「いいんですか……?本当に、いいんですか?」
顕子の傍らに立った牧田が問いかける。
「本当に、僕らの……僕らだけの乳奴隷で居てくれる……んですね?」
いきなり目の前に欲しがっていた玩具を与えられたために、その存在自体をいぶかしむような子どものように、牧田は繰り返し確認する。だがそれに対する顕子の反応は、静かに大きく深く一度頷いてみせるものであった。
「でもどうかな……。ただ単に、僕らの喧嘩を止めようとしていただけじゃないのかな?」
牧田に頬を張られて以来、用具室の隅で小さくなっていた北原が、いつもの彼らしく、どこかおどけたような剽げた表情を見せる。
「それも考えられるし、また、俺たちを大石の二の舞に合わせようとしているのかもしれない」
まだ痛むのか、目を片手で覆ったままの寒河江が、常日頃の彼らしく冷静に答える。
「ぼ、僕は、先生の言うことを信じたいよ、勿論……」
牧田に何度と無く力一杯殴られた後も痛々しい清治が口を開くと、北原と寒河江は一瞬伺うようにして牧田の表情を盗み見る。何しろ清治は先ほど公然と牧田に対する反旗を掲げているのだ。だが、当の牧田の方は、先程までの猛り狂った状態が嘘のようにおとなしくなり、心ここにあらぬ風に顕子の顔をじっと見つめ、清治のことなどすっかり忘れ去ってしまったかのようだ。
「大丈夫。先生を信じて。その証なら、これから先生はあなた達の好きに、本当にあなた達の望むことをしてもらっても構わないと思っています。抵抗も反抗もしません。どうしても先生の言うことが信じられないというなら、これから、実際に試してみればいいわ。先生の覚悟と、あなたたちの疑念が本当かどうかを……」
なおも疑念たっぷりの寒河江と北原の顔を見ながら、顕子は微かに微笑みながら提案した。先ほどの顕子自身による乳奴隷としての宣言もそうだが、今の提案も、日頃の顕子から考えれば、これほど似つかわしくなく、胡散臭い物言いはない。寒河江や北原がそれを罠だと考えるのも当然だったし、もし牧田の精神状態が通常通りのものだったならば、まっさきに疑問の声を発したことは明らかであった。
しかし顕子という人間は、ある意味明朗で清廉な分だけ、物事の捉え方は非常にシンプルだった。なまじ自分という存在を把握してしまっている分、状況の変化に対する順応も早く、また一度順応すると定めれば、確信犯的な分だけ余程のことがないと揺るがない。今回、林間学校で受けた凌辱は、その数少ない「余程のこと」であったことは確かだったが、それを経て生み出された乳奴隷としての顕子もまた、今回のことと同様かそれ以上のことがなければ揺るぐはずはなかった。
顕子はそんな自分を十二分に理解しているだけに、少年達に対して言いだしたことはすべて本心からのものだと自分自身で把握していた。
……自分は、もう揺るがない。この少年達の心を救うまで、自分は彼らとともに生きるのだ
その想いは、顕子の教師としての自尊心も、人間としての愛情も、そして自らの、ついこの間までとはすっかり異なってしまった肉体の変化すらも満たすものであった。
「……先生、ちょっといいですか」
不意に牧田の声が皆の耳朶を打つ。
「これだけは確認させてください。そしてこれから確認することを反古にしないと確かめさせて下さい。いいですか?」
先ほど自らの溢れんばかりの激情を吐露して以来、牧田の表情は憑き物が落ちたように、いきなり少年らしい木訥なものに変化してしまっていた。今までの牧田の表情も、少年らしい小憎らしさや躍動的な愛らしさに満ちたものだったのだが、現在顕子の傍らで、片時も目を離すのを惜しむように、顕子の顔に視線を送り続けている表情は、西洋の宗教画に描かれる天使像のように、微かな笑みと澄んだ瞳をもった、どこか痴呆ともとられかねない変に純朴なものになっていたのである。
「先生、本当に僕らの乳奴隷になるんですね?間違いない?……そうですか、わかりました。なら、これから言うことを繰り返して、了承して下さい。いいですか?」
顕子がこくりと頷くのを見た牧田は、純朴な表情と穏やかな口調のまま、言葉を繋いだ。
「まず、紺野顕子は、僕らの乳奴隷となることに間違いはなく、僕らの望むがままに乳奴隷として奉仕すること。次に、紺野顕子は、今日から僕らの名前の後にご主人様とつけて呼ぶこと。また、紺野顕子は僕らの命令には絶対さからわないこと。さらに、紺野顕子は逆らった場合、どんな責めも受けること。そして最後に、紺野顕子はもし妊娠していた場合、絶対に、その子がたとえ大石の子であっても、育て上げること。その際、母乳も僕らの求めに応じて、いついかなるところでも与えること。……さ、繰り返してみて下さい」
牧田の澄んだ瞳で見つめられながらも、顕子は一瞬その内容にたじろぐ様子を見せた。なまじ声が穏やかであるがために、その内容の狂った部分が強調される結果となった。とくに最後の、子どもを育て上げた挙げ句、母乳をどこでも自由に彼らに与えなければならないという内容には、どれほど覚悟を決めたとはいえ、怖気に似たものが体を縦に貫いていった。
言葉につまる顕子の表情を見遣った牧田は、くすりと軽く笑う。
「大丈夫です。他に誰かいる場合。そうですね、たとえば授業中に僕らをあてる時なんかは、別にご主人様をつけなくてもいいですよ。それをやったら、僕らも笑いものじゃないですか」
顕子は呆然とした表情で牧田の顔を見上げる。
「も、もしもよ、もし、子どもが出来ていたとして、それが大石先生の子どもであっても、あなたたちはそれでいいの?」
「ああ、そんなことですか。それだったら、僕らみんな、気にしませんよ。どっちにしろ、生まれてくる子どもは、表向きは先生と先生の旦那さんになる人との子どもですけど、そんなことは問題じゃない。僕らは前にも言ったように、僕らの子として愛情を注ぎますよ。それに僕らが欲しいのは、育てあげる過程の母乳なんです。そんなにでかいおっぱいから、どれだけ勢いよくミルクが出てくるかと思うと、嬉しくて嬉しくて堪らない気持ちになってきますよ」
