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. 3 (き、気持ち悪い……) 手首に感じるヌメヌメ感。そのイヤらし過ぎる軟らかさに、玲子は吐き気を催していた。 湿っぽさ・生ぬるさ、そして不定形さ――走根が与えてくる刺激は、そのように表することができるだろう。 腐肉色した有機綱。彼女の自由を奪ったそいつらは、堅固さや形態、つまりは秩序だったモノとは無縁だった。 こんな、こんな醜悪なヤツらに身体を汚されるというのか! 『そんなにイヤそうな顔しないで欲しいわ。何事も、試してみなければ分からないじゃない』 いけしゃあしゃあと言う摩耶。 「……試したくないんだけど」 『あらあら……若いんだから、見聞を広める機会を放棄しちゃダメよ』 ケタケタケタ……病的に明るい笑声。 「……どんな見聞が広まるってのよ?」 『女体の奥深さ』 即答だった。 『うふふふ。玲子さんは、まだ気づいてないハズだわ……あたしたち女が、「どれほど悦べるのか」ってコトにね。 丸みを帯びた、脂肪分の多いこの肉体が、どれほどの快楽を紡ぎ出してくれるか……』 「あらあら……年なんだから、色狂いを治す機会を放棄しちゃダメよ」 セックス賛歌を始めた女科学者。玲子はそのセリフを真似て、彼女を揶揄した。 『ま、教え込まれるまでは、分からないでしょうね。それに……ひょっとしたら、喜ばしいコトなんかじゃなく、 惨いコトなのかもしれないし……呪うべきは女の性、かしら』 まあ、いいわ。独り言をそうまとめると、摩耶は小さく口笛を鳴らした。 「…………!」 突然のスタート――〈ペド〉による凌辱の、だ。 股間に集っていた〈触手ハンド〉が、獲物の柔肌に着地する。第一陣は双肩に降りると、 そこから鎖骨沿いに移動して、疑似レオタードの内側へ潜りこんだ。 (ああッ……い、嫌ッ……) 伸縮性に富んだ特殊繊維は、隙間への無理な侵入も受け止めていた。 切れたり破れたりせず、生地は伸びて盛り上がりを形づくる。歪な釣鐘が、黒布の下にくっきりと浮かび上がっていた。 触手たちが蠢くのに合わせて、その輪郭が動いていく。布地に生まれた膨らみはヌチャヌチャという音を立てつつ、 女にとってよりクリティカルな場所へ歩み出していた。 「……く、くうッ」 鎖骨から分け入ってきた萼が、そのまま下へ降りてくる。外側から見れば、たわわなふくらみの上に、更にコブができたみたいなものだろう。そのコブたちが、拭き掃除しているみたいに、胸乳を撫で回してくる。 気色悪さはすぐに、擽ったさと隣り合わせの掻痒感へ変わった――厳密に判ずれば、それは「湿かつ粘」という特質上、痒みとも違っている。もっと"うるさい"もの。神経を苛み、心をかき乱す情感。 ヒクン・ヒクンと、玲子の瞼が痙攣する。奥歯を噛み締めている朱唇も、時折、小さくわなないた。鼻息の温度が上がっていく。 「……う……うぅ……く……くぅ……う、あッ!」 こらえ切れずに飛び出した淫声。萼たちがいきなり、双丘を縦断してきたのだ。 輪と柱とで構成された授乳の器官――敏感な尖端を撫でられて、喜悦の小爆発が起こった。桃色のパルスが、ふくらみから全身へ走り抜けていく。 『あ〜ら、感度良好ねえ……これなら、見込みあるわぁ』 摩耶のからかいが、第二陣の号砲だった。腿の切れ目から、襟刳りから、腋下から、ネトつく触手たちが潜り込む。玲子とレオタードの間には、8匹(?)もの肉具たちが住まった。 それぞれが思い思いに動き回り、内側からレオタードを押し上げる。ボコボコした輪郭のダンス。それに合わせて、生白い女体がくねり始める。 