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 バットガールとワンダーウーマン(テイク2)    第4章&第5章

第4章

バットガールの計画は極めて単純だが有効でもあった。どうやらビクトリアは、カードを集めるために、なりふり構わず力押しをしているようだ。そこでワンダーウーマンとバットガールは単に、テープで縛り上げられたモデル、ビジネスウーマン、スターといった犠牲者達の跡を辿っていくことにしたのだ。

今、彼女達の行く手には、すでに廃棄されて久しい製材工場がみえた。起伏の多い草地の中、ワンダーウーマンははずむような足取りで前進している。彼女の胸は大きな水風船のように上下に柔らかく揺れており、豊かな尻は丘を下りていく足取りに合わせて左右に振れていた。やがて彼女は、積み上げられたまま腐るにまかせてある廃材の山までたどりつくと、物陰にうずくまって工場を注意深く見つめた。しばらくすると、やっとバットガールも追いついてきた。荒い息づかいを隠そうともせず、ワンダーウーマンの隠れている場所まで駆け下りてくると、ゴロリと寝ころんだ。まるでレース直後の馬のように汗をかいていた。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ああもう……ハァ、い、一体……ハァ、ハァ、どこで……ハァ、ハァ、忌々しい……ハァ、その、……ベルト、とやらは、ハァ……売ってるの!?」

蒸気機関車みたいな調子でしゃべりながら、バットガールはダイアナのパワーベルトを指さした。

「申し訳ありません。会員専用となっております」

ダイアナは自分のベルトを軽くたたきながら、バーバラにニヤリと笑いかける。

二人は数分の間、何か動きはないかと工場をじっと観察していた。製材工場は、暗い色の材木で建てられた小屋同士を、連絡通路で結びつけた一連の建物群である。どの建物も内部に広い空間をもち、製材の様々な工程に沿った作業場が順にベルトコンベヤーで結ばれていた。木材は川の流れから工場の中に引き込まれ、加工されて工場の反対側から出てくる。メインとなる建物群の周囲には、もっと小さな小屋や建物、あるいはすっかり錆び落ちて残骸と成り果てた、古き50年代の設備などが散在しており、物寂しい風景の一部を形成していた。

「ところで、どうしてカードのヒントがここを指し示していると考えたわけ?」

ワンダーウーマンが尋ねると、隣のバットガールが説明を始めた。

「まぁ、ただの勘なんだけどね。カードに描かれてた図柄を幾つか見たんだけど、それだけじゃ何もわからなかったわ。でも私ね、司書をしている関係で、これまで何十という原稿や草稿を見てきているの。だからそういったものの読み取りはかなり得意な方だと思っているわ。で、私に言わせてもらえば、あのカードの情報の大部分はインチキよ。そして気になったのが、4枚に1枚くらいの割合で木製のカードがあったことなの。プラスチックに見えるように色を塗ってあったけどね。そこが引っかかるのよ。だから私は、カードに描かれている内容よりもカードの材質がヒントになっているんじゃないかって考えたの」

「わかったわ。だから製材工場というわけね」

ワンダーウーマンがあごに指を当てながら言った。

「そうなのよ。ここじゃなければ一体どこで木製のカードが見つかると思う?」

笑いながらバットガールが尋ねた。

「凄いわ! なんて頭がいいのかしら!」

ワンダーウーマンは心から賞賛した。

「あら、こんなの全然だわ」

目をくるりと回してバットガールは受け流した。

「だってねぇ、いつだったかコミッショナー・ゴードンを見つけなくてはいけないことがあって、ウェリントンの5番っていうコロンの匂いを頼りに、街中走り回ったことがあったわ。それも暗闇で1回だけ噴きつけただけのやつをね」

「まぁいいわ。それではそろそろ始めましょうか。まず、私達、手分けした方がいいと思う。その方がより広い範囲を探すことができるもの」

ワンダーウーマンはそう言って立ち上がった。さらに彼女は続ける。

「あっちの小さな小屋をあそこの廃材の陰から見張る役目をあなたがやってくれないかしら。その間、私が大きな建物の中を調べようと思うんだけど」

「いい考えだわ。一人の方が、相手を出し抜くのは簡単だものね」

そう言って、バットガールはワンダーウーマンにウィンクした。この冗談に、ダイアナは頭を振って応えると、中央の大きな建物に向かって走り始めた。



第5章

「シーッ! ワンダーウーマンが来るわよ! ロード・イージーストリートのおもちゃは準備いい?」

2階の埃にまみれた窓から外を覗いていたテラは、そうユミに囁くと、屈んだ姿勢のまま窓際から下がり始めた。

「オッケーだわ! あとジュースも準備完了。さて、彼女のお手並み拝見ってところかしら?」

とユミも楽しそうに囁く。

「よしよし。いいわね、絶対にヘマするんじゃないわよ? さもないと、あたしらみんなクソを喰うことになるわ」

二人とも、革のズボン、タートルネックのサマーセーター、顔を隠すためのスキーマスクというお揃いの格好をしていた。目立たないようにどれも黒色だ。彼女達は音もなく階下へと下りると工場内の物陰に潜み、ワンダーウーマンの登場を待ちかまえた。



工場のメインフロアは、非常に広大な空間であり、その中に錆びてゴミになってしまった設備が並んでいた。ヒロインはゆっくりと中に進み出ると、何一つ見逃すことなく部屋の全体像をつかむために、注意深くあたりを見まわした。

このとき突然、部屋の向こう端で銃声が響いた。だが本能と鍛錬の賜物であろうか、ダイアナはブレスレットでその45口径の銃弾を弾き飛ばした。さらにまた何発か銃撃が続く中で、ワンダーウーマンは襲撃者が女性であることを見て取った。

その女性は、ダイアナとの間に多くの遮蔽物を置くようにして隠れていた。ダイアナのすぐ側に巨大なトラックの残骸があったが、これをよけていっても襲撃者のいる場所に真っ直ぐ向かうことはできそうもない。そこでワンダーウーマンは足をトラックの後部に押し当てると、その強靱な筋肉で思い切り蹴飛ばした。途端にトラックは、コンクリートの床を文字通り滑るように飛んでいった。機械、支柱、材木、その他あらゆる邪魔者をぶち壊し、なぎ倒し、呆然としている銃撃手に向かって突進していく。

ユミはこういった事態を全く想定していなかった。我に返ると、悲鳴をあげながら後方の出口に向かって全力で走り始める。そしてジャンクの山がドア口に崩れ落ちる直前、かろうじて隣の部屋に飛び込むことができた。

「ああ、畜生!」

怒鳴りながら飛び起きるとユミは、前の部屋と同様だだっ広い部屋を向こう端に向かって逃げ始めた。

一方ダイアナは崩れ落ちた鉄くずの山に真っ直ぐ歩み寄った。もちろん彼女の行く手には山のような障害物が転がっていたが、ダイアナは別に気にする様子もなく、半トン以上もあるような破片を背後に放り投げ、襲撃者が逃げ出したドアに向かって真っ直ぐ進み始めた。

