目録へ  悶絶投稿へ戻る  新人太郎さんへの感想はこちら


 第二話:つかの間の休息

 自分の席に戻った紀代香は、頭が痛くなってきた。
自分の机の上にある未処理の書類の数が増えている。
月末が近づいているからだ。
ただでさえ忙しいこの時期に、突然割り込んできた午前中のくだらない仕事。
そう、警官募集のポスター撮影にモデルとしての協力である。
そのおかげで、今日一日の仕事の予定が大幅に狂ってしまったのだ。

 結局、紀代香が自宅に帰り着いたのは深夜の0時前であった。
今日一日を振り返り何をしたかと思い出してみると、ただ自分の苛立ちを増やしただけである。
つまらないデスク・ワークと作り物の笑みを浮かべるポスター撮影。
彼女にとっては現場で陣頭指揮を取り、動き回るのが一番楽しい事である。
しかし今日は、それができなかった。
ただ、疲れただけの一日である。

 紀代香は、大きな溜め息をつきながら自宅の玄関の鍵を開けた。

 一人暮らしの彼女である家の中は、当然、真っ暗である。
玄関の廊下の明かりをつけ「ただいま」を言う相手もいない部屋へと進む。
荷物はソファーに投げ出し、出勤時に開けておいた窓を閉じカーテンをかける。
そして地味で真面目な紺のスーツを脱ぎ、荷物と同じようにソファーに投げかけた。
上半身は白いブラウス、下は光沢のあるパンストと言う姿でバスルームへと向かう。

 浴槽にお湯を張り、ブラウスのボタンを外しながら洗面台の鏡の前に立った。
ブラウスを脱ぎ去ると、豊かな胸の谷間が姿を現す。
その豊かな胸は、ハーフ・カップのブラジャーから今にもこぼれ落ちそうな感じである。
彼女は、腕を背中にまわしその豊かなバストを押え込んでいる淡いベージュのハーフ・カップのブラジャーのホックを外した。
プツッと言う音とともに、豊かな胸を押え込んでいた下着が取り外される。
白い背中や脇には、その下着のなごりが少し赤く残っていた。

 驚く事に紀代香の豊かな胸は、ブラジャーという支えが無くなっても美しい形を維持していた。
彼女の重量感のある柔肉の中央にある少し濃い目のピンクの胸先は、ツンと上を向いている。

 紀代香は、両手を光沢のあるパンティ・ストッキングの腰の部分に手をかけた。
そしてグイっと腰のゴム地の部分を広げて、一気に膝のあたりまで下げた。
ここからは、片方の脚ずつ丁寧に脱がさなくてはいけない。
ストッキングが伝線し、無駄になってしまうからだ。
彼女は、細く引き締まっている脹脛とストッキングの間に両手の指先を滑り込ませた。
するとストッキングは、スルスルと彼女の肌から簡単に離れていく。

 パンティ・ストッキングを脱ぎ終わると紀代香は、最後の一枚に手をかけた。
それは、彼女の女の部分をカバーしているシルク地のピンクのパンティである。
美しい曲線を描いたヒップとパンティの間に、指先を差し入れてスッと下に降ろした。
パンティの股間の部分が、密着している女の部分から剥がれた瞬間、モワッと雌の匂いが解き放たれる。
もしこの場で男がその雌の匂いを嗅げば、一瞬にして雄の野獣と化してしまうであろう。
しかし当の本人は何も気にせず、最後の一枚をた易く脱ぎ捨て浴室に入った。

 熱いシャワーの飛沫が、紀代香の苛立ちを和らげた。
彼女にかかった水滴は、その理想的な体の曲線を伝わり足元へ向かって流れる。
紀代香は、石鹸を取り体から汗の匂いを消し始めた。
両手が、張りのある白い肌の上を滑るように動く。

 「うっ・・・」
彼女の片方の手が、胸元を通過した時だった。
甘い感覚が胸の先から全身に広がる。
紀代香は、豊満なバストを下から持ち上げるように両手で押さえた。
そして、軽く揉むように手のひらを動かす。

 「ふぅ・・・」
悩ましい溜め息が浴室にこだまする。

 紀代香は、柔らかなそれでいてしっかりと弾力のある胸の中央に、人差し指を伸ばした。
指先が少し濃い目のピンクの胸先を捕らえる。
すると石鹸によって滑りがよくなっている指先の動きが、適度な快感を彼女に与えた。

 「ん・・・」

 紀代香は、指先をやさしく動かし続けた。
今日一日の疲れが、少しずつ消えていく感じである。
だが、指先にそれまでにはなかった固い手応えを感じ始めた頃、彼女は胸を洗うのをやめた。