また、外に現れていたのは「形」だけではなかった――レオタードに使われている繊維は吸湿性に優れ、内側の汗を吸い上げ発散するという特殊機能を持っている。これが作動し、黒布はビショビショになりかけていた。内側で塗りたくられた粘液を吸い上げて、外側へ滲み出させていたのである。ジワッと湧いてくる粘っこい分泌液。 「……う、うあッ…うあ、ああッ…あ、ふッ…ふ、ううッ……」 玲子が肩を揺すり、首を振り始めた。瞼の痙攣は間断なきものとなり、鼻息のみならず吐息まで熱く湿り出している。ピクン・ピクンと、まるで鞭打たれたみたいに全身が硬直し、 カラァァァン。 甲高い音。杖術士が、その得物を取り落としたのである――恐らく、その手に握力すらこめられなくなったのだろう。それは玲子の蕩けぶり、つまりは「屈服」を象徴する、鎮魂歌にも似た音色だった。 『……もういいかしらね』 摩耶の見透かしたような発言。すると〈ペド〉は、獲物の両手を解放した。 だが……女諜報員は「立てなかった」。全身に力が入れられないのか、ヘナヘナと崩折れる。いわゆる婆座りになり、更にはそれにも耐えられなくなったらしく、俯せに倒れこんだ。そこで蠕動しつつ、 「うあ…あ…ああッ…ン…ンくッ…くあ…ああ……」 ヌチャ・くちょ・グチュ。戦闘服の内側で、萼どもが暴れ回る。玲子の乳房を撫で、股間を摩り、美尻を弄い、背筋を伝った。 『うーん……剥かずに嬲るってのも、また別な趣があるものねえ……』 「……く、くあンッ…へ…ああッ…へ、変態めぇッ!」 『変態? あらまあ、言ってくれるじゃない』 鼻息。途端に、「盛り上がり」の動きが素早さを増した。 「ンああああッ!」 玲子がゴロゴロと転がり回る。戦闘服の上から萼たちを押さえようしたが、もちろん無駄骨だった。「ヌルン」という効果音がつきそうな動きで、触手たちは玲子のガードを躱していく。 『うふふふ。イクときに漏らされでもしたら、その特注品が汚れちゃうから……そろそろ脱がしちゃおうかしら』 キレイに剥かれたその瞬間、 玲子はエクスタシーを迎えた。 * ちゅぷ…クチュ…にゅちっ…… 女の裂け目を、〈それ〉が何度もこすりあげてくる。 触手――人間の男には決してついていない器官。粘液と繊毛と、そして嬲り手の淫欲とに覆われた、特殊過ぎる肉具。 異形の肉器がもたらしてくる悦楽は、恐ろしいくらいに強烈だった。スピーカーの声が言っていたように、「たまらない」もの。人間の男が注いでくる快美など、コレの前では比べ物にならない……。 「ひあッ…あッ、あくッ…くひッ…ひンッ!」 秘唇の狭間を這いずられるたびに、玲子は大袈裟なくらい、反応していた。その艶腰を跳ね上げ、全身をガクガク痙攣させ、愛蜜をあふれこぼす。立ちのぼる性の匂い……。 彼女が今、処されている肉刑は――俗に言う「すまた」というヤツだった。粘液まみれの触手に、太腿の峡谷へ雪崩れ込まれ、会陰部・秘裂、さらに裂け目の上でわなないている肉芽を、執拗にこすり上げられているのである。 ジュプ…ぬぷ…ヌプ…ぬぷ…ヌプ…… 仰向けの寝姿――まるで抱え込まれているかのように、化け物にのしかかられている。他のよりも太めな触手で膝と肘を結わえられ、その結び目を思いっきり、左右に引っ張られていた。その結果、足で「M字」・手で「W字」を描かされている。ナスカの地上絵の登場人物にでもされているかのようだ。 「……くひっ、ひぃあぁっ、や、やめっ…くあっ、ああぁっ!」 会陰部をその先端に弄られる――これだけで、子宮に熱い疼きが走った。蜜の狭間をその横腹になぞられる――これだけで、体の芯に電流が走った。