どこか自分自身に陶酔するように、顕子の顔ではなく宙を見据えたまま牧田がそう言った瞬間、顕子は自分を見る周りの少年達の視線が切ないまでのひたむきさで光ったのを見逃さなかった。
彼らは一様に、牧田の言葉に促されるように、顕子の剥き出しの巨大な乳房を熱っぽい鋭い視線を這わせた。無論乳房の表面には先ほどの責めによる熱蝋がびっしりと張り付き、その形をグロテスクに変貌させてしまっていたが、彼らの視界にはおそらく昨夜もそして今日の昼間も散々に弄んだ、憧れの美しさと巨大さとの最高の調和を誇る白塊が映っている筈であった。
「あ、あの、それだったら、育て上げる必要はあるの?母乳が欲しいんだったら……子どもを望んでも得られない人に渡してしっかり愛情を注いでもらう道もあるのではないかしら?」
覚悟を決めたとはいえ、少年達の視線の中に込められた異常性に本能的な恐怖を感じながら思わずそう言うと、牧田の鋭い声が顕子の聴覚に叩きつけられる。
「何を言うんです!今言ったばかりじゃないですか!もし、もしですよ、子どもが出来ていたのなら、その子は僕ら全員の子なんだ!誰の子でもない、他ならない僕らの、僕らと先生との子なんだ!絶対にそんなことはさせないですよっ」
牧田の鋭い語気に、顕子はたじろぎ、先ほど覚悟を決めたときの認識を思い返した。
……そうだ、この子たちにとっては、とても大切なことなんだ。私と一生を、後の生涯まですべてを共有する絶対的なものが欲しいんだ。そのためには、私の苦しみも痛みも、彼らにとっては関係ないものなんだ。……そうよ、だから私は、そんな哀しい彼らを変えようと、変えるためには彼らの踏み石になろうと決めたんじゃない……
顕子は深く大きく一度溜息をつくと、最早戸惑いも恐怖も感じさせない、先ほど覚悟を定めたときと同じ穏やかな表情に戻り、牧田の述べた口上を改めて復唱してみせた。
「……私、紺野顕子は、牧田くんたち四人の乳奴隷となることに間違いはなく、四人の望むがままに乳奴隷として奉仕します。次に、私、紺野顕子は、今日からみんなをご主人様とお呼びします。また、私はご主人様たちの命令には絶対に逆らいません。また、ご主人様たちの命令に逆らった場合、どんな責めもお受けいたします。もし、私が妊娠していた場合、絶対に、その子がたとえ大石先生の子であっても、育て上げます。その際、母乳もご主人様のお求めに応じて、いついかなるところでも与えることとします……」
淀むことなく口にした言葉の重みに、顕子は小さく身震いした。これで自分はこの少年達の乳奴隷となったのだ。一生を、彼らに奉仕し生きていくのだ。だが、昼間までの自ら望まぬままに凌辱を加えられ続けた状況に比べて、心の中では晴れやかなものすら感じている。それは最終的に教え子を裏切ることなく、そして自らの教師としての誇りを保ったまま生きていくことへの展望を見出したからでもあった。
……私は、もう、真っ当な教師ではない……教え子の乳奴隷、彼らの与える快楽を貪りながら、彼らに仕える、人間以下の存在……だが、私はそれと引き替えに彼らを立ち直らせてみせる。普通の教師ではもはやないだろうが、私は、私だけしかできない方法で、教師であり続ける。
そう胸の中でひとりごちながら、顕子は改めて少年達の顔を見回す。
「よく言えましたね、先生」
不意に、牧田の表情に変化を感じ取って、顕子は小さく身構えた。その表情は、先ほど仲間達を蹂躙しながら顕子への想いを吐露した、少年らしい繊細さや純粋さを感じさせるものでもなければ、自分に奴隷の誓約を復唱させた澄み切った瞳をもったものでもなかった。あきらかにそこに居たのは、いつもの牧田その人だったのだ。
牧田がいつになく平静を失い、日頃の彼ならばけっして面には出さない、弱さや純真さを吐露してしまったのは、ただ顕子を失うのではないかという恐怖によるものだった。それ故に昼間の清治と顕子との濃厚な性交を見て動揺し、さらには清治の反抗にあって、完全に我を失ったのだ。
牧田は、昼間自分で気づいたように、けして従順な顕子だけを求めているわけではない。あくまでも牧田の嗜虐の欲求や、それとは裏腹な思慕の情を満たしてくれる、いつもの教師としての顕子の存在が必要だった。その顕子の存在が、自分たちで蒔いた種とはいえ、消え失せそうになった瞬間、牧田は度を失ってしまったのだ。しかし、今の顕子は、教師としての知性や包容力、そして誇りを失わないままに、乳奴隷となったのだ。
これで牧田の平静を失わせていた要因は取り除かれた。あとは清治との問題が残っていたが、それは顕子自身が否定してくれたのだ。そのことによって、牧田は完全に、優等生の顔を持った悪魔としての自分を取り戻したのだ。
「まずは手始めに、これからの奉仕の邪魔になる、その蝋を全部落としてあげましょう。さあ!胸を前に突き出すようにして!」
牧田は、周りを従えるのがさも当たり前といった、いつもの小帝王ぶりをすっかり取り戻すと、傍らの寒河江に腰のベルトを抜き取らせると、思い切りよく熱蝋に固められた乳房めがけて振り下ろした。
「あうッ、ああッ」
バシリという鈍い音が響く度に、顕子は悲鳴をあげ、かぶりを振り、体をそむけた。だがその度に、牧田から叱責が飛び、必死の形相で上半身を突き出して、ベルトの蹂躙を受け入れ続けた。
「フフフ、やっぱりですね。やっぱり先生は、そういう顔が最高です。さっきまでの格好いい顔が、いきなり歪んだ顔に変わるのが最高です。フフフ、まだまだ蝋はとれませんね、ほら!」
「ひ、ひぃッ」
彼ら自身が嗜虐の悦びの赴くままに塗した熱蝋は、びっしりと顕子の乳肌を覆い固め、ベルトによる打擲ではなかなかはがれようとはしなかった。だが牧田は、そうして顕子へ加える苦痛を長く保たせようとしていたのだ。
「おい、寒河江、オレ、疲れたよ。お前代わってやってくれ」
