いぬかみ訳

第七章 奈落の底

 ブレンダ・ウェイドの薄青色の眼が暗闇の中で大きく開いた。寒く、湿った暗闇だった。その時、強烈な悪臭が鼻をついた。
「グッ、ク、クサー」 
 堪え難い程の悪臭に鼻をつまみながら、ブレンダが居場所を変えると、身体を支えている得体の知れない物も蠢き、居場所を変えた。
「ここは何処だろう?」
頭を持ち上げると、何か金属の様な物にぶつかリ、鈍いガンという音がした。
「何の音? ブレンダなの?」
 直ぐ横の暗闇からリディアの声がした。リディアが身体を動かすと、グシャ、グシャという音がした。
「ここはどこかしら?」
「私と一緒よ」ブレンダが言った。「ここが何処であれね」
「奈落の底に居るみたい」 リディアはそう言って唸り声を上げた。
「嗚呼、体中が痛いわ」
「私もよ」
ブレンダは、突然痛みと疼きの理由を思い出し顔をしかめた。
「フェリシティと使用人達がこんな目に遭わせたんだわ」
 グシャ、グシャという音が強まると、続いてバンという音がした。
「痛い」 リディアが大声を上げた。
「ゴミ溜の中だわ!」
 ブレンダは、辛い一夜が終った時の事を思い出した。
「私達、赤線地域に連れてこられ、このゴミ溜の中に捨てられたのよ。思い出したわ。その後で、ここに閉じ込めておく為に私達をブラック・ジャックで殴ったんだわ。あの裏切り者どもが」
「そうだったわね」リディアが弱々しく言った。
「傷の山の天辺に一寸別の屈辱が積み重なっただけよね」
「この蓋をどけるの手伝ってくれない」
 二人は力を合わせてゴミ溜の蓋を押し上げ、やっと開ける事が出来た。外は霧雨が降っていた。

 ブレンダは辺りを見回した。人影は見当たらなかった。しかし、辺りに散乱する山の様なゴミや土塊の背後には、沢山の浮浪者達が隠れているかも知れない。あるいは、何十人もの売春業者達が、彼女達に襲いかかり薬で眠らせて悍しい売春婦に貶めようと待ち構えているかも知れなかった。
「今の私の気持を表すのにピッタリの天気ね」ブレンダは皮肉まじりに悪態をついた。

 フェリシティは、ブレンダの人生最悪の日を更に悪くする方法を考えていた。それは、デルタ・シティの最も不快で危険な赤線地域の真中に、冷たい雨の降る日に二人を放り出す事だった。
 ブレンダは視線を落し、自分の姿を見た。
「ウワッ!汚い、見て、私、酷い姿だわ」
「私もだわ」リディアは不満を訴える様に甲高い声で言った。
「体中に纏わり付いた乾いた精液が雨に濡れて体中がヌルヌルする」
 リディアは最も精液がまとわり付いている所を拭い取り始めた。
「気色悪過ぎる?」

 ブレンダは警戒しながらゴミ溜から這い出した。濡れたゴミ溜の鉄の枠が熱い肌に冷たく感じられ背筋がゾクッっとした。続いてリディアも這い出て来た。二人はゴミの山の間を探索し、比較的きれいな紙ナプキンを見つけると身体の隅々迄拭き清め始めた。

 雨は霧雨から小雨に変わっていた。
「あーあ、全くついてないわね」リディアが再度不平を言った。
「苦あれば楽有りよ」 ブレンダは、突然襲った人生の苦悩の中にも明るい点を見付だそうとして言った。
「雨が、私達の体中と髪についた精液を落すのを手伝ってくれるわ」
 それに答えるかの様に、雨足が劇的に強まった。ブレンダは天を見上げ、自分が今の状態に相応しいどんな事をしたのか思案した。
 すぐに、乱れた黒髪はぐっしょりと濡れ、水滴が滴り落ち、肉体は薄い水の層でてかり出すと、ネバネバする精液を掻き落すのが楽に成った。二人は、今の状況でなし得る限りの清潔さを取り戻す迄長くは掛からなかった。
 勿論、冷たい雨は他の影響も与えていた。二人は鳥肌が立ち、乳首は固く屹立していた。
「もっと悪い状況に成ってたかも・・・」
 ブレンダは、二人を濡れそぼらせている低い雨雲を厳しい目で見上げながら考え込んだ。
「どんな風に?」 リディアが尋ねた。
 彼女の声には、明らかに感情の高ぶりが現れていた。ブレンダは肩をすくめ、
「フェリシティは、私達を何処かの売春業者に引き渡す事くらいは簡単に出来た筈だわ。散々陵辱された後では、引き渡された性商人の前では何も出来なかったでしょうね。ここは危険だから今直ぐ別の場所へ移動した方が良いわ」
 リディアは両腕を身体に巻き付け震えながら視線を落した。
「その為には服が要るわ」リディアが当然の疑問を言った。
「だけど私達お金を持ってない」
 リディアは赤いサンダルしか身に着けていなかった。ブレンダはガーターベルト、黒いパンティ・ストッキングそれに黒い靴だけだった。リディアは正しい。二人は服を買うお金が必要だった。
「お金は簡単に手に入るわ、電話でアクセスすればね」 ブレンダが自信たっぷりに言った。
 万一に備えて、ブレンダが数百万ドルを隠しておいた事を知るのは、勇気づけられる事だった。
「だけど、先ず最初に必要なのは、私達の居場所を確定する事よ。それからティモシー・ウェインスコットを呼び出すわ」

