広い地球の小さな世界 No,2

このページの目次

デミトリの国際的評価
海外のファン小説
モリガンタトゥー
モリガンの国際的評価
続・海外のファン小説
海外ヴァンパイアアニメ

No,1

 ◆ 世界のヴァンパイアファンサイト(2000年8月30日)

 海外にもキャラのファンサイトはあります。
 日本にどういうキャラのファンサイトがあるかはうちのリンクのここここを見ていただくとして、海外のファンサイトについて語ってみましょう。
 ざっと見で、数が多いのはモリガンファンサイトですね。スペイン語?のページは、さすがの私も読む気がしませんでした。海外サイトで、エロ画像をHentaiと言っているのは、ちょっとブルー入りました。(そういう言葉ばっか国際化するんかい)

 あと、フェリシアファンサイト、レイレイファンサイトでしょうか。
 日本になくて海外にだけあるというと、、オルバスファンサイト位ものでしょう。
 逆に日本にしかないというと、デミサイト、ジェダサイト、マリオネットサイト(全て閉鎖されましたが)……とか。ガロンサイトは海外に昔ありましたがなくなりました。
 まあ、ファンサイトがないことイコールそのファンがいないことではありませんので、「そうか、人気ないのか」というのは早計でしょう。
 実際水沢いきつけの海外掲示板では、マリオネットのファンも、ジェダのファンもいました。
 このまえ、デミトリファンの人が
「もし、海外に女性のデミトリファンがいるなら自分のサイトを英語化してもいい」みたいなことをいったので、「女性のデミファンいませんか?」とそこで英語で聞いてみたところ、
「My cousin is, and even thought I'm not female, I love Demitri.He's powerful and he rocks! When your friend gets done with it,let me know!(大意)私のいとこがそうです。私は女性じゃないけどデミ好きです。彼は力強いです。もしあなたの友人がページを英語化したら、知らせて下さい」
 というようなお返事がまず来て、
「なぜ友人は女性のデミトリファンって限定するの?」ってレスが二番目についたので(やおいサイトとでも思ったのだろうか……)、
「本人がそうだからです。ちなみに日本語ですが彼女のページはここです」とURLを書いたら、こういう返事が。
「Me!! Mee!! ^_^
I'm a big [female] fan of Demitri(and other characters too, if your friend's interested).
^_^ *grins*
By the way, I visited Mikage's site, and it was good! Tell her I like her drawings very much :)
(大意)私です!ところで彼女のサイト行きました。よかったです。彼女に私は彼女の絵がとても好きだって伝えて下さい」
 ということなので、日本にファンがいるようなキャラはきっと世界にファンがいるのでしょう。(しかしいたのか……嬉しいけど)
 

 ◆ 続・ファンフィクション(2000年6月9日 7月26日加筆)