うっすらと額に汗が滲み出てきた頃合いを見計らって、牧田は寒河江にベルトを渡すと、清治の傍らにどかりと腰を下ろして、寒河江の打擲に悲鳴をあげる顕子の姿を心地よさげに見物しだす。
「なあ、高橋。さっきは悪かったな」
傍らに牧田がやってきたことで、緊張感を漲らせていた清治の心を見透かしたように、牧田は穏やかに笑って、謝罪する。
「でもな、お前も悪いんだぜ。俺たちは運命共同体だろう?なのに、勝手に突っ走るなんて、非道いとは思わねぇ?」
顕子の悲鳴をバックミュージックにして、牧田は清治の顔を下から見上げるように言葉を続ける。
「お前のチ×ポじゃねぇと、紺野は満足しないのは確かだけどな、それで一人だけのものにしようっていうのは、どうかと思う。お前が紺野の苦しむのを見たくないというんなら、まあ、それはそれだ。お前の目の前ではそんなにいたぶらないことにしてもいいさ。だが、見てみろよ。あんなに苦しそうな、辛そうな顔をしていながら、なんで紺野は乳奴隷になったんだ?そもそもあのスプレーのせいだっていう割には、大石も驚いたくらいの感じ方だったじゃないか。紺野は、そういうオンナなんだ。だがそれだけのオンナじゃない。俺たちの先生だ。先生のまま、教え子のしかも小学生の俺たちに、ああやって痛めつけられ、そのくせそれから逃げることもない。さっき色々と言っていたことも確かにあるんだろうが、俺は、紺野っていうのは、きっと……」
そこまで話していた牧田に、清治は腫れ上がった顔を左右に振ってみせる。
「わかるよ、牧田君。先生は確かに、ああやって居るときの方が、綺麗だ。本当に綺麗に見える。でもさっきはさ、僕、あんなに綺麗な先生を独り占めにしたいっていう気持ちが抑えきれなかったんだ。だって、僕は先生と、本当に生まれてからこんなに気持ちいいことがなかったという位のことをしたんだ。そんな僕が、先生を独り占めにしたっていいんじゃないかって……。ぼ、僕こそごめんね、本当に、ごめん……」
いつの間にか、ベルトを振るう役は北原に代わっていた。顕子のあげる悲鳴は、蝋が徐々に剥がされて、直に衝撃を受けることで苦痛が高まったために甲高くなっていった。細長い喉を引き絞り、美しい眉を歪め、白い歯を覗かせながら口中より牡の心をとろけさせるような悲鳴をあげ続ける。牧田に謝りながらも、清治はそんな顕子を視線の隅で追いかけている。
「だろう?高橋。ああいう時の紺野の方が綺麗だろう?お前の気持ちも俺は分かるし、みんなも同じ気持ちだろう。そうさ、みんな紺野顕子を独り占めにしたい。でもきっと、俺たちはそれじゃ、あの美しさに逆に支配……そうだ、逆に奴隷にされてしまうのかもしれない。さっきのお前も俺も、危なかったんだ。だろう?だから俺たちは四人でなんとかあの最高の乳をどうにかこうにか支配していけるんだと思う……」
「ぎぃッ」
いきなり顕子の悲鳴の調子が変わり、獣の咆哮めいた声が口中よりまろび出た。
「ははっ、やった!乳首だ!乳首が出たよっ」
懸命にベルトの鞭をふるって蝋を剥がしていた北原が、歓喜の声をあげる。見れば、あれほど厚く覆っていた蝋が砕け落ち、ようやく雪も欺く白い美乳肌が姿を現し始めていた。そして、ほぼ完璧な半球形を形作っている膨らみの先端の蝋の塊が剥がされて、そこから彼ら全員を魅了してやまない、顕子の媚薬入りスプレーによってグロテスクに膨張したままの乳首が顔を覗いていた。
「そうだ、高橋、北原の次ぎはお前がやってみろよ。そうだ、お前があいつの奴隷じゃなくて、主人なんだってことを教えてやるんだ……」
牧田の言葉に清治はこくりと頷くと、北原にベルトを譲り受け、顕子に顔を向ける。
「先生、いくよ……。たくさん打ち込んで、先生の最高のおっぱいを外に出してあげるからね」
顕子を見据える清治の視線には、少年らしい純朴な愛情と、それとないまぜになった激しい欲情とがギラギラと光り続けている。
やがて、小太りの丸味を帯びた清治の背中が、盛り上がるようにして動き出すと、顕子の乳房に向かって、ベルトの鞭が降り注がれる。房の上から下から、そして真横から斜めから、ありとあらゆる角度から、渾身の力を以て叩きつけられる鞭の衝撃は、次々に蝋の覆いをはじき飛ばしていく。
顕子の苦悶の声に、清治はもう躊躇しなかった。彼の顕子への幼い憧れは、彼自身の手によって汚されたことに、清治は勿論気づいている。もう、顕子を視姦し、自慰することで満足できる自分ではない。昨夜も、今日の昼間も、紺野顕子という禁断の果実を味わってしまったのだ。それを失うことの恐ろしさは、顕子を独占出来ないという焦りを凌駕し、清治は、自らも顕子への嗜虐がもたらす麻薬のような歓喜に身を委ねたのである。
「牧田くん!もう、こんなまどろっこしいのは止めて、直接蝋を剥がしていい?」
勢い込んだ表情で振り返る清治の顔は、牧田が今まで見たことが無いほど輝いて上気していた。
「よし、それもそうだよな!寒河江も北原も、いっしょに、直接俺たちでひっぺがそうぜ!」
牧田のかけ声に、寒河江も北原も、顕子にむしゃぶりついていく。蝋で固められた巨大な表面積を誇る乳房にめいめいがつかみかかり、爪でひっかけ、掌で叩いて蝋を剥がし始める。
瞬く間に、顕子の地肌が、熱い蝋の下から姿を現し、従来の弾力と類い希なとろけるような柔らかさを取り戻して、少年達の八本の腕と十六本の指先の動きに随って、面白いように揺れ弾み始めた。
いつの間にか、牧田は顕子の背後に回り、掌を呑み込んでしまいそうなほど巨大で重く張りつめた乳房を下から持ち上げ、乳房自体の重さのもたらす衝撃で、細かい蝋をはじき飛ばそうとしたのか、手首を器用に使って、左右の膨らみを、勢いよく顕子の体の中心線で叩き合わせる。
砲弾を思わせる、奇跡的とも言える、官能味たっぷりの巨大な紡錘形の肉塊が左右から勢い良くぶつかりあうと、そのフォルムから連想されるような固さの欠片も感じさせない柔らかさを誇示するように、細波の如くぶるぶると小刻みに震える。更には、衝突の際に双の巨肉が、互いの表面積の広さそのままに大きくどこかユーモラスな音を立てる。
