崩れ堕ちる高級妻 第3話
崩れ堕ちる高級妻(3) 心の絆を確かめ合うように見詰め合う妻と夫…肉体は許しても、決して心までは屈してなるものかと言うような妻の視線に、夫も無言の視線を返し、勇気付ける。 二人のヤクザ男はと言えば、見詰め合う夫婦をよそにチラリと時計へと視線を投げニヤリと笑みを浮かべ… 麻美がコーヒーに混入された催淫剤を飲んで、かれこれ二時間ほどが経過しようとしていた。遅効性故に急激な肉体の変化は感じ取れる筈は無く。しかし、徐々にその効果を発揮し始める頃である。 「よ〜し、お喋りはここまでだ…それじゃあ早速始めるとするか?」 田所はそう言うと大男に目配せし、麻美をソファーへと座らせる。テーブルを挟んだ向いのソファーでは、拘束されたままの夫が複雑な表情を浮かべながらも、勇気付けるような視線で見つめている。 「よし、恭二…いつものやつだ…」 田所が言いながら顎で促すと、大男はニヤリと笑みを浮かべ再び黒いバッグを弄り始める。 バッグから取り出した物は、またしてもロープの束であった。大男はそれをスルスルと解きながらソファーの後ろへと廻り、おもむろに麻美の両腕を掴み上げる。 「……ヒイイッ!…なッ、何をするんですッ?!…へ、変な事はやめて下さいッ!」 麻美の頼み声も虚しく、大男は無言のまま、頭上に掴み上げた両手首を一つにまとめ、ロープで縛り上げる。 「……い、嫌ッ!…やめてッ…やめて下さいッ!」 麻美が更に声を荒げるも、大男は無言をとおしたまま、両手首に巻きつけたロープの先をソファーの裏側へと括り付けてしまう。 麻美の両手は頭の後ろで交差されるように縛られ、そのままの恰好で拘束されてまったのだ。 そうされた事により、際どいドレスをまとわされた麻美の胸元は、ソファーの背凭れに押し出されるように前方へと突き出し、無駄毛一つ生えていないスベスベの両腋をバックリと晒してしまう。 「そ、そんなッ…お、お願いですッ…縛られるのは嫌ですッ…も、もう抵抗はしませんから…ロープを…ロープを解いて下さいッ!」 麻美は「アアアッ…」と声を洩らしながら俯き、縮こまるように不自由な身体をよじる。 恥らうような素振りを見せる女の隣へと田所は腰を下ろし、身体を密着させるようににじり寄る。 田所から逃れようと反対側へと身体を捻る麻美であるが、今度はそこへと大男がドッカリと腰を下ろす。 「アアッ…い、嫌ッ…」 麻美が力無い声を洩らす。両側からヤクザ男二人に挟まれ逃げ場を失ってしまえば、顔を俯かせ耐えるしか他に方法は無く。 そんな麻美の耳元へと田所は唇を寄せ、まるで息を吹き掛けるように囁く。 「どうだい奥さん…こうやって縛られただけで感じちまうんじゃねえのか?…あんたみたいな知的な美人に限って、マゾが多いって聞くからなぁ…」 田所の言葉に麻美は俯いたまま、イヤイヤと首を振る。と、今度は反対の耳元に大男が唇を寄せる。 「旦那に見られながらってのも、いいもんだろうが?…普段よりズンと感じちまうかもな?…マゾかも知れねえって言うしよッ…」 男達は麻美の耳元で勝手な事を言いながらクククッと笑う。 麻美は尚も俯いたまま首を振るが、男達の言葉は聞かずとも聴覚に入り込み、精神を辱める。 「いくら嫌がってもな…奥さんはこれから、旦那の目の前で嬲り者にされちまうんだよ…考えただけでゾクゾクしちまうんじゃねえのか?」 田所はそう言うと麻美の耳へとフッ…と息を吐き掛ける。すると、僅かに麻美の身体がピクリと反応を示す。 続けざまに大男もフッ…と息を吐き掛け、麻美の反応を楽しむ。 「おいおい、奥さんよぉ…耳に息を掛けられただけで感じちまってるんじゃねえのか?…随分と敏感なんだな?」 大男はからかうように言うともう一度息を吹き掛け、それに合わせるように田所もまた息を吹き掛ける。 麻美はその息から逃れるようにブルブルと首を振り、身体をよじる。 