 ティモシー・ウェインスコットは、ブレンダの高校と大学時代の友人で、今はブレンダの私的財産担当の銀行家だった。本当は、それ以上だった。ブレンダが世界中の銀行に開いた、極秘の巨額口座の管理も彼がしていた。その他、全てのクレジットカードの支払を任され、毎月支払日迄に全額がキチンと支払われる様管理していた。ブレンダが、衣服、雨を凌ぐ場所、それから食べ物を買う為に必要な現金かクレジットカード、又は両方を手渡してくれる者がいるとすれば、それはティモシー・ウェインスコットだった。

 ブレンダは、周囲に気を配りながら移動を始めた。フェリシティが企んだ筋書きの結末は、二人がその筋の男達、つまり浮浪者、売春業者、麻薬密売者等に発見される事だろう。これら悪質な男達は赤線地域に棲息しているのだ。デルタ・シティにはこうした地域が幾つもある。中には並外れて危険な区域もあるのだ。二人は細心の注意を払わねば成らなかった。
 雨足に大きな変化は無かったが、少しずつだが激しく成っている。
 二人は路地の入り口付近迄やって来た。大通りを行く数人の歩行者が眼に入った。
 ブレンダは、片手で剥き出しの胸を隠しもう一方の手で股間を隠し、通りの名が辛うじて読める所まで、思い切って大通りへ飛び出した。
「まあ、大変!!!あの好色の悪党ども」
 ブレンダは唸る様に言うと慌てて路地に戻った。そしてリディアの手を掴むと引き摺る様に路地の奥へ引き返した。
「誰からも見つからない様にしなきゃ。ここは最も危険で最も淫れた地域、シュガータウンの真ん真ん中よ」
「えーっ、ウソー」

 シュガータウンは、デルタ・シティ最大の赤線地域だった。全ての赤線地域の中で最も危険で最も堕落し最も低俗な地域だった。そこは市の中心部からそれ程離れていないため、多くのビジネスマンが昼食時や仕事を終えた後に訪れ、娼婦やストリップ劇場を備えたその地域の娼館は大繁盛していた。尚悪い事に、取り締まるべき警察はワイロを貰っており、それはこの地域の最も高い犯罪率と最も低い検挙率から痛い程明らかだった。
「ここはアニタ通りとコックス通りの交差点の近くよ」 ブレンダが顔をしかめて言った。

 デルタ・シティの市民の間では、次の様なジョークがはやっていた。
 “最も混雑し、売春婦を見つけるのに最適な場所は何処か?”とかけて、“corner of Anita Cox(アニタとコックスの交差点)”と解く。 その心は“I need?a cocks”
( 訳注:英語のしゃれ。“私は肉棒が沢山欲しい”の意で発音はアニーダコックスに近い。:cockは男性性器の俗称)
 このジョークは、デルタ・シティの銀行家アニタ家と不動産業界の実力者コックス家の名を完全に貶めるものだ。

「こんな事が自分の身に起こるなんて信じられないわ」ブレンダが言った。
「財産を奪われ、素っ裸にされ、散々陵辱されたあげく、こんな場所に放り出されるなんて。私は長年、ブレンダ・ウェイドやMs.アメリカーナとして、シュガータウン居住者の生活を惨めにして来たのよ。ここの人達は私の事を恨んでるわ」
「日に日に悪く成る一方だわ」
 リディアが言った。空を見上げ、そして屹立している乳首に眼を落した。片方の乳首を優しく撫で、固さを調べる様に突いた。
「私、凍えそう。もう疲れて体力も限界だし怖いわ。今直ぐ暖かくて安全なベッドの為なら、私、何でもする。何でもよ」
「リディア!言葉には注意しなさい」 ブレンダは、不安げに辺りを見回しながら言った。
 リディアは頷いた。ブレンダはリディアの気持を完全に理解していた。この二、三日の間に、全生涯に受ける程の不幸な眼に遭ったのだ。
「迷信を信じてる訳じゃないけど・・・」
 <物事は綻び始めると、本当に破綻する、か> ブレンダは沈んだ心で思った。

