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  ミズ・アメリカーナ:運命の逆転                             いぬかみ訳

第六章 邸宅への潜入

 ブレンダが大邸宅のセキュリティ・システムを設計したのは大分昔の事だった。十年前、警備主任としてタイ・ハーディンを雇って以来セキュリティ・システムについて余り考慮してこなかった。タイ・ハーディンは非常に有能でその仕事ぶりは素晴らしく、大邸宅の安全性に付いては何も心配する必要が無かったからだった。

 警備は厳重だった。ブレンダは警備員のパトロール手順を殆ど思い出せなかったが、ゴルフ・カートに乗った二人の警備員が五分置きに巡回しているのが解った。
 二人は気が重く成った。邸宅に忍び込むには、警備員に見つからずに今隠れている薮から出て、先端が槍の様に尖った3メートル以上も有る鉄のフェンスを乗り越え、中庭を横切って邸宅に辿り着かねばならないのだ。それにフェンスの両側には身を隠すところが殆ど無く、素早く鍵の掛かってないドアを見つけて邸宅の中へ入らねば成らない。

「畜生、クソッタレめ」ブレンダは言った後、驚いた様な顔をしているリディアの方へ振り返った。
「おっと失礼、今のはフランス語よ」ブレンダは照れくさそうに笑った。
「イライラしてたんではしたない言葉を使かっちゃったんだけど、弁解の余地は無いわね。悪かったわ」
「気にしないわ、その気持私にも解るもの」リディアが言った。
「私だって、Fで始まる言葉(fuck)を使ったもの。その代わりに“愛を営んだ”とでも言えば良かったのかしら」
「とんでもない、“fuck”こそあの悪党の奴等が私達にした事を表現するのにピッタリの言葉よ」そう言ったブレンダの顔が曇った。
「奴等、私達を犯しまくったのよ(原文:They fucked the shit out of both us.)」 (訳者警告:こんな表現は絶対に使わないで下さい)
「勘弁してよ」リディアは言うと、余りにも不似合いな言葉にクスクス笑った。
「勘弁するわ」ブレンダが言った。

 ブレンダはウェイド・大邸宅の方に眼をやり、そしてリディアの方へ向き直った。
「良く聞いて、フェンスに駆け寄ってよじ登り、開いているドアか窓を見つけるのに五分くらいしか時間がないわ。警備員は暗視眼鏡をかけてるから、私達は二本の光線みたいに見えるわ」
「今は真夜中よ。鍵の掛かってないドアなんて有る筈ないわ」リディアは急に不安に成って言った。
 そして愛らしい顔が明るく成った。
「そうだ、私の車! 私、予備の鍵を車のダッシュボードの中に入れてあるの。万一鍵をなくした時の為にね」
 ブレンダが微笑んだ。リディアはよく鍵をなくす悪いクセがあった。その悪いクセが今二人を助ける事に成ろうとは誰が知り得たであろうか。

「助かったー」ブレンダが言った。
「ガレージのドアは未だ全部開いているし、運転手は邸宅の方に行ってると思うわ」
「皆何をしているのかしら」邸宅を見ながらリディアが言った。全ての部屋の照明が灯っていた。
「祝杯でも上げてるんでしょうね」
「そんな所でしょうね」ブレンダは、邸宅を睨み付けながら暗い声で言った。
「私、使用人達には良くして来たわ。何故、皆喜んで私達に背いたのかしら?」
「嫉妬じゃない」リディアが頷きながら言った。
「大学じゃいつもそんな目に遭うわ。特に女の人ってものすごーく私に焼きもちを焼くの。彼女達、金持ちか美人なら気にしないのに、金持ちで美人と成るともう話す事も出来ないのね。それで意地悪したり嫌みを言ったりするの。私は気にしなかったけど」
「気にしないのが一番よ」ブレンダが言った。
「私も学生時代同じ目に遭ったわ」

 ブレンダは、警備員を乗せたゴルフ・カートのヘッドライトの光を眼の端に捕らえた。そして、それを暫くの間見詰めた。
「準備は良い?」
「いつでも準備OKよ」
 ブレンダとリディアは励まし合う様に笑みを交わした。

 二人は、これよりももっと危険で肉体的にもきつい事態に遭遇して来たのだ。
 今回、最も厄介なのは高い鉄のフェンスを乗り越える事だった。Ms.アメリカーナやフラッグ・ガールなら問題なくそれを飛び越える事が出来ただろうが、今はそれが問題だった。フェンスの内側へ入りさせすれば、後は容易い事だった。

 二人は森の外れの茂みの陰に隠れ、警備パトロールが通り過ぎるのをじっと待った。
 パトロールの光が見えなく成り暗視眼鏡で発見される危険が無く成ると、二人は薮を抜け出し、昨日迄の我家を取り囲む長いフェンス目掛けて猛然と走った。
 二人にとって、ウェイド・大邸宅に忍び込むのはこれが始めてではなかった。しかし、今回の様に捕まれば犯罪者に成り得る様な場合は始めてだった。

 フェンスに辿り着いた二人は飛び上がりフェンスにしがみついた。そして槍の様に尖った先端目掛けてゆっくりと登り始めた。フェンスの先端を乗り越えるのは思ったより大変だった。しかし、二人は無事に邸宅内に降り立った。

「結構面白かったわね」かなり体力を使い、ブレンダは息を弾ませながら言った。
「あー、まあね」リディアは言うとニヤッと笑った。
「もう一寸で、最悪の体勢で串刺しに成るところだったわ」
 ブレンダは肩をすくめ、
「見てたわよ。貴方が手を滑らせた時、‘いけない’って思ったわ。でも先端が秘所に突き刺さる寸前で踏み止まったわね」
「ヒエー、痛そう」
「兎に角私達やったわ」ブレンダは言うと活動を開始した。
「次の警備員が来る迄1?2分しかないわ。さあガレージに急ぎましょう」

