終章
11章(終章) 「きりーつ。礼!」 「あー終わったぁ」 「ねぇねぇ、今日はどこ行く?」 「さぁてと、着替えて部活ぶかつっ」 「うぁあ、これから補修だよ、まいったなー」 1日の授業を終えた生徒達が、教室で賑やかに戯れる。 天津の姉妹が淫ら世界の刺客と闘った翌日、学園はまるで何事もなかったかのように、まったくの日常の様子を取り戻していた。 あれだけ淫気を放っていた廊下も、蠢く触手で埋まっていた教室も、その前日と寸分代わらぬ状態になっている。 さらに、鬼獣淫界の媚毒によって乱交の極みを見せていた生徒・教師達も、その出来事はなにひとつ覚えていなかった。 それまでただ繰り返してきた、変わらぬ平穏な時間であったと、偽りの記憶を植え付けられていた。 そして。 学園中が淫欲に包まれた日があったことなど誰にも気づかれないまま、また穏やかな日々が始まった。 なんら変わることのない、明るく平和な学園の時間。 ただ。 ただ、ある二人の麗しい女生徒にだけ、あの日あの時、この場所で異変があったのだ。 周りの人間には判らない、しかしとてつもなく大きく、取り返しのつかないその変化とは。 「んぁ・・はぁぁ・・ん・・素敵ぃ・・しあわ・・せぇ・・」 「あぁっ!?だめよっ。今日は私の番の約束でしょう?」 まだまだ明るい日光が差し込む白い部屋。 揺れるカーテンは、その窓が開いていることを示している。 白いシーツが敷かれたベッド。医薬品が仕舞われたガラス戸棚。 ここは学園の保健室だった。 その部屋に、息を切らして走り飛び込んできた栗色ショートヘアの少女。 彼女は、部屋の中央で仁王立ちしている褐色の美女と、その麗脚にまとわりついている長い美髪を後ろで束た少女をみて、抗議の声をあげた。 後ろ手に扉のカギを閉め、つかつかと歩み寄る少女を無視して、一心不乱になにかを頬ばっているしゃがみ込んだままの乙女。 「ちょっと、おねぇちゃんっ」 「ンぼっ・・ぃやあ・・麻衣ぃ・・邪魔しないでぇ・・」 スートラの股間にそびえ起つものを、跪き、口に含んで奉仕していた亜衣。 その姉を、麻衣は後ろから引き剥がすように引っ張った。 「あらあら、なにをしているの?慌てなくてもいいのよ」 「だって、今日は私の番だもんっ・・朝から楽しみにしてたのにぃっ。授業中も我慢できなくてっっ」 怒りで真っ赤になって叫ぶ麻衣。 「授業中も・・なに?」 「え?」 知らず知らず叫んでいた恥ずべき行為。その言葉尻を、スートラが捕らえた。 「授業中、我慢できなくて、どうしたの?」 「え、あの・・」 はっと気づいた麻衣は、今度は恥ずかしさから赤面して俯いた。 いじらしい様子を見せる美少女を、美女は容赦なく問いつめる。 「ん?どうしたって?」 「あの・・だって・・」 なおも言いよどむ麻衣に対し、スートラはつまらなさそうにため息を付くと、 平然と言い放った。 「あっそ。言わないの。じゃあいいわ、今日はお預け」 「ひっ!?ひぃいいいっ!?」 お預け。 そのたった1つの単語に、麻衣は心底から狼狽し激しく頭を振った。 そして聞いている方が赤面してしまうほどの恥知らずな告白の言葉を叫んだ。 「・おっオナッ・・おなにひしましたっっ!すかっ・スカートの中にっ鉛筆つっこんでっ」 そのときの様子を再現するかのように、荒々しくスカートを捲り上げて自分の秘泉を弄り出す麻衣。 すでに濡れ雑巾のようにぐっちょりとしている下着ごと、蜜壺に白い指をめり込ませて腰を激しく震わせる。 「ぐっ・・ぐちょぐちょって・・弄り回してましたっ」 「弄っただけ?」 「あアアアっ!・・いっ・・イッチャいましたっ何度もっっなんどもぉっ」 「もう隠してることはない?」 「全部っぜんぶお話しましたっだからっお願いシマスッ私にもっっっっ」 自慰の快感と、躰を震わせるほどの肉欲。そしてスートラの言葉責めに、麻衣は完全に腰砕けとなり、姉のすぐそばに跪いて、身悶えのたうった。 以前の亜衣ならば、このような恥ずべき行為を厳しく律していたはずだった。 しかし、今の彼女は、彼女自身が愛する麻衣の淫猥な絶叫を聞きながら乳首を堅くそそり立たせ、秘泉から白濁した恥蜜を溢れさせる、淫らな牝に堕ちていた。