「しーっ」リディアが指示した。
 二人は息を潜めて聞き耳を立てた。近くだ。大勢の人の声。男の声だ。
「誰か路地に入って来るわ」
 ブレンダはそう言うと、忙しく辺りを見回した。見える限り5つ程のドアが見えた。
「ドアを全部調べましょう。急いで」
 二人は二手に別れた。ブレンダは路地の南側の最も近いドアに走り寄った。必死にノブを引っ張ったり廻したりした後、恨めしげにノブを見た。ドアには鍵が掛かっていた。ブレンダは次のドアも調べたが、やはり鍵が掛かっていた。
「ここよ」リディアが大声で言った。
「見つけたわ」
 リディアは開いたドアに半分身体を入れて立っていた。ブレンダは全速力でそのドアに向かった。
 物音を聞き付けた男達が大声で仲間に知らせた。必死の二人はドアの中に入り素早く鍵をかけた。男達の物音がドアを通して聞こえた。男達は互いに呼び合いながらドアの前を行きつ戻りつしている様だった。そのドアのノブを調べようとする者は一人もいなかった。どうやら、二人がこのドアに入った事は気付かれていない様だった。
「あー、やれやれ」ブレンダがホッと息をついた。
「もう一寸で捕まる所だった」
 ブレンダは辺りを見回した。そこは、長く暗い通路だった。照明は、暗い電球が一つあるだけだった。空気は換気されておらず淀んでいた。床は汚れていて壁も暗い茶色だった。
「ウワッ、汚い!」
 リディアの声が、二人の思いを正確に語っていた。
 ブレンダは、再び通路を進み始めた。その後ろに寄り添う様にリディアが続いた。ブレンダは、背中に触れるリディアの冷たい手と乳首を感じながら、長い通路をゆっくりと進んで行った。

