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  女検事西園寺静香陵辱さる!             2

                        
今度は男たちも、うかつには静香に手を出さない、といって長引くと人も寄ってくるし、警察にも感知される。右端の20歳くらいの男が、じれたように破れかぶれの攻撃を仕掛ける。
しかし静香はその攻撃を予期していたように、鮮やかに対処する。

静香は、すばやくやつの右端に回りこむ。
この男が攻撃を仕掛けてくれたことは、彼女にとって幸運だった。なぜならこの男の右に回り込めば、とりあえずそこには敵はいないからだ。
チンピラのナイフを持った手を、手刀で一撃すると、腕がしびれたらしく、もろくもナイフを取り落としてしまう。
その腕を逆関節にきめ、どこをどうやったか、手練の技、ボギッ!と鈍い音がすると、男は悲鳴をあげて、あたりを駆けずり回る。
肩関節をはずされた上に前腕を骨折したらしい。

静香はやつが落としたナイフをゆっくりと拾い上げる。

「ふん、こんなものを使っても、静香お姉さまには歯が立たないようね。おまえたち程度の相手じゃまったくものたりないわ、さあ、こんな危ないオモチャは捨てましょ!」

そう言って、無造作にポイとほうり捨てたが、それが、先ほど張手でのされた兄貴格のひょろりと背の高い男の、右太腿にグサリと突き刺さった。
またもや、「うぎゃーー!!!」とわめいて激痛にのたうつ。
静香ほどの武道の達人となると、これは偶然ではなく、狙ってやったのではないだろうか?

「あ〜ら、ごめん遊ばせ、そちらのオニイサマにあたっちゃたみたいね」

「このアマ、もう赦しちゃおかねえ!」

人を食った静香の仕打ちに、怒りに燃えた副将格の男が猛然と突きかかる。
この攻撃はいままでで一番鋭く、素早かった。
一瞬避けた静香の左手の甲にうっすらと血がにじむ。それはティッシュで拭けば、すぐとまるほどのかすり傷だったが、静香のプライドを傷つけたようだ。

「おや、おまえ、やるじゃないか!だけどね、私をちょっと怒らせたようよ。覚悟はいいね?」

そう言いながら、ゆっくりと近づく。さっきまで、瑞江を捕らえていた男も、緊急事態に、とうとう瑞江を放して、戦闘に参加する。
男たちは二人になったわけだ。

「さあ、お嬢さん、このスキに早く逃げるのよ。これからは絶対に夜の歌舞伎町を一人で歩かないで!」

と言っている間に、瑞江を捕らえていたチンピラが攻撃を仕掛ける。こいつはふらふらして腰が定まらない。
静香はひょいと軽く足を出して、出足払いを食わせる。面白いようにチンピラは体を泳がせて、ぶっ倒れる。
そこへ、ハイヒールの先端での蹴りが顔面を襲ったからたまらない。

「あら、どうしてくれるの、私のシャルル・ジョルダンのお気に入りの靴が・・・これって、お前たちの三ヶ月分のお小遣いより高いのよ、そうだ、お前たちのボスを捕まえて弁償させよう」

どうも静香お姉さまは、サディスティックな女王様と言ったところなのだろうか。
残ったのはやや骨のある副将だけだ。
あとの四人は、静香に子ども扱いされて、傷に呻いている。

「ふふふ、お前はちょっと、特別に可愛がってやる必要がありそうね」

妖しくセクシーな瞳を輝かせながら、静香女王は一歩一歩と近寄る。まるで猫科の猛獣が、相手を弄るようだ。

「ふざけるな、ケンカじゃ名の知れたおれをなめやがって!!」

男はさすがに鋭く、右に左に、上に下に、ナイフを器用に操りながら静香に迫るが、彼女はステイバックし、あるいはダッキングして難なくかわす。
身のこなしをみると抜群の運動神経の持ち主らしい。
そしてその間も左右のローキックを的確に男に見舞う。

「ほら、どうしたの?新宿の喧嘩オニイチャンがこれくらいでまいるはずないだろう、それ、今度は右よ、あれ、ずいぶんきいたようね」

やつは強烈なキックが決まるたびに激痛に顔を歪める。

「ホホホ、痛そうだね、試合ならとっくにタオルが入るとこだけど、そうはいかないのよ。こんなやつが幹部なんて、親分の顔がみたいわね」

まるで猫がネズミをいたぶるようだ。

「なあ〜んだ、新宿の喧嘩屋というから、楽しみにしていたらこんな程度なの。つまんないけど、もう終わりにしよ〜〜とッ」

最後は十分に間合いを計って、上段蹴りがやつの左テンプル(側頭部)にキョーレツに決まった。
映画のシーンのようにやつは空中でのけぞり、一瞬、時間が止まったように見えてから、ドタリと倒れた。

「どお、これからはナマイキなことするんじゃないよ、あんたなんかより上には上がいるんだからね」

静香はなおも、倒れこんだやつに馬乗りになり、ハイヒールで、男の両手を押さえて自由を封じ、パシ、パシと平手打ちを食らわす。
男は半分意識がないのだが、静香の柔らかくもしなやかで強靭な、太腿の筋肉を感じて、思わず、勃起する。

静香の完全勝利かと思われたが・・・

その時、角の、不景気でつぶれたらしい焼肉屋から、一人の小柄なホームレス風の中年男がふらりと現れた。
すでに大分アルコールが入っているらしく足元がおぼつかない。
垢だらけの体に、髪は伸び放題、もちろん髭も同じだ、しかも大きな麦藁帽のようなものを目深にかぶっているので、人相は見えない。片手は破れかけたショルダーバックに突っ込んでなにやらまさぐっている。
酒瓶でもさがしているのだろう。

邪魔が入ったので、静香はやっとヤクザを解放し、立ち上がる。こいつらの後始末をどうするかが面倒だ。
ホームレスのオヤジはなにかぶつくさ言いながら、近寄ってくる。
このあたりにホームレスはゴロゴロいるので、別に気にしない。

男はヨロヨロしながら、歩いてきて、静香から五、六歩のところで、つまずいてドサリと倒れこむ。どうやら、頭を打ったらしく、「ウウウ〜〜」と呻いている。
社会を護る立場の静香は病人とあれば仕方なく、男に近寄り様子をたしかめようと、男のそばにしゃがみこむ。

と、その時、ホームレスの手が電光石火の速さで動いた・・・静香は一瞬、右のふくらはぎに違和感を感じた、と思った時は遅かった。

「あっ、お前、な、何をしたの・・・私としたことが、ふ、不覚、だわ!」

シビレは急速に静香の全身に広まったのだ。

「フフフフフ、どうかね、お姉さま、上には上がいるのだよ。サクシニール・コリン、速効性の筋弛緩剤さ。お前には倍量打ったからな、ヒヒヒ、おれの計算では、あと三分で、タップリと縄の味を楽しめるぜ、よくも子分を可愛がってくれたな。今度はそのオイシソウな体、おれたちが可愛がってやるぜ、ざまあみろ!!!!!」


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