 以前も言ったと思いますが、海外のダークストーカーズファンフィクションはそんなに数が多くありませんが(10いくつでしょうか?)、それなりにバラエティに富んでます。(ただ、外人の海外掲示板での発言をみると「ダークストーカーズファンフィクションは極めてまれ」らしいです。英語圏でもそーなのか……)
 日本のファンフィクションもかき集めてみると、デミモリ、デミガロ、ガロフェリ、ザベレイ、ジェダ対リリス、モリガン対ジェダ、マリオネットが主人公等結構いろいろありましたね。うちも含めて10数件ほどの数はあるわけです。
 こうやってちくちくと海外と日本の同人小説をチェックして、その中のモリガンとデミトリの登場する小説を見てみると……。
 いかにモリガンが美しいかとかいう描写から始まったり、最初の方でデミトリとモリガンが戦闘していたりするファンフィクションは「ありがち」だということに気がついてしまったり……。ああっ(自爆)
 デミトリというと海外でも「モリガン、私と戦え」な人のようです。
 海外に、デミトリとモリガンが序盤で闘っていて、いきなりモリガンが銃で攻撃されて、バレッタが「手伝ってあげようか」と登場し、デミトリが「必要ない」と恩知らずにも答える話とかありましたからね。
 OVAも序盤でまずデミトリとモリガンの戦闘があったような気がしますが。
 ファンフィクションはファンアートと違い、日本と英語圏で影響を与え合うようなものではありませんので、「あのゲームを見て思いつくことは外人も同じ」なんでしょうね。
 うーん、世界はひとつ?
 そういえば、海外でフェリシアの小説は読んだことがありません。ザベレイ、デミモリ、ジェダリリはあるんですが、ガロフェリはありませんでした。ただ単にサンプル数が少ないだけでしょうか? ただ、ガロフェリは公認カップルじゃないので、そのせいかとも思います。
 実はヴァンパイアシリーズの中ではザベル・レイレイが最も早い(プレイヤーキャラ同士の)公認カップリングです。ハンターの時から絵としてゲーム上に明確に表現されています。(片思いですが)。
 デミトリとモリガンの関係はヴァンパイアのシリーズごとにかなり違います。
 ヴァンパイアのサウンドトラックにはどうも初期設定の名残らしい文章が書いてあります。
デミトリ……
「かつて闇の帝王と呼ばれていた彼は、多くの凶悪な力の存在を感じて目をさました。そして、100年を経た今でも闘いの技術が衰えていない事を証明するため、戦闘を開始した」
モリガン……
「妖婦として、また夜の女王として知られる彼女は、デミトリに敵対心を持つ気位の高い女。今は一日も早く彼を倒し、自分がダークストーカーズの長になろうとしている」
 これは事実上没設定でしょう。
 超初期の頃はむしろモリガンの方がデミに執着してたんですよね。
 最初から、デミトリとモリガンは対になる存在として考えられていました。彼ら二人が、1pの初期設定キャラと2pのそれであることから見てもそれはわかります。
 だが、どのように「対」なのか? これに関しては長くカプコンも決めかねていたらしいですね。「宿命のライバル」にはしたかったようなんですが。
 少なくとも「ヴァンパイア」のゲーム上では二人ともぜーんぜん絡んでいませんでした。
 で、「Vハンター」になってから、デミトリ対アーンスランド家(ベリオール)って話が出てきました。
 それでもエンディングの文章を見る限り、デミトリは「相手が誰でも関係ない。魔王の椅子に座っているなら力でどかす」以上のこだわりがモリガン自身にある感じはしなかったのです。
 ですから、ハンターの頃出回ったまんがだと、「モリガンの方が積極的?にデミをおちょくる」というのが主流でした。アニメでもそーでしたよね。ファンフィクションでも、モリガンがデミトリを色っぽくからかいにいくようなものが、散見されました。
 ですが、ゲーム上でモリガンがデミトリに多少の興味を示すのは、セイヴァーの「今のあなたとてもすてきよ」と言い出す、その時が最初です。
 デミトリが「モリガン自身」に対する興味を多少なりとも見せるのは実はセイヴァーのエンディングが初でしょう。
 つまり、ゲーム上の表現だけを見るなら、彼らはハンターで「公認ライバル」となり、セイヴァーで「公認カップル」となったわけなのです(強姦ですが)。
 あと、OVAの影響も海外では強いはずなので、海外でデミモリ小説なんか見かけたのは、そのせいもあるでしょう。
 ヴァンパイアの世界には実はライバルらしいライバルというものはいません。
 あえて言えば、バレッタ対ガロンですか?
 ジェダとデミトリは違いますし、デミトリとドノヴァンも立場的なものでしかありません。
 となると、消去法的に1Pのデフォルト対2Pのデフォルトの闘いに行き着くのでしょうか。

追記  ちなみにその後、「要望にお答えしてガロフェリロマンチック小説執筆中」なんてカキコを海外で発見。ああ、考えることは皆同じなのね。

 ◆ モリガンの国際的評価(2000年6月9日 6月24日加筆)

「モリガンはともかく、フェリシアのファンアートにおけるあの扱いはなんなんだ。SexSexSex...
 何か彼女に罪があるとでも? 格好? でも、そういうキャラじゃないだろ。
 モリガンはまあ、わかるけどね。
 私は生身の女性が好きだ、Hentai(エロファンアートの事)に興味はない。」
 というようなカキコを海外掲示板で見ました。常連が
「モリガンはパーソナリティもバックグラウンドもそういうものだ。Sexは彼女をそうあらしめる重要なファクターだと思う。」
 とレスしていましたが。
 やっぱり、サキュバスというと海外でもそういうものか……ってサキュバスはそもそも欧米の魔物ですね。
 以前同じ掲示板で別の常連が「初代ヴァンパイアでサキュバスというモリガンの種族の表示を見たときは衝撃だった」みたいなこと言ってました。
 特に海外では、「サキュバス」という言葉はストレートに伝わりそうです。
 でも、海外でもとーっても人気なんですよね、モリガン。海外で一番ファンサイトがおおいヴァンパイアキャラは彼女です。
 カプコンの勝利を感じますね。かなり、大胆な勝ち方ですが。
 何はともあれ、「日本のファンアートはエロばかり」という印象を拭うためにも、ヴァンパイアリンク集は存在しているのですが。
 まあ、エロサイトにばっかばしばしリンクして、エロ画像ばっか無断転載するアメリカのサイトの側もある意味共犯ですが。

