どう無断転載禁止を主張するか

 最終更新日 2005.10.8.      


著作権法を根拠に主張する

オリジナルのウェブグラフィック素材、写真、イラストを公開している方は、英語でベルヌ条約について説明した、What is Copyright Protection? 等へのリンクをロゴ付きで張ると良いでしょう。
また入り口などを簡単に英語化して、海外の著作権保護を目的とするリングに加入するのも有効かと思われます。Web guardは無断転載と画像の埋め込み式リンクを禁止する主旨のリングです。

オリジナルイラストしかギャラリーにない人は、オンライン・ファンアート・プロテクションへの参加は見送った方がいいでしょう。OFPを支援したい場合は、リンク集からリンクするにとどめ、ギャラリーにはバナーを張らない方が、むしろあなたの絵を守るでしょう。
なぜなら、アメリカの著作権法では「不法に原著作物を使用している二次著作物は著作権の保護の対象とならない」からです。ファンアート(fanart)とは英語では「ファンが許諾を得ずに描いた絵」です。オリジナルイラストをファンアートと称した場合、アメリカ人で自国の著作権法を知る者は、それを無断転載してもあなたに文句をいう権利のない絵だと思うでしょう。

実際海外のイラストサイトでFAQに、「オリジナルイラストの場合、無断転載禁止。事前に連絡して下さい。ファンアートはフリー素材として連絡無しで使用していいです」という日本の常識とは逆のことを書いている人がいました。アメリカの著作権法に従ってガイドラインを書くとなるとそうなりますね。

日本人は「不法な二次著作物の転載を許可する権利はない」と考え、アメリカ人は「不法な二次著作物の転載を禁止する権利はない」と考えるようです。
せっかくのオリジナルイラストです。ファンアートと誤解されないようにしましょう。日本人でも「ファンアート描きって他人の著作権を侵害してるんでしょ。なのに他人の無断転載に対してどうこういうわけ?」みたいな事を言う人は結構います。
そして外国人に知識・教養によるオリジナルとファンアートの区別を期待してはいけません。ギャラリーに特に記載がなければ、極端な話しずかちゃんをそのファンアート作者のオリジナルと勘違いする外国人はいるでしょう。逆もまたしかりです。オリジナルのつもりが似た有名キャラクターのアレンジと見なされることもあります。ファンアートとオリジナルの区別を外国人にわかるように書いていなかったので、ファンアートとオリジナルを一緒にもっていかれてオリジナルイラストをファンサイトのリングバナーの画像にされたとかいうケースもあります。

法に保護されていないなら、日本のファンアート作者はアメリカでの無断転載に対して、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
メーカーがファンアートに対して好意的なら、それを説明して自分は権利侵害者ではないと主張することも出来ると思います。
例えば、The gate to darknessのファンアートコーナーには、このような英文が掲げられています。

This gallery does not display any official images because to do so would violate Capcom of Japan's policy and infringe on their copyrights.
We post our own fan art when it conforms to Capcom of Japan's guidelines:
a) no modified existing offical images
b) no "hentai" (pornography)
c) no making profit
Also, we forbid posting any of our fan art without our prior permission.
Capcom of Japan's conditions are explained (in Japanese) on the following page.
Capcom of Japan's guidelines

訳 このギャラリーには公式画像を掲載しない。それは日本のカプコンの著作権に関するポリシーに違反しないためである。私達は
a)公式画像の加工
b)ポルノ的なもの
c)営利目的のもの
でない限り、許可するというカプコンのガイドラインに従って、私達のファンアートを発表する。なので、私達のファンアートの無断転載をしないで下さい。
カプコンのガイドライン(日本語)は以下である。(リンク

このアイコンなどの配布を禁止するというカプコンの考えは「ファンに二次著作物の使用を許可する権利を与えない」という方向性の考えですね。その意味では、日本的です。

もっともこのガイドラインの場合は「個々に対する文書での許諾」ではなく、「違法行為についての黙認の明言」ですから、ファンアートがこのガイドラインによって公認になるわけではありません。
ただ相手への無断転載しないでという「お願い」は通りやすくなるでしょう。こちらに非があると思うからこそ、罪悪感無くとっていくという事はあるでしょうから。

また日本の著作権法を海外の人間に知ってもらいたいと思う人は、日本の著作権法の英語版がありますので、そこにリンクを張って下さい。読んでくれるかどうかは、わかりませんが。

ファンアートしかないギャラリーの場合は、オンライン・ファンアート・プロテクションのバナーを張るのも自己主張の方法の一つだと思います。

オリジナルとファンアートの両方があるサイトの方は、ギャラリーをふたつにわけ、日本語が読めない人にも区別がつくようにした上で、何かへのリンクを張るなり、英文の注意書きを書くなりなさってください。

 

法律とは無関係に無断転載禁止を主張する

「無断転載されたらアクセス制限します」と英語で書きましょう。
見つけたら裁判します! というのより、よっぽど現実的な警告となりうるでしょう。
これなら、ファンアート、オリジナルを問いません。

Please do not reproduce without prior permission. If found, access from your country will be disabled, and we will have to introduce a password system to this gallery.

訳 無断転載をしないで下さい。もし見つけたら、あなたの国からのアクセスを拒否し、このギャラリーにパスワードシステムを導入します。


  
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