蠱惑的に、その突端から肉の房に至るまで揺れ続ける様に、寒河江と北原が思わず舌を伸ばして、今まで蝋に覆われていた白肌を舐め回す。
生温かく湿った舌先が、唾液をたっぷりと塗しながら、乳肌の上を這い回る感触は、先程までの鞭の衝撃に比して信じられないほど甘美だった。昨夜以来の凌辱で、乳房がまるで性器そのもののように官能の源泉と化してしまった顕子にとって、二人の少年の舌先の尖ったくすぐるような感触は、顕子の官能を溶け出させるには充分すぎるものであった。
自らが舐め回している乳房の巨大さと、極上の羽布団のような弾力と優しい感触に、時折感極まったように、二人の少年は吐息を漏らしながら自らの担当している方の肉房に顔を押し当て、甘噛みする。その度に、顕子の背筋をぞくぞくとした快美が這い上がり、我知らずぶるぶると大きく肩を震わせてしまう。
「フフ、先生のおっぱいの蝋を、舌を使って念入りに取ろうとしてるんですよ。ほら、お礼を言わなくては……」
背後からそう囁かれると、がくがくと顎を上下させながら、顕子は白痴のようにあえかな唇を半開きにして、どうしたらいいのかわからないという風に、ただ自分の乳肉を貪る少年達の頭をきょろきょろと見渡す。
「さぁ!主人である二人が、しがない乳奴隷の体を清めてあげているんですよ、お礼を言いなさい!」
牧田の声に怒気を感じて、漸く顕子は口を開く。しかし、一旦官能のマグマが溶けだし流れ出した顕子の口からはろれつの回らない、日頃の彼女からは信じられないほどのたどたどしい言葉しか出てこなかった。
「……あ……ありがとう……ございます……乳……乳奴隷の……あ、顕子のおっぱいを……ああっ、あむ……き、綺麗に……して……していただいて……ひ、ひぃっ」
寒河江の唇が、顕子の今では体の中で最も敏感な場所になってしまった乳首を捉えて、鋭い音を立てて吸引した途端、顕子の口上は途絶えた。薄く雀斑の浮いた色素の薄い美貌を振り立てながら、顕子は悲鳴に似た嬌声を迸らせる。
「ああッ……ひぃっ、ひっ、ふぅうっ……はぁッ」
北原も寒河江に合わせて、自分の目の前の乳首を吸い始めると、顕子の体は悪寒を感じているかのように、小刻みに震え始め、みるみる内に、白い肌を桃色に染め上げ、玉の汗をかき始めた。
「ったく、お礼も途中のクセに、勝手に喜び始めたな、この乳奴隷は」
ケタケタと嘲笑いながら、牧田はまんざらでもない風で、寒河江と北原の乳首責めに声をあげる顕子を見遣る。
「どうする、高橋?この堪え性のない、乳奴隷に、どんなお仕置きをするんだ?」
牧田は、寒河江と北原に居場所を奪われてしまって所在なげな清治に笑いかける。すると、清治には何か閃いたらしく、大きく頷いて牧田の傍らまで足を運ぶと、その耳元に何事か囁いた。
「ハハハ!そりゃ、いいや!よし、早速それで行こうぜ。やるじゃねぇか、高橋、お前、一皮剥けたよな!……いや、もともと剥けてるのか、お前だけはさ」
くだらない冗談を飛ばしながら、牧田は寒河江と北原を顕子から離させてその耳元に清治の提案した「お仕置き」の内容を囁く。
二人ともその途端、牧田が示したように、さも愉快げな表情で清治の顔を向いて頷き返す。さらに、そのように牧田に指示されたのか、寒河江が自分の持っていた顕子の手首を背中で戒めていた手錠の鍵をポケットから取りだして、その戒めから解放する。
顕子は堅く強張った手首をほぐすように回して、自分の部屋で少年達に戒められてから初めて解き放たれた両手の自由をしばし味わう。
そんな顕子を見おろしていた牧田は、床に落ちている燃え残りの蝋燭を取りあげると、ライターで無造作に火を点ける。
「ハハハ、何もそんなに身構えなくていいですよ。さっきみたいなことはしませんから。ただ、さっきの方がよかったと思うかもしれませんけど、きっと今先生が考えているようなことには使いませんよ、この蝋燭は……。ところで、先生はさっき、寒河江と北原にお礼するようにといったのに、途中でそれを勝手にやめてしまいましたね。挙げ句、誰の赦しも得ず、一人で気持ちよくなってしまいましたね。これは、先ほど先生が誓った乳奴隷としての契約に違反します。ですから、早速お仕置きすることにします。そう、動物をしつけするときと同じですよ。いけない行為を行った場合には、その場ですぐ叱る。そうしないと、なんで自分が叱られたのかわからなくなってしまうといいますからね。それでは、このお仕置きの提案者である、高橋君にお仕置きの方法について説明してもらいます」
揺れる蝋燭の炎を見つめる顕子の瞳に宿った恐怖の色を揶揄しながら、牧田はにやにやと下卑た笑みを片頬に昇らせ、高橋に蝋燭を手渡す。
「それじゃあ、説明します。これから、先生にはお尻をあげるような四つん這いになってもらいます」
清治の言葉が合図だったように、牧田達は正座の体勢を取っていた顕子の周りを取り囲む。そのまま牧田に肩を押されて両手を付き、寒河江と北原に折っていた両足を無理矢理八の字型に広げさせられると、顕子の姿勢は清治の言うとおりのものに成ってしまっていた。
「次ぎに、この火のついた蝋燭を、お尻の穴に入れます。大丈夫、火のついていない方です。あと、お尻の穴にした理由は、オマ×コだと、汁気の多い先生ですから、途中で滑り落ちてしまうかもしれないということと、あと、この蝋燭に比べて、広いんじゃないかということ、さらには、これからひょっとしたら赤ちゃんを産むかもしれない場所を、焦げさせたくはなかったということです。まあ、お尻の穴もすぐ側ですから、気をつけなくてはならないと思いますけど」
説明しながら清治は、高く突き出された顕子の尻に手をかけると、小振りだが形良く盛り上がった尻肉を横に開いて、小さな窄まりを外気に晒し、自分の人差し指に唾を吐きかけて、そのぬめりを利用して指を窄まりの中に挿入する。