 二人は夜露に濡れた芝生を横切り暗いガレージの中へ入った。リディアは自分の車を見つけダッシュボードを開けた。
「有った!」
「良かった」ブレンダは鍵を受け取った。
「さあ家の中へ入りましょう、そして何か着るものも見つけなくちゃ」

 ブレンダは、余り使う事のない横手のドアに向かった。リディアの鍵はマスター・キーなのでどのドアも開ける事が出来るのだ。
 そのドアは、ガラスが嵌め込まれたフランス風の両開きの扉で図書室に通じていた。
 部屋の中を覗き込むと、照明は灯っていたが人影は無く、邸宅の内部に通じるドアは開いていた。

「フェリシティは、邸宅の部屋から部屋へと歩き回って悦に入る為、全部の部屋の照明を灯してるのに違いないわ」
「きっとそうね。私、彼女の事ずっと好きに成れなかったんだけど、それが何故かはハッキリとは解らなかったわ」
 リディアが眉をひそめて言った。
「正直者のふりをするのがうま過ぎたのよ」
「今はそれが解るけど、彼女が正直者であって欲しいと強く願ってたわ」ブレンダが言った。
「全て私の責任よ。私、今まで個人的アシスタントを全面的に信頼した事なんかなかったのに、彼女については全面的に信頼してしまった。だけど、フェリシティはもの凄く有能だった。それで彼女の作戦に乗っちゃって、何の心配もせずにMs.アメリカーナの仕事に時間とエネルギーを集中しちゃったのよ。私、馬鹿だったわ」
「貴方の責任じゃないわ、ブレンダ。フェリシティが悪辣過ぎたのよ」リディアが言った。
「だから二人で、悪を正し、悪の報いに刑務所に送らなきゃ」
「彼女がどんな存在でも刑務所には送ってやるわ」ブレンダが言った。
 そして鍵を鍵孔に刺し込んだ。
「兎に角中に入りましょう」
 ブレンダが鍵を廻すと、カチッという音と伴に取っ手が回った。ブレンダはドアを開けた。

 ウウーッ! ウウーッ! ウウーッ!
「大変、警報装置が作動中だった!」ブレンダが大声を上げた。
「直にここから逃げなきゃ」眼をキョロキョロさせてリディアが叫んだ。

 二人は、警報装置が作動している以上、安全監視システムが異変が有った場所を瞬時に特定出来る事を知っていた。
 直にも警備員が駆け付けて来るだろう。

「逃げましょう!」
 叫びながらブレンダが振り返ると、10人の警備員に半円状に取り囲まれていた。
「やあ、ブレンダ」タイ・ハーディンが言った。
 タイは、ブレンダ自身が警備チームを率いる様任命した警備主任だった。
「不法家宅侵入の現行犯であんた達を逮捕する」
「早まらないでよ、タイ」ブレンダが言った。
「フェリシティが私からこの家を盗んだ事は貴方も知ってるでしょう。それを取り戻そうとしてるだけよ」
「その通りよ」リディアが言った。
「私達を助けて、そうすれば貴方もこの家で仕事を続けられるわ。さもなくば通りへ放り出されるわよ」

「通りへ放り出されるのはあんた達二人の方よ」
 警備員の背後からフェリシティの声がした。フェリシティは意地悪そうな笑みを浮かべていた。
「あんた達が戻って来る事くらい解ってたわよ。今夜かどうかは確かじゃなかったけど、可能性は高いと思ってたわ。タイと警備員は手ぐすね引いて待ってたのよ」
「そう長くは待たずに済んだな」タイは含み笑いをしながら言った。
「茂みの中で邸宅の様子を窺っているあんた達を、あんた自身が設置させた赤外線カメラで見つけたんだ」
 タイは、唖然としたブレンダとリディアを見ながらニンマリと笑みを浮かべた。
「その後の行動はずっと監視してたんだ。フェンスの上じゃ危ない所だったな、リディア」
「この悪党野郎!」リディアは大声を上げタイに襲いかかった。
 ブレンダは警備員ではなくフェリシティに向かった。捕まって又放り出される事は解っていたが、フェリシティに自分がここに来た事を思い知らせたかった。フェリシティが自分にした様に、フェリシティにも痛い思いをさせたかったのだ。ブレンダはフェリシティに自分が戻って来る事を怖がらせたかった。

「くたばれ、フェリシティ!」ブレンダは大声を上げ、フェリシティのドレスの胸の間を掴んだ。

 ビリビリリーーー!
 フェリシティのプリンとした胸が衆目の前に飛び出した。
 フェリシティは無意識に腕を交差させて胸を覆った。その隙にブレンダはフェリシティの長い絹の様な茶髪を掴み、フェリシティの顔をドア顔を打ち付けた。
「アアーーー!」フェリシティは悲鳴をあげ膝から崩れ落ちた。
 更にブレンダは強烈な蹴りを二度見舞ったが、タイにタックルされ図書室の奥の方へ跳ね飛ばされた。

 その間リディアは三人の警備員を蹴り飛ばしていた。リディアの蹴りは1人目は頭に、二人目は鳩尾にそして三人目は股間の急所に命中した。四人目の顎に大振りのパンチを喰らわしたが、その警備員を驚かせそして怒らせただけだった。
 リディアは自分の非力に衝撃を受けその場に居着いた。そして今はパワー・ベルトを着けたフラッグ・ガールではない事を思い出した。
 その警備員はリディアの鳩尾にパンチを返した。
「ウウグッ」リディアは激痛に呻き声を上げ身体を二つに折った。
 リディアは両腕を掴まれて引き起こされ、敵の前に立たされた。彼女に蹴り飛ばされた警備員がその前に集まって来た。
 股間を蹴られた警備員が最初の報復としてリディアの秘所を蹴り上げた。
「イイイウウウウウ!」
 続いて三人の警備員は、リディアの顔、胸、腹そして股間をめった打ち、めった蹴りにした。
 昨晩の試練で既に弱っていたリディアは、直ぐに抵抗を止め意識を失った。