追記 その後同じ掲示板で
「ちょっとecchiな質問だけど……モリガンの勝ちぜりふの69点って日本語でもそうなの?」という質問が。イギリス人が
「サターンで確認したら、それは60らしいよ。日本語読めないけど」と。これが正解だったので、その時は黙るつもりでした。しかし、別の常連が
「Akiならわかるんじゃない? 」といったので、
「彼のいう通り。
日本語
ま、60点ってとこかしら。
英語
I would give it......69 points!
英語版を見たとき、カプコンの翻訳者はモリガンのことをよく理解していると思ったよ。」とレス。
「そうなのか。モリガンはメキシコでもよく理解されているよ。」とのお返事。
 どんな理解だ(笑) つーか、いいのかカプコン。オリジナルよりecchiにして。

 ◆ アニメ版ヴァンパイア(2000年5月10日 7月29日加筆修正)

 

 この前、日本版ヴァンパイアのOVAを作った会社のHPにいったら、カタログからも「ヴァンパイアハンター」の名前がなくなってました。
 海外で販売している会社(Viz)はコーナーを作り、予告編をクイックタイムで流していたほどの力の入れようなのにね(笑)
 それは吹き替え版なので、デミトリとドノヴァンのみ、海外での声がわかりました。(他に999やぼく地球、らんまなどの予告編があります)
 日本のオリジナルの予告編には「いい男のにおいがする」というモリガンの台詞があったんですけど(エヴァを見に行った映画館で見ました)吹き替え予告編にはなくて、海外のモリガンの声はここではわかりません。(ちなみにこの「いい男」が特定の「誰か」の事であるというのは、OVAを借りて初めて知りました。そーか、デミトリのことだったのか……ハンター当時は意外でした)
 この海外版デミトリの声ははっきり言っていいです。英語で話しているからというだけでなく、冷ややかなのです。大塚氏の声には声質として暖かみがあるという気がします。(日本アニメでの中年男性は「父親役」であることも多いので、それは普通は長所でしょう)
 海外のレビューでも吹き替え版デミトリについて「今回最も名演だったのは、低く邪悪な声のこの人。それとなめらかなドノヴァン役の人」というようなことを言っているので、「英語だからかっこよく聞こえた」というわけではなさそうです。(その人にいわすと、パイロンとレイレイはダメなそうな。レイレイは中国の幽霊というより、HEE-HAW girlの様に聞こえたそうで……ヒーホー少女ってなに? めがてん? 海外の声優サイトによるとレイレイ役の人は、他に、 A Chinese Ghost StoryでSiu Seenを演じているそうです。)

 日本ではあまり知られていませんが、ヴァンパイアはアメリカでもアニメ化されてます。ケーブルTV用のアニメだったと思いますが・・・。
 その海外版ヴァンパイアの絵柄が知りたい人はこのサイトこのページにいきましょう。レビューというより文句と共にアメリカ版ヴァンパイアのアニメの絵が見られます。
 ちなみにストーリーが間違っているとこの人は主張しています。
 パイロンがデミトリを操っているなんて、ゲームと全然違う……と。
 賛成。
 それは違うと思いまーす。
 US版では、デミトリやモリガンは悪のハズです。日本版もそんな感じですけど。それでエイリアンのパイロンがラスボスで、悪は悪で手を組んでいて(部下にされていて?)フェリシアやガロンなどが団結して悪を倒すというような話のハズです。(なんせ現物を見ていないもので……)
 日本のOVAのようにデミトリとパイロンとモリガンとドノヴァンがそれぞれに争うとなると何がなんだかわかりませんよね。
 さらに強引な終わり方をするし。海外で日本版OVAについて、「終わりは少し安っぽかった」という評価を読んだことがあります。
 日本でも「話がまとまっていない。戦闘場面がやたらに多くてキャラのプロモーションビデオみたい」という意見がある日本版OVAですが、海外でも日本版について「前半はゲームのプロモーションビデオ。話は紛らわしいか、わかりにくい」という評価がありました。その人は「US版はアニメはダメだったけど、話はよかった。日本版はその逆。このふたつの長所を合わせることが出来たらいいのに」と書いていました。一般に海外の方がOVAのレビューでの評価は高いんですが。
 日本人はおせじでも「アニメ版はゲームを超えた」なんて言わないでしょう。
 逆に日本にUS版が輸入されることなんてまずないんですから、海外で暮らした者か、そういう知人をもつ者以外の日本人にはストーリーは永遠の謎です。
 私は海外に出張した人のネット日記で少し知りましたが、詳しい人、いません?