狭間の上、そこにある快感神経の塊をその繊毛に掃き回される――これだけで、脳の奥深いところにマグマが噴出した。 (だ、ダメッ…ダメエェッ…こ、このままだと…あ、あたし…あたし…く、狂わされちゃうッ……) ひとこすりごとに、自分のなかの「牝」が開発されていく――玲子は心のなかで絶叫し、体のそとで悶泣していた。 牝・めす・メス・雌。その語が体現しているのは、彼女が今まで押し殺してきた獣性であり――つまりは、「女の脆さ」と裏合わせの淫欲であった。それが現状では、ブスブスと燻り始めているのである……。 『うふふふ、もう準備はいいみたいね……玲子さん、下の口に咥えさせてあげるわ』 スピーカーからの、おぞましい宣告。 その送話が終わるや否や、股間を這いずっていた淫蛇は前後動を止めた。秘蜜だらけの部位から離れ、〈彼〉は鎌首をもたげる蛇のように先端を起こす。 そして、腔所の手前でピタリ。微動だにせず静止している様は、号砲を待つアスリートのようだった。 「……ふはぁン…い、いや…あふ…いやよ…ヤだぁ……」 玲子が、涙をこぼしながら首を振った。コイツに胎内で暴れられたら、自分はどこまで蕩けてしまうのだろう? 『……あらあら、「イヤ」だなんてウソ言っちゃって。恥を忘れてよがり狂ってる女が、いったい何を言うのかしら』 クスクスという微笑。それが「GOサイン」だった。 ずちゅっ…… 「ふあんッ!」 触手の先端部分が、秘唇のなかに潜りこむ。充血したラビアを内側にまきこみつつ、〈彼〉はゆっくりと、穴の奥へ侵入していった――己の征服地を踏みしめていく支配者のように。 プチュ…ぐちゃ…ニュチョ…ずちょ…… 愛涎がたまっているヴァギナからは、粘液をかきまわす音が聞こえてくる。圧服された肉襞たちが、自らの境遇に泣き喚いているかのごとく。 (あああッ…くる…く、くるぅッ…は、入ってきちゃうッ……) 玲子はバタバタともがいた。肘から先を回して股間に手を伸ばし、侵入者をつかんで押し止どめようと努力する。しかし、力の入らぬ腕が……防波堤役を果たせるハズもない。 キメラの性器は躊躇も何もなく、ただ蜜穴の奥へと進み、 進み、 進み、 「あああッ…こ、こんなッ…ふああッ…こんな…お、奥ぅ…ふぅッ…奥までェッ……」 貫いた。 串刺しにされた女が、あられもなく絶叫する。口端から涎を垂れ流し、彼女は早くも咽び始めていた。手の指をわなわなと震わせ、爪先を小刻みに痙攣させ……見事なくらいの乱れぶりである。 だが、それも当然だった。 なぜなら。 なぜなら、彼女は……。 普通なら犯されないだろう最深部――女肉の蘊奥まで、埋め尽くされていたのだから。 どれほどの巨人であろうと、「ペニスで子宮を一杯にする」という芸当を実行するのは、物理的に不可能である。人間男性の「持ち物」では、その構造上、人間女性の「欠け物」を完全制圧できないのだ。 しかし。 玲子が体験しているのは、その「不可能」であった。触手は、人間の牡器官では不可能なことを、やってのけたのである。 正真正銘、百パーセントの充填――彼女は今や、蜜襞という蜜襞を残らず潰され、子宮壁をつつき揺すられていた。女の部分を徹底的に支配されていた……。 「ふあああッ…あ…あ…あッ…ふあああッ…ふあ、ああッ……」 自分の内部に、絶対の「芯」を挿入された充足感。玲子は痺れるような愉悦とともに、それを強く感じていた。「女」を実感させられる、甘やかな陶酔……。 『……あらあら。これからなんだから、そんなに悦ばれても困るわねえ』 蔑みの笑い。 そして、「これから」が始まった。 