【4】絡め捕られし気高き獲物
街灯の光も入らない木々の奥で、月明かりに照らされ、眩しいばかりの白い肌が晒されていく。
着やせするのであろう、服の下から白いレースのブラジャーに覆われた胸は、はちきれんばかりに盛り上がり、スポーツや武道で鍛えられたウエストは驚くぐらい絞り込まれている。キュッとつり上がった染み一つない尻肉から伸びたスラリとした美脚は、太股に適度に脂が乗っており、彼女の体は溜め息の出るくらいセクシーなプロポーションである。
白い下着姿を恥かしそうに両手で隠し、足をくの字する姿は、道場で凛々しい袴姿を知っている私にとって頭を殴られた以上の衝撃を受けた。
「ヒヒヒッ、予想以上の体だ。おい、最高の被写体だよなぁ」
「ヘヘヘッ、まったくだ、しっかり撮影してくれよな」
いつの間にかロン毛男は私にナイフを押し付けている手はそのままに、空いている手でビデオカメラを持って彼女にカメラを向けていいた。
「いやぁぁ、撮らないで!!」
綾乃さんも男たちの言葉でカメラに気が付くっと、美しい顔を羞恥で真っ赤に染め、その場で体を縮こませるようにうずくまった。
「てめぇの、詫びる姿を撮影しようっていうんだよぉ!ヒヒヒッ、あとで知りませんなんて言えねぇようにな!!」
「さぁ、その場で土下座して謝ってもらおうか・・・そうだな、こんな感じにな」
大男に耳打ちされた言葉を聞いたとたん、彼女の伏せられていた目は驚きで目が見引かれ、顔を真っ赤にしながら大男を睨み上げた。だが、更に何度も耳打ちされると、ガックリと首をうな垂れ、力なく頷いた。
「わ、わたし、広瀬 綾乃は・・・お、女の身でありながら・・・格闘技をつかい・・・お二人に歯向かい、誠にも、申し訳・・・ありま・・せん・・でした」
「おらぁ!もっと声を大きく出だせ!じゃねぇと、何度でも頭からやり直させるぞ!!」
「はい・・・私、広瀬 綾乃は・・・女の身でありながら・・・格闘技を使い・・・お二人に歯向かい、誠に・・・申し訳・・・ありませんでした」
「躊躇せずに、どんどん続けろやぁ!!」
「その謝罪に・・・今夜は、お二人に・・・お詫びを・・・させて・・・ください」
「ほぅ、どんなお詫びだぁ?」
「綾乃は・・・実は・・・電車では・・・お二人に触られて・・・感じてたんです。綾乃は、男性に無理やり・・・されるの願望のある・・・淫乱な・・・マゾです・・・ど、どうか・・・お好きなように・・・お嬲り・・・くだ・・・さい・・・どうか・・・おねがい・・・します」
耳打ちされ次々と屈辱的な言葉を言わされる彼女・・・その唇は口惜しさに振るえ、切れ長の目からは涙が頬を伝ってしたたり落ちた。最後に深々と頭をさげさせられ土下座すると肩を震わせて泣き出した。
「ヘヘヘッ、そんなにお願いされちゃぁ、しょうがねぇ。詫びを受けてやるよ」
「合気道で男どもを投げ飛ばしていたインテリ女が、実は無理やりされるのが好きなマゾとはねぇ・・・人は見かけによらないものだなぁ?」
「まったくだ・・・その言葉に偽りがないか、じっくり試してやろうぜ」
そう言うと、大男はなにやら黒革製のゴツゴツしたモノをワゴン車から抱え出すと、土下座したまま肩を震わせている彼女の前に立った。
彼女の両手首を捻りあげると、背後で揃えさせ、素早く手首に黒革のベルトを巻きつける。
「な、なにをするのッ!」
不意をつかれ、ハッとなって彼女が顔を上げた時には、手を背後で伸ばすようにシッカリと縛られてしまった。
「なにって、自分でお願いしてたじゃねぇか!へへへッ、マゾらしい格好にしてやるだけだよ」
そういうと、大きな三角形のような黒革製の袋を慣れた手つきで、抗う彼女の手に被せていく。背後で真っ直ぐに揃えられてしまった彼女の手を、肩口まですっぽりと黒革の袋に覆われていく。更に手首、肘の上下に幅広のベルトをギチギチに締めつけられ拘束されるたびに、おぞましさから彼女はヒィヒィと悲鳴をあげる。更に袋の縁から伸びた二本のベルトを肩から反対の脇の下に交互に通すと、胸元を交差したベルトに締め付け苦しそうにする彼女に構わず、大男はギチギチと締め上げる。
「こんな格好いやぁぁ、外してぇぇぇ!!」
「うるせぇなぁ、ギャァギャァ騒ぐな、まだこれからだろうがぁ。ちったぁ、黙ってろ」
そう言うと、背後から彼女の顎をガッシリと掴んで口を開けさせると、金属の筒のついた帯のようなモノをとりだし、彼女に口に押し込んだ。
「いやぁぁ・・・グッ?!、アガッ?!オグッ!!」
金属の筒を噛ませると後頭部でキュッとベルトを締め固定してしまう。口を限界まで開けさせられた彼女の鼻から下をスッポリと黒革が覆い、口の部分にはお風呂の栓のような金属のリングに小さく鎖で繋がったゴム栓が押し込まれている。その姿は彼女の人間性を否定し、ただの道具へと貶めるものであった。
「ヒヒヒッ、よく似合ってるぜ。マゾ奴隷の姿がよぉ!!」
「ンーッ!ンンーッ!!」
ロン毛男の言葉に、彼女はイヤイヤをするように首を左右にふるが、その動きは弱々しい。
大男は、鋲の打たれた肉厚の首輪を彼女の首に巻きつけると、首輪からぶら下がった鎖を掴み、つるし上げるようにして彼女を立たせる。
「オゴッ!グッ!グエッ!!・・・ゴホゴホッ!!」
「蹴られても嫌だからなぁ、足にはこれをつけてやるよ」
彼女の細い足首に足枷を嵌めると、三十センチ程度の短い鎖で繋いでしまった。これでは蹴る事はおろか、走る事まで封じられてしまった。
最後に大男は黒い布で彼女に目隠しをすると、首輪の鎖を持って、さながら奴隷を連れ歩くように感じにワゴン車の方へ連れて来た。
それらの光景を食い入るように見ていた私を、ロン毛男は横から薄笑い浮かべ見下ろしていた。そして私は突然、手の拘束を緩められると、ワゴン車の外へ突き飛ばされた。突然な事と、手足がまだ拘束されたままなので、受身も取れず芝生に顔から着地するはめにあった。
「約束だからなぁ、オメェはここで解放だ」
「ヘヘヘッ、優しい俺らに感謝するんだなぁ」
「綾乃ちゃんには、これからたっぷり詫びてもらうからなぁ、オメェの相手までしたやれねぇんだ、ヒヒヒッ、すまねぇなぁ」
「綾乃ちゃんをしばらく借りるぞ!分かっていると思うが、警察とかに話すよなぁ?!テメェらの情報は全て調べ済みなんだからなぁ!!」
「あぁ、そうだ・・・お駄賃として、これやるわぁ」
私は突っ伏して拘束を解こうともがいている間に、男たちの声が降り注ぐ。
なんとか拘束から抜け出た時には、私の代わりに綾乃さんを押し込んだワゴン車は走り去っており、その後には1枚のカードが落ちていた。そこには例のホームページのアドレスとパスワードが書かれていた。
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