「金髪の小娘を仕留めたぞ!」警備員の1人が嬉しそうに声を張り上げた。
「何ですって?」ブレンダが怖気だって叫んだ。
「良くやったわ、皆さん」フェリシティがしゃがれ声で叫んだ。
「小娘を縛り上げて。うんとキツくよ」

 ブレンダはタイ・ハーディンに押さえ付けられていた。タイは筋肉の良く発達した大柄な男だった。髪は軍人風に刈り揃えられ、黒い眼でしっかりと彼女を見据えていた。体重は彼女の二倍以上あり、力は裕に二倍以上あった。
 ミズ・アメリカーナならば簡単に放り投げられる事を考えると、押さえ付けられ身動き出来ない状態がブレンダには歯がゆかった。

「私を放しなさい、この裏切り者」必死に、だが無益にもがきながらブレンダが言った。
「それは出来ないな、盗賊さんよ」ブレンダを俯せにしながらタイが言った。
「盗賊ですって? 馬鹿な事言わないでよ」
「あんたは私の家に押し入ったのよ」フェリシティが言った。
 フェリシティはブレンダを見下ろす様に立っていた。しかしブレンダからは顔の側に黒い靴が見えるだけだった。しかし、タイに両腕を取られると、ブレンダの関心はフェリシティから自分の状況に移った。いとも簡単に両手を背中に捻廻されたのが悔しかった。そしてカチッという乾いた音と伴に両手首に手錠が装着されたのを感じた。
「さて警察を呼ぶとするか」
「何ですって?」
「あんたとリディアを刑務所に放り込む他に手はないわね」フェリシティが言った。
「刑務所に入れば確実に今迄とは違う全く新しい人生が始まるでしょうね・・・ もっと大きくて強い女達のお友達のレズ女としての人生が」
「この性悪女!何て悪辣なの!」タイに引き上げられフェリシティの前に跪かされたブレンダが声を張り上げた。
「先ず私の財産を盗み、その上私を刑務所に送ろうとするなんて」
「リディアもよ」フェリシティが言った。
「大切な、罪のない、愛らしいリディアの事を忘れちゃ駄目よ。あんたが側に居て守ってやれないなら、彼女どう成るのかしらねえ。解るでしょう、これも全部計算に折り込み済みよ。あんた達をムショの中で別れ別れにさせる様に働きかける事も私には出来るのよ。考えて見て、とても小さくて弱々しい哀れな小娘が収監されている様子を。回りには助ける者は誰もいない。間違いなく、そこの監房で最も人気のある慰みものに成るでしょうね」
 ブレンダは怖気だった。残忍な女達や看守達を喜ばせる事を強制されるリディアの姿が眼に浮かんだ。
 そんな事は受け入れられなかった。起こっては成らない事だった。ブレンダに、そして特にリディアに対しては。

「ああ、そこの小娘ちゃん、お目覚めの様ね」フェリシティは、あざける様に言った。
「くたばりやがれ(原文:Fuck you 訳者注:この表現も絶対使わないで下さい)」リディアはが言った。未だ意識は朦朧としていた。
「うわっ、この小娘は態度だけじゃなく、口のきき方も成ってないのね」フェリシティが言った。そしてふざけて怒った様な声でブレンダに言った。
「私、あんたがもっとちゃんと躾けたと思ってたのよ。あれじゃ後見人としての面目も丸潰れじゃないの」

「Ms.ア・・・、ゴホン・・・ブレンダ、私達どうしたら良い?」リディアが言った。
「私にも解らないわ」ブレンダが弱々しい声で言った。そしてゴクリと唾を飲み込み、
「フェリシティは私達を逮捕させるつもりよ。そして訴えられたら、私達刑務所に入れられるかも知れない」
「ああ」リディア眼の前が真っ白に成った。
「そ、そんなの・・・そんなの嫌よ・・・嗚呼、私どうしたら良いの?」

「どうしたら良いのか知りたいと言うの?」フェリシティが言った。
 捕らえられた二人はフェリシティの言葉に関心を抱いた。暗闇の彼方に微かな希望の光を見出した様な気がした。
 魅了された様に関心を示す二人の様子に、フェリシティはニンマリと笑みを浮かべた。二人の美しい顔に浮かぶはかない希望の色をフェリシティは楽しんでいた。
「私達、もっと良い解決策を見つけられるかも・・・」
 フェリシティはタイに目配せすると、困惑している二人を威圧する様な眼で見据えた。
「それじゃ一つだけ選択の余地を与えます。降伏する?・・・それとも刑務所に行く?」
「降伏ですって?」二人が同時に言った。
「そうよ、賞味サンプルさん、私と使用人達に降伏しても良いし、私に刑務所送りにされても良いのよ」フェリシティが言った。
「どの道あんた達は、したく無い人達とセックスする事に成るのよ。でも降伏するなら明日の朝には解放されてここから歩いて出て行けるのよ」
「それに逮捕されれば、保釈金が払えないだろうから裁判まで何ヶ月もずっと拘留される事に成る」タイが補足した。
「それに勿論三流弁護士しか付かないだろうから、あんた達の敗訴は眼に見えている。まあ一年、悪くするともっと長く刑務所で過ごす事に成るだろうな」

 ブレンダに戦慄が走った。フェリシティの計画は余りにも巧妙だ。
 新たに着任した地方検事も既に抱き込まれているだろう。ブレンダとリディアは、選挙の際、彼に反対するキャンペーンを長期にわたり活発に行ったのだ。結局当選した彼がブレンダに報復をする事は疑う余地がない。ブレンダには五年以下の懲役で済ます方法すら考えられなかった。

