【3】鍵なる言葉
開店直後の工務店に立ち寄り南京錠を切断する為の工具を購入すると、翔子は車をモーテルへと入れた。
最初は普通のホテルをと考えたが、後部座席の女性の姿を見て断念した。
受付で手続きをすませ一番離れの部屋を借りると、人目に付かないようにぐったりと寝息を立てている女性を苦労して抱えあげ、部屋へともぐりこんだ。
(ああ・・・なんかぁ・・・変な気分になっちゃいそう)
翔子は抱き上げた女性の姿をみて、自分の心臓の鼓動が激しくなるのに戸惑った。
「さ、さてぇ・・・まずはその口の鍵をなんとかしましょうか!」
自分を誤魔化すように慌ててベッドの上に女性をうつ伏せに横たえると、その脇に膝を付き工具で慎重に南京錠を切り始めた。
「ふぅ・・・やっと切れた」
女性に傷を付けぬように気を使いながら1時間ほどかかり全ての鍵を切断し、女性の拘束を解いた。
その途中で目を覚ました女性・・・霞から、翔子は詳しい事情を聞きだす事が出来た。
翔子は独りで立つこともままならないほど衰弱している霞を支えながら一緒にシャワーを浴びさせると、備え付けのバスローブを着させた。
ホッとして緊張の糸が再び切れたのであろうか、またガクガクと体を震え始めた彼女の体をギュッと抱きし、二人でベッドの縁に腰掛ける。
「そうすると、貴女を追っていたのは暴力団の人間なのかしら?」
「わかりません・・・ただ監禁されていた所は、白い白衣を着た医師や看護師みたいな人が何人もいて、まるで・・・病院みたいでした。私は、そこで・・・まるで人をモルモットや実験動物をみるような目でみられ・・・いろんな薬や・・・実験をされ・・・ました・・・」
俯き再び肩を震わせる霞を、翔子はそっと包み込むように優しく抱きしめた。
(なんて酷い・・・)
「そんなヤツら許せないわ!辛いでしょうけど・・・やっぱり警察に行きましょう!!」
「・・・け・い・さ・つ?・・・」
翔子にはジャーナリストとして、そのような悪事を放って置くことが出来なかった。だが、翔子はその時、抱きしめた霞に変化が現れたのに気が付かなかった。
しばらくすると霞の手がゆっくり伸び肩を掴んでいた翔子の手をギュッと強く握った。
(・・・あら?)
その時になって翔子は霞の手が異常に火照てる事に気が付いた。熱病にでも冒されたように首筋や目の周りをポッと桜色に染め、荒くなった呼吸によって胸元が大きく上下している。
「ど、どうしたの・・・?」
「なんだか・・・ボーッとしてきちゃって・・・あぁぁぁん」
そう言って舌で唇を舐める動作をする霞に卑猥さを感じドキッとした。
(ど、どうしたのよ、急に・・・?!)
悩ましく体をくねらせ、翔子を見上げる瞳は潤み、困惑する翔子の顔を映し出す。
「ちょっと霞さん・・・キャッ!!・・・だめ・・・だめよっ・・・ウッグッ!ウンッ!ウグッ!!」
さっきまで立つのもおぼつかなかった体とは思えない力でベッドに押し倒されると美唇を重ねられた。
「ちょ、ちょっと・・・どう・・した・・・ウグッツ!!」
霞は押さえ込むように腰に上に跨りながら、翔子の朱唇を割り舌を挿入してきた。
「うふっ・・・ウンンッ!ンンぅぅッ!!」
歯茎、葉の裏、上顎と口内を舌が蹂躙し、舌を強く吸われる。
同姓にキスされる嫌悪感から、押しのけようとする手は霞の左手によって頭上へと引き上げられ、手首を交差するように捕まれ凄い力で押さえつけられた。必死に左右に首を捻れば右手で顎をつかまれ無理矢理に口を開けさせられた。
霞のキスの手腕は、今までの恋人たちでは感じたことの無いものであった。その与えられる背筋のしびれるような快感に次第に嫌悪感も薄れ、激しく抵抗していた体から徐々に力が抜けさせていく。激しい快楽に悶えさせられる翔子は、次第に霞の舌を受け入れはじめ、舌を絡め口移しで流し込まれる唾液を嚥下しはじめた。