 通路は、その建物の玄関ホールに続いていた。ブレンダは階段を見上げ、その建物が五階建てである事が解った。
「ここはホテルなのかしら?」リディアが言った。
「多分ね」ブレンダが言った。
「だけど、ロビーは何処かしら? それにフロントデスクも?」
「おい? そこに誰かいるのかい?」
 男のがさつそうな低い声が辺りにこだました。
 白いTシャツにバミューダ・ショーツ姿の背の低い男だった。身長は165センチ位で腹が出ていた。頭は一部が禿げ、口の周りには胡麻塩の無精髭が生えていた。ケチで意地悪そうな男だった。
「もう娼婦に貸す部屋は無いよ」男は不機嫌そうに言った。
「もう何度も手入を受けてるんだ。今度ここで商売してる娼婦が捕まったら、ここは差し押さえだぞって市から脅されてるんだ」
 ブレンダは真っ青に成った。男が言った事は、去年、彼女自身が音頭をとって、市役所と通じて強制させたものだった。
「私達は娼婦じゃないわ」
 リディアが青い眼を光らせて行った。
 男の暗い目が、一歩近付いて更に暗く成った。
「ここから出て行け」 男はキッパリと言った。
「出て行くんだ、俺が、貴様らを不法侵入で逮捕する様警察を呼ぶ前にな」
「私達、行く所が無いのよ」ブレンダが言った。
「それに外は寒くて雨が降ってるし」
「そんなの俺の知った事か、売女」
 男が言うと、二人は後ずさりし背中が壁にぶつかった。 男は怒りをあらわにしながら二人を見詰めた。
 数秒後、彼は表情を和らげ、何かを悟った様な顔をした。
「あーあーそうだったのか!お前さん達、自分が誰だか知ってるんだろう?お前はあの糞女ブレンダ・ウェイドだろう。昨晩自分に相応しい目に遭った」
「それは絶対違うわ!」ブレンダは激怒して大声を上げた。
「私、盗難にあったのよ」
「それから、高慢ちきのおせっかい屋さんは放り出されてケツをぶつけたって訳かい」
 男は、自分のケツを掻きながらニンマリと笑みを浮かべて言った。そして尻を掻く彼の手は股間へと移動して行った。
「昨夜のニュース特番を録画したんだ。それを今日の午前中ずっと何度も何度も見ていたんだ。全く見事な神の裁きだったぜ!」
「何て無礼な!」ブレンダが呆れた様に大声で言った。
「この堕落したウジ虫野郎」 リディアが言った。
 男は何も言わず、好色そうな飢えた眼で二人を眺めた。慌てて二人は、両手で胸を隠した。下の方へ向かう男の眼に強制される様に、二人は片手を股間へ移動させた。
「権力者も落ちぶれたもんだな」男が言った。
「金が無く生きて行くのがやっとってのはあんまり愉快じゃねえよな、そうだろうMissお偉いさんよ?」
 男は声を上げて笑った。
「ブレンダ・ウェイドやその金髪のペットみたいな奴が、俺のホテルにほうほうの体で辿り着くなんて夢にも思わなかったぜ」
「ここに泊まってる訳じゃないわ」ブレンダは毅然として言った。
「公衆電話の所に案内していただけるかしら。用事が済み次第出て行くわ」
「ハー?電話をかけたいのかい? 公衆電話で?」 男はそう言うと、笑いを押し殺した様な声で
「公衆電話ってのは料金が必要なんだぜ、糞金持ち女さんよ」
 男はそれが当然であるかの様に、じろじろと殆ど裸の彼女の肉体を見回した。
「だけど姉ちゃん、何処にも小銭を持ってる様には見えねえがなあ」
 ブレンダは顔が紅潮するのを感じた。心臓の鼓動が速く成った。こんな姿を下賎な男にじろじろ見られるのは、忍耐の限界を超えていた。しかも男は彼女が何も知らない馬鹿であるかの様に話しかけているのだ。
「多分、貴方個人の電話なら使えるんじゃないかしら?」ブレンダが言った。
「えーっと、お名前は・・・?」
「リッター。ダニー・リッターだ。確かに電話はあるが、それも只じゃねえんだ」
 ダニーは右手を差し出し、親指と人差し指で輪を作った。
「払わないんなら、さようならだ。出て行ってくれ」
 ブレンダは落ち着きを取り戻すため大きく深呼吸をした。ダニーの眼は上下に揺れ動く胸に釘付けに成っていた。
 ブレンダは奥の手を思い出した。しかしそれをリッター氏に使うには羞恥を捨て、進まない気を進めなければ成らなかった。しばし躊躇った後、ブレンダは両手を降ろし、ダニーが見たくてたまらなかったものを惜しげもなく晒した。
「もし電話を使わせてもらえるんなら私、本当に感謝しますわ、ダニー」
 ダニーは、眼を白黒させて喉につかえていたものを呑込んだ。ショーツの前が大きく膨らむのがブレンダからも良く見えた。
 リディアもブレンダに続いて両手を下ろした。
 二人の裸の美女を前にして、ダニーはやぶにらみ眼に成った。
「お、お、俺・・・」ダニーの舌は良く回らなく成っていた。
「それイエスって事?」ブレンダはダニーに歩み寄りながら言った。ダニーは一歩後ろへ下がると頷いた。
「有り難う、ダニー。この恩は一生忘れないわ」
「こっちだ」 後ろを振り返り、二人がついて来るのを見てダニーが言った。
 二人の豊満な乳房が、一歩進むごとに弾む様に上下に揺れた。固く屹立したピンク色の乳首から、未だ冷たい水が滴り落ちていた。
「この中に有る」
 ブレンダはダニーに続き、散らかった小さなオフィースを通ってダニーのアパートに入って行った。電話器は、表面がテカテカに成ったソファの横にあるテーブルの上に置かれていた。
 ブレンダは真直ぐに電話機に向かい受話器を取った。受話器を耳に当て通話音を確認している間、肩越しにリディアの方を向いて、
「リディア、私が電話をしている間、ダニーの面倒を見てもらえるかしら?」
「市内通話だけだ」ダニーが会話に割って入った。
「市外通話は駄目だ」
「市内だけ。約束するわ」
 ブレンダはそう言うと、優雅な身のこなしで汚れたソファに腰を下ろし、嫌悪感を押し殺して長い脚を組んだ。ビキニに合わせて除毛された陰部が一瞬晒されたのを、勿論ダニーは見逃さなかった。
「一寸内密な話しなの、よろしいかしら?」
「ハー?」 ダニーは面食らった。
「リッターさんだったわね、こっちの方には何があるの?」
リディアは言うと、彼のアパートの奥の方へ進み始めた。
「おい!何処へ行く気だい、お嬢ちゃん?」
 ダニーがリディアの後を追いかけて行くと、ブレンダの顔から無理して造っていた笑みが消えてなく成った。そして素早くウェインスコット&アソシエーツの番号を打ち込んだ。
 ティモシーの秘書が電話に応対した。そして直にティモシーへ転送されると、いつもの様に直に返事が返って来た。
「ブレンダ!何があったんだ?」
 ティモシーが言った。言葉の端々に彼の気遣いが感じ取れた。
「貴方に嘘をつくつもりはないわ。とても困ってるの、ティモシー」 ブレンダが言った。
「何が起こったかハッキリとは解らないの。フェリシティが私の財産を盗むため、書類や何かに操作か何かして正式に申請しちゃったのよ。私の意思でした事じゃないって断言するわ。一刻も早く、フェリシティを引きづり降ろして私の財産を取り戻したいのよ」
「君の言う事を信じるよ」
ティモシーは激励する様に言った。
「今、何よりも現金とクレジットカードが必要なの。大至急」ブレンダが言った。
 そして、ホテルの名前が入っているメモ帳を取り上げた。そして記憶が甦った。かつてMs.アメリカーナとして、寝ている娼婦を叩き起こして追い出した事が5、6回 あった。それがリッターズ・レジデンシー・ホテルだった。
「送り先の住所を言うからメモして頂戴」
「君に送れるものはないんだ」ティモシーが言った。
 ブレンダはゾッとして凍り付いた。しばらく呼吸も出来なかった。そして、気を鎮めるため、ゆっくりと息を吸い、そして出来るだけゆっくりと息を吐いた。
「それはどう言うこと?」
「君の口座の残金は全てゼロなんだよ」
「えっ、どうして?」
「君が全部引き出したからだよ。フェリシティを通じてね」
「だけど、秘密口座じゃ・・・・」
「何も残っていない」ティモシーが言った。「君の口座はぜ?んぶ」
「それじゃ、私の財産は何もないの? 完全にゼロなの?」
「一寸待って・・・」ティモシーが言った。
 ブレンダは安堵の気持に包まれた。ティモシーに任せておけば大丈夫だ。少ししてティモシーが話し始めた。その声には深く悔いる響きがあった。
「君には約3千3百万ドルの個人負債があるね。それから9万ドル程の小切手が不渡に成っていて既に銀行から支払い請求が来ている。フェリシティが残していったものだよ」
「何ですって!」