「そんなの選択とは言えないじゃない」
ブレンダは呟いた。恥辱を感じ、薄青の眼を床に落とした。
「そ、そんな・・・」リディアが言った。
「仕方ないわ、リディア」ブレンダが力無く言った。
「そうするしかないわ。明日の朝に成れば解放されるんだから」
「それじゃ、降伏するのね?完全に?」フェリシティが、妖しい喜びに眼を輝かして言った。
「私達、降伏するわ、フェリシティ」ブレンダは、頭を上げ毅然として言った。そして一呼吸置き、
「明日の朝までは、私達は貴方のものよ。好きな様にしていいわ」
「明日の朝までよ」リディアも小声で繰り返した。
「その‘降伏’を受け入れてあげるわ」フェリシティが言った。そしてタイに向かって頷いてみせた。
「それじゃ双方合意のパーティを始めましょう」

 フェリシティが言い終わるや否や、ブレンダは背中にタイの大きな手を感じた。その手が器用に動くと、忽ち彼女の黒いレース付きのブラが弾き飛び、自由に成った97Gsが上下に揺れ動いた。そこに居るもの全ての眼が魅惑的に揺れ動くブレンダの胸に注がれた。
 続いてタイはリディアのブラも外した。

「皆さん、ブレンダのおっぱいは97Gsなのよ」
 フェリシティが囁く様な声で言った。フェリシティは眼の前の光景に呆然とし、殆ど考える事も話す事も出来なかった。
「そしてリディアのは90Dsで全然垂れ下がってないの」そう言うとブレンダの眼を見詰めて、
「どう、私の調査は行き届いてるでしょ」

 ブレンダは、好色そうな眼で二人を取り囲んでいる者を見渡した。使用人全員が図書室に集まった光景なぞ見た事のないブレンダは当惑した。
 クライブも飢えた狼の様な表情でそこに立っていた。タミ・ジョーとミミの二人も、同じ様に欲情している風だった。更に、運転手とタイそして彼の部下である10人の警備員達がいた。
 降伏し、言いなりに成るには多過ぎる人数だった。それに、フェリシティ、タミ・ジョーそれにミミの女達が何を期待しているのか見当が付かなかった。

 タミ・ジョーがリディアの前に進み出た。その美しい赤毛のメイドは、今日の夕刻にフェリシティがリディアから取り上げた宝飾品を持っていた。その宝飾品をタミ・ジョーがリディアに着けている間、眩いダイヤの宝飾品を持ったミミがブレンダの前に進み出た。
「人は誰でも幻想を抱いているものよ」フェリシティが言った。
 ミミはブレンダの宝石を彼女に着けた。タミ・ジョーはリディアの背後に廻り膝をついた。
「明らかな事だけど、使用人達は、今は私の使用人だけど、金持ちでお高く止まったブレンダとリディアを自分好みの方法で陵辱したいと言う歪んだ性的幻想を持っているのよ」
「貴女達は、みんな狂った変態よ。ああっ・・・」背後にタイが跪き、にじり寄って来たのを感じたブレンダが言った。
「解った様ね、そう、もう始まったのよ」フェリシティは二人の様子が良く見える場所に椅子を据え、腰を下ろしながら言った。
「言っとくけど、あんた達、完全に要求に応じなきゃ駄目よ。どんな命令にも従うのよ。さもないと、あんた達は散々犯された挙げ句に刑務所行きに成るのよ。私の性奴隷として絶対服従しない点が一寸でも有ったら承知しないから」
 フェリシティは悪意に満ちた眼でブレンダを見据えた。そして脅えているリディア眼に鋭い視線を向けた。
「さあ始めて」

 タイは、良い香りのする絹の様な黒髪の中に顔を埋め、ウェストに当てた両手でブレンダの滑らかな肌を撫で始めた。
 その手が上に移動し両方の乳房を包込むと、ブレンダは眼を閉じ歯を喰いしばった。ブレンダは、してやったりと得意満面のフェリシティを見るに忍びなかったのだ。

「ウウウーーー」リディアが唸り声を上げた。
 タミ・ジョーもタイと全く同じ事をしていたが、長いピンク色の爪で金髪美女の胸を優しく掻いていた。タミ・ジョーは、リディアが身悶え喘ぎ始めるまで爪で掻くのを続け、やがて片手を腹に沿って滑り降ろし、赤いソング・パンティの中へ刺し込んだ。
「ああっ」

 タミ・ジョーが指でリディアの秘唇を撫で始めた頃、タイはブレンダの固くしこった乳首を摘んだ。ブレンダは叫び声を上げて飛び上がった。そしてタイは親指と人差し指で乳首を転がす様に揉み始めた。
「アアウウウウググッ」ブレンダは唸り声を上げた。
「この、悪党め」

「呆れたわね、彼女達、もうその気に成ってるみたいよ」そう言ったフェリシティ自身も興奮している様だった。
「リディアの擦り付ける様な腰の動きを見てよ。それにブレンダは、言われないのに膝を広げてる」
「仰せの通りでございますな」クライブが言った。
「二人とも、根が淫乱である事を隠していたのでございますな」
「カノジョタチ ア サイコ ノ バイシュフ ニ ナリマース」ミミが強いフランス訛で言った。
 ミミは、黒い短いスカートを捲れ上げさせながらブレンダの前に膝を付いた。その様子を見ていたブレンダは、ミミがパンティを穿いていないのに驚いた。そしてミミのその場所は綺麗に剃り取られていた。
 ミミは手を下に伸ばし、昨日迄の女主人の秘唇を優しく撫で始めた。その刺激にブレンダの肉体は反応し愛液が流れ始めた。
 直にもミミの手は愛液に塗れ、その手でブレンダの黒い繊細な絹製のソングを引き千切った。
 ブレンダは秘所が冷たい空気に晒されたのを感じた。
 ミミはブレンダの秘裂を掻き広げ、長い赤い爪でクリトリスを優しく掻き続けた。