 風呂から上がった紀代香は、冷蔵庫を開け冷たい飲み物と取り出す。
100%のオレンジ・ジュースをグラスに注ぎ、生まれたままの姿で一気に飲み干す。
グラスが空になると、彼女はそのまま寝室へと向かった。

 紀代香は、眠る時は何も身に付けない時が多かった。
その方が、リラックスして眠れるからである。
白いシーツに身を包み、ゆったりとしたサイズのベッドで横になる。
しかし、眠れなかった。
日中の仕事のせいで神経が高ぶっている。

 紀代香は、左手で自分の胸を掴んだ。
ゆっくりと豊かな乳房を揉みほぐし体をその気にさせる。

 彼女は、すでに男を知っている体であった。
だが、彼女を本当の女に変えた男はこの世にもう存在しない。
その唯一、紀代香が知っている男性は、彼女が二十歳の時に交通事故で亡くなっていた。

 それ以来、紀代香は、男を好きになる事もまた男と交わる事もしなかった。
彼女は、その自分にとって唯一の男の顔も名前もしぐさも全て忘れた。
いや、忘れるように努力した。
しかし、哀しい事に体はその事をしっかりと覚えていた。
激しく肉欲に溺れていたあの頃を。

 気が付くと右手が、自分自身を慰め始めていた。
一人でするのは、これが初めてではない。
特にストレスが溜まり出すと、必ずと言っていいほど自分の指で慰めていた。

 紀代香は、左手の指を大きく開き親指と薬指で少し濃い目のピンクの乳首を押え込んだ。
彼女の豊満な胸の柔肉に、指先が固くなった乳首と一緒にめり込んでいく。

 「はぁぁぁぁ・・・」

 彼女は、自分の秘所から少しずつ染み出してきた透明の粘液を、右手の人差し指で大陰唇と小陰唇の間の溝にやさしく引きのばし始めた。
両胸と股間から心地よい快感が、体を熱くしていく。
十分に自分の肉唇を潤わせてから、今度は肉唇の間に中指を滑り込ませた。
指先が、少し膣口にふれた。

 「う、うぅん・・・」

 男を受け入れるソノ部分が、ヒクヒクと動いているのが指先に伝わる。
紀代香は、まだ指を入れずに自分自身の内側の粘膜を上へとなぞり上げる。
そして、まだ包皮にやさしく包まれているクリトリスを、円を描くように指を動かし刺激した。
すると、ジーンと痺れるような快感が、頭の中まで響いてくる。
紀代香の体の奥からは、その快感によって新たな蜜液が湧き始めた。

 紀代香は、体が熱くなり始めたのを確認すると、一気にクライマックスを目指した。
本当ならじっくりと時間をかけて楽しむのだが、今日はあまり時間がない。
しかし、とりあえずスッキリさせない事には眠れそうにもなかった。

 紀代香は、指先でそこそこの潤いを確認すると左手も股間へと伸ばした。
そして、左手の人差し指と中指を潤いだした膣内へとゆっくりと入れ始める。
同時に右手の親指と中指で、勃起した肉芽を包皮から露出させた。

 「はふぅ・・・」

 左手の二本の指先に膣壁のザラついた感触が伝わる。
彼女は、その二本の指をグイッ、グイッとクネらせながら蜜壷の奥へと入れ込んでいく。

 「んっ!・・・んっ!・・・」
右手で露出させたクリトリスの根元をしっかりと押さえ、中指をそっとあてがう。

 すでに左手の二本の指は根元まで、自分の肉壷に入れ込みクチュ、クチュと音を立てながら指を動かしている。

 「うくっ!!」

 敏感に快感を捕らえる勃起したクリトリスを、右手の中指で責め立てる。
さらに、左手の薬指でキュッと窄まっているアヌスにふれる。
すでに彼女のアヌスも、蜜壷から溢れた蜜液でヌルヌルとしていた。

 「は、はうっ!・・・」

 紀代香は、アヌスにふれていた左手の薬指の指先も、その中へと差し入れた。
ようやく全ての準備が整った彼女は、右手の中指を強く動かした。
彼女の全身の筋肉に力がこもる。
自分の体の中に入っている指が、締め付けられる。
紀代香は、剥き出しにした淫芽を力強く擦った。

 「うっ!・・・」

 紀代香は、自分の手によって達した。
ドクン、ドクンと心臓の鼓動に合わせて快感が流れ込む。
彼女は、軽い絶頂を迎えるとそのまま秘所に手を添えて深い眠りに就いた。
明日からの仕事に備えて。


悶絶投稿へ戻る 第1話に戻る 第3話へ進む