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    第5話:恥辱の旋律

カヲリは胸を曝した恥ずかしさのためか、唇を噛み締め、うつむいたままだ。

ちくしょう、なんてうまそうな乳をしてやがるんだ、この女は...
食い入るように天使の肉丘を凝視する川田はうめくように口の中で呟いた。
揉み込めばそのまま内部に吸い込まれてしまうような儚さ。
自らの重みで心持ちしなっているかに見えるボリューム。
小ぶりな乳りんと形のいい乳首が匂わせる清純なイメージ、
それでいて媚薬で上気し、滴り落ちる汗が作る淫靡なイメージ...
その全てがカヲリの乳房を表現した言葉なのである。
川田は気がつけば身を乗り出して眺めていた。そうせざるを得なかったのだ。

それに対し、さしたる興味もなさそうな顔つきで玲子は言い放つ。
「じゃ、次は下のものもとってもらおうかしら」

びくっと肩を揺らすカヲリ。
胸を覆っていたものの脱ぎ捨てさせた二人である。この要求は当然のこととは思えるが、やはりつらい。しかし...
ちらりと玲子の方を流し見る。
余裕綽々と言った感でこちらを見下しているのがわかる。
ああ、惨めだわ...
それだけに一層無力感が増してくるのである。
しかし、半ばあきらめに似た心境で、目蓋をぐっと閉じ、スカートに手を掛ける。
ストン....
あっけないくらい簡単に落下する。
そして純白に輝く布切れがいやがおうにも目に飛び込んでくるのだ。
カヲリのもっとも大事なところを守る最後の砦。

川田はそんなむっとするような裸身を見て、改めて惚れ直してしまった。
服の上からは小ぶりと思われていた乳房も充分に量感があり、すらりと伸びた脚線美もすばらしいものがある。
そんな抜群のプロポーションの裸身に身に付けるものは純白のパンティのみというのが、より一層のなまめかしさを漂わせているのだ。
毅然とした態度をとろうと、直立した姿勢をとる。
しかし媚薬が与える快楽のためか、それとも”見られている”という恥ずかしさのためか小刻みに打ち震えているカヲリ。
その神々しいばかりの裸を食い入るように見つめていた川田は、ついふらふらと吸い寄せられるようにカヲリに近づいていく。

「この布切れは、俺がとってやろう」
「駄目よ、サブ。今日は全部カヲリちゃんにやってもらうんだから。せっかく本人やるき満々なのに水を差したら悪いじゃないの。そうよね?カヲリちゃん?」
玲子はいつになく甘えたような声で問い掛ける。

カヲリは、徐々に抜き差しならぬところに追い詰められていく自分を感じていた。
これならまだ力ずくで犯されていくほうが余程ましというものではないか...?
自分の手で裸になり、自分の手で汚れた道具を身につける。これ以上の屈辱があろうか?カヲリは意を決して身を守る最後の一枚に手を掛ける。しかしこれを脱げば、敵の前に全てをさらけ出すことになる...
先ほど飲まされた卑劣な薬により、肉体の官能を無理やり火をつけられ、その魔の欲求に屈しそうになりながらもなんとか平静を保っているのだ...
しかしいくら我慢をしようにも、腰のあたりからずっしり重く湧き上がる官能の炎が湧き上がるのを止める手立てはない。それどころか、時間が経つにつれて、ますます火勢を強めていく一方である。
純白の下着に手を掛けたまま身体を硬直させる。が、それから先は進まない。いや、進めないのだ。
いや....
消え入るような声を搾り出すのが、やっとである。

そりゃぁ、いやぁでしょうねぇ。
カヲリが躊躇する様子を楽しみながら玲子は微笑む
カヲリが最後の一枚を脱ぎ捨てることに関しては死ぬほど恥ずかしい思いをしていることは、よぉくわかっている。しかしこれから始まることに比べたらこんな程度のことは、取るに足らないだろう。今の観客は二人しかいない。お前にはもっともっと大勢の人の前で大恥をかかせてあげるわ...もう少し言葉でいたぶってあげる...