 ブレンダは、昨晩散々陵辱された肉体がこんなにも速く反応するとは信じられなかった。
 ブレンダの身体は熱く成っていた。胸と秘所はゾクゾクと刺激を求めて疼いていた。自分の固い決意や意思に力を取り崩して行くのがタイなのかミミなのかすら解らなく成っていた。

 ミミが前屈みに成った。ミミの鼻はブレンダの直ぐ鼻先に来ていた。ミミの唇も眼の前にあった。ブレンダが眼を落すとミミの胸の間の谷が覗けた。
 ブレンダが唇を舐めると、ミミの舌が滑り出てブレンダの濡れ光る赤い唇をなぞった。
 ミミのもう一方の手がブレンダ顔を包んだ。ミミは頭を傾け、ブレンダはミミと反対側に頭を傾けた。

「ムムムムムム」
 二人の口紅を着けた赤い唇が、ねっとりと溶け合う様に重ね合わされると二人は呻き声を上げた。
 ミミがブレンダの97Gsのすべすべの肌を愛撫し揉みほぐすとブレンダはミミに唇を押しつけキスをした。女の繊細で敏感な愛撫は、男のごつい手のものとは大きく異なっていた。ミミの唇は柔らかくそして暖かかく、キスは官能的で魅惑的だった。
やがてミミの舌が唇の間に侵入して来た。
「ムムムムムムンンンン」ブレンダが呻いた。

 タイの左手の人差し指が秘所の中に滑り込んで来た。
 ブレンダは息を呑み唸り声を上げた。深く、より深く侵入して来るタイの指は実際のものよりずっと大きく感じられた。
 続いて右手の人差し指がクリトリスを揉み始めると、電気ショックの様な凄まじい快感が全身を駆け巡った。
 ブレンダは仰け反った。その全身は痙攣しこわばっていた。

「ウウウウーーームムムム」
 ブレンダは、ミミとキスをしながら呻いた。

 タイとミミはブレンダを瀬戸際まで追い詰めていた。
 ブレンダは、昨日迄のフランス人メイドとフレンチ・キスをしながら鼻で喘いでいた。その間、警備主任はさも親しげにブレンダを犯し続けていた。
 濡れた肌に冷気を感じながらもブレンダの熱く成った肌を玉の汗が転がり落ちて行く。しかしブレンダが感じていたのは、タイとミミの唇と手によって、自制の限界の彼方へと高められて行く感覚だった。

「ウウウグググ・・・ウウウ・アアアアーーー」
 ミミが唇を離し、岩の様に固く成ったピンク色の乳首を吸い始めると、ブレンダは大声をあげた。
「あ・あたし・・もう・た・・耐えられない・・・アアアアアアアアアアーーーーーー!」

「そうら、クジラが潮を噴いた!」フェリシティは声を上げて笑った。
「リディアちゃん、今度はあなたの番よ」
 ミミとタイが、キス、愛撫そして指責めでブレンダをエクスタシーに追い込んで行く間、愛らしい金髪娘に関わっていたタミ・ジョーも効果を上げていた。
 少し前奴隷商人と関わった時の様に、身体が触れ合った瞬間からリディアの意思の力は揺らぎ始めていた。タミ・ジョーの官能的な指使いは堪え難かった。忽ちリディアの乳首は固く成り、喘ぎ、呻き、身を悶えさせ始めた。
 女性の身体を知り尽くしているタミ・ジョーは直にリディアのクリトリスを刺激し始めた。
 無抵抗の金髪美女は、頭を背後にいるタミ・ジョーの肩にもたれかけ、官能の熱が若い肉体を焦がして行くあいだ身を振るわせ続けた。
 ブレンダのオーガスムの叫び声を聞いたのが最後の一押しと成り、リディアの意思が弾け飛んだ。脳乱させる様な疼きが一気に絶頂への奔流に姿を変えた。腹の底からの絶頂感が迸った。
「アアアアアアアアアアアアウウウウウウウウウウウウウーーーーーー!」

「これ、私のせいかしら?」
 タミ・ジョーが言うと、全員が声を上げて笑った。
 タミ・ジョーはリディアを押しのけ立ち上がった。そして昨日迄使えていた女の回りを恥ずかしげもなく歩いて回った。
 リディアは、喘ぎ、ヒクヒクと全身を痙攣させながら、床に俯せに成って横たわりっている。
 タミ・ジョーは、繊細な動作で右足をリディアの唇の直ぐ近くに置いた。
「それにキスをしなさい、slut」
 リディアが眼を開けると、眼の前に光沢のある黒い靴があった。その細く高いヒールの靴は、黒いストッキングで覆われた足に履かれていた。
 直ぐ隣にいるブレンダの呻き声、喘ぎ声が聞こえて来た。リディアには他に道はなかった。
 リディアは頭を持ち上げ赤い唇を靴に近付けると、靴の先端にそっとキスをした。良く磨かれてある靴の表面に唇の後が残った。
タミ・ジョーが微笑んだ。
「今度は靴を舐めなさい。隅から隅までよ」タミ・ジョーが冷酷に言った。
「そうするのが自分の仕事だという風に舐めるのよ、解ったかい、bitch」
「それが大好きだという様に舐めなさい」フェリシティが命令した。
「さあ、始めて」
「私、どうしたら良いか解らない」リディアが躊躇いながら言った。
「始めなさいって言ったのよ」フェリシティはイライラし始めた。
「言われた通りにして」ブレンダが喘ぎながら言った。
「私達にはそれをするしかないのよ」
「それじゃ、お前の愛するブレンダがする所をよく見るがいい」
 フェリシティは、立ち上がりブレンダに歩み寄りながら言った。
 ミミはブレンダの股間から指を引き抜き、その指を舐めながら脇へ退くとニンマリと笑みを浮かべた。
 タイがブレンダの背中を押し、四つん這いの体勢を捕らせた。そしてタイはズボンのジッパーを下ろすと肉棒を引き出した。
 ブレンダはジッパーの音に怖気を振るった。
「良く聞きなさい奴隷女、お前を打ち負かし絶望と背徳の穴に投げ込んだ女に対して敬意を示しなさい。爪先から始め、靴全体を舐めるのよ。それが済んだら、上の方に向かって舐め上げ、私の別命があるまで舐め続けるのよ。解ったわね?」