 いきつけの海外DS掲示板で「US版のアニメについて知りたいのですが」というカキコが以前ありました。で、常連のお答えは……
「あれは誰も好きじゃない。」
「私は何枚かの画像でしか見たことがないが、見なくて幸せだったと思うし、これからもみたくない」
「私は見たよ。酷かった(身震い)」
「我々はアレを見た恐怖から立ち直るためのサポートグループを結成すべきだね。キャラクターたちは全く彼ららしい役を演じることはなく、善と悪とに分けられた……。」
 で、最後は「US版が欲しい」といった人に(どうやら、彼は一度見たことがあって全体が気になるらしい)
「かわいそうに何も知らないのね、日本版を買いなさいよ」
 という始末。いいじゃん、それが好きでも。
 まあ、「字幕もないのに」日本版を買って映像を堪能していたマニアの意見がそうであるのは当然でしょう。でも、それで日本語を学ぶのはやいかがなものかと。
 
 OVA版を見て一番原作ゲームファンが驚くのは、「デミトリが人間世界を支配していること」でしょう。
「ヴァンパイア」の世界が人間にとって人間以外の者(魔族)がいることが当然の世界であるということになったのは、ゲームでは3作目からです。
 これがたぶん、アニメが原作に与えた最も大きな影響ではないでしょうか。
 実は第一作目のヴァンパイアの時すでに「そうでなければつじつまが合わない」エンディングはあるのですが。
 フェリシアのエンディングです。
 フェリシアがパイロンに勝って、「これであなたが世界一強いことが証明されましたね」とインタビューされるあれです。
 ということは、フェリシアの闘いを中継するテレビ局のカメラはモリガンの城の前(魔界?)や、デミトリの城の中、アマゾンの秘境まで入り込んだのでしょうか。
 いい取材根性ですね。
 第ニ作まではカプコンの担当者は基本的にはダークストーカーズは「影で密かに」闘っているつもりでいたと思います。
 だが、ヴァンパイアハンターがいる世界とは? やはりそれも秘密の稼業なのか? とRPG風ファンタジーに慣れた監督は「魔物が人間を支配する世界」を大胆に設定したのです。
 でも、ビデオの時間に制限があるなら、吸血鬼と吸血鬼狩人の対決でよかったのでは……と思うのですが。
 その方がテーマもわかりやすかったでしょう。
 ビデオの設定だと、人間の世界に魔物が闊歩することになったのは、デミトリが人間界に飛ばされる際に多くの魔界生物が人間界に流出したからです。孤独な吸血鬼ハンターが世界を支配する残忍な吸血鬼に挑んで倒し、人間界に光を取り戻す話にすれば、ここまで話にケチを付けられずにすんだと思います。(日本にも英語圏にもパイロンファンサイトなんてないんだし)
 だって、OVAではパイロンは倒されているけど、デミトリはパイロンに負けたとはいえ生きています。となると、この後の展開は「デミトリもドノヴァンに倒される」「デミトリは魔界に追い返される」となるしかないわけですし。
 ただ、OVAの監督はパイロンを無視するほど大胆になれなかったのと、デミトリ対ドノヴァンでは、吸血鬼ハンターDのパクリになるのではないかと心配したのではないでしょうか。
 海外のレビューでも「吸血鬼がいるところには吸血鬼ハンターがいる……Dではない!」とかいうくだりがあって、おまえらあんな古いアニメをみとるんかいとつっこみたくなったりしました。

おまけ 日本版OVA海外キャスト表

Japanese Cast

English Dub Cast
Demitri: Akio Otsuka
Morrigan: Rie Sakuma
Donovan: Unsho Ishizuka
Anita: Akiko Yajima
Lord Raptor: Koichi Yamadera
Felicia: Yukana Nogami
Hsien-Ko : Yuko Miyamura
Mei-Ling: Maya Okamoto
Bishamon: Shozo Iizuka
Hannya: Masashi Ebara
Pyron: Shinji Ogawa
Demitri: Paul Dobson
Morrigan: Kathleen Barr
Donovan: Ari Solomon
Anita: Andrea Libman
Lord Raptor: Scott McNeil
Felicia: Janyse Jaud
Hsien-Ko: Nicole Oliver
Mei-Ling: Jane Perry
Bishamon: Don Brown
Hannya: Michael Dobson
Pyron: David Kaye

 ◆ 淫魔刺青(2000年3月9日 5月9日加筆)

