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  『タナトスの囁き』 (5)                                  久遠 真人作         

【5】未体験領域

チュッ…チュッ……ピチャ……ピチャッ……

静かなリビングに舌が絡まりキスを交わす音が響き渡る。どれくらい、それを行なっていたのだろう。キスを交わすたびに……胸も揉まれる度に……これまでの異性では感じた事のない快楽が真帆の理性を押し流していく。
気が付くと、いつのまにかバスローブは脱がされ、真帆は薫によってソファの上に全裸で押し倒されていた。彼女の舌が首筋を這い、脇の下を通りながら芸術的に括れた真帆の腰を舐めていく。彼女の10本の細い指は、同姓が故にわかる快楽のツボを的確に刺激し、時には優しく、特には痛いぐらいに刺激を与え、その度に真帆はソファの上で身を捩じらせ身悶えした。真帆の裸体は自身の汗や薫の唾液によって全身を隈なく濡れ、身悶えするたびに照明を浴びキラキラと光った。

「アンッ! アンッッ!…………ハァァァァ!!」

延々と責められ続け、身悶えするほど快楽を与えられる……だが、薫から与えられる刺激は、後一歩という所ではぐらかされ続ける。そのイケないもどかしさにが真帆を切なくさせた。

「もっと……もっと……」
「もっと……なんなの、真帆?」

目を潤ませ切なそう見上げる真帆に、薫は意地の悪い笑みを浮かべ尋ねてくる。

「……薫の意地悪……」
「ふふふ、意地悪で結構。私はちゃんと真帆の口から聞きたいな?」

真っ赤になり顔を逸らす真帆に、薫はニコニコと優しい笑みを浮かべると耳元に熱い吐息を吹きかけながら囁いた。

「アンッ!………だって……は、恥ずかしい……」
「じゃぁ、ちゃんと言えるまで、お預けだね」

薫に耳に舌を入れ耳たぶを甘噛みされると、真帆は身を捩じらせ切なそうに啼いた。

「……イ、イカせて下さい……」
「お願いするには言葉が足らないんじゃないの?」

必死に言葉を搾り出した真帆に、薫はつれなく冷たく答えると、充血し唾液で濡れ起つ乳首を摘むと軽く捻あげる。

「ヒッ!……お願い……イカせて……下さい……お願いします」
「うん、ちゃんと言えてイイ子だ。じゃぁ、イカせてあげるわね」

薫は妖艶な笑みを浮べると、真帆に自ら淫らに大股を開かせると、敢えてまだ指も触れていなかった秘部へと舌を這わせた。

ヌチャッ……ピチャッ……グチャッ……

まるで子犬がミルクを舐め取るように、とめどなく溢れ続ける愛液を啜り舐め取るり、その上で痛いぐらいに充血し勃起する肉芽を軽く舌で舐めあげた。

「ヒンッ!…あっ!…あぁぁぁぁぁぁ!!」

それだけで、真帆は背を逸らしビクビクと体を痙攣させる。その反応にほくそ笑む薫が秘肉を指を押し広げると、その奥よりゴプッと大量の愛液が溢れ出てきた。
その途端、2人の周囲に牝臭が益々強く立ち込めた。

「あらあら、下の口はドロドロで凄い事になってるわね」
「普段の理知的で清楚な顔に似合わず、この淫らな体のギャップが堪らないわ」

薫は真帆の被虐心を煽るような言葉を何度も浴びせながら、ヒダを一枚一枚確認するかのように押し広げ表も裏も丹念に舌を這わしていく。その度に秘部からは新たな愛液が止め処もなく溢れ出してくる。

「ふふふ……こんなに感じてくれてるのね……嬉しいわ、真帆」

口の周りにべっとり付いた真帆の愛液を舌で舐めりながら、薫自身も興奮したように目を爛々と輝かせている。
そうして、今尚、愛液を溢れ出し続ける源泉に細い中指をズブズブッとゆっくり埋めていく。真帆の膣内はすっかり熱を帯び、挿入された指を嬉しそうに締め付けていく。

「あらあら、がっついちゃって……慌てなくっても、ちゃんとあげるわよ」

ゆっくり指を掻き回す度に、ニチャニチャッと大きな淫らな音を奏でる。

「い、いやっ! は、恥ずかしい……」

真帆は真っ赤に上気した顔を両手で隠し、左右にイヤイヤと首を振る。
だが言葉とは裏腹に、秘肉はすっかり充血して、左右に口をぱっくりと臓物を曝け出さんばかりに大口を開け、腰は挿入された薫の指から、更に刺激を得ようとクイクイと前後に淫らに振り続けている。

「ふふふ、心より体は正直ね。指が一本じゃ全然物足りないみたいね」

真帆の耳元で囁き耳を甘噛みしながら、薫は更に人差し指を添え2本の指で蜜の溢れる肉壺を激しく掻き回す。

「ヒッ! ウアァァァァ……アンッ!クウゥゥ!!」
「ふふふ……ここら辺は、特に良いでしょ?」

挿入し前後にピストン運動をする中指を折り曲げ、Gスポットに指先を擦るようにすると、真帆の喘ぎ声が更に高まる。

「どう?真帆……気持ちいい?」
「アヒィィィ!…イイ!……イイのぉぉぉ!!」

残った左手で真帆の右の美乳をタプタプと揉みしごき感触を楽しみながら、左の痛いほど充血しいきり立つ乳首をガリッと噛む。そうしながら挿入している右手の親指で肉芽を押し潰すと、真帆は背筋を弓なりに逸らし、顎が外れんばかりに口を開け、声にならない嬌声をあげた続けた。

「イク時は、ちゃんと教えてね?わかったわね、真帆?」
「は、はひぃぃぃ!……も、もう……イ、イキ……そうです!!」

ヒシッと両手で薫に抱きつく真帆に満足そうに微笑むと、薫は挿入した指の動きを早めた。

「ヒッ!……アッ!……ダ、ダメ……」
「遠慮せずにイキなさい!ほーら、もう一本サービスよ!!」

そう言うと、薫は右手の薬指を溢れ出した愛液でグッショリと濡れたアナルに突き立てた。

「ヒッ!ヒィィィィ!!…イ、イクぅ!………イキますぅぅぅぅ!!」

真帆は今まで経験した事もない、全身を貫き押し流すばかりの激しい快楽の濁流に意識を押し流されていった。


薫は挿入し手首までビッショリと濡れた指を股間から離すと、立ち上がり真帆を見下ろした。同姓特有のネットリした責めによる持続する快楽によって意識を飛ばし、真帆はグッタリとソファに横たわっている。尚も押し寄せる余韻の波に、時折肢体をビクビクと震わせている。
その光景を薫は満足そうに微笑むと、近くに置いてある拘束具に気が付き、イタズラを思いついた子供のような笑みを浮べた。




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