「アアッ…そ、そんなことありませんッ…き、気持ち悪いだけですッ…」 麻美は厳悪寒を露に言ったものの、吹き掛けられる息に何か得体の知れないむず痒さを感じてしまっているのも事実だった。 二人のヤクザ男は互いの顔を見合わせ、ニヤリとほくそ笑む。麻美がいくら拒絶の言葉を吐こうとも、強力な催淫剤を飲んでしまっている今、肉体が蕩け始めるのは時間の問題であるはずだ。 田所と大男はニヤニヤとした卑猥な表情のまま、更に麻美の耳元で囁き続ける。 「気持ち悪いだけか……まあいい、今から俺達が奥さんの身体を解してやるよ…ゆっくりと、丁寧にな…」 「これからされることを想像してみな…旦那の目の前でどれだけ卑猥な事をされるかをな…」 「考えただけでもゾクゾクしちまうんじゃねえのか?…奥さんのこの成熟した身体はよぉ…」 麻美の聴覚に二人の男の卑猥な言葉が次々に流れ込む。その言葉と共に耳元に感じる、温くぬかるむような吐息。得体の知れないむず痒さは更に強まり、身体の奥底からチリチリとした疼きとなって肉体を侵食し始める。 「クウッ…フウゥッ…」俯き耐える麻美の唇から、無意識のうちに吐息が漏れる。 催淫剤の効果が現れ始めたことを敏感に察知した二人の男は、更にその効果を引き出そうと言葉での刺激を続ける。 「どうした奥さん?…まだ何処にも触れてねえのに、もう感じ始めちまったか?…まだまだ今からだってぇのにな…」 「あんたの身体中の性感帯を、俺達二人で嫌ッてえほど揉み抜いてやるからな…最高の快楽を教えてやるよ…」 「これほどの身体をしてるんだ…性感帯も人並み以上の筈だぜ?…どれほど気持ち良くなれるか、奥さんも楽しみだろ?」 「四本の手で、あんたの全身をこってりと愛撫してやるよ…頭のてっぺんから爪先まで、全身隈なくな…」 二人の囁く厭らしい言葉は嫌でも聴覚から入り込み、麻美の脳を刺激する。その刺激は、肉体の奥底に芽生え始めた疼きへとダイレクトに響き、チリチリとした燻りを徐々に燃え上がらせていくのだ。 愛撫を仄めかすような言葉を続ける二人だが、それでも一向に麻美の身体へは触れる素振りさえ見せず、更に言葉だけで嬲りにかかる。 「…まずは、奥さんのこの見事に突き出たオッパイからだ…俺達二人で、この大きな膨らみを揉みくちゃにしてやるよ…」 「一人が一つずつ…タップリと丹念に、細胞一つ一つまで揉み解してやるぜ…奥さんのオッパイの性感帯を全部刺激してな、快楽を引きずり出してやるよ…」 「これほどまでに見事な美巨乳だ…快楽の神経もきっと人並み以上の筈だぜ…その神経をな、全て剥き出しにしてやるよ…ちょっと触れられただけでも、ビクンビクン反応しちまうほどになッ…」 「ほら、どうだ?…もう既にオッパイが疼き始めてるんじゃねえのか?…早く触ってもらいたくて、ウズウズしてるんじゃねえのか?」 続けざま浴びせられる男達の言葉に、麻美は俯いたままの頭をブルブルと振り、否定の素振りを見せる。しかしそれらの淫らな言葉ははっきりと聴覚から流れ込み、身体の奥底で燻り始めた疼きを確実に刺激してくる。 (アアッ…な、何なの?…身体の奥から湧き上がってくるような、このチリチリとした感覚は?) 自分自身の肉体から湧き上がる疼きに、麻美は困惑の表情を浮かべる。その疼きは確実に快楽の色を強めているのであるが、麻美自身はそれに気付いてはいない。いや、無意識のうちに気付かない振りをしていると言った方が正解であるのかも知れない。 しかし、脇を固める二人の男は麻美の僅かな表情の変化も見逃しはしなかった。今までの経験上、この催淫剤を投与された女の肉体から精神に至るまでの変化は、手に取るように把握できるのだ。 (クククッ…遂に催淫剤が威力を発揮し始めたみてえだな…だがな、まだまだ今からだぜ…どうにもたまらなく欲情しちまうのはな…) 田所はニヤリと笑みを浮かべながら大男を見遣り、すると大男も卑猥な笑みを浮かべたまま相槌を返す。このお上品で清楚な人妻を、今からドロドロの色情地獄に陥れることを想像しながら… |