ぬにゅ…ヌチャ…ぬちゃ…ヌニョ…… 胎内を蹂躙した蛇身が、ゆっくりと引き返していく。その表面に生えている障害物たちで、玲子の内側をえぐり回しながら。 「あひ、ひ、ひッ、ひぃッ…ひ、ひっぱ…ひ、引っ張られ……」 左右の肩をシーソーのように揺らして、彼女は見悶えた。知らぬ間に、奥歯をカタカタと鳴らしている。 ぬぽん…… 肉具が引き抜かれると、胎内にたまっていた愛液と粘液とが、ドプッとあふれ出てきた。まるで小川だ。 間髪おかず、凌辱の塊が再突入を始める。 ずぶ…ズチュ…ずぬぶ…ヌブヌブ…… 「うくァ…くあ、くうンァ…うン…んあ、あ、ああッ……」 秘口のなかに存在感が戻ってくる。玲子は髪を振り乱し、細腰を痙攣させ、犬のように「はふはふ」と呼吸した。 (わ、わたし…ふうッ…き、鍛えてた…のにッ、つ、強く…な、なったのにぃッ……) 霞んでいく意識の隅で、彼女は被虐的な淫酔に浸りつつ思った……いくら強くなろうとも、ココを埋められたらダメなのかしら……女は、屈服するしかないのかしら……。 ずんっ…… 「くああああああああーッ」 触手の先端が、子宮の壁を突き揺らす。秘壁の振動は雷光のように脊髄を駆け上がり、四肢の先までシェイクし、魂までも揺すってきた。 悦楽の波動。それを受けて、玲子はまたも昇天していた。艶腰を浮かし、全身をアーチのようにしならせて、数度痙攣する。高まりの声がフェイドアウトしていくと、ようやく、汗と粘液まみれの美体が沈んでいった。 『うふふふ……こらえ性がないのねえ。保つかしら?』 淫ら蛇の動きがいきなり、そのスピードとパワーとを増す。 「ふあッ、ああッ、あひッ…ンああッ……」 ズチュッ、ぐちゅっ、ブチュッ、ぬちゅっ…… 宇宙翔けてきた獣欲は何度も何度も、獲物の蜜壷を貫き、えぐり、弄り回した。女の穴を満たしては突き、満たしては揺らし……。 (あああああッ…だ、だめ…ダメッ…ダメェェッ……) 玲子は、ワンストロークにつき一回ずつ、まるで規則的な反応のようにオルガスムスを迎えていた。 苦悦に支配されたその美顔は、脆さと悩ましさとを露骨に見せている。以前の凜とした彼女の面影は、そこには――微塵もなかった。 『……玲子さん、ちょっと感じすぎじゃない? ここまでだったら、そんなに悶えることないと思うんだけど……うふふふ、今からがホントの責めよ。狂っちゃわないでね』 スピーカーが不吉なことを告げる。 そのとたん、触手の動きが変わった。 「あ?…ああッ?…あ、あ、あ……」 普通、ペニスの抽出運動は「腰」を使って行われるものである。腰は力強い動きを生み出せるが、その反面、稼働範囲が狭い。それゆえ、ペニスのピストン運動では、加えるベクトルや動きを複雑化することなど、できなかった。 しかし。 しかしながら、その抽出は……。 「……あ、あ、あああああああああッ」 玲子の女体が、電気ショックでも受けたかのように跳ね上がる。その段階で、彼女はもう、今までのどんなアクメよりも凄まじい境地に駆け上がっていた。 (ああッ…な、なによ…なによ…これェェッ!) 侵入者は考えられないようなところで折れ、信じられないようなところで曲がり、嘘のような動きをしてきた。腰の動きでは到底できない、自由自在な淫撃を加えてきたのである。 (ひぃッ…う、うそぉッ…こ、こんな…ふあン…こん…こんなぁぁぁぁぁッ) まさに、限界のない「魔の肉突き」だった。蕩かすことを至上命題としているような、「淫らの拷問」だった。こんな愛虐を加えられて、痴れずに済む女がいるだろうか? 「あーーーーーっ!」 肘と膝が違いに、別の向きに飛ぼうとする。