「トラックを力任せに蹴飛ばすのは、結局のところあまりいい考えじゃなかったわね」

ワンダーウーマンは愚痴をこぼしながら、また一つ大きなエンジンを横手へ投げ出し、一際大きなため息をついた。



ユミは死にもの狂いで広い部屋を走りきると、小さな控え室に飛び込み、さらにその奥にあるドアに飛びついた。だが、慌てふためいてドアを開けようとするユミを、テラが止めた。テラは落ち着いた様子で、黒ずくめの衣装を脱ぎ始めている。

「あいつを押さえるんなら、あのクソいまいましいトラップを使うべきよ!」

とユミが叫んだ。「あたしたちが思っていたよりも、あいつはずっと強いわ!」

だが、そう言いながらもユミは、テラがスカートとスーツを身につけるのを手伝い始めた。

「心配しないで。あのガラクタの山が彼女を足止めするはずよ。あなたは私が言った通りにすればいいの。そうすればもう、彼女はあたしたちのものよ」

テラは微笑みながら髪をまとめ、眼鏡をかけた。



ガラクタの山をようやく通り抜けてドアをくぐると、隣もまた細長く巨大な広い部屋であった。ワンダーウーマンは姿の見えない暗殺者の後を追い、警戒しながら走り始める。やがて何事もなく部屋の反対端にたどりつくと、彼女は慎重に突き当たりのドアを開けた。部屋を覗き込んだダイアナが最初に気づいたのは、これまでとは全く違う部屋の様子である。この小さな部屋は、壁、床、天井、どこも正体不明の銀色の金属でできていた。そう言えばこに部屋に来るまでは、工場のメイン建材は木材、鉄、コンクリートであった。なぜこの部屋だけ様子が違うのだろう。そう考えたワンダーウーマンだったが、次の瞬間、

「助けて! ワンダーウーマン!」

部屋の向こう端から女性の叫び声が聞こえた。見れば、20フィートほど前方にテラ・ロジャースがおり、覆面をした襲撃者に銃を向けられているではないか。テラは後ろ手に縛られ、冷静さをまるっきり欠いていた。襲撃者に盾として使われた彼女は、震えながら泣いていた。

「それ以上近づくな! さもないと、このヤリマンの頭をぶち抜くよ! お前が何かしようとしたら、この淫売のちょびっとしかない脳味噌をぶちまけるからね! よぅし、もう少し下がるんだ。このぶよぶよしたケツにもう一つケツの穴を開けたくなければね!」

ユミは、テラの喉首を掴んで強く壁に押しつけると、45口径を振り回しながらワンダーウーマンに向かって荒々しく叫んだ。。

(ちょっと、気を付けて! やり過ぎよ!)

テラがたまらず彼女のメイドに囁いた。

(ご、ごめんなさい……)

ユミも小声で謝る。



「……わかったわ」

ワンダーウーマンは答える。だがその様子は自信に満ちあふれていた。

「降参するわ。それでいいわね!」

そう言うと、ゆっくりと部屋の中に入っていった。二人の女性の背後には、巨大な鋼鉄製のドアがあるようだが、どうやらロックされていて通れないようだ。賊は明らかに追い込まれており、どうみても絶望的な状況だ。ワンダーウーマンはさらにもう一歩前進した。

「どう? 私に銃を渡してくれないかしら? そしてみんなで一緒にここから出ましょう。誰も傷つける必要なんてないじゃないの。どうみても逃げ道は無いのに、こんなことして何の意味があるの?」

自信満々のヒロインが穏やかに語りかける。

「うるさい! このビッチに鉛弾をくらわせるよ!」

ユミは叫ぶと銃をテラの頭に当てて、撃鉄を起こした。

(ちょっと、安全装置くらいかけた方が……)

焦ったテラが抗議しかけたその瞬間、

『カチッ』

……テラは小さくため息をついた。もちろんこうなることはわかっていた。それでもパンティをちょっとだけ濡らしてしまったではないか。

「ああ、畜生! どうしよう! 弾ぎれだわ!」

ユミが喘ぎながら叫んだ。もっともその口調はやたら大げさで、まるで舞台袖のカンニングペーパーを棒読みしているようにも聞こえた。

「OK、どうやらあなたの負けね。ちょっと銃を下ろして、落ち着いてちょうだい」

ワンダーウーマンは説得を続けながら、さらに一歩前に進んだ。

「ヘッヘーンだ! ネイ、あたしはあんたなんかに負けないわ!」

ユミは、銃をヒロインに向かって振りながら精一杯強がってみせる。

(ネイって……それ一体何よ?)

訝しげな目つきでユミを見やりながら、テラは呆れ顔になりそうなところを懸命にこらえた。

(兄の持っていたマンガで読んだことあるセリフなの。ヒロインたちがよく使ってたわ)

ユミが律儀に囁き返した。

「ネイ、あんたに負けないって……?」

ワンダーウーマンもまた訝しげな声を隠そうともせず、きょとんとしている。

もっとも彼女は、今この瞬間、自分が優勢であることを確信していた。この機を逃すわけにはいかない。ダイアナは無理を承知で二人に向かって走り始めた。だが、ワンダーウーマンが部屋の中央にさしかかるちょうどその時、ユミはポケットに隠したリモコンのボタンを押した。

その途端、厚さ4インチの鋼鉄の板が上から下りてきて前後2つの出入口を塞いでしまった。同時に、床板がバラバラに砕けて割れ落ち、足下に巨大な漏斗のような穴が二つ開いた。ダイアナは反応しきれずに足を滑らせ、それぞれの漏斗に片足ずつ突っ込む形でバランスを崩す。するとたちまちプラスチック製のシーリング材が穴一面に膨らみ始め、ワンダーウーマンの両脚をしっかり固定してしまった。

ワンダーウーマンは脚をわずかに開き、膝まで穴に埋まった状態で部屋の中央に立ち尽くしていた。彼女はすぐに脚を自由にすべく懸命に身体をよじり始める。するとその強大な力に耐えきれず、床下の仕掛けがギィギィと軋んだ。

だがそのとき、上の方で何かケーブルが外れるような小さな音を彼女は聞いた。反射的にワンダーウーマンは両手を上に差し上げたので、けたたましい音をたてながら落ちてきた巨大なコンクリート塊を受け止めるのにかろうじて間に合った。だがそれはアマゾンのスーパーパワーをもってしても大きな負担となるほどの重量を持っていた。

「あー、やれやれ」

テラの嘲るような声に正面を見ると、いつの間にか彼女は自由を取り戻し、こわばった筋肉をほぐすように身体を動かしていた。同時に、正面のドアに開いた覗き穴からビデオカメラのレンズとマイクが突き出していることにダイアナは気が付いた。

