無断転載について

最終修正日 2004.4.15.

 ネット上に画像中心ページを立ちあげた時点でさけて通れない問題である、「画像の無断転載」についてです。すでに、あちこちの素材系サイトやイラストサイト、ファンアートサイト等で問題になっていますね。

 この場合の「無断転載」とは主に日本語が読めない海外のイラストコレクターや、ファンサイトオーナーが無断で自分のサイトに日本人のイラストを「コレクション・装飾素材」として掲載することを言います。

 この問題の背景には多くの日本人のサイトに日本語でしか「禁無断転載」と書いていないことがあります。英語で書きましょう。例えば、こうです。

Please do not use any images ( artworks and photos on my site) on your site without permission. At least, I hope you e-mail me or respective artists before you post it.

訳・あなたのHPでこれらの画像(このHPのイラストや写真)を無断で使用しないで下さい。その際は事前に私やそれぞれの描き手にメールを下さい。

 また、日本人があまり海外ファンサイトを見に行かない、また無断転載を発見しても、英語が出来ないので抗議メールを出さない、ということで、「どうせ文句来ないし、許可とろうにも日本語でメールかけないし」と転載しているんでしょうね。「NoといわないのはYesである」が無断転載についての向こうの考えです。

 まあ、日本でエロパロディが「法律違反でメーカーにも失礼」とみんなに認識されていながら、「メーカーがNoといわない限り、それはやっていいことなんだ」という感じになっているようなものです。

 また英語のイラストサイトの多くがinfoやabout、FAQに「私のイラストを使いたい場合はあなたのサイトのURIを添えて私に連絡して下さい」等の案内を載せています。日本では「知人友人以外が頼んではいけない」という前提があるのか、あまり見かけませんが。無断転載禁止と英語で長々と書くのに抵抗がある方は、海外のサイトを参考にその種の案内を記すと良いと思います。海外のファンアートサイトへのちょっとしたリンク

無断転載サイトの見つけ方

 むこうでは堂々と行っているので、見つけるのは簡単です。あなたが自分のジャンルの英語名を知っていれば。ウェブリングをまわり、一般のディレクトリ型検索エンジン(米ヤフー)(OPD)で検索し、一般のロボット型サーチエンジン( AltaVista)で検索し、国内の画像検索エンジンで検索し、海外の画像検索エンジン(google)(all the web)で検索し、さらにアニメ系サーチエンジンに登録しているサイトをチェックして下さい。特定の国に心当たりがあるなら、ヤフーの下の方にある「世界のYahoo!」って所から、各国のYahoo!に跳んで下さい。凄いサイトがありますよ。そんなに自分の無礼の証を見て欲しいのかね、とばかりにリングに登録しまくってるサイトもあります。

もしかしたら無断転載をした人はあなたの絵のファイル名さえ変えていないかもしれません。その場合はファイル名をそのままGoogle イメージ検索に入れるだけで見つかります。01.jpgとか変えられている場合も結構ありますけどね。

 もし、海外で自分の絵を見つけたら、許可にしろ、抗議にしろ、何らかのメールを送るとよいでしょう。英語がめんどくさい方のために、例文集を用意してあります。
 友人の絵を見つけた場合は教えてあげるとよいかと思います。
 もちろん、「ほっておく」のも手です。

 またAki MizusawaやKazika Kurosawaのファンアートの無断転載ページを見つけたら、メールか掲示板でお知らせ下さい。
 

海外のページはみんな無断転載をしているのか? と思う方へ

 それは、誤解です。
 海外にも、日本のように自分のイラストとギフトアートしか載っていないページはあります。いわゆる絵描きの人のページですね。(もちろん、英語、あるいはかなりあやしい日本語で「転載よろしいですか?」と日本のファンサイトに聞いてくるまじめな海外の人もいます)
 ただ、ファンページにオフィシャルイラストの転載があるのは普通です。(日本でも攻略系だと割合多いですね)。ファンサイトの制作者は日本ではほぼ確実に同人あがりで、自分で絵が描けます。自分では描けなくても、描ける友人の一人くらいはいるものです。ですが、海外の場合、ファンサイトオーナーは作家と言うより、編集者なのです。
 あと、コレクターの地位が高いので、日本より恥じる必要なく、他人の絵を集められます。無断転載の山を見て「素晴らしいコレクションですね、愛を感じます」とマジぼめしちゃう人が海外にはいるんでしょう。
 日本では、「何も作らない、何もアレンジしない」おたくは「最下層」扱いですからね・・・・。
 過去の保存より、未来への積み重ね、そう思うからでしょうか。