 その間、リディアはダニーをブレンダから引き離していた。彼女には、個人的用件を相談する為のプライバシーと時間が必要だった。それはダニーが聞く必要の無いものだ。
「あっ、この中には何が入ってるの?」
 リディアは冷蔵庫の扉を開けながら言った。そして膝を伸ばしたまま腰を折り、尻を突き出した姿勢で中を覗き込んだ。
 中にあったのはビールやテイクアウトの中華料理の残り物程度の物だった。
「フーン、おいし・・・そう」
 その時、リディアは、ブレンダの「何ですって!」という大声を聞いたダニーが居間に戻ろうとするのに気付いた。
「イッタアーイ!」
 リディアはダニーの注意を引き付けようと悲鳴をあげた。そして、さも何かにぶつけた様に左の胸を擦り、唇を舐め回した。
「この角、危ないわ」
「ハアー?」 ダニーは眼を丸くして不思議そうな顔をした。
 リディアが、素早く左乳首を摘むと、ダニーは眼を剥いて息を呑んだ。リディアは笑いながらダニーを通り越して部屋の反対側へ行った。ダニーを通り過ぎる時、彼女の90Dsがダニーの胸を擦るようにした。近くで見て、ダニーが極めて毛深い男である事が解った。
まるでチンパンジーの様だった。
「この向こうには何があるの?」
 ダニーは、しつこくリディアの後を追いバスルームへ向かった。リディアは直に間違いに気付いた。ドアの所に立つダニーが出口を完全に塞ぎ、リディアは中に閉じ込められた格好に成った。ダニーは、リディアが逃げ場を失った事に気付き、この機会を逃すまいと考えている様だった。
 リディアが武術の技を使って男を投げ飛ばして脱出する事を思案し始めた矢先き、さっきよりも大きく、かなり慌てている様なブレンダの声が耳に入った。ダニーの関心もリディアから離れた様だった。
「このシャワー使えるのかしら?」
 リディアは言いながらバスタブの中に入った。それは思わず手を引っ込めたく成る様な代物だった。こんなにも汚く汚れ、石鹸のかすで覆われたバスタブが存在する事自体が信じられなかった。
 リディアは水とお湯の栓に手を伸ばし、
 「お湯は出るの? 私、本当にシャワーを浴びたいの」
 ダニーの関心は完全にリディアに戻った。
「つ、使ってくれ」ダニーは身震いし始め、どもる様に言った。
「構わねえから」
「貴方とても親切なのね」リディアが言った。
 そして腰を屈め、赤いハイヒールを取った。それから栓をひねってお湯の温度を最適に成る様調節した。勿論、シャワーカーテンを閉じなかったので、ダニーの関心は彼女に釘付けに成っていた。そして、金銭問題が解決する迄ブレンダを一人にしておいた。
「アアアー、と?っても気持いい」
 スタイルの良い十代の肉体が心地よい熱いお湯を浴びると、リディアは素早く頭から爪先迄を石鹸の泡で包み込み、その泡を洗い流した。そして今度は念入りに全身を洗った。全身を洗い終えると、長い金色の髪を洗い始めた。
 シャワーを終えるやいなや、ダニーは薄い染みの付いたタオルを彼女にかけた。リディアはそのタオルを使うのに抵抗を感じたが、ダニーは洗濯済みである事を保証した。染みは付いているがとりあえず清潔だった。リディアは渋々だったが、ダニーがタオルで彼女の身体を拭くのを受け入れた。
<ブレンダ、早く用件を済ましてくれないかな>
 リディアは、ダニーがゆっくりと、そして非常に念入りに彼女の90Ds拭いて行くのに身を任せながら思った。
 彼の手は大きくて力が強くそして頑丈だった。その手で馴れ馴れしく身体に触れられると、リディアは恐るべき熱い波が全身に行き渡るのを感じた。
<このまま長い事二人きりに放って置かれたら、私、一晩中この悪党野郎に乗っかられる事に成っちゃう>
「アフーーーン」
 リディアは呻き声を上げ、ダニーと眼を合わせた。顔が炎の様に赤く成ると眼を逸らせた。ダニーは彼女の腿の間をタオルで拭き始めた。
「あああああーー」
 リディアは、ハッと息を呑みダニーの肩に手を乗せた。再び眼を合わせ互いに見詰め合った。これ程欲情し燃えた眼は見た事が無かった。歪んだ笑みがゆっくりと彼の醜い顔に広がって行く。ダニーは長すぎる程彼女の股間をタオルで拭いた後、今度は薄いタオルごと彼女の胸を掴んだ。
 リディアは首を仰け反らせ低く長い呻き声を上げた。その時二人は、彼女は彼の言いなりに成る事が解っていた。
 次の瞬間、ダニーの貪欲な口がリディアの右乳首に吸い付いた。
 官能的な快感が肉体に迸ると、リディアはダニーの禿げた頭を掴んで喘いだ。性的法悦に導こうと吸い続けるダニーに抗う様に彼の頭をしっかりと抱えていた。

