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 第七話:屈辱の撮影会(前編)

美佐代が着替えていた部屋を仕切っていた襖が音もなく静かに開いた。
そこには彼らの指示通りにワン・サイズ小さい純白のレオタードに着替え終わった彼女が立っている。
下着を着けずに着ているため両手で胸と股間を隠している。
美佐代は、クッと唇をかみ締め横を向いていた。

 「じゃ、そこの掛け軸の前に立ってくれるかのぉ〜」
腹田の脂ぎった顔が歪んだ笑いを浮かべている。

 「はい・・・」
今の美佐代は、唇を噛んで耐えるしかなかった。
とにかく、しばらくの間だげこの恥ずかしい姿を我慢すれば、可愛い妹の将来も守り通せる。
レオタード姿なんて対した事はない。
そう、自分に言い聞かせながら決して目の前の二人には自分が恥ずかしがっている事を見せまいと努力した。

 「まずは・・・正面からと、左右、そして後ろ姿の4枚じゃ」

腹田は、肘掛けにブヨブヨの腹ごともたれかかったまま教頭の陰山に指示を与えた。
歩く骸骨の標本模型のような男、陰山は二台の一眼レフカメラを巧みに持ち替えながら何度もシャッターを切った。
パシュッ...パシュッ...。
強烈な閃光が美佐代の純白のレオタード姿を照らし出す。
美佐代は、自分の胸と股間を押さえている手に力を込めた。
パシュッ...パシュッ...。
目を閉じてその屈辱に耐えている美佐代は、ふと学生時代を思い出した。
あの頃も同じような思いをした。
いわゆる「カメラ小僧」や「美少女オタク」と言う輩にしつこく追いまわされていたのだ。
純粋に演技に夢中になる姿を撮影されるのならまだ許せる。
しかし連中のほとんどは、卑猥な目的でシャッターを押し、ビデオ・カメラを回し続けている。
女である美佐代には、離れた距離で撮影をしていてもそれが純粋な目的なのかそうでないのかは直感的に分かった。
美佐代にも後輩ができるようになると、その可愛い後輩達を守る為に進んで彼らを戒めた。

「へへへ・・・そうそう・・・もっと大きく脚を開いて・・・」

カシュッ、カシュッ、カシュッ、カシュッ...。
モーター・ドライブで作動するシャッター音が、小刻みに響く。
大型の望遠レンズのその先は、次の大会に向けて熱心に練習に励んでいる美少女達の局部を追い続けている。
写真投稿雑誌上では、彼の撮る作品は高い評価を受けていた。
激しい演技の瞬間に見せる卑猥な構図には、局部のアップだけではなく苦悶の表情を浮かべる美少女の顔まで収めていたからである。
体育館の裏のしげみに隠れて、こっそりと下の窓から撮影を続けた。
彼の容姿は、言うまでもない。
少し脂ぎったストレート・ヘヤーをセンターで分け、小太り気味の体でしっかりとカメラで獲物を狙っている。
ファインダー越しに、薄いレオタードの生地の中身を想像する。
しげみに横たわっている彼の股間のモノは、すでに固くそそり立っていた。
盗み撮りをする時は、必ずそうである。
先端からは、透明の汁を垂れ流しながら下着を汚していく。

「今日のオカズは、どの娘にしようかな・・・」

望遠レンズで自分の好みの美少女を探し、シャッター・チャンスを狙う。
激しい動きに合わせて揺れ動く胸。
なんの恥じらいも見せずに大きく開かれていく美脚。
彼は、ニヤニヤと薄笑いを浮かべながらシャッターを押し続けた。
そして撮影した作品は自宅に持ち返っては、さっそく自分で現像を行い出来上がった作品に全裸で埋もれながら自ら股間のモノをしごきあげ白い液体を苦悶の表情を浮かべる美少女達にかけていくのだ。
そうする事によって最高のエクスタシーを得る事ができる。
歪んだ征服欲であった。

「ん〜・・・あの子は今日、休みなのかな?」

もちろん彼の一番のお気に入りは、美佐代であった。
自分と変わらぬ年ではあるが、絶妙のバランスの彼女のボディはたまらなく魅力的である。
真剣に演技の練習に打ち込む彼女の肌の、水滴なような汗がポタリポタリと落ちる度に自分のペニスの先からも透明な汁が零れ落ちた。
美佐代の姿を必死で追い求めながらも、他の生徒のレオタード姿の局部をフィルムに焼き付けていく。

