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  −淫獄包囲網 悪意のネット調教−                          久遠真人 作         

             
【3】忍び寄り大きく口を開ける罠

私が意識を取り戻すと、大型のワゴン車の車内らしき床に、後手に揃えた手をベルトのようなモノでガッチリ縛られ、ボールギャグを噛まされて転がされていた。

「お、気が付いたか? ヘヘヘッ、ちょっと強く殴りすぎて起きないんで、やべぇかと思ったが、悪かったなぁ」

気配に気づいたのか、運転席に座っていたスキンヘッドの大男の投げかけた言葉で、意識が後頭部に移ると途端にズキズキと痛み出した。

「ヒヒヒッ、あんまり起きないんで、お前の携帯を使って綾乃ちゃんを呼び出しておいたから、すぐ来ると思うぜ」
「お前からの電話かと思って明るく出たあの女の声が、悲痛な声に変わったのを聞かせてやりたがったぜ」
「大好きな大好きなお隣の子の電話だと思ったんだからなぁ・・・それがこんな男のダ声じゃあなぁ」

後部座席にふんぞり返るように座っていたロン毛が、運転席の大男と笑い合ってるのを聞きながら、縛めを解こうと、体を揺すっていると頬にナイフが突きつけられた。

「そう焦るなって、ジッとしてれば怪我をさせないし、イイモノが見れるかもしれねぇぜ、ヒヒヒッ」

そういうとロン毛男は面白そうに冷たいナイフの腹でピタピタと私の頬を叩く。

(・・・きちゃダメ、綾乃さん・・・)

「広い公園の中から、奥まったところに停まってるこの車を見つけ出すまで、結構時間がかかるだろう・・・それまでに・・・」

後頭部の痛みと絶望の為、頭が朦朧としてくる。どれくらい時間が経たのだろうか・・・全ての事柄は夢うつつのように感じた。


「ヒヒヒッ、主役が到着した様だな」

ロン毛男に抱き起こされシートに縛り付けられた私が顔を上げると、スモークの張られた窓ごしにこちらに駆けて来る綾乃さんの姿が見えた。


「ちゃんと来たわよ、あの子を放して!!」

走って公園中をこの車を探し回ってたのだろう、隠れるように木々の間に停止された車のそばに来た綾乃さんは、綺麗な白い肌に大粒の汗を浮かばせている。それでも隙のないように、ワゴン車から出てきた大男と間合いを計り対峙した。

「放さないと、どうなっても知らないわよ!!」
「おぉ、怖い怖い、ヘヘヘッ・・・」
「どこにいるの?!」
「そこのワゴン車の中だ、お前も来い・・・グッ」

その事を聞くと、伸びてきた大男の手を素早く掴み投げ飛ばすしワゴン車に駆け出した。

「おーっと、そこまでだ。ビビッて可愛いこの子の顔に傷をつけちまうぜ?ヒヒヒッ」

彼女はワゴン車のスライド扉を開け放ち現れ、私の頬にナイフを押し付け下卑た笑うを浮かべたロン毛男の言葉に、彼女はその場で立ち止まった。

「なんて、ひきょうなの・・・」

肩を怒りで震わせて、怒りの声を絞り出す。

「この阿女ぁ!イイ気になりやがって!!」

その背後で投げ飛ばされた大男が起き上がると、背後から彼女の肩を掴みワゴン車から引き剥がした。大男は頬を思いっきり叩くと、彼女は吹き飛ばされ芝生の上に倒れこむ。

「女のクセに・・・合気道なんて止めて、大人しくして腰でも振って男を誘ってればいいんだよぉ!!」

その言葉に、彼女は大男をキッと睨み付ける。その視線に大男は一瞬たじろぐが、その事に気が付くと、怒声をあげて再び彼女を殴りつける。

「その辺にしておけ、折角の美貌が台無しになっちゃ、被写体としての価値が下がっちまう」
「へへへっ、そうだな。今日はこの女にたっぷり詫びをいれさせる為に来たんだった」
「嫌よ!なんで私が詫びをいれなければ、ならないの?普通は逆でしょ!!」
「ヒヒヒッ、お前の意見なんか聞いちゃいねぇよ!詫びを入れるか、可愛いこの子の顔がナイフで切り刻まれるかの二択だ!どっちなんだ?早くしろ!!」
「うぐぅぅぅ?!」

頬に突然、熱いものが走り、垂れてくる感触私はにボールギャグの下でくごもった悲鳴を上げた。

「おーっと、ちんたらしてたら手元が動いちまった。ヘヘヘッ、早くしないと・・・」
「まって!・・・・・詫び・・る・・・わ!!」

俯き握り拳を震わせてなんとか言葉を絞り出す。

「あぁ?!なんだってぇ?聞こえねぇな?おい、聞こえたか?」
「いや、全然・・・おぃ、もっとシッカリ聞こえるように言えや!」
「・・・詫びる・・・わ!・・・だからその子を放して!」

彼女は、悔しさに美しい瞳を潤ませてる。

「なんだぁ?これから詫びるにしゃちゃ、なんだか偉そうだな」
「まったくだ、まったく誠意を感じないなぁ」
「言葉使いもそうだが、態度が気にいらねぇ! 誠意を示すんなら、下着姿にでもなって土下座してもらおうか!!」
「なッ?!」
「ヒヒヒッ、頭のよろしい国立大学に通っているインテリ学生さんならわかっているとが・・・」

そう言うとロン毛男は、私の頬をナイフの腹でピタピタと叩いてみせる。

「へへへっ、わかったのか?返事ぐらいしやがれ、この阿女!!」
「・・・わかり・・・ました」

理知的な唇をひらき、どうにか言葉を絞り出すと、ガックリと頭をうな垂れた。



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