「解りました」ブレンダは言うと、乾いた唇を舐めた。
「解りました、それから何?」
「解りました、女御主人様」ブレンダは、強い恥辱に顔が焼ける様に熱く成るのを感じながら言った。

 ブレンダは、タイが硬い肉棒を股間に擦り付けているのを感じた。巨大な肉棒だった。その肉棒で責められたらひとたまりもない事も解っていた。そしてそれを止めさせる術が無い事も。
「女神様、お救い下さい」

 ブレンダは顔を下げ、唇をフェリシティの黒い靴に近付けた。その超高価なデザイナー・シューズは、昨日迄はリディアのものだった。全てではないにしろ、殆どのリディアの衣服はフェリシティのサイズに良く合っているのは明らかだった。
 ブレンダの赤い唇がフェリシティの靴の先端に触れたその瞬間、タイの肉棒の先端が濡れそぼった陰唇に挿入された。秘裂を押し広げるとブレンダの性的欲動が揺さぶられ、愛液が流れ出し始めた。

「それで良い、この無力で一文無しのslut」フェリシティが満足げに言った。
「自分に相応しい事をしているという風に舐めなさい」

 前屈みに成り、尻を空中に突き出した格好でフェリシティの足を舐めるブレンダの姿を、リディアは呆然と見詰めた。続いて、タイが腰を前に突き出し、気味の悪い巨大な肉棒を自分が慕っている美しい後見人に埋め込む所が眼に飛び込んで来た。
 ブレンダの長い髪が前に落ち、彼女の口がしている事を見えずらくしていたが、リディアには解っていた。ブレンダの一舐め一舐めが自分の体内の奥深くを舐めている様に感じられた。そしてその一舐め一舐めがリディアの意思を少しずつ崩して行った。

<もしブレンダにも抵抗出来ないなら、どうして私に出来ようか?>

「アアアーーーー」一旦肉棒を引き抜かれ、再度奥深くへ突き込まれたブレンダが唸り声を上げた。
「彼女、犯されるのが好きだって事、ずっと前から僕には解ってたよ」タイが熱心に言った。
「僕がここで働く様に成った最初の日から、彼女、僕の股間の膨らみをずっと物欲しそうな眼で見つめてたんだ」
 そしてリディアを示し、
「この小娘はもっと酷かった。ずっと僕を挑発してたんだ。僕に悪戯した事もあるんだ」
「だけど、貴方の方から彼女に手を出す事は許されなかった、そうでしょう?」フェリシティが言った。
「そんな事とんでもない!そく首だよ。きっと強姦されたとか何とか騒ぎやがっただろう」タイは怒った様に言った。

 タイは抽送のペースを上げ激しさも増した。
 フェリシティは、その様子を見ながらニンマリと笑みを浮かべた。リディアは眼を伏せた。
「畜生、後でこってりと犯してやるからな。自分で撒いた種はキッチリ自分で刈り取ってもらうからな」
<抵抗しても無駄だわ> リディアは悲観的に思った。

 ブレンダは靴を舐めるのを終え、フェリシティの長い美脚を舐める作業に移っていた。依然として両手を背中で拘束され、その上背後からタイに激しく突き上げられながらの作業は容易な事ではなかった。
 ふと自分を見詰めるフェリシティの姿が眼に入ると、ブレンダは思った。

<こんな亊しても、結局は私達に取って良い結果に終りそうもない。そんな気がする>

 リディアが身を屈めタミ・ジョーの靴を舐め始めると、その背後に運転手が近付き、リディアの濡れた秘所に指を当て素早く動かして揉み始めた。
 リディアは力を抜き運転手のする事に身を任せながら、タミ・ジョーの高いヒールの靴を舐め始めた。

 一方、ブレンダの口はフェリシティの内股に達していた。ブレンダは、もっと前に止めさせてくれる事を願っていた。しかし、それは有りそうも無かった。ブレンダを酷く憎んでいるフェリシティが、ブレンダにカニリングスを強要しようとしているのは明らかだった。
「私の秘所を味わいなさい」フェリシティが唸る様に言った。
「敗北の味を知るのよ。ドレークスの味がどんなもの思い知りなさい」
「解りました、女御主人様」ブレンダが従順に言った。

 しかしブレンダは密かに誓っていた。そう遠くない日、こんな状態から脱却する事を。そしてフェリシティにこの日の事を心の底から後悔させてやる事を。

「何でも仰せの通りにいたします、女御主人様」
「あああーーーー」警備員に肉棒を刺し込まれたリディアが大声を上げた。
「気持を強く持って、愛する人よ」ブレンダが言った。
「貴女をこんな事に巻き込んで、ご免なさい」
「私、耐えられない、ブレンダ」リディアが絞り出す様な声で言った。
「す、凄過ぎる。私、どうにか成りそう。もう抵抗する気力もないわ」
「解ってる」ブレンダが悲しそうに言った。
「私もそうよ・・・オオーー・・・アアアーー」
 ブレンダは、自制心が未だある様に見せようと首を振った。
「降伏するのは恥じゃないわよ、リディア。相手は多過ぎるし、頭がおかし過ぎるから勝てないだけよ」