「どうやら手が足りないようですねぇ?」

そう言うとテラは笑い出した。

「鉄筋コンクリートはちょっと重過ぎたぁ?」

まるで赤ん坊に話しかけているかのような人を小馬鹿にした物言いに、ダイアナも

「あなたの大きなお尻よりは軽いわ!」

と軽口を返す。だがコンクリートを支える彼女には口調ほどの余裕は無かった。確かに、彼女はこの塊を支えている。もしもこのコンクリートを一瞬持ち上げるだけで良いのであれば、彼女は汗一つかかずに成し遂げることができるだろう。だが、絶えずそれを持ち上げ続ける必要のある現在、彼女の両腕は厳しい重圧に悲鳴を上げ始めていた。コンクリート塊は既に、ワンダーウーマンを押しつぶし始めていたのだ。

「まぁ、口が悪いわねぇ!」

わざとらしい口調でテラが驚いてみせる。

「その偉そうな口を少し黙らせる必要がありそうだわ。実はね、いいものがあるの。きっと喜んでくれるわ」

ダイアナの正面、ドアに開いたカメラ穴の下に、2フィート四方の別の穴が開いた。その向こうには、小さなパラボラアンテナを思わせる装置が設置してあり、突き出した先端がワンダーウーマンの方に向けられている。やがて、低いモーター音がして装置の向きがやや上方に動き、先端が青白く輝き始めると同時にブーンという音が響きだした。そして青く脈動する光線が飛び出すなり、ワンダーウーマンの肩に当たった。

その瞬間、ワンダーウーマンは思わずよろめいた。それは苦痛のせいではない。明らかに性的な快感を感じたのだ。愛撫されたような不思議な興奮の波が肩と腕を走り、コンクリートを支えるために全力を注いでいる身体全体に、荒々しい興奮の波動が広がっていく。もしも肩に性器をもつ人間がセックスをすれば、きっとこういう風に感じるに違いない。驚きと快感の不意打ちは、きわめて迅速かつ強烈にだった。抵抗する間もなく、ワンダーウーマンの股間は熱く濡れ始めていた。

「どう? 女の子にとって最高のお友達だと思わない? これはね、ロード・イージーストリートが発明したの。彼はオーガズマビームと呼んでいるわ」

とテラは言い、ワンダーウーマンの反応を観察する。

「実際のところ原理は単純なのよ。超音波に変調をかけてから、反射板を使って一点に集中させるだけなの。でもこの音波はね、女性の性感神経だけを特別に刺激、興奮させるように調整してあるわ。このビームに当たれば、どんな神経だって偽の性感を脳に送り込むわけ。地獄だってひっくり返すことができるわよ。あなた、どこかで音波がコップを振動させるフィルムを見たことないかしら? あれと同じ。コップの代わりに特定の神経に働くだけでね。あ、それからこの音波は直接脳にも働くのよ。慎重に調整した特別の振動数成分が決め手でね、ビームが当たった場所から脳まで振動が響くと、性感を司る部分だけを効果的に活性化させるの」

テラはこう説明すると、さらにもう一撃を加えてワンダーウーマンがよろめくのを見つめた。

「どう? バイブよりもずっといいはずよ!」

「アアアアァァァッ!」

「ンンンンンーーッ!」

ビームがワンダーウーマンの腕や肩、むきだしの太股に次々と当たり始めると、それにつれてワンダーウーマンの身体は前後にふらふらと揺れ、ゆっくりと傾き、そして頭が力無くのけぞった。だが彼女が喘ぎ声を漏らした瞬間、コンクリート塊がさらに滑り落ち、彼女を現実に引き戻す。とにかくこのコンクリートを押しのけるか、せめて前後左右どちらかへ受け流しておきたい彼女であったが、力を込めようとする度に青いオーガズマビームの一撃に襲われて、意志も力も吹き飛ばされてしまうのであった。

「ところでワンダーウーマン。今まではこのビームを、あなたの大事なところに当てないようにしてたのよ? そろそろ、その立派なオッパイに当てたらどうなるのか、見てみましょうよ」

テラはそう言いながら、光線の向きを調整し始めた。

「そんな! や、やめてぇっ!」

ワンダーウーマンは思わず叫ぶと、恐怖に満ちた瞳で自らの胸の谷間を見下ろした。次の瞬間、ビームが彼女の左胸に当たり、巨大な乳房を細やかに震わせる。

「ウウウウーーーッ!!」

アマゾンの、まるで獣のような喘ぎ声が、腹の底から漏れ出る。快感はあまりにも強烈で、彼女は一瞬にして汗びっしょりになった。しかも今回、既に固くそそり立つ乳首をかすめるだけではなく、広く乳首周辺に連続してビームが照射されていた。それはまるで、巨大な水風船に消防ホースで勢いよく水をかけているようにも見える。彼女は上半身をひねり、よじって、破滅的なビームからなんとか逃れようとした。しかしこれは、テラとその相棒に最高のセクシャル・ショウを披露するばかりだった。

「ワォ! なんてHな身体なの!」

ユミは自分の股間をさすりながら熱い声を漏らした。

「もうちょっと、素敵なダンスを見ましょうよ」

そしてビームの標的が右の胸に移った。その途端、ダイアナは一際高い叫び声をあげた。ビームの抵抗し難い魅力が、彼女の柔らかい乳房から気力を奪い取っていくように感じられたのだ。

「止まらない……どうして……諦めたら……ダメ……」

ワンダーウーマンの喘ぎ声はまずます大きくなり、彼女の頭がガクリと後ろにのけぞる。彼女のサテンのショーツには、ひときわ色の濃い部分が次第に広がっていく様子が、今やはっきりと映し出されており、彼女の秘部がどうしようもなく濡れていることを皆に示していた。そして彼女の心は一事に集中することができなくなった途端、さらにまたコンクリートが滑り落ちる。ワンダーウーマンはなんとか肘でそれを支えたが、形勢ははっきりと不利になっていた。

「うわぁぁ。かわいそぉぉぉう」

テラはワンダーウーマンをからかいながら、ユミに近づいて、このアジア人の柔らかい胸を愛撫し始めた。

「あのワンダーウーマンが疲れちゃったのかしらね?」

そう言って、ユミの首にキスをする。

やがて二人は向き合って軽いキスを交わし始めた。その間も、ビームは哀れなワンダーウーマンの胸を責め続け、彼女から極めて淫猥な喘ぎ声、すすり泣き、叫び声を引き出している。ワンダーウーマンが淫らに苦悶する姿と、レパートリー豊富な嬌声は、二人の悪女の情熱をますます煽り立てた。素晴らしいショウが続く中でテラは、ユミのセーターを素早く脱がせると、彼女の乳首を幸せそうに吸いあげる。