 うちのリンク先の海外ページのファンアートコーナーで凄いものを発見。
 なんとモリガンの刺青の下絵と彫った人の背中の写真です(現在、その画像は見られません)。
 白人の男性らしいんですが……。詳細は不明です。
 いや、最初は加工写真かとも思ったんですが……肌の凹凸にそって刺青が微妙にゆがんでるし、シールなら絵の部分に妙なツヤがでるはずなので、本物のようです。
 ボディペイントは細かい線を描くのには向きませんし、インクの色がリアルな青です。
 刺青は細い線が描けるというより、一度に太い線を描いたら、肌に露骨な傷がつくはずのものなので、この下絵は合理的な気がします。
 絵の部分の肌のつやが写真で見る限り、他の所と同じなので、インクは肌の下にあるのでしょう。

 ちなみに刺青と入れ墨は、やることは基本的に同じですがその意味が違います。刺青は装飾を目的として彫るもの、入れ墨は犯罪者に前科者の証として彫るものです。どちらも針のようなもので肌を突き刺し、インクを肌の下に入れます。タトゥーも多分同じでしょう。

 話を戻しましょう。
 この原画の女悪魔はタトウー風にアレンジされてますが、間違いなくモリガンです。
 靴の形も、ハネ飾り付き指出し手袋も、コウモリ付きタイツも、胸のハート型の穴も再現してあります……。
 きっと、「これ彫って」とタトゥー職人さんにモリガンのイラストを渡してたのんだんでしょう。そしてその職人さんがアレンジしたものだと思われます。
 普段見えない場所とはいえ、凄いですね。
(消すのは不可能じゃなくても難しいし、「倍痛い」そうです)
 モリガン知らなくても「女悪魔」というのは一目でわかりますし……。
 邪悪さが強調されるデザインですしね。

 これからは、モリガンとどこでもいっしょ。
 お風呂も一緒、寝るのも一緒、仕事するときも一緒、彼女とHするときも一緒だ!
 結婚しても、子供を作っても、おじさんになっても、おじいちゃんになっても、死んで焼かれて骨になるその日まで、ずーっと一緒だ! 
(死んだらモリガンが迎えに来そう……)

 日本のモリガンファンの男性にこの話をしたところ、「絵もやることも格好イイ。この愛情度の深さ、漢気に心底感服。惚れたからには、ここまで愛したいものです。」との評価でした。

ヴァンパイアファンじゃない友人は「モリガンファンじゃなくなったらどうするんだ」ということでしたが、たぶん「思い出」として背負っていても困らないんじゃないでしょうか?生身の彼女の名ならともかく。

 アメリカとかでは「愛の証」に恋人の名を彫るそうです。で、彫ったはいいが、別れちゃったという場合はしょうがないから横線で消して、次の恋人の名を彫る。こうして肉体で自分の女性遍歴を語る訳です。一人目を彫ったら次の彼女の名も彫らないと不公平だと女性も感じるでしょうしね。

 ちなみにモリガンイラストをよく描いていらっしゃる女性は「こういうデザインだったらゲームのキャラだってバレないだろうし(笑)、ファッションで通じるしこれは一生物なんじゃないでしょうか? さすがにタトゥをアニメ調でやったらびっくりですよ」と。でも、音無響子さんやラムちゃんの刺青を彫った人も海外にはいるそうです。彼女らをそのまま彫ってもアレですが……アレンジすると別物になりそうな気も……特に管理人さん。やはり……高橋留美子絵で彫ったのかな……。

 コミケ30万の参加者全てを調べても、おそらくラムちゃんやモリガンのタトゥーは見つからないでしょう。日本人って、永遠を信じないんですね。「一生の束縛」を恐れているのでしょうか。もちろん、私にも「タトゥー? 怖くて下品だよねー」という気持ちはあります。

 もっとも、谷崎潤一郎の「刺青」とかはそれを「若くて美しい肉体を飾るためのもの」としていますので、向こうのタトゥーも「若いときだけ飾りの意味を持つ」のかもしれません。中年になったら、もうみせびらかさないでしょう(やくざ者はのぞく)。それに、痩せたり太ったりしたら、絵が歪んでしまいます。年をとって肌に皺ができてもです。(それを考えるとコミケの参加者には肉体が刺青に適さない人もけっこう多い気がしますね。太めの人が刺青を彫るってことは「ダイエットをしない宣言」も同然ですから)

 異国の青年が何を考えて彫ったかは私にはわかりません。

 ほんの数年の若いとき、多くの周囲の人間に見せて己を誇示するために彫ったのか、この先の数十年、自分と家族などの少ない人間にしか見せず、ひっそりと彼女と共に生きていくために彫ったのか、両方なのか……。