 その時、ブレンダの慌てふためく様な声が飛び込んで来た。
「グーテン ターク、ヘル ミューラー」
「ドイツ語か?」ダニーは言うと、驚いた様に顔を上げた。
「畜生!ドイツへ電話してやがる!」
 ダニーは、喘ぎ呆然としたリディアを残してバスルームから飛び出して行った。
「何をしてるんだ、この売女!」
 ダニーは唸る様に言うと、ブレンダのてから受話器を取り上げ、叩き付ける様に電話機に置いた。
「市外は駄目だと言っただろう。それなのにお前は約束を破りドイツに電話するなんてとんでもない!」
「スイスよ」
 ブレンダは放心した様に言った。ダニーの方へ顔を向けようともしなかった。
<全部消えてなく成った> ブレンダは落胆した。
<一文残らずフェリシティに取り上げられた。私の口座は一つ残らず略奪されてる>

 戻って来たリディアが立てるコツコツという音に気付いたブレンダは、音のする方へ顔を向けた。リディアは片足に靴を履き、飛び跳ねながらもう一方の靴を履こうとしていた。リディアの金髪はびしょびしょに濡れ、水滴が身体を滑り落ちていた。ダニーは激怒していたにもかかわらず、しばらく、上下に揺れる90Dsをエロ親父丸出しの顔で眺めていた。
 やがてリディアの靴も履き終わり、ショーの幕が下りると、ダニーは再びブレンダに怒りをぶつけ脅し始めた。
「警察を呼ぶ」ダニーが言った。
「電話料金を踏み倒したからだ」
「止めて」
 ブレンダは電話機を掴んで言った。リディアもハッとしてダニーの左腕を掴んだ。
「警察だけは呼ばないで」
 警察ざたになる訳には行かなかった。長距離電話をかけただけでは逮捕されない事は解っていた。しかしダニーが二人をこのアパートから裸で放り出した瞬間、警察は二人を逮捕するだろう。そしてダニーはそうするに違いなかった。猥褻物の陳列は、それをしようとしただけでも逮捕の理由に成るのだ。二人はダニーに電話をさせない様そのままの態勢を続けた。逮捕され牢屋で過ごす事で全てを終らせたくは無かったからだ。
 ダニーは唸り声を上げてブレンダの手から電話をひったくろうとした。ブレンダは両脚をダニーの脚に絡めて躓かせた。中年男は 電話器を掴んだまま、少し前迄億万長者だった美女の上に倒れ、無精髭の生えた顔が豊満な胸の谷間に落ちこんだ。ダニーは頭を前後に動かし、彼女の柔らかい肉肌を、ざらざらする無精髭で掻きむしった。しかしブレンダは気にしなかった。彼から電話機を取り上げる事が最優先されたからだ。兎に角警察への通報は避けねば成らなかった。
「ムムムム、フムムム」 胸の谷間の奥からダニーの声が聞こえた。
 リディアはダニーの背中に乗り、白いタンクトップを掴んで引っ張った。ブレンダと同じ様に彼女もダニーから電話を取り上げようと考えていた。しかし、目的を達成しようとの意欲は充分だったが、ダニーの固い黒髪で腿の内側が擦られるのを感じた。リディアは、ダニーの黒髪が恥丘をなぞり、秘裂の両側が擦られるのを感じた。
「ウグッ」リディアが唸り声を上げた。股間の周りが疼く様に熱く成って行く。そして心臓の鼓動が激しく成って行く。
「話し合えば解決出来る・・・必ず支払うから」 ブレンダは唸る様に言った。
 ブレンダは、未だダニーから電話器を取り上げられない事が信じられなかった。彼は小柄で年はいってるし鍛えられたものとは程遠い体型をしている。
 ブレンダの息づかいは荒く成り汗をかき始めていた。勿論、これ以上貶められ侮辱される事への恐怖が心に重くのしかかっていた。
「お前・・・は、払う・・・金・・持って・・ねえじゃねえか」
 ダニーは、良い香りのする絹の様に滑らかな胸の谷間から顔を上げようともがきながら言った。そして、固く成ったピンクの乳首が眼にとまった。
「おお」
 ダニーは躊躇う事無くブレンダの乳首を口に含み吸い始めた。当初ダニーは、ブレンダがそれを受け入れてくれるとは考えていなかった。なにしろブレンダは全く異なる世界の住人なのだ。それは二人とも解っていた。だが、手招きをする様に揺れ動く愛らしいピンクの乳首を眼の前にして、どうしてそれに抗えようか?
「あっ!何をするの」
 ブレンダはハッとして言った。ブレンダは抵抗し始めた。すると指が電話に触れた。彼女は背が高く手も長かった。ダニーは電話を奪われまいとしていたが、遂にブレンダはその機会を得たのだ。そして、もし彼女の胸がその機会を与えさせたのならば、電話を取り上げるべきだろう。
「電話を放しなさい」
 しかしダニーは電話をしっかり持っていた。
「取った!」リディアが叫んだ。彼女も又電話に手を伸ばしていたのだ。
「ウー、放せ!」
 リディアは、彼女の胸がダニーの無精髭で擦られているのを感じた。少し痛みも有ったが極めて官能的だった。
 リディアは、ダニーの手から電話を取り上げようと格闘する一方、懸命に湧き上がるリビドーを押さえ込んでいた。