「や、やめてッ……き、汚い所だから、よ、止してッ……」
顕子は反射的に、清治の指から逃れようと腰をひねる。すると、たちまちその腰を両脇から押さえつけられ、身動きを封じられてしまう。
「これ以上反抗しない方がいいですよ。今度はどんなお仕置きにしようかって、考えないといけないじゃないですか。まあ、それも楽しいですけど」
牧田が顕子の首根っこを押さえつけながら、嘲笑うと、寒河江もそれに続く。
「ククク、先生、汚いところだから止めてくれって、可笑しいですよ。普通は、肛門に火のついた蝋燭なんて入れないでって頼むんじゃないですか?日頃はあんなに颯爽としてるくせに、変なところで可愛いんだもんなぁ、乳奴隷の紺野先生は」
だが少年達の嘲弄も、顕子の耳には届かない。当の顕子は、指で揉み込むようにして肛門を蹂躙した清治が、日頃の彼の実直さそのままに、淡々と蝋燭の先端を、幾分緩んだ肛輪にじわじわと埋め込んで来たことで、それどころではなかったのだ。
「ひぃッ、ひぃ、ひぃッ」
顕子は、自分の排泄器官を犯してくる、細いが無機質な冷たさの蝋燭の感触に、喉の奥で喘ぐような悲鳴をあげる。
「よし、これくらいでいいよね。あんまり深く入れると、火傷しちゃうもんね」
蝋燭の胴部分の半分ほど肛輪に呑み込まれたのを満足気に見遣ると、清治は牧田に同意を求める。牧田は顕子の尻肉の狭間を覗き込んで、大きく頷き返す。
「ああ、な、なんか、熱い、熱いの……」
一方、じわじわと感じる炎の熱に、顕子はかたかたと恐怖で身を震わせる。しかも熱を感じている場所が場所だけに、その恐怖感は圧倒的である。先ほど自ら乳奴隷になることを了承したことも、それによって教育者としての自分を確保したことも、今の恐怖には叶いそうもなく、それもまた顕子を責め立てる。
「それではお尻に火がつく前に、説明してしまいましょう。先生は、このままの姿勢で、僕ら全員を、乳奉仕でイカせなくてはなりません。頑張って全員イカせないと、先生のお尻の穴は、丸焦げです。でも、先生のおっぱいのすごさはみんな知っているので、お仕置きにはなりそうもないと思うので、さらに、先生は乳奉仕をしながら、僕らをイカせながら自分でもイカなくてはならないということにします。大丈夫ですよね、だって昨日の夜は、僕らのチ×ポにおっぱいをグサグサ突き刺されてイっちゃってたじゃないですか。そうでしょう、みんな、覚えてるよね?」
「ククク、そうそう、そうだったよね、先生」
「大石が、この部屋にいる中で、先生のおっぱいが一番淫乱な生き物だとか言ってたしね」
清治の言葉に牧田達が続くと、顕子は絶息しそうなほどの恐怖に、目の前が暗くなる。
「耐えられるでしょう、先生?先生は、僕らに信じてくれっていいましたよ。反抗も抵抗もしないって。さあ、今度こそ、僕らを信じさせて下さい。心の底から……」
そんな顕子の恐怖心を見透かして、牧田は顕子の耳元で囁く。だがその言葉は、顕子から、僅かではあったが恐怖心を取り除いていた。
「わ、わかりました。が、頑張らせていただきます」
真っ白い染み一つない尻の狭間から蝋燭の炎をゆらゆらと揺らしながら、顕子は小さく決意表明をした。
……そうだ、どんなことがあっても、この子達を救えるのは、教師としてこの子達と共に歩んでいけるのは、私だけなんだ……だから、この子達を裏切ることは出来ない……
悲壮な決意を固めて、四つん這いのまま顔をあげた顕子を、牧田は満足そうに見遣ると、「お仕置き」の開始を宣言する。
「それではこれからお仕置きを開始する。方法は高橋の説明通り。順序は……そうだな、ここは言い出しっぺの権利として、高橋でどうだ?その後は、アイウエオ順でいいだろ?北原、寒河江、そして俺という順だ。よし、先生、高橋の方に体をむけな」
導かれるがままに、四つん這いの姿勢で、床にあぐらをかくように腰を下ろした高橋の股間に胸を押し付ける。
「さ、まずは脱がすことから初めて下さい。早くした方がいいですよ、なにせあと三人居ますからね」
既に短パンの股間部をこんもりと隆起させている高橋が、優しい口調とは裏腹の過酷な状況を説明してみせると、顕子は言葉にならないくぐもった声をあげながら、慌ただしく目の前の短パンを脱がし始める。途端に内側からはち切らんばかりにして盛り上がった少年らしい白のブリーフが現れるが、顕子は急かされるようにして力を込めて清治の腿の方に引っ張る。
「痛ッ」
履いている下着は少年用なのに、中でいきりたっている逸物は、並の大人でも叶わないほどの雄大なものである。焦るが余りに無理矢理下着を引きずり下ろそうとしたために、顕子への欲望に漲って最大膨張に達しているそれの先端が、ブリーフのゴムに引っかかり、清治に甲高い声をあげさせる。
「ああ、ご、ごめんなさい……」
明らかに、肛輪のすぐ側で熱を発し続けている蝋燭の炎に取り乱した顕子は、日頃の冷静さのかけらもなく、ぎこちなく指を操って、清治の下着をなんとか腿の辺りに引き下げようとするが上手くいかない。白い美肌には焦りと恐怖とから、ねっとりと脂汗が浮かび、その丸い玉が、巨大な乳房の上に滴り滑る。
「ほらほら、早くしないと、お尻が大火事だ」
背後から北原が頓狂な声をあげると、哀れなほどに顕子は取り乱し、終いにはまだブリーフの中に清治のものが包み込まれているにも関わらず、胸を慌ただしく押し付けた。
「駄目だよ、先生。そんなんじゃ、全然よくないですよ、さっさと僕のチ×ポを出してください!」
日頃のどこか大人しめな様子とはがらりと変わって、人を食ったような声で顕子を怒鳴る清治だったが、その実、たとえ下着越しであろうと、巨大な乳房の重量感と肌理の細かい柔肌のもたらす柔滑感とは、その幼い官能を鋭く責め立てているのであり、むしろ、下着越しのままで顕子の乳房による快美を味わうことを、清治自身首肯してしまいそうになるのを懸命に押さえ込もうとしてのことであった。