二点を結ぶ縛りの触手が、弓弦のようにビンッ、と鳴っていた。 「あーーーっ、はぁっく、くあっ、あーっ、あーーーっ!」 『あらあら、すんごい顔しちゃって……』 「あーっ、だめっ、だっ、だだ…だ…… 『……目玉がひっくり返っちゃいそうねえ』 「……だあああーっ、あーっ! はあああーーーっ!」 『あはははは、ノドのチンコさんまで丸見え……』 「はああーっ! らっ、らめええっ! らあめえぇぇーーっ!」 所在なげに暴れていた玲子の手が、つかまるものを探してクモのように床を這い回る。肘を中心とした円の動きは、やがて自分のムネに到達していた。救命具を見つけた溺れ人のように、膨らんでいる肉丘をわしづかむ。 「ひぐああっ!……だめっ、これっ…これえぇぇっ、あーーーっ!」 白いノドが、惜しげもなくさらけ出されていた。唾液に覆われているせいで、ヌメヌメと光って見える。 「あああーっ! にっ、にぎるのっ、む、ねぇにぎふのおぉ……」 ガッチリと食い込んだ指。その隙間から、真っ赤に燃えた肉房が飛び出している。 「……にぎうのっ、だっ! ら、らめえっ! あーーーっ!」 叫びに合わせて、その房たちも揺れていた。 「あーっ、ああーーーっ! らめっ、らめてええっ!」 『はあ?』 呆れたような笑い声。 『玲子さん……自分でつかんどいて、何言ってんの?』 「らめええっ! これっ、これえええっ! あーーっ!」 『……あのー、ちょっと玲子さん?』 「ああーーっ! くっ、くるううう、くふのおぉぉっ!」 『あのねえ……感じちゃってツラいんだったら、放せばいいじゃない』 「あーーーっ! らめえっ、あーっ! た、たすへっ、らすけてえっ!」 『だから、自分で放しなさいってば……』 傍から見れば、「何をやっているのか」と思うことだろう。 だが、玲子は乳房から手を放せなかった――何かをつかんでいないと、どうにかなってしまいそうだったのだ。それが返って、自分を追い詰めることになるとしても……玲子は命綱にすがっているみたいに、自分の膨らみをわしづかみ続けた、続けるしかなかった。 「あーっ、あーーーっ、あああーーーっ!」 ムネの上に錨を降ろした手。その代わりに、足があられもなく揺れ始める。カミキリムシの触覚じみた上下揺れ。膝の振れに合わせて、 「あーっ、い、イクっ! あーっ、い、イックううう!」 内腿の筋肉がひきつれる。腿のひきつれに合わせて、 「イック!……っくぃ、イクうっ!…ッ…イッ、い、イックううう!」 玲子は昇天を迎え続けていた。 「っく! いっ、いぃ…っく! ッくううう!」 やがて……腿のひきつれが、 「うひ、ひぃッ! ッく、っくう! ックうう!」 止まらなくなった。 常に震え続けることになった。 (……ッックうぅあーーっ、ああっ、あーっ、し、しっ……) ずっと、 (……し、死ぬううぅっ!) どこまでも、 (わっ、わらひいいっ! あらひいぃーっ! ひぃ、ひぃぃぬううぅっ! ひぃんじゃ、っ、じゃふううう!) 果てしなく、 (あーっ、し、しひいぃーーーっ、ひぬっ、ひぬうううううっ!) ひきつれ続けることになった。 「っく! っっっクっ、っク! ッく!……ッ!…ッ! ッ!」 『……あらら』 口笛。 『乗っちゃったか……連続絶頂による脳内麻薬ジェットコースター。なんとかミン類のドプドプ垂れっ放し状態〜』 「ッ! ッ!…!…! ! !」 『もう、何をしてもされてもイッちゃうのよねえ……今、信じられないくらい幸せ一杯でしょう、玲子さん? 頭のなか真っ白……いや、光そのものって感じじゃないかしら?』 「! ! ! !!!!!」 