しばらくして、二人の女は意味ありげに見つめ合った。

「そろそろこのビッチに、とどめを刺すことにしようか」

テラが意地悪そうな笑みを浮かべて言った。そして光線銃の向きをゆっくりと変え始めた。

「ねぇワンダーウーマン、次の狙いはどーこだ?」

「ああっ! だめ! やめて! それだけはやめてぇぇっ!」

ダイアナは叫んだが、ビームは彼女の乳房からゆっくりと下に移り、腹を通り過ぎて、最も破壊的な目標に移動していった。ワンダーウーマンは、次第に近づいてくるビームからなんとか逃れようと、狂ったように腰をねじり、ひねり、振り動かした。

一瞬だが、沈黙がメタリックな部屋全体を支配する。だがビームが標的を捉えたその瞬間、ダイアナの全身は制御不能のエクスタシーに打たれ、まるで火山が噴火するように彼女の絶叫が轟いた。絶頂をこらえるチャンスはあったのだろうか? 唯一のチャンスがあるならばそれは、次から次へと襲いかかり、身体も心も打ちのめそうとするオーガズムの波また波を、多少なりとも遅らせる努力であったかもしれない。だが遅かった。既に彼女の好機は失われていた。ワンダーウーマンの蜜壺は熱く煮えたぎり、ドロドロに濡れそぼっていた。一瞬も途切れずに溢れ出てくる愛液は、彼女のショーツをこれ以上ないほどにびしょびしょに濡らし、脚を伝って下まで流れている。あまりにも強烈な快感にワンダーウーマンはすすり泣き、そして絶頂に達する度にその泣き声は途切れるのだった。

このとき、小さなシューッという音が部屋に響き始めた。壁から突き出した何十というノズルから吹き出したピンク色の霧状のガスがあたりに広がり始めたのだ。

「そうそう、今聞こえているのはガインホルムガスの音よ」

テラの言葉はきわめて事務的だった。

「ロード・イージーストリートが発明した特製の麻酔ガスでね、筋力を弱らせる効果があるのよ。ただし、イッた直後の女性にしか効かないの。ずいぶん洗練されてると思わない? イクことさえ無ければ、全く安全で無害だから安心していいわよ。もっとも……見たところ、もうあまり長くは保ちそうにないけど」

ダイアナは慌てて周囲を見回した。そしてガスがゆっくりと部屋に広がっていくのを見て、泣き濡れた両目に恐怖の色が浮かんだ。

「ンッ、ンッ、ンンンッ…アアァッ! か、考え…られない……ダメよ!…ま、負けるわけには…いかないわ! 私こそワンダーウーマン! こんなこと誰にも……」

だがそのとき、また新たな絶頂が彼女を襲い、荒々しい叫び声が部屋に響いた。そしてガスがその力を発揮し始める。懸命にコンクリートを支えているスーパーヒロインの身体からゆっくりと力が抜けていったのだ。さらに、ガスの麻酔作用によりダイアナの意識は朦朧となり、頭がふらふらと動き始めた。

「ンンンーーーーッ!!」

さらにまた、強烈なオーガズムがその身を引き裂いた。ガスが再び作用すると、まるで水をかけられた焚き火のように、力が奪いとられていく。次第に腕が震え、脚がぐらつき、やがて絶叫とともにヒロインは崩れ落ちた。膝まで床に埋めたままに背中から倒れるワンダーウーマンを、巨大なコンクリートが襲う。肘から立てた両腕と胸とで、なんとか押しつぶされるのを防いでいたが、その間もガスの麻酔効果に晒されて、呻き、喘ぎ続けていた。

「倒れたわ!」

テラは叫ぶと、素早くビームの制御パネルに手を伸ばした。現在ダイアナの尻は床にぺったりとついており、ビームの狙いからはずれていた。このセックス兵器は目下の所、コンクリートのブロックを虚しく照射するばかりだったのだ。テラは再び狙いを定めると、ビームがブロックの下方、ダイアナの開いた両脚の奥に伸びていくのを見つめた。

今やワンダーウーマンは、三重の危機に瀕していた。まず、ガスの作用によって今にも眠りに引き込まれそうになっていた。さらには、コンクリートに挟まれて身動きできない股間にビームが当たり続けていた。そして、この巨大なコンクリートブロックに押しつぶされそうになっている。それでもなお、美しきヒロインが必死の脱出を試みる度に、ブロックは大きく上下に揺れていた。

「それでは次に、こうするとどうなるか見てみましょう」

そう言って微笑みながら、テラは制御パネルのエネルギー出力調整つまみに手を伸ばすと、現在4の数字を指しているつまみを、一気に上限の目盛10にまで回しきった。

その途端、ダイアナの腰がブロックを支えたまま、上方に跳ね上がって静止した。その感覚をどう説明すれば良いだろう。痛み? 疼き? 快感? どの言葉でも、その感覚のほんの一部しか説明していない。それはまるで、全ての筋肉、全ての骨、全ての細胞、全ての原子、全てひっくるめて無理矢理レイプされたかのような感覚だった。呼吸すらできず、目からは涙がとめどなく流れ落ち、全ての筋肉が限界を越えて引き絞られていた。最悪のフィナーレが迫っていた。

「そしてあなたを完全に捕まえた後で、本当の輪姦というものを教えてあげるわ」。

テラのこの一言が最後の決め手となった。

「ウウウウウアアアアアアアアッッッ!!!!!」

ついにアマゾンに限界が訪れて、まるでハンターの矢に倒された動物のような叫び声が部屋に響きわたった。ボロボロの肉体は、最後に一度だけ巨大なブロックを押し上げて儚い抵抗を示した後、のしかかるコンクリートの下へと消えた。そしてブロックの下から、小さなため息の音が聞こえたのを最後に、ワンダーウーマンは沈黙した。身も心も傷つき、打ちのめされて。

皮肉にも、石は床から2フィート上空で止まり、それ以上は落ちてこなかった。犠牲者を完全には押しつぶさないよう、素早くブレーキが入れられたのだ。ブロックがゆっくりと天井に引き上げられ始めると、テラとユミは、意識不明のまま激しく喘ぎ続けているワンダーウーマンに近づいていった。二人は、打ち倒されたヒロインの汗に光る淫らな身体を楽しげに見つめていた。そしてテラは手を伸ばし、ワンダーウーマンのベルトを急いで取り外した。

「さて、どうやら彼女を確保できたようね。さっそく裸にひん剥いてやりなさい。それから予定通り、きつきつに縛り付けてやってちょうだい」

テラはそう命令すると、手にしたベルトをトロフィーのように掲げた。

「ここからが本当の始まりよ、ワンダービッチ。パーティタイムのね!!」

* * *

工場の反対側から大きな激突音が聞こえた瞬間、バットガールは素早く積み重なった古い板材の背後に隠れた。

「一体全体、何の音……」

彼女は喘ぎ、ワンダーウーマンの向かった方へと戻り始めた。現在進行中の事態に関するヒントが途中で得られることを願いつつ、目立つ戸口や窓の側は機敏に避けて、バットガールは工場内を疾走する。