亜衣は自分の欲望に翻弄され、麻衣を気遣う余裕もなくスートラの肉棒を舐め回すことをやめられないでいる。 「あはははははっ判ったわかった。泣くことないじゃないの」 腰に手を当て、肉棒を亜衣の口に突き刺したまま高らかに笑うスートラ。 「ちゃんとお話したご褒美に、ほら」 「んぼっ・・ぐびゅ・・ん・・キャアあんっっ」 足下で跪いてスートラに奉仕していた亜衣を蹴りとばし、麻衣を呼び寄せる。 「あぁっ・あっありがとうっございまぶっっっ」 足蹴にされた亜衣を気遣うこともなく四つん這いでスートラにすり寄ると、礼の言葉が終わる前に満面の笑み肉棒を頬ばる。 さっきまで姉が加えていた灼熱の肉筒は、その先端からにじみ出ている白濁蜜と、亜衣の唾液とが混ざり合い、さらに麻衣自身の涎がミックスされて、最高のご馳走になっていた。 夢中になって男根を舐め回す麻衣。 その隣で、スートラに蹴り転がされた亜衣は這うように近づくと、今度は麻衣のスカートの中に顔を突っ込んだ。 「んごっ・・ちゅぶぼっ・・ひゃわあんっ?おねえ・ちゃアアアン」 淫汁まみれの秘泉に躊躇なく貪りつくと、ぐっしょり濡れた下着の上から恥蜜をすすり上げる。 せっかくありついたご褒美を涎と共に吐き出し、甘い悲鳴をあげる麻衣。 酔いしれるように身悶え、恥じる様子もなく熱い堕蜜を垂れ流す制服姿の少女。快感に大きく震えると、徐々に体勢をずらし、同じく制服を纏ったままの姉の股間に顔を近づける。 亜衣のスカートに手をかけようとしたとき、すでにそこには大きな染みが出来ていることに気づいた。 麻衣は微笑みながらそのスカートごと姉の秘泉をかき混ぜようとしたそのとき、思わぬ手応えに目を見開いた。 「ふふ、気づいた?天津麻衣」 制服の厚い布越しに感じたものを確認しようとスカートを捲り上げると、白い太股の間にあるシンプルな下着は、すでにどろどろに濡れまみれていた。 だがそれは麻衣とて同じ。麻衣と違うのは。 「おっおねえちゃ・・これって!?」 「ぃヒィイっだめぇえ抜かなひでへぇっ抜いちゃやだぁあっ」 恥蜜まみれの下着をずらし、その中にあった異物を握り引き抜く麻衣。 ぶぽっ・・っという聞くに耐えない淫らな音を立てて亜衣の中から出てきたモノは、太く長い、男根の姿をした淫具だった。 しかもそれは、元々は天津の聖巫女が鬼獣淫界の魔物と闘うために生み出された正義の武具だったものだ。亜衣と麻衣が快楽に負けたとき、淫らな形状に変化してしまったあの恥道具。それがすでに姉の蜜壺にねじ込まれていたのだ。 しかも。 「ほら、いつから入れてたのか。教えてあげなさい」 「ぁはっ・ハいッ・・夜から・・昨日の夜から・ぃひっ・ずっと・入れてまひたぁっ」 「そんなっ!?」 亜衣と麻衣は先日の決戦に敗れて以来、毎日毎晩、この学園でスートラによる淫欲授業を受け続けていた。 そう、昨夜も絶頂に次ぐ絶頂で気を失うまで、亜衣も麻衣も快楽にのたうち、喘ぎ、叫び、悶え狂っていた。天津の武具を変化させた淫具も存分に活用した。しかし、最後はその淫具を抜き投げ捨て、スートラの肉棒が二人を順番に貫いてもらったはずだ。そして姉妹で何度も熱い樹液を中に浴びせつけられて、精神が蒸発するように気絶したはずだった。 「そんな・・どういう・・」 「まったく、どうしようもなく淫乱なお姉さんよねぇ?こいつはね、麻衣」 「ひゃアアっっいっイヒィっっぃっ」 スートラは床に転がる媚畜の股間に靴先を突き立てると、遠慮なく捏ね回した。無遠慮な仕打ちにも関わらず、天津の蒼い巫女だった娘は甘い声をあげ、床をひっかき、腰を跳ね上げて悦ぶ。 「こいつは、お前が気を失っている間に先に目を覚ますと、その天津の男根淫具を自分で突っ込んだのさ」 「ゥンンああっ・・だって・・だってぇえっ」 徹底した悦楽責めに完全に屈服した天津亜衣。 淫ら戦に破れるまでの崇高な精神の反動のように、恥辱の極みにまで堕ちていた。 腰が砕けたように座り込み、呆然と姉を見つめる麻衣。 すっかり快楽に溺れた亜衣をつま先で弄り倒しながら、麻衣の反応を愉しんでいるスートラ。 しかし、麻衣の口から出た言葉は、凌辱主であるスートラの予想を超えていた。 「ずっ・・ずるいっ!」 麻衣は両手を握りしめて抗議する。 「そのなのずるいよぉっっ!