男のとは異なるねっとりとしたキスを熱い吐息を放ちながら交わすたびに二人の舌を繋ぐ唾の糸がキラキラと光った。
たっぷり30分は貪るようなキスをしていただろうか、霞はおもむろに自分のバスローブを脱ぐと、グッタリとして焦点の合わない翔子の腕を掴みベットボードに帯で縛り付けていく。そして翔子の両手をしっかり縛り付けると妖艶に笑った。その表情はさきほどまでの知的な彼女の面影はなく、まるで欲情した娼婦のようであった。
更に翔子のバスローブの帯も解き胸元を掴んで左右に引っ張ると、見事に盛り上がった美乳がプルンと弾け出した。
「綺麗で大きな乳房ねぇ・・・あらあら、乳首はしっかり立ってるわね」
「いったい・・・ねぇ、霞さん、どうしたの?・・・クウゥ!!」
いきなり霞に尖った乳首を弾かれ翔子は体を反らす。
「今は質問はなしよ・・・黙ってて、今はいい事をしましょう」
「じ、じゃぁ・・・これを解いて、ねぇ!お願い・・・アンッ!!」
「だーめぇ、黙ってられないみたいだから・・・こーしてあ・げ・る」
「なっ、や、やめ・・・ウグッツ!!」
そばにあったタオルを丸めて筒状にすると、顎を摘み限界まで開かせた翔子の口に無理矢理押し込んだ!
「ウグッ!・・ウゲッ!・・・ムッ!・・・フグッ!!グーッウ!!」
霞は笑いながら両手で体重をかけてどんどんとタオルを喉奥まで押し込んでくる。そのあまりの苦しさに目を見開き、涙を流し、背を反らすことしか翔子には出来なかった。
「大丈夫よ、ちゃんと鼻で息をしなさい。フェラしていると思えば、大丈夫でしょ? ふふふ・・・」
霞は、真っ赤になって一所懸命に鼻で息をする翔子を見下ろし妖艶な笑みを浮かべる。
「でも・・・ちゃんと言うことを聞かずに暴れるようだと、こうしちゃうわよ」
「フグッ?!・・・ンーッ!ンッンー!!」
霞に鼻を摘まれ、徐々に翔子の顔が真っ赤になっていく。目が見開かれ、必死で振りほどこうと首を左右に振り、縛られた手が何かを掴もうとするかのように指を蠢く。
「ムッフーッ!ウフッ!ウフッッ!!」
「あははは・・・あらあら、鼻水出てしまったわね。折角の美人が台無しだわ」
不意に鼻を摘まれていた指が離され、必死に息を吸い込む翔子の鼻から勢いあまって鼻水が飛び出すと、霞は笑いながら優しくタオルで拭ってやる。
「・・・で、ちゃーんとわかったかしら?」
必死で首を縦に振る翔子に気分を良くしたのか霞は優しく頬を撫ぜると、薄笑いを浮かべながら冷たい目で見下ろしていた。
「ふふふ・・・いい子にしてたら、うーんと気持ちよい想いをさせてあげるわよ」
【4】更なる恥辱
霞は部屋の電化製品からコードを抜き取ると、翔子の左右の足をそれぞれ折り曲げ足首と太股にグルグルと巻きつけた。更に縄尻をベッドの足元に括り付け、翔子をM字開脚になるように固定した。両手を頭上のダッシュボードに縛られている翔子は、パンティを着けているとはいえ秘部を曝け出す格好でベッドに縛り付けられてしまった。
(・・・なんで私がこんな目にあわなければならないのよ・・・)
「ふふふ・・・何人もの男たちを蹴散らし、あんなに勇ましかったお姉さまが、なんてヤラシイ格好してるのでしょうね」
翔子は、その言葉に耳まで真っ赤にすると顔を背けた。
「でも・・・引き締まって綺麗な体・・・だわ」
運動で引き締まった翔子の体・・・曝け出された太股の内側をツツーッと根元に向けて霞の指を這うと、その太股がピクピクッと引きつる。
「グッ・・・クゥ・・・」
