『タナトスの囁き』 (2) 久遠 真人作
【2】ビデオの映像 ノイズと共に画面が鮮明になると、薄暗い部屋は映し出された。 暗闇によって壁などがまったく見えず、ぶら下る1つの電球によって、足元のコンクリート剥き出しの床と黒い革張りの大きな椅子が闇より浮き出されている。 そして、その椅子には真帆とそっくりな女性……片帆が座っていた。だが、その服装は普段の彼女を知る真帆からは想像も出来ないものであった。 華奢な細い首には肉厚の大きな首輪が嵌められおり、そこから垂れ下がった何本もの皮ベルトによって、剥き出しにされた豊満な乳房が何重にも巻きつき、美房を根元から搾り出し、細い腰を更に無残に締め付けるコルセットに繋がれていた。更に伸びたベルトによって秘部が曝け出され、画面にしっかり中まで映し出されている。その中は愛液によってヌラヌラと濡れ光、その上の肉芽と乳首を貫いている銀のピアス同様、ライトに垂らされ時折強い光を放っていた。 両手には二の腕まで覆う黒革のロンググローブ、脚には太股まで覆う黒革のピンヒールのをロングブーツが履かされ、それぞれに枷とベルトが絡みつくように巻き付かれていた。 だが、彼女自身はなんの拘束もされておらず、恍惚とした表情と笑みを浮かべている。 「これを見ているのは……真帆姉さん?」 突然、喋りだした片帆の言葉に、あまりの事に呆然としていた真帆はビクッと肩を震わせた。 「急に連絡を取らなくなってゴメンなさい。見ての通り、マゾの片帆は今は心の自由を得て幸せです」 そう話す片帆の表情は、確かに幸せそうな笑みを浮かべている。 「………マ……ゾ? ……片帆…が?」 「今は、ご主人様に飼われて幸せですから、安心して下さい。でも……そう言っても信じて貰えないだろうから……その証拠をみせるね」 そう片帆が微笑むと、画面がノイズに覆われた。 「あっ…片…帆…!!」 だが、混乱する真帆が取り乱す間もなく画面には新たな映像が映し出された。 3人尾男たちによって後手に拘束具によって縛められた天井から垂れ下がる鎖によって吊られ爪先立ちにされる片帆。その長い脚は左右に大きく開かされ足首から伸びた短い鎖を床のフックへと固定される。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 「おいおい、コレだけでもう感じているのか?」 「下の口からは涎が床まで垂れているぜ」 「まったくこの牝犬には躾がまだまだ足りないかな?」 男たちは皆、仮面を被り素性を隠しているが鍛え引き締まった体をしている。 彼らの声すらも快楽の刺激になっているのだろう。真っ白な柔肌を羞恥で朱に染め上げブルブルと体を震わせている。そして、その言葉が嘘でないのは、ライトに照らされ縦に光る透明な糸によって証明されていた。 「まったく。ちょっと前まで処女だったとはとても思えねぇな?」 「いまじゃ、前だけじゃ物足りなく、尻の穴もオネダリするぐらいなのになぁ ?」 「そうだろう?」 「はっ…はいっ……片帆はオ○ンコだけでなく…アナルにも…入れて貰わないと…駄目なんです! だから……だから………お願いします!!」 目を潤ませて切なそうに哀願する片帆。その様子を男たちは下卑た笑みを浮かべ取り囲む。 「まったく、躾の話をしたばっかりだろう?」 「自分ばっかり貰おうというのも、けしからんなぁ」 「何かを得るには対価が必要だよな?」 「はっ、はいっ、ご奉仕します! ご奉仕させて下さい!! お願いします!!」 既に口からも涎を垂れ流し、涙を流しながら哀願する片帆。その姿は国立大学に通っていた聡明な面影はなく、肉欲に溺れた牝犬のようであった。 「ちっ、しょうがねぇな」 「しっかり奉仕しろ、さもないとずっとお預けだからな」 「……ひゃい……わ、わひゃりました」 男たちに吊り下げ固定されていた鎖を解かれると、後手に拘束された不自由な体を揺すり、必死に男たちに奉仕しだした。口を使いファスナーを下げ、逞しい男根を咥えだすと一心不乱に舐め、咥え始めた。 「おいおい、こっちはまだか?」 「忘れちゃこまるぜ!」 パシッと剥き出しになった尻肉を他の男たちがスパンキングし、白い肉丘を真っ赤に染め上げていく 「ウグッ……グッ……はひっ………たひゃいま……」 必死に身をくねらせ、それでも咥えた怒剛を離さず必死に首を揺すり男が果てるまで奉仕する。そしてその白液を美味しそうに飲み込むと次の男へと奉仕を開始した。その片帆の背後から、他の男たちは潤った秘部に各々極太のバイブを捻り込むと、掻きだす様に出し入れを行なった。その度に大量の愛液が男たちの手を濡らし、床に水溜りを作っていく。 その光景を、呆然とした目で真帆は見つめ続けた。 ビデオでは尚も片帆は男たちによって責め続けられていた。 男たちに前後の穴に逞しい怒剛を挿入され、もみくちゃにされながら口に奉仕をする姿…… 駅弁スタイルに抱きかかえられ激しく上下に揺すられながら、大量の浣腸液を排泄する姿…… 野外の公園をボンテージ姿で四つんばいで歩かされ、鞭で追い立てられる姿…… 群がる沢山の浮浪者によって、その裸体が汚され、貪り食われる姿…… ステージの上で、男たちに責められ、犯され続ける姿を見世物にされる姿…… 逆さ吊りにされ、各々責め具をもった観客に、寄って集って責められ続ける姿…… 様々な責めに身悶えし喘ぐ片帆……だが、その表情はどれも恍惚としていた。 ……ピッ 全ての映像の再生が終了し薫によって電源を落とされても、真帆は呆然と画面を見つめたままソファに座り続けていた。 |