(ワンダーウーマンに限って間違いは無いと思うけど、なにかひどく嫌な予感がするわ)

暗闇の中をバットガールは、泥や機械、材木を避けながら走っていた。だがヒールが4インチもあるそのブーツ、彼女の脚にはよく似合っているのだが泥の中では全く恐しく陰険な代物に変わるので、思うようにはスピードが上がらなかった。もちろんこのことは彼女も知っており、それでもセクシーに見えるという魅力には代え難く、あえてこのブーツを履いているのだったが。

走り出してから20分ほど経った頃だろうか、工場内のどこか遠くで、苦痛に満ちた女性のくぐもった叫び声が響きわたった。それはまるで瀕死の動物のようだった。

「ああ、ダイアナ! 今いくわ!」

そうバーバラは囁いて建物の壁をよじ登ると、広いキャットウォークのような2階に降り立った。1階を見下ろすように設置されている窓は横長のかなり大きなもので、網の目に走るワイヤが埋め込まれているガラスを使っていた。ただ、人の手によるものか、悪天候によるものか、大部分の窓が壊れていたので、中に入ることには何の問題も無かった。

彼女は2階の暗がりに滑り込むと、大きな木箱の陰を縫うようにして走り出した。やがて、階下の薄暗い部屋から一群の女性が出てくるのを見つけた。

「テラ・ロジャーズ!?」

バットガールは呟き、この弁護士気取りの卑怯者が暮らすような界隈では、こういった野蛮な行為も全く問題にならないのであろうことに思い至る。バットガールに見られているとも知らず、このブロンド美人は堂々とした様子で部屋から歩み出るとブラウスと眼鏡を身につけた。彼女の後ろからは、スキーマスクで顔を隠し、身体にぴったりとフィットした黒ずくめの服を着た女性二人が続く。そしてこの二人が抱えているのが、全裸のまま縛り上げられた美しい肉体であったのだ。

「ワンダーウーマン!」

バットガールは息をのんだ。見たところワンダーウーマンは気を失っており、金色のティアラと赤いブーツだけを残して完全に裸にされているようだった。両手は背後で一つに縛られ、脚もまたひとまとめに厳重に縛られている。また厚手の布と見られる猿ぐつわをかまされており、顔の下半分は布に覆われていた。二人組がワンダーウーマンの肩と脚を手分けして持っている様子は、まるでカーペットを運んでいるように見えた。

「あいつら、いったいどうやって彼女を倒したのかしら」

バットガールはそう言って、口元に皮肉気な笑みを浮かべた。

「ワンダーウーマン相手だったら、カウント2まで持ち込むどころか、逆にあのバカ女たちの方が裸になっていそうなものだけど。誰か他の人物が関わっているに違いないわ。邪悪で狡猾な誰かが」

バットガールはそう囁くと、気づかれないようにはしごを伝って階下に下り、木箱の陰に隠れながら三人組の背後から近づいていった。



「やれやれ、いいケツしたビッチだからかね……こいつ無茶苦茶重いわ」

一休みするためにとワンダーウーマンを床へ下ろしながら、ターシャがぼやいた。

……バットガールはベルトからブーメランを静かにはずす。

「なに冗談言ってるのよ。90%はオッパイの重さに決まってるじゃない」

テラは笑いながらワンダーウーマンの側に立つと、ハイヒールのかかとをダイアナの乳房に押しつけた。

……バットガールは捕縛用ロープをブーメランに結びつける。

「このオッパイ、本物なのかなぁ?」

ターシャはしゃがみ込むと、シリコンが注入された徴でもないかと、ワンダーウーマンのもう一方の乳房を指でつつき始めた。

……バットガールはゆっくり立ち上がってブーメランを構えると、テラの長い脚に狙いをつける。

「本物じゃないんだったら、美容整形のお医者さんを紹介してもらいたいわね」

テラがそう答えると、三人はそろって笑い始めた。その背後でバットガールは思い切りブーメランを振りかぶる。

「これでもまだ笑っていられるの……」

だがバットガールの言葉は最後まで続かなかった。突如、クロロホルムに濡れたハンカチが、彼女の鼻と口を強く押さえ込んだのだ。ヒロインはブーメランから手を離し、激しく身を捩りだしたが、クロロホルムの蒸気は容赦なく彼女の肺の奥深くまで侵入する。最初は激しく暴れ叫んだバットガールだったが、それは次第に身もだえと呻き声に変わり、やがて吐息がもれるだけになっていった。そしてとうとう膝から崩れ落ちると、目を虚ろにしながら床に倒れ伏してしまった。

三人の女は笑うのを止めて、バットガールが倒れるのを見つめていた。そして、背が高くスレンダーな美女が暗がりからゆっくりと現れ、眠り込んでいるバットガールをまたぎ越えて近寄ってくるのを迎えた。

「さすがだわ、キャットウーマン」

テラが彼女に歩み寄りながら言った。

キャットウーマンはいかにも猫っぽい悪女といった雰囲気を漂わせていた。6インチというひときわ高いヒールの黒ブーツに、網ストッキングをガーターベルトで吊っている。ビキニボトムはハイレグタイプで、腰には様々な道具を収めたベルトを巻いていた。さらに申し訳程度の布しかついていないビキニトップに、肘上までくる絹の手袋、そしてトレードマークともいえるマスクをかぶり、目には安物のサングラスをかけていた。

「そうね、罠が完っっっっ璧にきまったわ」

彼女は独特の調子でそう答えると、ひざまずいてバットガールの肉感的な太股をさすり始めた。

「とうとう二人ともあたしたちのモノ。楽しませてもらえそう、グルルルルゥッ! あんたたち三人はワンダーウーマンと遊んでてくれない? あたしちょっと、バットガールに仕事の話が残ってるんだ」

そう言いながら彼女は、ひもを数本、ハンカチを数枚取り出した。

「もちろんそれでいいわ。ありがとう、キャットウーマン。」

テラはそう言うと、仲間達の側に素早く戻る。二人にアマゾンを再び持ち上げるように言いつけると、彼女達を先導して建物から出ていってしまった。最後に聞こえたのは、

「……ちょうどいい場所を知ってるわ……」

というテラの声と彼女がワンダーウーマンのお腹を軽く叩く音だった。



キャットウーマンはまるで長い間行方不明だったペットが帰ってきたかのように、バットガールをなで続けたが、やがてヒロインをうつぶせに寝かせると、両腕をとった。そして絹のひもを手に取ると、手首を十字にひもをまわしながら背中側で固く縛る。次に両肘、さらに上腕部と胸もひとまとめに縛ってしまった。次にバットガールを仰向けに転がすと、ボールギャグをバーバラの口に押し込んで、革製のベルトを使ってしっかり頭に固定した。さらにもう数本の絹ひもを使い、足首のところで厳重に両脚を縛り付ける。バットガールをしっかりと緊縛するキャットウーマンの様子は実に楽しげだった。