『うふふふ、不整脈だらけねぇ。脳波とったら、オモシロそー』 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 『あははは、ステキなイキっぷりだわぁ……コレに陥っちゃうと、脳のなかの回路がかわっちゃうんだけれど』 (ヒグぅっ、ひぃ、ひぬうっ、ヒグッ、しぬっヒグひぬヒグうううぁあああああーーー!) 『そうねえ、ちょっとお休みしてもらおうかしら……〈ペド〉』 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!! !! !! ! ! ! ッ! ッ! ィッ! ック! クぅ! ッ! ックぅ! っ、はッ! はッ、はッ! ック! ヒグッ! ヒィグうううッーーーッ! っあ、あ…あぅ……ぅ、うあふ……ふ、あ…………あ、あぁ…………あぁぁ……………」 『うーん……どーしよーかなー』 暫しの沈黙。 『ま、別にいっか……〈ペド〉、続けて!』 「…………………あぁぁ…………あ、あぁ……ふ、あ……ぅ、うあふ……あぅ…あ……」 再び、 「……ヒィグうううッーーー!」 責めが、始められた。 「ヒグッ! ック! はッ、はッ! っ、はッ! ックぅ! ッ!クぅ! ック! ィッ! ッ! ッ! ! ! !! !!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 『うふふ……玲子さん、たぁんと脳内革命起こしてね〜』 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!……………………」 * ぎゅっ…モギュッ…ぎゅむっ…… グニュッ…ぎゅううっ…グチュウッ…… 「ふああッ…だ、だめぇ…だめぇっ……」 玲子は、革命後の表情で叫んでいた。 「だめぇッ!……もう、むね…ムネを……」 そこまで言って、女諜報員[スパイ]の発言はハタと止まった――次に何と続ければいいのだろう? 揉まないで? 縛らないで? それとも吸わないで、か? 『うふふふ……胸をどうして欲しいのかしら?』 と、スピーカーの女。相変わらずの冷嘲だ。 玲子の胸――女の象徴は今、スッポリと覆われていた。巨大な「萼」によって、まるごと飲み込まれていたのである。それはまさに、搾乳器を被せられているかのようであった。 ぐちゅ…ギュムッ…ぐにゅうううっ…… 摩耶から『魔乳』と呼ばれた双丘。釣り鐘型をしたその柔肉は、「人外の搾乳行為」によって、淫靡に変形させられていたのである。 まずは、萼の縁についている触手たち。 巨大化したナメクジみたいな彼らが、玲子のふくらみをわしづかみ、その稜線を歪ませていた。さぞや力がこめられているのだろう、間からはみ出した乳肉が、破裂しそうに盛り上がっている。 続いて、触手たちをつなぐ間膜。 それらは乳肌にピタリと張りつき、触手の蠢きに合わせて柔肉を包みこんでいた。膜が動くたびに、ペタン・ペタンと音がする。どうやら、スパンキングに似た行為になっているらしい。 最後に、萼。 釣り鐘状の肉器のなかで行われていたのは、乳輪と乳首への責めだった。お猪口状に膨れ上がった乳輪・小指の先ほどに勃起していた乳首――敏感な色違いの部分を、それは頭から飲み込んで、貪っていた。その中身を搾り出すかのように、萼全体を蠕動させていたのである。 (ふあああッ…むね…ムネがこんなに…気持ちよくなっちゃうなんて……) ジャマだとしか思ってなかった、未来の子ども食堂。それが今は、快楽をもたらしてくれている――しかも、今まで感じたことのないほどに濃密な肉悦を。 