清治の鋭い叱責で顕子は漸く我を取り戻すと、左手の指でゴムだけをつまみ上げて、右手で清治の木の瘤のように堅く張りつめた逸物を外に引っぱり出した。途端に周囲の温度が上がったかのような錯覚にとらわれるほどの、熱と硬度を保った清治自身が姿を現すと、顕子は昨夜以来何度と無く大石や少年達に強制されて覚えた自分の胸による技巧を、施し始める。
それこそ顕子その人の頭部ほどもある巨大な白い肉塊の付け根の部分を左右から両手を使って押しあうことで、臀部すらも及ばない深く盛り上がった谷間を作り出し、そのまま清治の大人顔負けの長大なものを挟み込む。
しっとりと汗で濡れた乳肌は、幾分かの冷たさと、陶磁のような滑らかさをもって、清治の最も敏感な器官を擦り立て始める。
「お、おぉ……、せ、先生、き、気持ちいいよぉ……」
その重量感とは裏腹な、まるで羽毛のような信じられないほどの柔らかさを持つ乳肉にすっぽりと包まれる感覚に、清治は思わず声を漏らす。巨大な乳肉は、長大さを誇る清治をもってしても、かろうじて先端を覗かせる程度に棹を呑み込み、しとどに吹き出す、恥辱や屈辱、そして蝋燭の炎による焦りからだけではない汗を天然のローション代わりに、粘っこく前後左右から揉み込み締め付ける。
「あぁ、早く、早くイッて下さい……お、お願いよ……」
美しい眉をよじり、目元に涙を浮かべた顕子が、乳房を巧みに動かして自分の小便器官に奉仕する様は、昨夜以来何度か味わったことではあったけれど、あらためて清治の官能をとろけさせる。さらに、高く上げた臀部の狭間に、ちろちろと蝋燭の炎が揺れるのが見えるのも、例えようもなく蠱惑的である。炎に追い立てられ、挙げ句に清治達すべてを胸奉仕で絶頂に導き、さらには自らも、奉仕しながら官能の極みに達しなくては成らないのだ。
その顕子の陥った絶望的な状況に、清治は今までに感じたことのないドス黒い快感を見出していた。牧田達が顕子を惨くなぶる度に感じた憤りは、結局、自分以外のものの手で、顕子がなぶられることへの嫉妬でしかなかったのだ。
顕子の動きが、乳房を使って清治のものを揉み込むものから、上下に小刻みに擦り立てるものに変わる。つきたての餅から、粘りけを大分抜いたような滑らかさと、類い希な弾力を持つ重々しい肉塊が、勢い良く自分の敏感な棒を擦り立てていく快美感に、清治は顎で天井を向いて、もだえだす。
「よ、よーし、ぼ、僕、もう、い、イク、イキますよっ!あ、ありがたく思って下さいッ、僕は、情け深いンだからッ」
あっという間の絶頂が、清治の筒先から迸ると、上気した顕子の顔目掛けてぶちまけられる。
「ああ、あんまり先生がいやらしい顔をするものだから、すぐイッちゃいましたよ」
顕子のしとどな黒髪から、美しく天然のカールを保持する長い睫毛にまで飛び散った白濁した粘液を見遣りながら、清治は顕子その人よりも背後に控えている牧田たちに対するいいわけがましくそういうと、次の北原に場所を譲る。
だが顕子には一人を絶頂に導いたからと言って、ゆとりをもてるはずなどなかった。明らかに、肛輪に感じる熱は強くなってきているのだ。しかも、北原を迎え入れようと、身を動かしたときに、熱蝋がたらりと滴り落ちて、顕子のもっとも柔らかで敏感な部分である性器を焼いたのだ。
「ひぃッ、ひぃッ、ひーッ」
ガクガクのけぞりながら、顕子はあまりの熱さと、体の中で最も大切な部分に熱蝋を被ってしまったという恐怖感とで、悲鳴を断続的にあげる。
「ククク、先生大変そうですね」
もっとも子ども子どもした小柄な北原が、そう言うやいなや、顕子の両の乳房をぐいと両手で掴み上げて、引きずり倒すようにして自分の股間に覆い被せる。いつも腰巾着のように牧田について回り、結果的にこうした恩恵にあずかっている北原としては、たった一人で顕子の奉仕を受けたことは、今までなかったのだ。それだけに少年の瞳は欲情と破壊衝動に鈍く光り、その口元には肉食獣のような笑みを浮かべ続けている。
「先生、お尻の火ばかり気にしていたら、自分ではイケないですよ。なにせ先生には、おっぱいでイカないといけないっていう罰もあるんですからね」
北原が両の乳房を掴んだまま、自分で腰を上下に振って、その弾力と滑らかさを味わうと、いきなり両の乳房の先端部にある敏感な突起を左右の人差し指と親指で摘み、自分の性器を中心に交差させる。
「ぐひぃッ」
「痛いンですか?フフフ、これ、昨日の晩も大石がやってたヤツですよ。乳首を引っ張って、乳房でチ×ポを巻くんです。これで、先生、イッてたような気がしたけど、気のせいかなぁ」
昨晩の悪魔のような大石と少年達の自分に対する所業を思い浮かべながらも、顕子にはそんな記憶がなかった。無論、催淫剤入りのスプレーに溶かされきった理性では、いちいちどんな責めが自分に加えられたかなど、覚えていようはずもない。しかも、彼らが先程から何度も言うように、乳房や乳首を責められただけで絶頂を極めたなど、俄には信じられないのである。よしんば彼らの言うことが正しかったとしても、それはあくまで、催淫剤入りのスプレーによる効果だったはずである。そのスプレーの効果もないままに、胸で奉仕しながら絶頂を極めることなど、顕子には途方もないように思えるのだ。
だがもし、自分が絶頂を極められなかったときは、少年達は躊躇無く、肛輪に挿し込まれたままの蝋燭を、その先に点いている炎もろとも直腸に突っ込むであろうことは、周囲の雰囲気からも充分に確信することが出来た。その確信は、圧倒的な恐怖と共に顕子を、さらなる奉仕へと駆り立てていく。
「ち、乳首をそのまま押さえていて下さい。このまま、う、動き……ヒィッ……ますから……」
言葉の途中で、滴り落ちた熱蝋が今度は床についている膝の裏側の柔らかい肌を焼いて、一瞬悲鳴をあげてしまったが、顕子は必死の面もちで北原に両の乳首を引っ張られた不自由な格好のままで、上半身を回すように動かし始める。