「無断転載されるから海外のページからはリンクされたくない」と思う方へ


 残念ながら、ネットに国境はありません。外人のみリンク禁止と英語で書いたところで、相手がその注意書きを守ってくれるかは、はなはだあやしいでしょう。そしてあなたのページにリンクする日本人の中には、海外からリンクされる事を気にとめていない人もいるかもしれません。インターネットの性質を考えるに、この方が常識的な態度でしょう。またTINAMIやサーパラ等は海外でも有名でよくリンクされています。有名なお絵かき系エンジンに登録した日本のサイトは全てバナーを海外の人に見られ、訪問される可能性があるのです。
 その過程は例えばこんなものです。
 一人のアメリカ人が日本のおたくサイトを書類検索で探し出します。
 彼の作ったリストが彼の友人達の手から手に渡ります。
 その友人の中には自分のページから日本への「片思いリンク」を張る者もいます。
 そしてそのリンクをたどって多くの外人が日本のサイトを見てまわり、リンクからあちこちへ跳びます。
 あなたのサイトはいもづるの中のいものひとつです。
 日本語が文字化けするようなブラウザでも、日本語サイト検索手段はあります。
 例えば、DARKSTALKERSの原題が「VAMPIRE・V HUNTER・V SAVIOR」であることを知らぬ海外マニアはいなません。
 日本語読めなくても、これならOKです。
 念のため「Vampire savior」で検索実験してみたら、数十分で海外で無断転載されていたイラストのページにたどり着きました。
 ということで、元が英語のタイトルであるものはもちろん、日本語でも、日本語対応ブラウザとか持っていれば、なんとかなることが判明しました。
 日本語がろくに読めなくても、日本語対応ブラウザを使っている海外ファンは多いのです。
 マニアたるもの、好きなゲームの原題くらいわかります。
 例えば、カプコンUSAからは日本のカプコンページへリンクが張られています。
 日本語が表示可能なパソコンなら、そこからゲームのタイトルやキャラの名らしき単語をコピー・ペーストして、そのまま検索にかけることが出来ます。
 だから、日本語が読めなくても無断転載は可能です。
 この無断転載している人は、日本語が読めないんだな、とはっきりわかったのは、
「水沢晶様10000ヒットおめでとうございます(仮名)」
 と大書してあるイラストが「作者不明」で無断転載されているのを見たときです。
 私は検索で「水沢晶(仮名)」と打ち込み、「水沢晶(仮名)」さんのHPを見つけだし、その人のリンクから作者を発見。ほんの10分で済みました。
 だから、日本語の読めない外人でも、無断転載は余裕で可能です。
 そして、無断転載されたイラストは長く残ります。
 ある無断転載イラストの作者のサイトに行ってみたら、そのイラストは、
「過去のもので恥ずかしいから」
 と削除されていました。
 作者の意志に反して掲載、そしてそのまま残る・・・こういうことはよくあるのです。
 また、上記のように「友情の証」として贈られ、「いただきもの」として飾られているものも彼らは持っていきます。もって行かれる側にしてみれば、最悪のケースでしょう。
 彼らは、「マニア」です。
 「マニア」は根性があるものです。
 また、アメリカでは日本に比べてコレクターの地位が高いのです。
 そのことも、覚えておいて欲しいと思います。
 
 
では無断転載されないためには

 HPのTOPに英語で「無断転載禁止」と書く。
ギャラリーにも書く。
 英語で「もし、このHPのイラストの無断転載を見つけたら、メールを下さい。英語でもかまいません」と書く。

If you find any copies of my works in any other places being used on a web site, printed or sold without my permission, please inform me as soon as possible, for there is a possibility of an infringement of copyright. It is also helpful if the URL(if there is one) or the place they are being printed or sold is indicated, so that it is possible to warn or to take legal actions against the person involved.

訳 もし、あなたがどこか他の場所で私の作品の無許可のコピーを見かけたら、どうか私に出来るだけ早く知らせて下さい。もし、URL等を知らせて貰えるなら、私たちはその人にすばやく警告などの手段をとることができるでしょう。


 これでかなり減るはずです。
 イラストに漢字でサイト名や作者名を入れると、日本人からの密告率が高くなるでしょう。
 サイトアドレスは外人にも日本人にも有効ですが、引っ越したら元作者を特定する手がかりにはなりません。
 さらに自分でも時々海外のHPを見に行くとよろしいでしょう。
 もし無断転載を見つけたら、抗議メールを出しましょう。
 これで、かなりなくなるのではないでしょうか。
 結局の所、日本と海外との交流が盛んになるのが、遠回りでも確実に無断転載を減らす手段だと思われます。
 とはいえ、海外とリンクした方がいいとも現時点では言えないのですが。

 アクセス制限で外国人の閲覧を拒否するという手段は前向きとは思いませんが、どの手段より確実に無断転載をへらすでしょうね。

サイトのギャラリー以外からの無断転載の可能性

アクセス制限は当然ながらスキャン画像の無断転載には無力です。日本人がネットオークションに日本の同人誌を出品し、外人に売ることは、日常的なことですから。それにこのオークションが日本の同人誌の表紙ギャラリーとなっている点にも注目して下さい。ほとんどの同人誌は古本屋に売っても二束三文ですからね。そうそうまんだらけUSAでも日本の同人誌は買えます。

またWinMXやWinnyによるファイル共有でも多くの日本の同人誌が流通しています。WinMXによる共有を著作権法違反に問えるのは、先進国の中でも日本とオーストラリアだけだそうです。海外在住者同士の共有は今の所違法ではないのです。

また同人誌が丸ごとスキャンされて出回る場合、奥付の住所も世界中に複製されることになります。もしあなたが日本あるいは海外の同人誌無断転載サイトで自分の同人誌を見かけた場合は即刻抗議して外して貰うことをおすすめします。無断転載された作品を主なコンテンツとするサイトの多くは他のサイトが自分のサイトのコンテンツを無断転載することに文句をいいません。なので、海外のひとつの無断転載サイトに掲載された画像は短い期間の間に他の海外や日本の無断転載サイトに転載され、画像アップロード掲示板に作者に無断でアップされ、そのアドレスが掲示板に張り付けられ、ファイル共有ソフトで流されます。人気ジャンル、上手い、エロいのどれかに該当するなら、もちろんそうなります。

ファンアートの無断転載についての水沢晶の考え


 私は、外人を敵視する者ではありません。 
 むしろ、日本人と海外の人が仲良く出来たらいいと思っています。
 で、日本と海外のサイトサイト管理者が仲良くする際に最もじゃまなものは何かというと、こういう無断転載サイトなのです。
 こういうサイトが多くある状況下では、日本人の多くが、言語の問題を抜きにしても、外人とはお友達になんかなりたくない、と思うでしょうから。

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