乳房責めによって痴れ狂わされるのは、玲子にとって初めてのことだった。慣れていなかったために、彼女の狂い方は制御を外れ、より激しいものとなっていたのである。 ギュッ…ぐちゅっ…ブニュッ…ぢゅぷっ…… 「ふあッ…ああッ…い…いいッ…いいのッ…む、ムネが…おっぱいが……」 それまでの容赦ない肉刑[リンチ]により、玲子の心は――もはや蕩けていた。彼女の頭はピンクに痺れ、自他の見境すら不分明になって、 「……き、きもちいいのッ!」 『ようやく、素直になってくれたみたいねえ……』 スピーカーからのニヤニヤ声。 『……じゃあ、プレゼントをしてあげましょうか』 その何げない一言が――玲子の「乳獄」の始まりだった。 「……あ、ひいッ!」 悦楽に震えていた女体が、急に硬直する――萼内部で、異変が起きたからであった。 乳果を弄んでいる触手や萼には、無数の繊毛が生えている。その繊毛が、なんと、乳首を貫いてきたのだ。乳口を突破し、乳管洞を遡行――つまり、乳腺内に入りこんできたのである。 「ひいッ、ひいいいッ」 "鴇芽を犯されている!" 苦痛と――そして何故か湧き上がってくる快楽とに挟まれて、玲子は半狂乱になっていた。口をパクパクさせ、両目から涙を流す。 しかし、ニプル=ファックはそれで終わったワケではなかった。むしろ、それからが本番だった。双乳を貫いた繊毛の先から、何かが噴射されてきたのである。 (な、なんなのぉッ…な、なにが…はじまるのよぉッ……) ぶしゅ…ブシュ…ぶしゅ…… 繊毛からの注入は、なかなか終わらない。その間、玲子の白柔は更なる膨張を遂げていた。乳肌のあちこちに血管が浮かび上がり、セックスフラッシュを見せ始める。 しばらくして、繊毛が引き抜かれた。と同時に、萼たちが乳房を解放する。ようやく自由にされた果実は、前よりいっそう、張りとボリュームとを増していた。 「……あ…あ、あ、あ…ああッ……」 玲子がすぐに、全身を震えさせ始める。 「ああッ…む、ムネが…ムネが張って…んぁッ…ヘン…へンなのぉ…なんか…なんか、つまってるぅ……」 「爆乳女」が、悩乱した顔でわななき始めた。細腰を淫らにくねらせつつ、胸の痼ぐあいを哀訴する。 『へえ、そう……玲子さん、せつないんじゃない?』 やがて、萼たちがよってきた。嬲りの器官は、対象を完全に飲みこむことなく、触手冠だけで包みこんだ。 「……あはぁ…そうなのぉ…せ、せつないのぉ…んぅ…お、おかしくなっちゃいそうなのぉ……」 『うふふふ……じゃあ、解放してあげるわ!』 スピーカーがそう言うなり、合計24本の触手たちが乳肉をわしづかんだ。 ぶしゅぅぅぅっ……! 「んあああああッ」 玲子の絶叫とともに、その膨れ上がった肉筒の尖端から「何か」が噴き出してきた。白っぽい液体――乳蜜である。 「あ、あ、ああ…うそぉ…む、ムネから……」 『ウソじゃないわ、それは玲子さんの乳汁よ……五割は違うけどね。うふふふ……射乳の快感と封乳の苦悶。女の悦びの究極を、たっぷり味わわせてあげる』 ぎゅうっ…… プシャアアッ…… 触手の揉みこみに合わせて、乳首から内容液が噴き出てくる。それは小川のようにあふれ出て、乳輪・乳肌、そして触手をびしょ濡れにした。 「ふあああ…し、しぼられてるぅ…んふぁ…し、しぼられるの…き、きもちいぃ……」 胸の尖端からの放出。玲子はそれにより、かつて経験したことのない――妊娠したことがないのだから当然だ――ほどの爽快感と悦楽とを感じていた。 胸乳が、私のふくらみがこんなに気持ちいいなんて。 そこには、未知の肉弄に溺れていく女の、哀れにして淫らな姿があった……。 |