上半身を北原の股間に押し付けながらも、くなくなと回転させると、ひねるように引っ張られた乳首に、鋭い痛みが走る。しかし排泄器官にじわじわと忍び寄ってくる灼熱の気配が、動きを止めさせない。
「うふぅ、いいですよ、先生……。す、凄く、いい……」
乳首を捻り上げながら、北原は陶然とした表情で声を漏らす。ぬめるように光る白い乳肉が、北原自身を呑み込み、間断なく押し出すようにして揉み込む一方で、肉の狭間からはじき出されそうになるや否や、別の肉が押し寄せてきて、再び柔らかく重々しい乳肉の津波の中に叩き込む。その性器全体を満遍なく刺激する顕子の動きは、見かけ通り幼い北原の官能を完全に支配し呑み込んでいた。
一方の顕子は、千切れそうなほど捩られ引っ張られている乳首を気遣う余裕すらなく、懸命に北原に奉仕し続ける。無論、上半身を動かす度に、乳首から鋭い痛みが襲いかかるが、顕子は下唇を上の歯で噛みしばりながら懸命に北原の性器を刺激し続けた。その自分の動きによって自分を責め立てていく情けなさは、元々自尊心が強く、負けず嫌いの顕子にとっては、肉体の痛み以上に辛いことであった。
「うひっ、イク、イキますよっ」
柔らかな万力というものがあればこういうものだろうかという重い圧迫感に耐えきれず、北原は摘んだままの乳首を渾身の力で押しつぶすようにしながら、先端から熱液を放出した。その瞬間、奉仕していた顕子の方も、乳首からの鋭い痛覚からか、それとも肛輪を焼くようにして熱をあげる炎からの焦りからかはわからなかったが、瞼の裏でパッパッとした火花に似た光を感じつつ呻き声と悲鳴とが入り交じった声をあげて体をブルブルと大きく震わせた。
北原が離れた顕子の乳首は、その責めの惨さを誇示しようとするかのように、赤く腫れ上がって伸びきり、まるで巨大な赤唐辛子のように不格好にぶら下がっている。その乳首に、次の番に当たっている寒河江がにやにやと下卑た笑みを浮かべながら指を伸ばす。
「ひぃッ」
乳首の先に寒河江の指が微かに触れた瞬間、顕子の上体が跳ね上がるようにして起きあがる。
「おや、どうしたんです?大分、敏感になっちゃったんじゃないですか」
寒河江のあざけるような言葉に、顕子は髪もしどろに上気した顔を左右に振り立てて、指摘されたことを否定しようとするのだが、遠慮会釈無く力一杯寒河江が乳首を改めて摘むと、まるで絶頂を極めたときのように、ビクっと体を震わせ、喉を絞ってのけぞってしまう。
「へぇ、やっぱりそうなんですね。流石、淫乱なおっぱいですね。北原にきつく摘まれて、引っ張られて、すっかり準備オーケーって訳ですか。ようし、お尻の蝋燭もどんどん短くなってきたことだし、僕は先生がイケるように、乳首で擦ってもらいますよ、さあ!」
寒河江の言葉に、顕子は膝立ちのままぼんやりと頷いて、両の乳房を下方から両手で持ち上げるようにすると、左右の乳首を体の正中線で擦り合わせるようにする。自分の乳首同士が触れあうだけでなく、擦り合わせることが出来るなどというのは、ひとえに顕子の乳房の長大さ、柔らかさと、無様に変容した女性の小指ほどもある乳首の長さを示すものであり、そんな肉体的特徴を教え子の前に晒すなどということは、いつもの顕子であったなら、猛烈な恥ずかしさを感じてしまったはずだったが、先ほどの北原による乳首への責め以来、我知らず頭が自由に働かなくなってしまっていた。
昨夜来の催淫剤入りスプレーと執拗な乳責めにより、小振りの大福餅のように膨れ上がった乳輪から、これまた卑猥と言うよりもグロテスクに膨張し変形した乳首が、だらしなく項垂れている。その乳輪と乳首とを左右から押しつけると、丁度少年の性器の先端を包み込めるほどの無様な隙間が現れ、寒河江はそこに躊躇無く自分自身をするりと挿入する。
「うひぃッ、ひはッ」
堅く膨張して熱しきった少年のものが力強く押し付けられただけで、顕子の口から痴女のような嬌声とも悲鳴ともつかない声が漏れ出た。
「おお、こ、これは、乳房とも違って、柔らかくて、つぶつぶした感触があって、なかなかいいですよ」
素直に自分の亀頭を包み込む顕子の乳輪の感触を誉めながら、寒河江は小刻みに腰を振り立てる。
かつては淡い桃色の、乳房の巨大さに不釣り合いなほどの可憐な佇まいで大石や少年達の獣欲を増幅させた乳首も乳輪も、今では咲き誇る熱帯花のように、爛れたような鮮紅色に染まり、急激な生長の故か、左右の大きさや膨れ具合もかなりアンバランスなものである。だがその崩れ具合が、今の寒河江をはじめとする少年達にとっては、かつての芸術品のような清楚な形状以上に、欲情をそそってやまないものであった。何故なら、かつての顕子の乳は、生まれ持った顕子の才能であり、彼らが寄与するところは何一つなかった。彼らはその才能を貪ることは出来たが、ただそれだけであった。それに比べて、今の顕子は、彼ら自身によって精神も肉体も、大きく変貌を遂げている。その自ら作り上げた、乳奴隷に対する愛おしさや渇望するような嗜虐の衝動は、それ以前に比して、圧倒的なまでに増していたのである。
「はひっ、ひぃっ、う、動かないでッ、ひッ」
顕子は知らないが、催淫剤入りスプレーの効能は、一旦肌に染み込むと、麻薬のようにその精神を冒し、いつまでも効果を持続させることにある。大分落ちついていたとはいえ、熱蝋による熱責めや、清治、北原への奉仕が、その効能を蘇らせ、乳輪と乳首とをもう一つの性器に変貌させていた。だが同時に、それだけでもないことは確かであった。顕子自身に、一度開発されてしまった官能を、少年達の心を救うためという理由によって満たそうという気持ちが無いわけではなかったのである。
……でも、でも、私自身もイカないと、この罰は終わらない……だから、いいのよ、いいの……
ぼんやりとした脳裏で我知らず自分に言い聞かせるように呟きながらも、寒河江の包皮を纏ったままのなめらかな亀頭が乳首を押しつぶすように押し付けられる度に、顕子の脊髄を電流に似た快美感が駆け上がり、そのままうつつなく声をあげてしまう。