「可哀想なバーバラ」

バットガールの頬を撫でながらキャットウーマンは悲しげに言った。

「あんたがあたしの愛を拒んだとき、きっと復讐するってあたし言ったわよね? あんたは壊れちゃうかもしれないけど構わない。あたしの一番の仔猫ちゃんにしてあげるわ。楽しませてちょうだいな」

キャットウーマンは、バットガールの両脚の間に入れた手を丁寧に滑らせ続けた。

「トム! タビィ! モリス! 入っておいで!」

雌ギツネが叫ぶ。すると三人の筋骨逞しい紳士風の男が、暗がりから浮かび上がるようにして現れた。彼らはみな黒一色のボディスーツにスキーマスクをかぶっており、胸に縫い取られたそれぞれの名前が目立っていた。

「クロロホルムが切れる前に、あたしたちの小っちゃなハニーをキャビンに連れていってちょうだい。彼女が目を覚ますときに驚かせてやりたいからね」

キャットウーマンがそう命令すると、3人の手下達は縛られた小娘を持ち上げて、真夜中の暗闇の中へ運び出した。



ゆっくりと麻酔の効果がきれていくにしたがって、頭上のぼんやりした光もただの電灯に姿を変え始めた。意識が戻り始めたバットガールはゆっくりと呻き声をあげる。なんだか入院した患者のような気分だった。クロロホルムの香りはまだ呼吸を妨げているし、身体はだるくて全く力が入らない。彼女は意識をはっきりさせるために頭を左右に振り、起きあがろうとした。そこで初めて、彼女は自分が縛られていることに気が付いた。彼女の両手はひとまとめに括られて、ベッドのフレームらしきものに縛り付けられていた。両脚もまた、左右に開かれた状態で縛られていた。それぞれの足首から伸びたひもが、真鍮製のベッドの底板に結びつけられていたのだ。

周囲を見まわすなり、彼女はパニックのままに身体をよじり始めた。なんと彼女のコスチュームは全て脱がされていたのだ。バットスーツどころか、大切なマスクとかつらも既に無い。ここにはもはやバットガールは存在しなかった。司書のバーバラ・ゴードンが横たわっているだけであった。

「フムムムムムムッ!」

彼女は猿ぐつわの下で叫んだが、銀色の絹布が固く口元を覆っており、助けを呼ぶ声をうち消してしまっている。仕方なく彼女は部屋全体を丁寧に見回した。まず最初に判ったのは、大きなキングサイズのベッドに彼女は縛り付けられているということだった。このベッドの置かれている部屋は、ログハウスの一室のように見える。自分のいる場所の見当をつけようと首を回してみれば、頭上の窓からは月明かりが差し込んでいることが判った。

だがそのとき、人影が部屋を横切って近づいてきた。見れば、俳優のような力強いあごの線とセクシーな髪をもつ、とてもハンサムな男だった。黒いスーツごしに見た体格からも、彼がきわめてよく鍛えられていることが窺うことができる。彼は、ベッドに腰掛けると、期待に燃え上がるような視線でバーバラを見下ろした。

「目が覚めたんだね」

彼は大きな手でバーバラの頬を包みながら優しく言うと、次に大きな声で叫んだ。

「キャットウーマン!」

バーバラはショックに凍り付いた。

(キャットウーマンが来ているの?!)

彼女は思い出した。最後に会ったとき、二人の関係は決して良好とは言えなかった。それどころかキャットウーマンは、絶対に復讐してやると強く脅していたではないか。キャットウーマンと二人の男が部屋に入ってくると、バーバラはパニックに陥って身をよじり始めた。キャットウーマンはセックスに関しては異常な趣味を持っているのだ。

(ああ、神様!)

手を伸ばしたキャットウーマンが、バーバラの剥き出しの秘唇をゆっくりと撫で始めた。キャットウーマンの優しい愛撫から逃れようとして、いつしかバーバラの腰はゆっくりと持ち上がり、上下左右に揺れ動く。

「完っっっっ璧よ。ホント完っっっっ璧。あなたいつだって、とーっても感じやすかったっけ」

キャットウーマンは猫のように喉を鳴らしながらバットガールに覆い被さると、猿ぐつわの上から唇のあたりをそっとつついた。もちろんバットガールは、この時点で完全に怯えきっていた。そして、ひんやりとした夜気、拉致された身、緊縛された肢体、逃げ出すことなど思いもよらない無力な状況……これら全てが彼女の全身を強烈に高ぶらせていた。キャットウーマンの趣味を考えれば、自分が手荒い歓迎を受けるであろうことは簡単に予想できる。しかもキャットウーマンは、バーバラの性的嗜好を知り尽くしているのだ。それこそ、性感帯の場所から、マゾ的な性癖まで全てのことを。まさに最悪の状況と言えた。

「あたしの新しい仔猫ちゃん達を紹介するわ。あたし、この子たちと一緒に全力を尽くすことに決めたから。それでトム、あなた何故この若々しいレディに自己紹介しないの?」

そう言いながらキャットウーマンが一歩下がると、代わりに子分の一人が巨体を割り込ませた。彼がスキーマスクを取ると、そこにはとても整った美しい顔があった。美しい金髪と褐色の肌がサーファーを思わせる。彼はまさしく美男子であった。神々しさすら感じられる。その深く青い瞳と彫りの深い顔立ち。バブズは彼に見とれないようにするのが精一杯であった。ところが、彼は黒のセーターを脱ぎ捨てて上半身裸になった。よく鍛えられた腹筋と広い肩には、バーバラも感嘆の目で見つめる他は無い。実際、彼は全く信じられないほどの存在であった。

続いて彼は、ゆっくりと黒いパンツとブーツを脱ぎ、ぴったりとフィットしたビキニパンツ一枚を残して裸となった。そのパンツを下から雄々しく突き上げている彼のペニス、これもまた信じられないほどに巨大で化け物じみていた。だがしかし、彼の両脚の間の一物はまだ勃起してはいなかったのだ。それはまるで、一気に飛びかかって獲物を打ち倒す瞬間を待っている巨大なヘビのようでもあった。彼が近寄ると、バーバラは思わず脚をすぼめ、腰を遠ざけるのだった。

「みんな僕をトミーって呼んでる。トミー・ザ・ガンのトミーってね」

そう言うと彼はベッドに腰掛けて、広い胸となめらかな筋肉質の両腕でバーバラを包み込んだ。

「僕はこれまで大勢の女の子をやっつけてきたけど、スーパーヒロインは初めてなんだ。とても楽しみだよ」

彼は額を彼女の額に押しつけると、目をじっと覗き込みながらそう言った。そしてバーバラが固く目を閉じて小さく声を上げると、満足したように彼は身を起こしてキャットウーマンの立っている横にまで下がった。キャットウーマンは早速、彼の広い肩に手を回し、キスし始める。

