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  『暴虐都市』 (3)                                    久遠 真人作         

【3】捕らえられし女教師

「・・・・・・ヒッ・・・・・・ヒッィィィ・・・・・・」
「ひゃっはははっ、もっともっとイイ声で啼け!!」

女性の悲鳴とも嬌声ともつかない声で、摩耶は酷い眠りから徐々に覚醒していった。
うっすらと目を開けると、目の前で二本の柱の間に設置されたX字の拘束台に身体を縛められた裸の女性を上半身裸の男が嬲っている光景であった。
だが、その女性の奇妙な格好に、摩耶は思わず目を見開いていた。
女性は頭をすっぽりと覆う黒革の袋を被せられていた。目なども覆われており、口元だけが唯一リング状の金具が付いた穴がポッカリと開いていた。その穴からはピンク色の下が突き出され、ダラダラと涎が垂れ落ちていた。
首には幅広の首輪がきつく巻かれ、その厚みで下を向くのもままならなそうだ。
豊満な釣鐘型の乳房は、乳首を貫通するリングピアスに天井から伸びる小さな鎖が繋がり、吊り上げられられている。
乳房の下から腰までは黒革のコルセットが巻きつき、今にも折れそうなぐらい女性のウェストを締め上げられてした。
女性の下半身は何も身に着けられておらず、拘束台によって大きく開かされた両足の根元では、2本の極太バイブレータが前後に差し込まれウィンウィンとモーターの激しい音と共にうねりを上げて愛液を周囲に撒き散らせていた。
男はその光景をニヤニヤして見つめながら時折、手に持った鞭を振り下ろしていく。
そのたびに、女性は手足を激しく痙攣させ牝声を放ちながら、失禁したように愛液を噴出した。

「くっ・・・・・・なんて酷い」

女性を奴隷のように扱うその光景に思わず顔を背ける摩耶であったが、同じような姿で拘束台に手足と腰を括り付けられている自分の姿に心が折れそうになる。
左右に立つ柱から延びた手枷足枷によって、四肢をX字に引き伸ばされている。気絶している間、負担がかかっていたのだろう肩がギシギシを悲鳴を上げている。
細い首には奴隷のように首輪を巻きつけられ、そこから伸びた4本のベルトが、摩耶の惚れぼれするような乳房の根元を絞り上げるようにキツク締め上げて、砲弾のようパンパンに変形させていた。
良く見えないが、下半身も衣服は剥ぎ取られているのだろう、スウスウして落ち着かなかった。

摩耶が目を覚ました事に気が付いたのが、男の女性を嬲る手が止まり振り向いた。

「ひゃはっ、やーと起きやがったぁ、白鳥先生よぉ。暇だったんでこっちの肉玩具を壊しちまう所だったよ」
「・・・・・・・・・その女性は?」
「あぁ、俺の一番新しい玩具だよ。ここ1ヵ月でしっかり調教してやってたところさ」
「・・・・・・・・・赤井秀一・・・・・・・・・貴方って、本当に腐ったヤツだったのね」

楽しそうに語る男・・・・・・赤井に対して睨み付けると、吐き捨てるように言い放つ。
身長は180センチはある長身で、剥き出しの上半身は無駄な脂肪はなく、鍛えられ引き締まった鋼のような肉体であった。今は上気し玉のような汗をうっすらと浮かべている。容姿に関してはどちらかっというと整った顔立ちをしており、笑うと細い目が糸のようになるのが特徴的だが、今はその目を見開き、顔の表面には凶暴性を剥き出しにしていた。

「その女性と私を開放しなさい!!」
「・・・・・・・・・へぇ、やっぱり白鳥先生って凄いね」

射殺さんばかりに視線に殺気を乗せて睨みつける。だが、そんな視線すらも心地よさそうに笑みを浮かべながら赤井は摩耶に歩み寄ってくると、無造作に砲丸のように突き出された乳房を鷲掴みした。

「ぐっ! やっ、やめなさい!!」
「相変わらず威勢が良いよねぇ、白鳥先生わぁ。手も足も出ないこんな状況になっているっていうのにさぁ!!」

根元から縊り出すように拘束具によって締め付けられた乳房はパンパンに張りつめている。赤井にはその乳房に五指の指先を食い込ませ、もぎ取らんばかりに荒々しく捏ね繰り回す。

「でも、先生ぐらいだよ。俺に対等の立場で立ち向かってきたのは・・・・・・・・・お陰で、俺はすっかり先生に好きになっちまったんだ」
「グッ・・・こ、これが・・・・・・・・・好きな女にする・・・・・し、仕打ちなの?」

摩耶は胸元の苦痛に美貌を歪めながら、突然の赤井の告白に困惑する。

「あぁ、俺は人を信用しない。信頼なんてアヤフヤなモノなんて信じられない。金、権力・・・・・・欲望に忠実で尻尾をする人間の方がよっぱど理解できる。だが・・・・・・白鳥先生はそのどれにも屈しない人なので驚かされたよ。だからかなぁ・・・・・・興味が湧いたのは」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「白鳥先生が抗えば抗うほど俺の興味は高まり、今では白鳥先生・・・・・・いや、白鳥 摩耶の全て、その身体も心も全てが欲しいんだ」

赤井が、まるで、手に入らない高価な玩具をねだる様に純粋に欲しているのが摩耶にはよく伝わってきた。だが、人をモノのように気軽に欲しがるその幼稚な思考に吐き気がした。

「ふざけないで、人の心はそんなに簡単に手にはいらないわ!」
「ふざけてなどいないさ、俺はいたって真面目だよ。それに今までだって、どんな人間だって最後には俺のモノになったしね。俺は欲しいモノは、どんな手を使っても手に入れるから。あんただって、こうしてココに繋がれているでしょう?」
「・・・・・・・・・くっ」
「あっちの肉玩具だって、最初は抗っていたけど、しっかり躾けたら今ではすっかり牝犬のようだぜ」

赤井は摩耶の乳房から手を離すと、正面の女性の傍に戻り女性の拘束を解き始めた。
女性は四肢を拘束しているベルトを解かれるとガックリと床に蹲る。

「おらぁ、さっさと歩け」

その女性の首輪に取り出した鎖を繋げると引っ張った。女性は必死に手足を踏ん張りヨロヨロと四つん這いで歩き始める。摩耶の目の前まで犬の散歩のように連れてくる。

「ウグッ・・・・・・ムゥ」

おもむろにズボンのジッパーを下げ、いきり起った怒根をさらけだすと、全頭マスクの口元に突き入れた。だが女性に嫌がるどころか従順に舌を絡め、頭を前後に揺すりながら一心不乱に奉仕をし始めた。

「どう?美味そうに咥えているでしょう? 強気なキャリアウーマンって感じの美人でね。最初は抗って反抗的だったけど躾けてやったら快楽に腰を振るマゾ牝犬に成り変ったよ」
「あなた、最低ね!」

楽しそうに語る赤井に、摩耶は腹の底から湧き起こる怒りを吐き出した!

「あぁ、あんたにとって最低野郎だろうね。だが、その最低野郎にこれから、あんたは弄ばれるんだぜ?!」

だが、摩耶の怒声は赤井の笑みを掻き消す事はできなかった・・・・・・


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