 実在しない美女、明確な人格を持つ魔物の姿を自分の肉体に刻むという行為はとても孤独で激しくて、水沢は「切なくてエロティックで物語としてはとてもツボだなあ……」と遥か海の向こうの人生に思いを馳せました。

 追記 海外の掲示板に、PS版のセイヴァーのオープニングでリリスを捕まえた直後の凶悪な笑みのバレッタの画像が欲しいという人の書き込みが。「Tatooにするから鮮明な画像が欲しい」とのこと。バレッタをしょって生きていくのか……頑張ってね。

 

 ◆ 海外のファンフィクション(2000年2月18日 追記2003年8月29日)

 日本では多くの場合「同人小説」と称される、ファンの書いた小説のことを海外ではfan fictionといいます。鉄拳やスト2とかだと、日本以上に種類も豊富でレベルもかなりのもの、と言われています。yaoi fanfictionとか、ryuu/kenとかいう表記を見たらそれです。
 では、ヴァンパイアの海外ファンフィクションはどんなものでしょうか。
 私の結論は……日本とさして変わらず。
 つまり、少ないってことです。やおいらしいものもないし。
 日本にもありませんけどね。デミトリ/ガロンのハードなやおいとかは。
 これがスト2や鉄拳、KOFだと違うんですが……。
 つーわけで、海外は「公認カップリング」と戦闘、外伝系とキャラファンの思いつきとクロスオーバーが入り交じってます。
 レベルは……似たようなものじゃないでしょうか?
 文体の善し悪しは私の英語力ではわかりませんので、内容で判断してますが。
 で……読むために訳してて思ったんですが、英語にも「同人誌的文章」ってあるんですね。
 私は海外のデミモリ小説を訳していて、意味のわからない単語を発見。辞書をひきました。
 visage……頬の雅語(通常はcheek)
 ガスッ……辞書をぶん投げた音。
 わざわざそんな言葉使うなー!
 日本の同人作家が顔を貌と書くようなものでしょうかね。原文で日本の耽美小説を読もうとした海外の人はさぞ困るでしょう。
 ちなみにその小説の冒頭はこんなものでした。
「月光は彼女の青白い滑らかな肌のおもてを自由に踊り、冬は優雅に彼女の頬を撫で、土耳古石の碧の髪の房をいくつか風に舞わせる。残酷なまでの冷たさを彼女は味わっていた。完璧な優美さを持つ彼女は、右手に半分空になった赤ワインのグラスを持ち、マキシモフ家当主の居城の、開かれた窓のそばに立っていた。」
 訳は私なんで、もしかしたら違うかもしれませんけどね。
 読んだ時なにか脱力しました。
 なぜ、日本にもありそうな話を英語で読まねばいかんのでしょうか?
 ただこの小説で「さすが海外……」と思ったのは、「ルーマニアの冬は厳しい」という一文でした。日本人はそういう土地勘はあまりありません。カプコンだって、デミトリの城のあるルーマニアがことさら寒いとか暖かいとかいうようなことは考えてなかったでしょう。(ちなみに彼の城の名はゼルツェライヒ城とかいったはずですが、日本のみの設定のようです。だいたい、どう綴るんでしょう?)
 他の人のモリガン小説では、「スコットランド訛りの英語が響いた」とかいう表現があって、つい考え込んじゃいましたよ。
 確かに公式設定でモリガンの出身はスコットランドになってますけど……。
 魔界訛りの英語ってあるんでしょうか?
 こういうことを日本人はそれほど考えませんね。
 実の所モリガンファンにとっては海外小説はあんまり美味しいジャンルでは今の所ないかもしれません。
 でももし、ジェダリリファンだとか、ザベレイが好きというなら、辞書をひいて読んでみてもいいかもしれません。
 ジェダの解釈はむしろ向こうの方が深いかもしれませんから。ヴァンパイアセイヴァーの英語版のタイトルは"Darkstalkers 3 : Jedah's Damnation"(ジェダの天罰)です。
 救世主……そんなものを信じるのは日本では西洋かぶれの愚かで弱き者だけです。(オウム真理教が特にそのイメージを地に落としましたね)
 ですが、むこうはキリスト教の国です。マジです。救世主を信じる宗教の詳しい教義を誰もが知っているんです。そしてそれを背景に多くの小説が書かれ、映画が作られているんです。
 私はジェダというキャラは発想というか、コンセプトは良かったが、きちんと作り上げられたとは言えないキャラだと思います。
 設定担当の人自身、彼のことを胡散臭いと思ってたのではないでしょうか? と思います。
 ですが、海外ではジェダは慈悲深い絶対者で、強く賢く描かれます。
(作品数は多くないですが……)
 海外だとシンプルにしかキャライメージが伝わらないので、「そのまんま受け取っている」気はしますね。
 ちなみにデミトリはですね……モリガンの相手役だったり、ジェダの引き立て役だったりしますので、彼のファンにとって海外サイトはつまんないかもしれません。渋いと言えば渋いんですが、海外のデミトリ。
 上記のデミモリ小説以外の彼は至極真っ当な吸血鬼です。
 残忍で狡猾で身勝手で傲慢、女(少女も可)と見れば襲っています。
 いや……間違っていませんとも! その解釈!
 ファンフィクションで「ドノヴァンはデミトリが犯し、啜り、死んだものと見なして立ち去った女の息子として生まれた」とか書かれると、「確かにそう思うのが普通かもしれないが……日本ではなかなかお目にかからないような凶暴なデミっすね……」とか思います。(日本の若い女性の描くデミトリ像に私が慣れてるんでしょうか?)
 海外で流布している日本製のヴァンパイアの公式な二次著作物は例のOVA位のものです(最近、石田氏の漫画が英訳されたらしいですが)
 振り返って日本を見れば、山のようなアンソロジー、4コマ漫画、ドラマCD、そして同人誌。
 やっぱり二次著作物が大量にあると、キャラのイメージは拡散してしまうのかもしれません。
 どうして日本ではジェダは慈悲深く残酷な救世主ではなく、デミトリは邪悪な吸血鬼ではないのでしょうか? モリガンやレイレイはあんまり海外でも印象変わりませんでした。ザベルは話によりますね……。凶暴でお調子者、レイレイに対して純情ってあたりで日本でも間違いないんでしょうか?
 後のキャラは……よくわかりません。なんせ数がないので。
 あと、文体での判別が難しいのですが、日本と違い男性の書き手が多いのではないでしょうか?
 一般に男性の方が「甘さをおさえてあります」という感じの話を書きますから。
 あ、それとこれは海外ならでは、と思ったのがクロスオーバーです。
 モリガンに勝てないデミトリの所へ、ベガが「私と手を組まないか」と現れる話とか。
 でも、あんまインパクトがないのはメーカー作品でベガとギースが手を組むご時世だからでしょうか?
 