「俺はタビー。だけどステージの上じゃ丸太のジョニィって呼ばれてる」

二人目の男がそう言いながら、縛られたヒロインに近づいてきた。彼は既に全裸だった。バーバラがトミーとキャットウーマンのキスを見ている間に、身につけていたものを脱いでしまったに違いない。手にした最後の布きれを床に投げ捨てると、彼はベッドの横に立った。トムとは正反対に、彼の肉体はボディビルダーとしての肉体を持っていた。身動きできない少女を見下ろしながら、彼はポーズをとって全身の筋肉を締めてみせる。見かけはファビオに似ているが、その目には、より卑劣で邪悪なものが浮かんでいた。そして彼の股間を目にした瞬間、バーバラは小さな呻き声を上げた。彼のニックネームがまさしく真実であることを知った彼女は、瞳に恐怖を浮かべながら彼のペニスを見つめるばかりであった。トミーのモノは長くてほっそりしていた。だが、彼のモノはもっと短く、そしてずっと太かった。彼の引き締まった両脚の間で、それは巨大な肉片のようにぶら下がっていた。

「本当にグッとくる身体だな、ビッチ?」

そう言うと彼はその大きな手を彼女に伸ばすと、腰から股間へと乱暴に滑らせた。

「ここが濡れ濡れになって、うねうねと動くのが俺は大好きでね」

彼は邪悪な微笑を浮かべながらそう言った。

そしてモリスという最後の手下もまた、衣服を全て脱ぎ去ってベッドの横に立った。彼の身体はジョニィのものに似ていたが、彼は大きく真っ黒な黒人であった。全身の毛をそり落としているので、頭はきれいに禿げ上がり、両脚も完全に滑らかだった。彼はその大きな黒い手でバーバラの瑞々しい白い太股を軽く叩くと、ニヤリと小さく笑った。

「いい身体だぜ、ビッチ」

そう言うと、彼もまた一歩下がった。

「この3人の紳士方は、あたしがどうにか拾い上げることのできた元ポルノスターよ。名誉に感じて欲しいわ。こういう男とセックスしたがる女は大勢いるのよ。それに考えてみて、あなたこの3人と同時にセックスできるのよ!」

彼女は楽しそうに叫んだ。

「タビー、モリス、お客様の身体をもみほぐしてあげなさい。その間あたしは、トムと雰囲気を盛り上げてるから」

そう言うなり彼女はトムをひっつかみ、気が狂ったようにキスをし始めた。

筋肉に覆われた男二人が近づいてベッドに上がってくると、バーバラは荒々しく叫び始めた。縛めを引っ張り、身体をねじり、近づいてくる男達を蹴り飛ばそうとした。しかし男達は慌てる様子も無くその大きな手をバーバラの無力な裸身に伸ばすと、彼女の腰や脚を撫でさすり、愛撫し始めた。それから、眼下にうごめくヒロインの肉体の攻略にかかる。

ベッドの上の方に移動したジョニィは彼女の猿ぐつわを取り外し、叫び出される前にディープキスでその口を塞いでしまった。バブズは左右に頭を振ってなんとかその口から逃れようとしたが、ジョニィにあごをつかまれるともはや頭を動かすことさえできない。こうして二人の長い長いキスが始まった。

バーバラの喉から漏れる絶望的な呻き声は、やがて高い悲鳴へと調子を変えた。両脚の間に長くて湿った何かを感じたのである。モリスの舌だった。彼の舌がゆっくりと秘唇の間に滑り込み、口は蜜壺を吸い上げ、そして秘裂とクリトリスを愛撫しているのだ。懸命に腰を振って逃れようとするバーバラだったが、モリスの力強い腕は彼女の大きく丸い太股を抱え込むと、引きずり下ろして自分の口へと押しつけ続けた。これと同時にジョニィは、バブズのあごを押さえていた手を彼女の左乳房へと動かした。それはまるで大の大人が小さな人形で遊んでいるようにも見える。彼はその大きな手を、乳房にそって丸く動かしながら愛撫し始めた。

バーバラは顔を振り、どうにかジョニィのキスから逃れだす。しかし彼はいやらしいニヤニヤ笑いを見せただけだった。そして彼がバーバラの胸元に座りなおし、両方の乳房を愛撫し始めると、彼女は恐慌状態のまま歯ぎしりした。ジョニィは、クッキーの生地をもてあそぶ子供の様な無造作な、そしてからかうような調子で、彼女の大きな乳房をこね回した。巧みな手技が、双乳を絞り上げ、形を整え、押しつける。やがて彼は乳房を上に引っぱり上げ、固く直立した乳首を口に含んで吸い上げた。

その瞬間、バーバラはあまりの快感に叫び声をあげた。激しく吸い上げられる乳首と乳房からの快感は、モリスの強烈なクンニリングスとともに波紋に変わり、そしてバットガールの感じやすい肉体の隅々にまで送り出されていた。まさしくプロの仕事であった。手遅れになる前になんとかしなくてはいけないとバーバラは悟った。

やがてジョニィは、いかにもプロらしい手際の良さでバーバラの隣に身体を横たえ、彼女の視界から消えた。一方モリスは身体を起こし、彼女の豊満なヒップの下へとひざを滑り込ませた。そして左手一本でバブズの太股を持ち上げると、もう一方の手でビキニパンツを下げてペニスを引きずり出した。

「ま、まさかそんな! 嫌、やめて! キャットウーマン、やめさせてっ!」

バーバラは叫び、激しく身体をよじり始めた。そして筋骨たくましい黒人が、股間の巨大な一物を片手でこすり始めるのを、恐怖に満ちた目で見つめる。ソレは見る見るうちに大きくそそり立ち始め、いよいよバーバラを狂乱の淵に追いつめた。さらにまた、ジョニィが暴れるヒロインの頭をしっかりと押さえ込み、彼女は悪夢のような光景から目をそらすことさえ許されなかった。やがてモリスの準備は完了した。彼はバットガールの両太股をしっかりと持ち上げると、腰をゆっくりと前に押し進めた。

「いやぁ!」

「やめてぇ!!」

「いやぁぁぁぁぁっ!」

「アアアアゥゥゥゥゥッ! 嫌ァァッ!」

バーバラは、ペニスの先端が股間の茂みの中へ消えていくのを見つめていた。バーバラはペニスの先端が敏感な秘唇を押し開いていくのを感じていた。そしてその間彼女は、恐怖のあまりに叫び続けていた。泣き叫び、狂ったように腰を振る彼女だったが、やがて男の屹立は隘路を押し開き、彼女の中へと深く深く分け入ってきた。最初、その侵攻はきわめてゆっくりとしたものだった。ヒロインは全力で抵抗していたのだ。しかし彼のきわめて固い一物は、その堅牢な膣の筋肉を押し分けて、ゆっくりと道を開いていく。この動きはバーバラの全裸の肉体に、荒々しい制御不能の快感を続けざまに送り出していた。そしてモリスがさらに深く一物を押し進めたとき、耳をつんざくようなバーバラの絶叫が響きわたった。彼女の秘芯は、大層きつく、大層感じやすく、大層繊細なのだ。モリスは彼女を見下ろして、自らのペニスがその小さな秘裂の中に少しずつ沈み込んでいく様子をじっくりと見つめていた。