「おっ・・・これは、なかなか・・・」

彼が見つけた獲物は、薄いレオタードの生地が女の部分が食い込んでいた。
その形状がハッキリと分かるほどに脚を大きく開いている股間をさらけ出している。
彼は、瞬時になくなっていくフィルムを数秒で交換しながらその獲物の体を舐め尽くすようにフィルムの中へと収めていった。
その時である。
ザッバーン!!
冷たい水が、容赦なく頭の上からかけられた。

「な、何だ!?」

ザッバーン...ザッバーン!!
彼に振り返る余裕を与えずに立て続けに水がかけられていく。
それでも彼は、カメラから手を離さなかった。
命よりも大切なフィルムが収まっている。
だが異音を立てて動き続けるカメラをその手に感じていた。

「いい加減にしなさい!!」

びしょ濡れになりながらも振り返ったその先には、空のバケツを手にした美佐代の姿があった。
彼女の後ろには、数人の後輩の姿がある。

「あ〜あ・・・おしゃかになっちゃったよ・・・」

盗み撮りの現場を押さえられても、全く動じない。
その姿を見た美佐代は、怒りに我を忘れた。

「あんたみたいな男がいるから・・・」

美佐代は、自分の置かれている立場を全く理解していない。
起き上がろうともせずに、心配そうにカメラを覗き込んでいる。
その男の顔面を泥の付いたままの素足で蹴り上げた。
バキッ!!
男の顔面が仰け反った。

「うぐっ!・・・な、なにするんだよ・・・」

鈍い痛みを感じる赤くなった頬をさする。
しかめっ面で美佐代の方を見た。
奇麗な生脚をさらした彼女の姿に見とれる。

「で、でも・・・実際に目の前でみると本当に奇麗な脚をしているね・・・」

思わず彼女の太腿に手を伸ばそうとした。

「汚らわしい手でさわらないで!」

美佐代は、伸びて来た彼の手をスッとかわすと泥の付いた素足を彼の顔面を踏みつけた。

「げほっ!!」

彼は横たわったままびしょ濡れの地面に顔面をなすり付けられたまま美佐代にグリグリと踏みつける。

「うっ、うっ・・・」

苦しい。
しかし、自分のお気に入りのあの子に踏まれている。
しかも素足で
チラリと美佐代の顔の方を見上げるように覗き込むと、濡れたレオタードに包まれた彼女の股間がクッキリと目に飛び込んで来た。
間近で見る美佐代の局部に彼の股間は、爆発寸前である。

「あんたみたいな男がいるから・・・」

美佐代は、容赦なく彼の顔面を踏みつけていた。
だが男は、恍惚の表情を浮かべたまま荒い息を立てている。
なにか様子がおかしい
そう思った時だ。

「あうっ!!」

短い叫びとともに美佐代に踏みつけられている男の体が跳ねた。
腰を前に突き出したまま下半身だけがビクン、ビクンと動いている。

「せ、先輩・・・ひょっとしてコイツ、森川先輩に踏まれてイッちゃったんじゃないんですか〜?」
「えっ・・・イッた?」

初めは何の事がさっぱり分からなかった。
ウットリとした顔でピクピクと全身を痙攣させていた

「間違いないよ!、コイツ森川先輩に踏まれてイッちゃってるよ!」
「やっだぁ〜、変態じゃないのコイツ・・・」

後輩達のざわつく声。
ようやく事態を理解した。
まるで汚物から逃げるように彼の顔面を踏みつけているその脚を慌てて離した。

「森川先輩、コイツどうしましょう?」

美佐代の後輩達は、その男のヒクヒクと蠢いている股間のふくらみを取り囲んで観察していた。

「そ、そうねぇ・・・さんざん迷惑をかけられ続けたんだから、警察にでも電話をして引き取ってもらいなさい」
「は〜い!」

美佐代の指示に、元気のよい返事が返ってくる。
一人の後輩が、さっそくその場を離れて行った。

「それじゃあ、私、練習に戻るから」

美佐代は、ありったけの憎しみを込めて今だに恍惚の表情を浮かべて余韻に浸っている男の腰を蹴りその場を去って行った。

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