 上で語ってる作品の大半はここにあります。

 追記 デミトリがベガにブリスをかける時代になったわけですが、その後見つけたサイトについてなどなど。海外のエロファンフィクション書きさんの打ち捨てられた日記は面白いですね。とりあえず、オーストラリアの俗語を調べてからザベルとレイレイのカップリング小説を書こうとはいい根性です。(覚えてますかー? ザベルの出身国はオーストラリアだってことを……。)


デミトリの国際的評価(2000年2月5日 追記2001年4月27日)

 私には前々からの疑問がありました。
「デミトリのあのカッコは外人の目から見ても変なのか?」
 初期のヴァンパイアのキャラクターデザインはアメコミを参考にしています。
 アメコミではヒーローの全身タイツはお約束。スーパーマンとかスポーンとか、ウルヴァリンとか、キャプテン・アメリカとか……。
 デミトリがマッチョでぴっちりタイツでも、海外での評価は違うかもしれないじゃないか。
 というわけで、助けて!翻訳ソフト、な状態で英語掲示板に書き込み。何人かからレスもらいました。
 で……結論から言いましょう。
「外人の目から見ても変」(ToT)
 掲示板での会話はこんな風に進みました。
「日本人は、たくましい吸血鬼なんておかしい。吸血鬼とは、映画のレスタトみたいなものだ、というんですが、あなたたちもそう思いますか」
 と、いうカキコに最初にきた返事が……
「私も、デミトリはレスタトに似てると思う。でも、レスタトじゃモリガンに「ステキ」と言われることはなかったろうね」」(訳註・ステキ=attractiveはデミトリのボス戦でのモリガンの台詞から)
 そういう意味じゃなかったんだけど。私の英語力なんてそんなものさ……。
 っていうか、そこでさらりと「女の評価」がでてくるか? さすが、アメリカ人(イギリス人?)。
 しかたがないので知人にいきなりヘルプを求めました。
(掲示板へのカキコに手伝いがいるんかい)
 「自信はないけど」といいつつ親切に英訳して下さいました。
「言葉が足りませんでした。日本ではデミトリは吸血鬼らしくないと評価されているんです。私たちは服の上からでも、彼の筋肉が上下するのを見ることが出来ます。日本では吸血鬼というと痩身の美青年かクリストファー・リーのドラキュラなのです。(後略)」
 で、これへの返事が
「デミトリのデザインがあまり吸血鬼らしくないという意見に賛成です。それは、私がセイヴァーでジェダが登場したことを喜ぶ理由です。彼の方がゴシック的キャラクターであり、吸血鬼らしい。もっとも、彼は吸血鬼よりも強い存在であるでしょうが。ジェダこそは闇の王/貴族でしょう。ゲームでのデミトリは隆に似ているし、アニメの彼はバイソン(ベガ)に似ていると思います。キャラデザイナーが一緒なんでしょうか? 私はいつかセイヴァーがアニメになってジェダとリリスが登場する事を期待します」
 で、これについたレスが、
「たしかにデミトリは肌にぴったりくるような服を着て、どちらかというと奇妙に見えると思います。ただ、私は彼の出場を笑う気はありません。私は同じくジェダが吸血鬼タイプの魔物であり、それ以上だと思います」
 で、次に女性のお答えですね。
「・・それについては・・私はレオタード素材で出来た完全な三つ揃えが見つけ難いだろうと思いますよ(肩をすくめる)」(原文ではレオタード素材ではなくspandexと表記。このまえ、映画版X-menを見ていたら、映画版のコスチュームを着る時、ウルヴァリンが「これを着るのか?」と聞いてサイクロップスに「黄色いタイツ(yellow spandex)の方がいいか?」と言われてました。X-menスーツの素材だったんですね)
