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  「西へ」 −バーシア アナザーエンド−             場面13

■ バーシア 3月11日 AM3:00 安宿

遠くでワタシを呼ぶ声がする。
そのときまで、ワタシの周りには漂うような不透明な世界が横たわっていた。
水飴のようなドロリと粘りつくような全ての輪郭がはっきりとしない世界。
そんな中にワタシはゆったりと浮かんでは沈んでいたようだった。

男「…シア…」

なんだろう?
先ほどから聞こえる声は…?

男「…バ…シア…」

バーシア…?
誰かがワタシを呼んでいる…?
一体…
うつらうつら、未覚醒の意識の淵からゆっくりと引き上げられてゆく…

【[主人公]】「バーシア…大丈夫か?」

薄らと眼を明けると、心配そうに覗き込んでいる顔がそこにはあった。
なんだか懐かしい…

【[主人公]】「よかった…」

いつになく優しい言葉をかけるなんて、オマエらしくもない…
見るとワタシは裸のまま、ベッドに横たわっているようだ。
しかもその身体には、汚らわしい獣欲の残滓がこびりついている。
まだ身体がだるく、官能の余韻がブスブスとくすぶり続けているようだ。
そうか…ワタシはあの豚野郎に散々いたぶられて…

しかしそんな汚れきったワタシにも構わず抱きついてきた。


【[バーシア]】「あん! ダメ…汚いから…洗わせて…」

服が汚れるもの構わず、肌にむしゃぶりついてくる。
身体中にこびりつく、奴の汚れをオレが落とすと言わんばかりに…

【[バーシア]】「あひん…ああ…あぐう…」

まだ薬の効果が残っているせいか、過剰に感じてしますがそれもまたいいではないか。
あの豚ではなく、ワタシを愛してくれているものの手にならいくら甚振られても構わない。
なんだか、暖かい…


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