 ミミがフェリシティの椅子を引き寄せ、新たな大邸宅の女主人は腰を下ろした。フェリシティには淑女の様な振る舞いは全く見られなかった。
 フェリシティは両脚を拡げ、そのまま両足を持ち上げ、鋭いスティレット・ヒールの先端を椅子の座の隅に置いた。フェリシティのビキニに合わせて脱毛してある秘所がブレンダの顔の眼と鼻の先にあった。
 昨日迄この大邸宅の主の鼻に、欲情した女主人の秘所の強い刺激臭が届いた。既に、股間の唇とその回りの肌は愛液で濡れ光っている。
 フェリシティは股間に手を遣り、綺麗に赤いマニキュアが施された二本の指を伸ばした。二本の指を秘唇の両側に当てるとそれを拡げた。これ以上拡げられない程大きく。

 ブレンダは口を開け、赤い唇をフェリシティの掻き広げられた秘所に近付けると、口を開けたままネットリとキスをした。
 ブレンダは舌を伸ばし、愛おしそうにフェリシティの陰唇を舐めた。ブレンダが眼を上に向けると、勝ち誇った様に見下ろすフェリシティの視線とぶつかり合った。
 ブレンダは眼を閉じ、フェリシティの秘所を吸いそして舐め始めた。

「ムムム、なかなか良いわ」フェリシティが呟いた。

 ブレンダは、フェリシティの肉体が反応しているのが解った。この美しい裏切り者も好き者らしい。
 ブレンダの舌が動く度に、お高く止まったフェリシティの若い肉体が反応していた。やがてフェリシティは喘ぎ、唸り声を上げ、ガタガタと身体を震わせ身を悶えさせた。
 フェリシティの反応が大きく成ると、ブレンダはより激しく舌を蠢かした。

「彼女がどう成るか見ていてくれ」タイが言った。
 タイは、一つ大きく息をつくと、激しく抽送を開始した。
「ああ、良いぞ、姉ちゃん!ああ、良いぞ! 見てくれ、俺はブレンダ・ウェイドを犯してるんだ!本当にブレンダ・ウェイドを犯してるんだぞ!」

「ウウウウムムムムムーーー」ブレンダは呻き声を上げた。
 タイの抽送にブレンダは瀬戸際に追い込まれた。否、それ以上だった。直にも絶頂に達しそうだった。
「ウウウーーーームムムムムムム」

「そして次は悪戯小娘を犯そうってのね」フェリシティが言った。
「ああ、勿論だとも」タイが息を吐いた。
 ブレンダは彼の肉棒がビクビクしているのを感じると、熱い精液が体内奥深くへ噴出した。
 それは、充分加熱していたブレンダにとって充分以上だった。その熱が肉体を変化させ、瞬く間にブレンダは至福の快感の叫び声を上げた。
 タイは依然として抽送を続け、再度歓喜の一線を越えさせた。
 ブレンダは、フェリシティの濡れそぼった股間に顔を沈めて叫び声を上げる事しか出来なかった。

「止めちゃ駄目! だらし無いわね、ブレンダ、さあ続けて」フェリシティが大声を上げた。
「私・・・イキそう・・・もう少し・で・・」
 ブレンダは、未だ固さを保っているタイの肉棒を包込む秘所がビクビクと収縮を繰り返している間にも、フェリシティの秘所への奉仕に戻った。
 しかし今回はフェリシティのクリトリスへの刺激に切り替えた。屹立したクリトリスを吸い上げた。強く吸い上げ、舌の先で転がした。
 フェリシティは眼を見開き背を仰け反らせた。
「嗚呼!」
 ブレンダは休まなかった。クリトリスを吸い上げ転がし続け、フェリシティを強烈な快感に脳乱状態に陥らせた。
 成金億万長者は飛び上がり息を呑み、悲鳴をあげ呻き声を上げた。
 ブレンダはフェリシティの身体が変わって行くのが解った。絶頂寸前だった。

「良い!」フェリシティ悲鳴をあげた。
「ああ、良い!ああ・・・ああ・・・アアアアアーーーーー、イイイイイイイーーーーー!」

 フェリシティは秘所から下腹部をピクピクさせながら絶頂の叫び声を上げると伴に潮を迸しった。
 ブレンダは、フェリシティがグッタリと椅子にもたれ掛り両脚をブレンダの横に投げ出し深い息をつくまで奉仕を続けた。
 ブレンダは顔を上げ辺りを見回した。
 フェリシティは四肢を大の字に拡げて椅子にもたれ掛り満足げに笑みを浮かべていた。タイも同じ様にニンマリと笑みを浮かべ満足そうにフェリシティの後ろに座っている。
 そしてリディアは、両脚を拡げ快感に首を仰け反らせながら前に立っているタミ・ジョーの股間に顔を埋めていた。リディアが熱心に赤い陰毛に覆われた秘所を啜っている間、背後から運転手が抽送を繰り返し、そしてリディアの白い尻一面に精をぶちまけた。
 タミ・ジョーは、絶頂に達すると叫び声と伴に真直ぐ後ろへ倒れ込んだ。そこに跪いたまま残されたリディアの濡れ光る顔が勢い余って前へ突き出された。

「ハハハ!滑稽ね」フェリシティが言った。そしてヨタヨタと立ち上がった。足元がおぼつかない。
「フー!想像していたよりずっと良かったわ。最初のレズ経験としては悪くなかったわ」
 フェリシティはこっそりタイにウィンクをした。
「肉棒に満足出来ない時は、私、宗旨替えするかもね」
「slut」 ブレンダが呟いた。