「ふふふ、敏感なのね。お姉さまは」
パンティの上からその細くて繊細な指で肉丘をさするように動かすと、そのまま下に這わせ布越しに秘肉の谷間とアナルの間を何度も指を這わした。
「グッ!・・・フゥ、ウッ!・・・クゥ・・・」
(・・・あぁぁぁ、やめて・・・霞さん・・・)
翔子はその指を避けようと腰を左右に振るが、それがかえって加虐心を煽る結果となった。
「あらあら、腰をふっちゃって・・・ふふふ、そんなにガッツかなくても大丈夫よ」
激しく首を振って否定する翔子の姿を横目に、翔子のカバンから探し出したソーイングセットからハサミを取り出すと、パンティの脇のヒモに刃先を入れる。
「んんんっ!!」
「さーと、ご開帳・・・ふふふ、綺麗なピンク色ねぇ、とても年上と思えないぐらいだわ。」
股間に顔を近づけると、指で秘肉を強引に押し開いた。
ピチャプチャプチャッ・・・
霞は派手な音を響かせて秘肉の裏側に舌を這わせ舐め始める。
「クゥッ!ムフゥ!ムフゥゥ!!ウウウウゥッ!!」
翔子は精一杯、身をよじるが、微かに身体が揺れただけで吸い付いた霞を振り払う事などとうていおぼつかない。
ピチャピチャと霞が美肉を貪る音と、くごもった翔子の悲鳴だけが部屋に響く。
「ふふふ・・・嬉しい、お姉さまのクリトリスがこんなに大きくなってきたわ」
秘肉を掻き分けクリトリスを探し当てると霞は二本の指でゆっくりしごきはじめた。
「ふふふ・・・ビクッて反応して、ここも敏感なのね」
「フムーッ!ウムゥーッ!ウウゥグッ!」!
しごかれるたびに、翔子の喘ぎが口に押し込まれたタオルの奥で放たれる。
目は見開かれ涙を流し、しごかれるたびに腰が跳ね上がる。
(だめぇぇ、し、しんじゃうぅぅ!!)
秘肉を舐められ、肉芽をしごかれるたびに目の前が白くなり目の奥で火花が散るような快楽が続く。それが次第に間隔を狭めてくるのに翔子は恐怖し、激しく首を振った。
「ふふふ、イクのね。さぁ、まずは一回、お姉さまのイク姿を見せてね」
更に愛撫の激しさを増す。
「ウーッ、ウゥゥッ!ウゥゥッ!ウグゥゥゥッツ!!」
(イ・イク!イク!!イッちゃう!!)
翔子の目の前が真っ白に染まると、やがて意識は闇に落ちていった。
【5】白き迎え
既に陽が暮れ、窓から差し込む僅かな月明かりの中、翔子は霞の拘束具を着させられ後手に拘束されていた。足は胡坐のように足首を交差するように縛られ、その状態でベッドの上で四つん這いさせられると霞の秘部に頭を押し付けられ、清めるように舌で舐めさせられていた。
膝と肩で体を支え、黒革の拘束具で搾り出された美乳は体をベッドに挟まれ無残に潰され、高々と突き出された股間には、フロントより取り寄せた大小のバイブレータが鈍いモーター音を響かせながら二穴を塞ぎ、愛液をシーツへと撒き散らせていた。
「あぁぁ、もっと!もっと奥までシッカリ舌を入れなさい!お姉さま!!」
左手で翔子の頭を掴み自らの股間に押し付けると、右手にもった濡れた手ぬぐいを翔子の高々と突き出された尻肉へと打ち下ろす。その度にバチーンッと鈍い音が部屋に響き渡る。
「グッヒィィィ!!」
衝撃に体を仰け反らせた所を、首輪の鎖をグリッと引かれ再び頭を押さえ込まれると、翔子は開口具から必死に舌を伸ばして、ピチャピチャッと作業を再開させる。
何度も、そうして叩かれたのだろう、白かった美尻は、両方とも真っ赤に晴れ上がっていた。
「ふふふ、今、叩かれてイッたでしょう?勝手にイクなんて悪いお姉さまねぇ?」
「ゆ、ゆるひて・・・ゆるひてくだひゃい・・・」