「ウウアァァァッ! アアアァァッ!! 出して! 出し……ンンーーーーーッ!!」

バットガールの腰は、ペニスがその苦難の道を進み続ける間、ずっと激しく暴れていた。1インチ1インチが戦いであった。1ミリ1ミリが快感と苦痛に満ちた淫らな波紋を生み出した。巨大な一物が子宮に向かう道を切り開き、少しずつ少しずつヒロインの中へと消えていくと、彼女の秘裂はすっかり濡れきって、まるで壊れた蛇口のように愛液が溢れ出してくるのだった。バットガールは、自分がこれほど巨大なモノを飲み込むことができるとは想像したこともなかった。自宅のバイブレーターさえ、これほど大きくはない。

(アアアァァァッ! なんとか…自由にならないと…完全に征服される…その前に!)

絶望が広がっていく心の中でバットガールは考えた。

だがしかし、やがて一物は完全に彼女の中に埋め込まれてしまった。モリスの腰はバットガールの腰にぴったりと密着し、彼の尻は彼女の膝の間へとすべり込んでいた。バーバラは深く息をしながら呻くばかりである。とうとうモリスはバットガールを奥まで貫いたのだ。彼は今や、彼女にのしかかるようにして肌を合わせていた。彼の腰がゆっくりと上下して、縛られて無力なヒロインの膣の中を、その巨大なペニスで擦り始める。彼女は巨体の下で身体をゆっくりとくねらせることしかできなかった。

「ウゥッ! なんてこった、このビッチの締まりは……とっても……うぉぅ、ムチャクチャ締まるぜ!」

バットガールの膣があまりにも強く彼のペニスを締めつけるので、モリスは目を細めながら息を喘がせた。

「ちきしょう、こいつは…とっても…ウウウゥッ!」

なんとかモリスの動きを押さえ込もうとしたバーバラは、健気にも膣の筋肉を強く締めつけていたのだ。そのために彼女の腰もモリスの腰と一緒に上下に揺れていた。だがしかし、これは彼女の作戦ミスであった。新たに肉棒に加わった圧力は、既に興奮状態にあったペニスをさらに固く大きくするだけだったのだ。まるで動物の様な激しさで、モリスはバットガールを責め始めた。そして子宮をえぐるような突き込みは、次第に強さとスピードを増していった。

「ンンッ!」

「ンンッ!」

「ンンッ!」

「ンンッ!」

乱暴に突かれる度に彼女は呻き声を漏らした。そして彼女の肉体の奥底で、巨大な快楽の核が形を取り始めていた。一方、バットガールの肉体が同僚の手によって打ち砕かれたのを見てジョニィは身体を起こし、再び彼女の乳房を愛撫し始める。ただし今回はずっと激しいものであった。繊細な乳房の片方は容赦なく握られて絞り上げられる。その一方でもう片方の乳房は、深く激しく吸いたてられている。

モリスの腰の動きも速くなる一方であった。元ポルノスターがペースを速め続けるので、今やバットガールの身体はベッドに乱暴に打ちつけられていた。これは決してキャットウーマンの淫らな自慢では無かった。バットガールは無慈悲にレイプされており、しかも彼女は無力であり、この暴虐を止めることすらできないのだ。かつて彼女が犯罪者と闘うことを決心したときに、バーバラが恐れていた事態が今彼女を襲っていた。犯罪者たちに打ち倒されることも彼女の心配の一つではあった。しかし今、彼女はキャットウーマンの手下たちに捕らえられ、意志に反してレイプされているのだ。敵の手の中でこれほど無力でいることに、彼女は恐怖して涙を流した。かつてセレナは彼女への復讐を誓った。そして今、その誓いを果たそうとしていた。

「もっとハードにヤれよ! こいつをぶちのめしてやれ!」

ジョニィが景気良く仲間に声をかけた。

「この、なんてビッチだ!」

そうモリスは叫ぶと、さらに強くさらに深く彼女の中へ打ちつけ始めた。この結果バットガールの身体の奥深くに生まれた熱い塊はどんどんとエネルギーを増していき、快感と恐怖の狭間で彼女は、うめき声を上げ、叫び続けるばかりである。彼のペニスはひたすら巨大であり、彼女はひたすらに無力だった。そしてこの絶望感はモリスの容赦ない律動と共にさらなる快感へとつながり、バットガールをさらなる高みへと踊り上げるのだった。

やがてヒロインの腰がひときわ激しく上方に跳ね上がり、全身の筋肉がピーンと張りつめた。この瞬間、モリスはとどめの一撃を思い切り突き入れて、小さく腰をひねった。その結果、モリスの腰骨はバットガールの屹立しきったクリトリスに強くこすりつけられる。彼女の全身を信じられないような快感が走り抜けた。食いしばった歯がギリリと鳴る。息が止まる。バットガールは固く目を閉じた。身体の奥底の溶岩はもはや押しとどめようも無い。その圧力は見る見るうちに強くなり、彼女の意志を超えてコントロール不能な状況に突入していった。彼女は津波を待ち受けるアリも同然であった。ひたすら無力で、助けも得られない。神経の全てが、筋肉の全てが、今や爆発し始めていた。そして……

「アアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!!」

その絶叫は、まさしく性の悦びに支配されていた。断末魔に苦しむ野生動物のように、バットガールの身体がのたうちまわった。限界を超えた絶頂によって完全に彼女は打ち倒されたのだ。さらに次の瞬間、モリスもまた身体をこわばらせると、バットガールの尻肉を強く鷲掴みにした。彼もまた耐えきれずに限界を迎えたのだ。彼女の身体の奥深くに一物を突き入れると全身を震わせ、食いしばった歯の間から苦しげな息が漏れる。

「クッソォォォォォォォォォッ!!!!」

そう叫ぶやいなや、彼は犠牲者の中に精を解き放った。律動は次第に深くゆっくりとしたものに変わっていく。バットガールは大きく喘ぎ、うめくばかりであった。レイプの最初から彼女の心も身体もバラバラに引き裂かれていたのだ。だが彼女の休息はほんのひとときに過ぎなかった。モリスがゆっくりとペニスを引き抜いて下がると、代わりにジョニィが彼女の脚の間に腰を据えたのだ。

「次は俺の番だな」

ジョニィの言葉にバットガールは文字どおり凍りついた。


つづく。

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