 クライブがブレンダに歩み寄った。
 ブレンダはハッとしてくライブの身体を見上げた。膨らんだ股間が眼の前にあった。ブレンダにはコチコチの堅物で、もういい年のクライヴがセックスを、特にブレンダとしたがるなど信じられなかった。しかし、クライヴは長いが細身の肉棒を引き出した。
 ブレンダは何の反発も示さず、黙って頷くと口を開けた。ブレンダはしばし男の味を満喫し、それから肉棒の根本の方へ唇を移動させた。
 クライヴは快感に呻き声を上げ、老人斑が浮き出た手をブレンダの黒髪の中へ刺し込んだ。
 続いて、背後からタミ・ジョーが加わり、ブレンダの97Gsを手で包込んだ。
 前にミミがした様に、タミ・ジョーも片手をブレンダの股間に滑り降ろしクリトリスを揉みほぐし始めた。二本の指で乳首を転がしながら、タミ・ジョーは遠慮なく昨日迄の雇い主を指姦した。
 ブレンダは、鼻で荒い息をしながらクライブの肉棒を吸い続けた。幸い、クライブはセックス経験が余りなく直に射精した。
 だが、タミ・ジョーは止めなかった。そしてブレンダが三度絶頂し、疲れ切ってタミ・ジョーの手にグッタリと倒れ込む迄休む事無く続けた。そして赤毛のメイドは立ち上がると意気揚々と部屋から出て行った。

「それじゃ、タイ」フェリシティはミミに支えられてドアの方に向かいながら言った。
 二人は肩を組んでいた。胸は露出させたフランス人メイドは、左手でフェリシティの丸い臀部を撫でていた。フェリシティがレズビアン・セックスをもっと楽しもうとしているのは明らかだった。
「二人の寝室だった部屋に二人を連れてって。貴方と他の警備員の皆さんに彼女達自身のベッドで気が狂う迄犯して欲しいの。それが終ったら二人を取り代えてもう一回犯しまくって頂戴」
 待ちわびていた男達から歓声が上がった。
「ああそれから、二人の陵辱が終ったら、打ち合わせ通りゴミ箱に放り込んでやって」

 命令通り、十人の警備員はブレンダとリディアを引き摺る様に夫々の寝室に連れて行った。
 ブレンダは、最初の警備員の長く太い肉棒の上に跨がる様強制された。その肉棒を体内に納めるや否や、背後からもう1人の警備員にのしかかられ、肛門を犯された。思いのままにされ虐待されるばかりの昨日迄の億万長者に出来る事は、刑務所に送られる恐怖から不平不満を押し殺し、惨めに呻き声を立てる事だけだった。

 やがて三人目と四人目の警備員が両側からベッドに上がり、交互にフェラする事を強いられた。
 そして警備員はローテーションを開始し、警備員全員は思い思いの方法でブレンダの全ての穴を犯し続けた。その女の全ての穴を犯し終えた警備員は、もう一方の寝室へ行きもう一人の女を犯す順番を待った。
 警備員達は二人の女の間を行きつ戻りつした。タイが、本来の職務同様、このローテーションの手配も行っていた。
 ブレンダが驚いた事に、非番の警備員迄もが彼女とリディアの尻に一発入れる為に現れた。
 全ての警備員が二人の全ての穴を犯し、ある者は胸で奉仕してもらった。

 日が昇る頃にはブレンダは何も解らなく成っていた。ただ自動的に命令に従い数えきれない程絶頂させられるだけだった。

 朝の九時、大邸宅の警備員は完全に満足していた。
 二人は引き摺られる様にしてウェイド大邸宅の警備バンのところへ連れて行かれ、中に押し込まれた。
 ブレンダは、バンの冷たい金属の床に放り出されると、リディアと抱き合い、そして意識を失った。
 二人の美しい肉体は半乾きの精液に塗れ、全ての穴、そして顎に疼く様な痛みがあった。
 ブレンダが身に着けていたのは、ガーターベルト、ストッキングそれに靴だけだった。リディアは赤い靴だけだった。しかし、それも眠っている間は意識にも登らなかった。乱暴に起こされバンから引き出される迄は。

「ここは何処なの?」不安げに辺りを見回しながらブレンダが訪ねた。
 そこが何処だか見当が付かなかった。細い路地の中だった。汚い泥だらけの路地だった。
「シュガー・タウンという赤線地区にある路地さ」タイがニヤリとして言った。
「だから、あんた達の様な淫乱女なら簡単に良い仕事が見つかるさ」
 二人の警備員が進み出て、ブレンダとリディアの手錠を外した。
 ブレンダは、痛む手首を擦ろうとしたが、長い間拘束されていた両腕が思う様に動かせなかった。両腕はだらりと下がっているだけだったが、急速に回復して来るのが解った

<フェリシティは、少なくとも約束だけは守ってくれた。逮捕だけは免れた様ね>
 ブレンダは、気落ちした様子で辺りを見回しながら思った。

 突然、ブレンダは警備員に持ち上げられ、脇に有る大きなゴミ溜の中に頭から投げ込まれた。続いてリディアもブレンダの上に投げ込まれた。
「イタ!ウウ!」
 ブレンダは、ネバネバ、ヌルヌルした吐き気をも要す様な嫌な臭いのする物が体中の剥き出しの肌に纏わり付くのを感じた。
「アア、ウウワッ。ネバネバする、ウエ」リディアが悲鳴をあげた。
 二人がゴミ溜の中で何とか立ち上がると、恐ろしい顔つきをした二人の警備員が待ち構えていた。その手にブラック・ジャックが握られているのを見たブレンダが眼を見張った。が、遅かった。

 ガンッ! バシッ!
「ウグッ!」
 ブラック・ジャックで殴られた美女はゴミ溜の中に崩れ落ちた。
「これなら、本当にゴミを放り出したと言えるな」
 タイが声を立てて笑うと警備員達はその場を去って行った。


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