 ダニーは左手を電話から放したが、右手でしっかり掴んでいた。ダニーは自由に成った左手で、素早くリディアの長い脚を撫でた。
 リディアはハッと息を呑んだが、電話を取り上げようとした。
 ダニーはブレンダの巨乳を掴み、絞り上げ揉み上げた。ダニーは、その胸の張りの良さ、そしてその絹の様な肌触りを堪能した。
 やがて、ダニーは乳首を親指と人差し指で転がし始めると、ブレンダの口から吐息が漏れ全身を仰け反らせた。

 ダニーに胸を弄ばれる快感は、文字通りローブローだった。ブレンダは電撃にも似た衝撃が全身を通り抜け、真直ぐに股間に響いた。
 瞬時に快感を感じ、瞬時に股間を湿らせた。しかし、あの忌々しい電話を取り上げる迄は防御する余裕は無かった。
 ダニーは、右手に持った電話器を背中に回しそこに置くと手を離した。
 ダニーはリディアのお尻を撫で、その滑らかさと柔らかさを楽しんだ。
 そして指で身体を探り湿った秘所を探り当て、膨らんだリディアの秘裂を愛撫した。
 リディアは、ダニーの手が下の方へ移動して行き彼女の最も私的な部分に達すると、ハッと息を呑み全身を緊張させた。
 ダニーの厚かましい指がリディアの股間を弄ると、電撃を受けた様な衝撃を受けた。凄すぎる快感だった。息をするのがやっとだった。浴室での出来事の再現だった。邸宅でフェリシティと使用人の絶対的な力の元での体験の再現だった。
 リディアは、誰の手であっても秘所に触わられると、突然過去の経験が甦って来るのが解った。

 リディアは、ダニーの手に秘所を擦り付けたかった。同時に、ここから逃げ出し何処かへ隠れたかった。
 ともあれ、電話を取り上げるのが先決だった。
 リディアは全力で電話器を引っ張ったが、取り上げられなかった。
「ムムムムムグググーーー」リディアが呻き声を上げた。

「ウウウウーーーググーー」
 愛する被後見人であり、スーパー・ヒロインとしての相棒の呻き声に反応してブレンダも呻き声を上げた。
 ブレンダはダニーから電話機を取り上げようと格闘していた。
 しかし、ダニーはしっかりと掴み放さなかった。
 しかし、どうして? ダニーは完全にブレンダの97Gsに注意を奪われている。これ程電話に執着する理由は何処にあるのか?この男は、本当は彼女が考えていたよりも凄い男なのだろうか? そんなにも強いのだろうか? 
 かくも強い男に支配されているのか、という思いがブレンダの心を揺るがせた。
 ブレンダはゴクリと唾を飲み、より激しく電話器を取ろうとした。
 ブレンダは過熱気味の肉体が変化しつつあるのに気付いた。直にでも勝利を得ないとダニーに征服されてしまいそうだった。
 ダニー、このムカつく男に支配されてしまうのだ。そして彼女の肉体が屈服する事を強いていた。

<私って本当はこんな飢えた淫乱女なのかしら?> ブレンダが思った。
<心を強く保たなきゃ。リディアの為にも>

 その間、リディアも自分自身の困難に直面していた。疲れ果てていた。リディアは激しい陵辱にずっと耐えて来たが限界に達していた。リディアは弱っていたが、敵も弱り始めていた。このまま耐えきれれば良いのだが・・・

 その時、ダニーの指がリディアの秘裂の中に滑り込んだ。
「アアググッ」リディアが叫んだ。
 ダニーはブレンダの乳首に噛み付いた。そしてもう一方の乳首を強く抓った。
 ブレンダは悲鳴を上げ飛び上がった。その瞬間彼女の肉体、両腕から力が抜けた。
 ダニーは乳首を放し起き上がった。
 ブレンダがとろんとした眼で見ていると、ダニーはリディアの後頭部に手を当て彼女の顔を、彼の顔の方へ引き寄せた。
 リディアの口が開きダニーの口と溶け合うと、ブレンダは電話器が解放された事が解った。しかし遅過ぎた。