ガタガタと膝立ちの腰をゆすぶりたて、蝋燭の炎をゆらゆらと揺らし、顕子は貪婪に寒河江の腰の動きに合わせて乳房を自ら揺すって、乳首と乳輪への刺激を強いものにしようとする。
「ああ、熱いッ、熱いですッ」
「でも、止めて欲しくはないでしょう?イクまでは、止めたくないでしょう?おっぱいだけでイクなんて、淫乱な乳を持った先生しか出来ない芸当ですからね。ほらっ、どうです、こうすると、もっといいんじゃないですか?」
最早、奉仕させるという当初の目的を忘れて、寒河江は腰を小刻みに振って、顕子の乳輪と乳首とを蹂躙し続ける。一方の顕子は、尻肉にはっきりと感じられ始めた炎の熱と、立ち膝をついたことで方向が逆になり、だらだらと熱蝋を垂らし始めた蝋の凄まじい熱とに、懊悩を深める。だがその熱への焦りすらも、より一層乳肉の先端から巻き起こる感覚を鋭くさせていくことに気づき、顎を反り返らせ、悲鳴をあげつつも、自ら乳肉を揺さぶることを止めないで居る。さらには、自ら小指ほどもある長さの乳首の根本を摘むと、その先端で寒河江の亀頭を叩くようにして刺激を送る。
その刺激が、寒河江の絶頂を誘い、途端に左右の乳輪に包まれていた寒河江自身が膨れ上がり、跳ね上がるようにして筒先が顕子の顔に向けられる。
「おほっ、い、イキますよッ、先生、先生の乳首でイクっ」
上気させた顔を左右に振り立て、その動きに合わせるように、乳房をひいては先端の乳輪と乳首を振り立て、寒河江を責め立てる一方、自らも快美感を貪っていた顕子の顔面目掛けて、白い欲汁が一直線に叩きつけられる。
「ふーっ、最高でしたよ」
大きく満足の息を吐きつつ身を離そうとする寒河江に気づくと、顕子は慌てて、粘っこい粘液を滴らせたままの顔で、舌足らずな声をあげる。
「ああっ、熱いんですッ。熱いッ、熱いから、おっぱいを、おっぱいをっ」
最後の相手である牧田は、寒河江と入れ替わるようにして顕子の目の前に立った。その牧田に顕子はにじり寄ると、今まで寒河江が蹂躙していた乳首と乳輪を差し出すようにして押し付けてくる。
「先生、ひょっとして熱いって、胸が熱いんですか?」
てっきり熱いというのが、着実に蝋燭をへらし続けている炎によるものかと牧田は瞬間的に考えたのだが、顕子の様子は、そんな真っ当な感覚によるものではなさそうであった。
それを裏付けるように、牧田の言葉に顕子は痴呆のように、ガクガクと首を縦に何度か振って首肯してみせる。
「どうして欲しいんです?ひょっとして昨日の夜みたいに、チ×ポで串刺しにして欲しいんですか?まったく奴隷のくせに、罰の途中なのに、主人に欲求するなんて、とんでもないヤツだ」
そこまで言ってから、牧田は心底呆れたという風に、天井を仰ぎ見、次の瞬間には、痴女さながらに焦点の合わない瞳で自分を見つめる熱っぽい顕子の顔を見て、哀れむように吐き捨てた。
「……いいでしょう。そんな不心得者は、勝手にお尻を丸焦げにするなりなんなりして、今後まともにウ×コできなくなるんですね!さ、みんな、この色キチガイの乳奴隷教師に完全な罰を与えるぞ。両手を固定して、このままここに置き去りにするんだ!」
牧田の手招きで、他の三人が顕子に飛びかかると、顕子の両手を後ろ手に引き回すと、手錠で固定してしまった。
顕子は半狂乱になって抵抗したが、肛輪の蝋燭はそのままに床に横倒しに引きずり倒された。
「お、お願い。せ、先生は、あなたたちの乳奴隷でしょう?さ、最後まで、今までやっていた罰を続けて下さい!でないと、でないと……」
「でないと、なんです?」
床に倒れたまま、不自由そうに顔をあげて懸命に声をあげる顕子を見下しながら、牧田は形のいい眉を上げて反問する。
「く、狂って、し、しまいますッ」
なきべそをかきながら、顕子は自分よりも十歳以上若い、しかも教え子の小学生に訴えた。
「狂う?それは、お尻が焼けるからですか、それとも、胸の熱さを鎮められないからですか?」
「ああ、そ、そうよッ。そう、わ、私は、淫乱な乳奴隷ですッ。お尻が焼けても構わないですから、どうか、どうか、このまま放置しないで、お願いします!」
完全に理性を失った顕子の瞳の色を、牧田は失禁しそうなほどの歓喜のなかで受け止めていた。ついにここまで紺野顕子を追い込んだという、凄まじい征服感と、このまま肛門を焼かれていく顕子の姿もまた、最高だろうという妄想は、牧田に凄まじい悦楽の爆発をもたらしていた。しかしその一方で、牧田の心の奥底では、一層の苦難を目の前の美しい奴隷に与えてやらなくてはならないという義務感にも似た、嗜虐欲と独占欲とが絡み合った複雑な感情が蠢きだしていた。
……完全にこいつが俺たちを裏切らない、完璧に屈伏する状況に持っていくんだ……そうだ、何かないか……何か……!?
どんなに顕子が自分たちを裏切らない、乳奴隷として生涯を共にすると言っても、それはあくまでも口だけのことだと、牧田は心の中の逡巡を経て漸く本来の彼らしい冷静な残忍さを取り戻して考える。それならば、更に力強い頸城で顕子を押さえつけなくてはならない。二度と逃げられない、完全な屈伏を顕子に与えなくてはならないのだ。
数瞬ではあるが、凄まじく凝縮された思考の末に、やがて牧田の口端が愉快げにつり上がる。その表情は得意げな色に満ち、そこから吐き出された言葉は、その思考の結果を反映してか、傲岸な響きを強く帯びていた。
「そうですか。それなら、いいでしょう。ただし、このままこの罰を続けはしません。場所を変えます。いいですか?」
じりじりと敏感な排泄器官を焼く熱に身を捩りつつ、顕子は牧田の言葉に、無垢な少女のようにがくがくと首を必要以上に振って応えた。もはやどんな罰でもよかった、自分の灼熱の疼きを満たしてくれるものがあれば、肛輪を焼く熱から救ってくれるものであれば、今の顕子には何でもよかったのである。
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