この人は最初の方の意見にもこういうレスを返しています。
「それは本当です。私はデミトリは本当に古風なドラキュラタイプの吸血鬼だと思います。背が高く、強く、厳しい「私が王者だ」という態度の。まあ要は彼は利口だということですね。彼は人と他のダークストーカーが彼を殺すことが出来ない程度に狡猾で、魔界をわがものにする事とそれを試みることが、それほどいいことではないことを知ることが出来るほどには、賢くはありません」(ちなみに狡猾・賢いの原文はsmart。スマートの意かなあ……)
 こんな感じでこの話題は終了しました。

「デミトリは古風な吸血鬼である(ドラキュラとか、レスタトみたいな)」
「デミトリはジェダほど魔物らしくない。ジェダの方がカッコいい。」
「デミトリのピチピチ燕尾服は変」
 という点では海外といえど、日本とあまり変わらない評価でした……。ただ、彼がたくましいという点についてはそんなに違和感がなさそうでしたね。
 日本では燕尾服というとどんなものでもギャグになるような大げさ感がありますが、向こうではある意味まじめなものなのでしょう。
 アメコミに「スペースサムライ」とかいって「ピチピチの和服を着た男」が登場するようなものかもしれません。(違うか? でもいそう……)
 きっと、外人にとっての「紋付き袴」は「かっこいいけど一歩まちがうとすごいギャグ」なんですよ。
 まあ、マニアの意見ですが……。
 要は……デミトリの燕尾服のデザインがああでなければ彼の評価は変わっていたかも知れないって結論に海外でもなるんでしょうか?

追記 この前海外の掲示板でこんな文章をみつけたりしました。
Morrigan is being stalked by a slimy, annoying, ugly guy named Demitri.
訳 モリガンが デミトリという名前のいやらしい、いらいらさせる、醜い男によって忍び寄られている。
 即座に反論しようとしたんですが、これは、英検一級の英語力でも反論できませんね。「そういう言い方はないんじゃない?」とは言えても。ええ。日本語で「違う。デミトリは美形だし、いやらしくないし、しつこくないし、モリガンにつきまとっていない」と言えなければ、英語でもいえませんな(ToT)
 まあ、「だけど今しつこい男につけまわされてまいってんの」、とはモリガンが女友達(?)に冗談めかして言っている台詞ですから、デミトリから見れば正々堂々と魔王に決闘を申し込んでるのに相手が「面倒くさい」というふざけた理由で逃げ回ってるということになるんでしょうね。たぶん。あるいは彼としては単に吸血鬼らしく獲物に忍び寄ってるだけですか? って、女性にとって迷惑の極みなのは彼の種族的宿命ですか。
 ちなみにゲーム中のそのくだりは英語でこうです。
There's a man keeps stalking me in the dark.It's annoying!
「ストーキング」と「いらいらする」はちゃんとゲーム中の表現なんですね。
 つうか、翻訳版ではちゃんと「闇に忍び寄っている(ストーキング・イン・ザ・ダーク)」というタイトル通り(ダークストーカーズ)の表現になっているんですね。初代ヴァンパイアが発売された頃は「ダークストーカー? どういう意味?」というのが」一般的な反応だったんですがこの数年で「ストーカー」は日本語になりましたね。

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