涙目で必死で哀願する姿は、数時間前とは別人であった。キリリとした凛々しかった眉は苦痛と快楽でキュッと歪められ、気の強そうな切れ長の瞳には、強い意志の光が失われ、スラッとした細身の体には、奴隷のように黒革の拘束具で縛められ、首には隷属の証である首輪を嵌められている。
真っ赤に硬く尖ったクリトリスと乳首には、糸が巻かれそれぞれピンクローターが括り付けられ、切なそうに身悶えするたびに搾り出された美乳がプルプルと揺らしている。二穴に差し込まれたバイブレータが与える快楽に、愛液を垂れ流し勝手に動く腰を止められずにいる姿は、盛りの付いた雌犬のようであった。
・・・コンコン・・・
ドアがノックされる音が聞こえると、霞はスクッと立ち上がり、なにも身に着けずにそのままドアの鍵を外した。
ゆっくりとドアが開くと看護師のような白衣を着た二人の男たちが部屋に入ってきた。
その二人が部屋の安全を確認すると、医者のような服装をした細身の男が入ってきた。
「よく連絡をしてくれたね、霞、お前はいい子だよ」
「いえ・・・逃げ出した私がどうかしていたんです、白烏先生」
「逃げ出したと聞いて、最後の調整前だったのでヒヤヒヤしたよ」
白烏(はくう)と呼ばれた男は、にこやかに笑いながら霞の頭を優しく撫ぜると、眼鏡ごしにベッドに転がる翔子も冷たい目で見下ろした。
「まったく邪魔が入ったおかげでスケジュールが狂ってしまった・・・・・・が、思わぬ拾い物をしたかもしれないね」
まるで品物の品定めをするかのような、冷たい視線で見られ、翔子は自由の利かない体を縮こませた。
「霞は病院に戻って再検査をしよう、いいね」
霞はさも当たり前のように頷く。
「さて・・・この女性には、申し訳ないが緊急入院してもらおう・・・いろいろ知ってしまったからね」
「なぁに、特別病棟でじっくり治療して差し上げるさ。もちろん霞にも手伝ってもらうよ?」
白烏の言葉に、それまで不安そうに見上げていた霞の顔がパッと輝く。
「さて、それじゃぁ行こうか」
白烏は二人の看護師に次々と指示を出すと、霞の肩を抱き部屋を出て行った。
二人の看護師はそれを見送ると、ベッドの上から落ち、芋虫のように這って必死に逃げようとしていた翔子の元へ戻ってきた。
「へへへ・・・こう縛られていたら、自慢の空手は使えないよなぁ」
「夜だったんでわかんなかったけどよぉ、凄ぇイイ女じゃねぇか」
どうやら、昨夜、翔子によって倒された男たちらしい。男たちは、拘束され霞による数時間にわたる責めによって足腰の立たない翔子を両脇から掴み上げると、引きずるように外へと連行する。
「いは・・・はなひへ・・・」
必死に抗おうと体を揺するが、締め付ける拘束具がギチギチッと音を立てるだけで、男たちの手を振りほどく事すら出来なかった。
外に出ると一台の白いバンが後部扉を開いて停まっていた。バンの側面には「白烏精神病院」と描かれている。
男たちは暴れる翔子を軽々と持ち上げると、車内の設置されたストレッチャーにベルトで次々と縛り付けていく。
「いひゃ・・・いひゃぁぁぁッ・・・・・・た、たしゅけてぇぇぇ・・・」
翔子は恐怖で涙を流しながら弱々しく首を振る。だが、開口具によって声にならない翔子の悲鳴は、後部ドアがバンッと閉じると完全に聞こえなくなった。
そしてバンは静かに走り出すと、月夜の闇の中へと消えていった。
山奥の暗き森の中・・・
その奥深くにある高き塀と古びた鉄の門・・・
厚く重い鉄の門をくぐりぬけると、その建物は現れる・・・
『白烏精神病院』
今日もまた、泣き叫ぶ美しき患者たちが拘束され、車椅子に乗せられて、ゆっくりと治療室へと運び込まれていく・・・
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