 強烈な熱がブレンダの肉体を迸った。ブレンダは、ダニーの短い足の間の膨らみが股間に押し付けられるのを感じながら両脚をダニーの腰に絡めた。ブレンダは電話器を放し、ダニーのズボンのベルトを外し始めた。
 ダニーの硬く成った肉棒が飛び出て来た。ダニーは既に興奮し先端を濡らした肉棒を突いたが、ブレンダの秘裂のやや右側だった。
 はやる気持を抑え、ブレンダはいきり立つ肉棒を手に取り数回しごくと、手の中の肉棒の固さが増すのが解った。
 そしてブレンダは、もう一方の手で彼女の秘唇を掻き拡げ、肉棒を秘口に導いた。

「プーッシュして」ブレンダは、ダニーの耳元で艶かしい声で言った。
 ダニーは何も考えず、矢が的に向かう様に真直ぐ前に肉棒を突き進めると、肉棒はブレンダ・ウェイドの秘唇の間に侵入した。そこを更に強く押し付けると、ダニーの肉棒は大した抵抗もなく最高の美女の体内の奥深くへ埋め込まれて行った。
 このお高く止まったフェミニストの秘所は、あまり経験が無いだろうからキツイものだと思っていたダニーは意外な気がした。

「と?っても気持良いわ」ブレンダは眼を閉じ、再び男を受け入れた感覚を満喫しながら呟いた。
<自分はこんな淫乱女に変わってしまったのか>  こんな思いがブレンダの脳裏をよぎった。

 舌をリディアの口の中へ挿入させ、肉棒を根本迄ブレンダの秘所の内部に埋め込み、ダニーは恍惚とした性の喜びに頭がクラクラした。
 その体勢のままリディアの秘所を指姦しつつ、ダニーは、何と幸運なんだろうとと思った。
 ダニーは、リディアと比べて半分程度、ブレンダと比べれば格段に落ちる娼婦とさえベッドを伴にした事がないのだ。

<このじゃじゃ馬どもは上流階級の女だ> ダニーは思った。
<そして俺はそいつらを犯している最中だ。そうじゃない、なんと俺が犯されてるんだ!」

 リディアは、唇を合わせたままダニーの背中から離れ、ブレンダの隣に移動した。ダニーの指が滑り出た。しかし、リディアの場所が決まるとダニーは再度指を刺し込み、より深く押し込んだ。19歳の金髪美女は呻き声を上げ、自分の胸を揉み始め乳首を引っ張った。
 ブレンダは、両手でダニーの腰を掴んで引き寄せダニーの肉棒をより深くへ導いた。腰を蠢かし始め、ダニーが深く挿入する度にその肉棒を秘唇で擦り上げた。

「何てこった」ダニーは顔を離し、ブレンダがゆっくりと上唇を舐めそしてしっかりと口を閉じるのを見ながら言った。
「俺はお前さん達二人は良い子面した男嫌いのフェミニストだとばっかり思ってたんだ。全くこんな色気違いだとは夢にも思わなかったぜ」
「私、三日前迄は処女だったのよ」リディアが息を切らせた様に言った。
 ダニーは声を上げて笑うと、リディアのしこったクリトリスを指で揉みほぐした。
「ウウウウ・・・アアアアアーーー」
「私、すご?くいい気持」ブレンダは官能的に息を吐いた。
 ダニーは、より激しくより速く突き上げようと 肉棒がより固く成るのを感じた。それでリディアの秘所から指を引き抜き、不満げなリディアの嬌声を聞きつつブレンダの豊満な腰を両手で掴んだ。
 ダニーは心底それを望んでいた。ダニーはずっと憎んでいた女に悲鳴を上げさせたかった。

 ブレンダは、ダニーの抽送のリズムに合わせて長い足を動かし始めた。ダニーはブレンダを限界へと追い詰めて行った。ブレンダはそれを拒もうとはしなかった。
 名声を失い社会ののけ者と成った嘗ての億万長者はオーガスムを望んでいた。それが欲しかった。そして今はそれを求めて戦っていいた。
「嗚呼!良いわ!そこよ」ブレンダが大声で言った。
「嗚呼、いい気持!貴女凄いわ、ダニー。もう一寸・・・もう少し・・・そこ・・・ア・・嗚呼! アアア! アアアアアアイイイイーーーーーー!」
「望み通りにしてやったぜ」ダニーはしてやったりという風に叫んだ。
肉棒に絡み付いてヒクヒクしているブレンダの秘肉を感じた。ブレンダの下腹部がピクピクと震え再度悲鳴をあげた。
 その間ダニーは狂った様にずっと抽送を続けていた。長くは待たずブレンダの秘筒をダニーの精液が満たした。
「遣ったー!ブレンダ・ウェイドに中出しを決めてやったぜ!」
「私にもして」リディアが子供の様に言った。
「次は私の番よ」

 ダニーはリディアを見詰め、そして自分の下になっているブレンダを見た。二人とも喘いでいた。リディアは犯されたくて喘いでいた。ブレンダは目一杯犯されて喘いでいた。
生きていて良かった。




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