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   第一章

「はぁ、はぁ・・・あっ・・・はあああ・・・」
「あっ・・・ああん・・・ああ・・・いいわぁ・・・」
女の喘ぎ声が、1DKの部屋の片隅におかれたベッドから、とぎれとぎれに続いている。エアコンから吹き出す暖気と、欲情した女体から発生する熱気が混ざり合い、むんむんとした部屋の窓にはびっしりと水滴がついていた。

ふたりの女が、白い裸身をからみ合わせている。いわゆるシックスナインの体位で、延々とお互いの秘裂を舐めあっていたかと思うと、今はお互いの脚を交差させるようにして、秘所をこすりつけあっていた。ぬるぬるした愛液が、脚の内側を濡らし、女特有の匂いが発散する。長時間のレズセックスのため、2月の寒い時期だというのに、ふたりとも全身から汗をしたたらせていた。

女のひとりは、和服が似合いそうな古風な顔立ちの美人だったが、大きく突き出した乳房と発達した尻、でこぼこの少ない長い脚など、グラビアモデルといっても通用するような体つきだ。血管が青く透けるくらい肌が白い。もうひとりは、まだ少女のような体つきだったが、さらに色白で、ほくろやしみひとつない絹のような真っ白な肌を、赤く上気させている。こちらも、髪の長い、目鼻立ちのはっきりした美少女だった。ふたりの年齢には少し開きがあるようだったが、この女と女の営みの主導権はどうやらこの美少女のほうが握っているようだ。

「うふふっ・・・美樹ったら、もう我慢できないんでしょう・・・イきたいの?」
「はあっ・・・ああもう私ダメ・・・お願い・・・してぇ・・・」
「ふふふっ・・・だらしないなぁ・・・じゃあ・・・イかせてあ・げ・る」
美少女は絡めていた脚をはなすと、もうひとりの女の乳房をしゃぶりながら、その秘裂に手をのばした。中指をのばして、ワレメに沿って指を沈み込ませていく。
「あああっ・・・」女が悲鳴のような声をあげた。
ワレメの途中にある淫核を巻き込みながら、愛液でぬるぬるになっている穴に指を突っ込むと、女の肢体がのけぞった。美少女は、年に似合わぬ妖艶な微笑を浮かべると、ゆっくりと指をピストンのように動かし始めた。

「ひっ・・・ああああ」早くも女の体が小刻みに震え始める。
「だめだめ・・・まだよ・・・」美少女がささやくように言った。
「ああっ・・・も・・・もう・・・だめ・・・イクわぁ・・・」
美少女の指の動きが速くなった。ぬちゅっ、ぬちゅっ、という音をたてながら、指が女の淫核と穴を責め立てる。
「あああっ・・・だ・・だめ・・・い・・・あああああああああ」女が全身を震わせて絶頂に達した。
ふたりは、また全身をからみ合わせて、しっかりと抱き合った。

「はあ、はあ、はあ・・・好きよ・・・美雪」
「わたしも・・・美樹先生、かわいいわ・・・」ふたりは、一瞬見つめ合って、長いくちづけを始めた。

あの事件から1年がたっていた。白鳥美樹は私立神光学園の英語教育にいっそうの情熱を注ぎ、その際立った美貌もあって、今や同僚からも生徒からも慕われる学園のマドンナ的存在になっている。あの日以降、権田教頭と黒川教師は失踪してしまっている。一時期、警察やマスコミが来る騒ぎになったが、ふたりの教師がかなり悪辣なことをしていたことが明るみに出たため、しばらくすると静かになった。美樹も事件後数日たってから旧校舎の様子を見に行ったが、誰もいなかった。加藤やチンピラたちの噂もあれ以後全く聞かない。ケイコはその後、1回も登校することなく退学届けだけが郵送されてきた。

表面的には呆気ないほど、きれいに事件の痕跡はなくなってしまったが、美樹の心には深い傷が残った。恥ずかしいかっこうで緊縛され、処女を奪われた上に、悪徳教師とチンピラたちに陵辱の限りを尽くされた経験は、もともと美樹の心の中にあった男嫌いをいっそう増大させた。

島津美雪と出会ったのは、そんなある日のことだった。自分と同じイニシャルのハンカチを、美樹が拾って美雪に届けてから、美雪からの熱烈なラブレターが毎週のように届くようになった。それまでにも、男子生徒や女子生徒から手紙がくることはしばしばあったが、これほど強烈に慕われたのは初めてだった。美雪は成績もよく、美しく清楚な女子高生で、美樹の好みだったばかりか、二人きりになると、驚くほど積極的に美樹の体を求めてきた。そして、男を知らない美雪の一途な愛が、美樹の心を動かすまでにそう時間はかからなかった。

美雪は毎週末ごとに美樹のマンションを訪れ、女同志ならではの、深い味わいのあるセックスを求めた。今では、美樹の方も美雪との逢い引きを心待ちにするようになっていた。教師と教え子という関係ではあったが、美雪と過ごす時間は甘美で、あのおぞましい陵辱の記憶を癒してくれた。

「あ〜あ、よく寝た。もうこんな時間かぁ。」中国拳法の道場から帰ったあと、こたつでうたた寝してしまったらしい。昨日の土曜日は一日中美雪とおしゃべりしたり、ベッドで愛し合ったりしていたので、少し疲れているのか・・・。
「ふふっ、まあいいか。明日は休日だし、ゆっくりしよっと。」美樹がこたつに入って、大きなあくびをしていると、玄関のチャイムが鳴った。

「えっ?宅急便?」どこにでもある四角い茶封筒を明けると、ビデオテープが1本出てきた。差出人の名前はない。
「何なの?これ。」ビデオデッキにテープを入れて再生してみる。

「ふっ、ふっ、ふっ・・・久し振りじゃのう、白鳥君。」
「ああっ!・・・権田教頭!・・・」そこには、プロレスラーのようなマントを体にまとった、元教頭の権田の姿が映し出されていた。


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