「おいおい、どうしちゃったんだよ。なんでそこで止まってるんだ?さっさと脱いでしまえよ」
「ふふふ、それはカヲリちゃんのお○んこ、もう濡れ濡れになっちゃってるんでよ。なんにもされてないうちから、いっぱいいやらしいことを考えてね。それをあたしたちに知られるのが恥ずかしいのよ」
「ほぉ、そうかい」
川田もその言葉に目を丸くする。
「そ、そんなことありません!」
「強がりいっちゃって。むきになって否定するところが、ますます怪しいわね。そんなに言うのなら見せてくれたっていいじゃない」
「言葉じゃなく身体で証明してみてくれよ。くくっ」

半信半疑にからかっていたつもりの川田はふとカヲリの下着に目をやる。
「ん?なんだ? カヲリ、本当にぬれているんじゃないのか?下着がぴったり張り付いているみたいだぜ」
その布切れに顔を近づけていく。息がかかるくらいのところまで。
そして思いっきり息を吸い込む。
「お前、随分女くさいぞ。やっぱこれは、びしょびしょに濡れているんじゃないのか?」川田がそっと指を触れる
「んん!くぅぅぅ!!」
カヲリは思わず身をのけぞらせる。
ドクッ
そのとき体の内部から何かがほとばしり出てくるのを感じた。
な、なぜ...そんな好きでもない男にもっとも恥ずべき部分を撫でられただけでなぜ感じてしまうの...まさに信じられなかった。そこまで自分の肉体はもう狂わされているのか?あの薬のせいだわ。あまりの悔しさに涙が出そうになりながら、もう好きにするがいいわ、と捨て鉢に下着を取り去った。

これが、全男性社員が夢にまで見たカヲリのお○んこか..ふふ、やはり美味しそうじゃないか、思わずしゃぶりつきたくなるような...
それに...予想どおり濡れていやがる...それも大洪水だ!!
「やっぱり濡れているじゃないか。しかもびっちょびちょだぜ」
「あら、ほんと。随分気分を出していたみたいね。今からこんな状態じゃ、勝負は見えたみたいなもんね。ふふふ」
「もう降参したほうがいいんじゃないか、カヲリ?」
「あ、あなたたちが、変な薬を飲ませたせいよ!」
きっ、と目を吊り上げ玲子達を睨み付けるカヲリ。
「あら、薬のせいにするわけ?ずるいんだ。薬でいくらエッチな気分になったところで、あなたが強い精神力を持っているのなら、十分跳ね除けらるはずだわ。それがこんなにぐちょぐちょになってしまうなんて、やはりあなたの体はいやらしく出来ているってことね。そしてその暴走を抑えることの出来ない精神。いえ、もしかした暴走を助長しているのかも...ふふふ」
それ見たことか、と弱みを見つけてはあげつらう。もちろん普通の女性なら到底我慢することなどできない強力な媚薬を飲ませているのである。女の弱い部分をさらけ出して花蜜を噴出し反応してしまうのも無理は無いことだ。それを承知で言葉でなぶる陰湿な責め。まさに恨みの募った女ならではといえよう。

その一方でカヲリは今ひとつ自信が持てないでいる。ありていに言えば自分の体が信用できないのだ。先ほど「薬のせい」と断言したが、体の奥底から物狂おしくも噴出してくる肉の欲求は一体現実の出来事か?
なぜこんなにもろくも女の生理が崩れ去ってしまうのか?
自分の意思とは全く異なり恥ずかしい液体をほとばしらせる羞恥の源泉。
なぜ、こんなに感じてしまうの?
これは間違いなく快楽の調べ。
本当にわたしは我慢ができないというの...こんな連中に好きにされて...
そもそも大丈夫だとふんだからこそ、こんなわけもない勝負を受けたのではないの?

思案している間にも、秘淵からは、つーっと最奥の雫がたれ落ちていく。
何もされてないというのに..
どうして...
ああ、いや...こんな姿を見られているから...?
見られて感じてしまっていると言うの?
この私が...そんな!!!
ドクッ
ああ、また..あふれでてくる...ど、どうして...

「おやおや、大変な大洪水じゃないか」
「本当ね。触ってもないうちから締まりのない老人みたいな状態で大丈夫かしら?」
玲子はまるで汚らわしいものでも見るようにせせら笑う。
カヲリはそんな二人の矢のような視線を文字通りおのが裸ひとつで受け入れざるを得なかった。

「素っ裸になってもらったところで、淫乱症なあなたにとっておきの衣装を身に付けさせてあげるわ。わざわざ、お店にいって高いお金を払って買ってきたんだから。感謝してね、カヲリちゃん。ふふふ」
そういう玲子の横で川田が例の店で買った淫猥な道具を並べ立てる。

そう、これからカヲリを攻め抜くことになる道具を。


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