私だってもっともっと気持ちよくなりたかったのにぃっ」 心の中から出てきたその叫びはウソ偽りのないものだった。 天津亜衣と、天津麻衣は、スートラに、いや快楽そのものに囚われ続けていた。 快楽を貪ることを理由に争う姉妹。 その二人をしばらく笑っていたスートラは、さて、と前置きすると巫女たちに命じた。 「お前達が淫乱なのはよぉっく判ったわ。でも、私の前に来る時には、なにか約束してたはずじゃないかしら?」 頭上から聞こえるその声に、二人は悪戯を叱られた子犬のようにビクン、と反応した。 「あっもっ申し訳ありませんッ」 「い、いますぐっ」 慌てて立ち上がる双子の巫女。 そしてこの部屋に持ってきていた学生鞄を開けて中から天神の羽衣を取り出すと、制服を脱ぎ始めた。 二人はこの部屋にいる間は、いや、スートラという快楽の主人に淫らな餌をねだる時には、天神の羽衣を纏う約束になっていた。 身も心も快楽に染まってしまった二人は、もう天神の舞を踊っても、神聖な羽衣を呼び寄せることができなくなってしまっていた。 そのため、わざわざ凌辱の主人の目の前で衣服を脱ぎ捨て、鞄に納めていた羽衣に着替える。 「あぁ・・羽衣のまま・・また・・・ぁンン・・」 「聖なる衣をつけ・・てるのに・・・私、わた・しぃ・・・」 紅い巫女姿の少女は、これからの行為に思いを馳せて生唾を飲み込んだ。 蒼い羽衣の少女にいたってはこのあとに予想される出来事を想像しただけで早くも膝が砕け、立っていることすらおぼつかない。 戦いのための清らかな衣は、いまでは快楽をより大きく貪るための、ただの性道具のひとつにすぎなかった。 亜衣と麻衣は、天神の羽衣をまとい、スートラの肉棒に奉仕を始めた。 二人の濡れまみれている秘泉には、聖武具から変化した淫性具がねじ込まれている。 スートラの合図で、空間のあちこちからのたうって出てきた触手が、蒼紅の巫女を絡め取り、舐め回し、撫で返し、振動する。 その凌辱全てを受け取り、涎と涙を流して悶え狂う白い身体。 今のふたりにとって、精神を溶解するほどの快楽が、身体を燃やし尽くすほどの凌辱が、世界の全てであった。 窓からの日差しが紅く染まる時間になっても、羽衣のふたりは絶え間なく快感に震え、絶頂に悶え続けていた。 外からは、クラブ活動のかけ声や下校中の生徒の嬌声が聞こえてくる。 ガラス窓1枚を挟んで、平穏と淫獄が隣り合わせになっていた。 しかし、天津の姉妹は、その薄い壁の向こう側の世界に戻る事が出来なかった。いや、亜衣も麻衣も、平穏な日常へ戻る気持ちなど微塵も持ち合わせていなかった。 「ぉおっンぁあアアっっ!もうっもほっこのまま二人でいつまでもっ」 「そぉっそうよっ・・いつ・・までえ・・もぉっ・・快楽に溺れてぇっっイキ狂うの・・よぉっ」 「ぁぁあああっお姉ぇ・ちゃ・・っ!嬉・しいぃっっ!イクぅうんんっ!」 「んゃああ・・麻衣・・ま・ひぃ・・イク・・ぃくぅっっ」 すっかり二人の世界に入り込んでしまっている堕落巫女に、スートラは苦笑するばかり。 「あらあら・・・もう淫楽地獄に・・いや、あなた達には天国かしら?」 怨敵の皮肉にも、聖なる立場にいたはずの巫女達からは返事がない。 もう、なにもかもがどうでもよかった。 ただ、二人の躰と精神が燃え上がり、溶け落ち、混ざり合う快感さえあれば。 「身も心も、淫ら世界に堕ちて抜け出せないようね。いいの?それでも」 あきれたように嗤うスートラ。 その言葉に微かに反応した媚少女達は、なおも自慰に溺れながら声の主を見上げた。 「お前達は、もう絶対に聖なる天女には戻れないのよ。細胞のひとつひとつ、精神の全てまでが、二度と元には戻れない淫乱な牝媚畜になるの」 闇天女が自ら施した淫ら罠を、懇切丁寧に、堕落した聖巫女に言って聞かせる。そして、最後に、改めて訊いた。 「それで、いいの?」 「んぁああ・・身も・こころぉもぉ・淫らにぃ・・・」 「はぁあ二度と・・戻れない・・メスぅ・・淫乱ンン・・・」 輝きを失った瞳と瞳、そしてその奥の意識までが重なり合う。 「・・そん・な・・そンなぁのぉっっ」 「・・んな・・のってぇえ・・・」 天神の加護を受けた聖なる巫女戦士、天津亜衣。天津麻衣。 二人は緩みきった淫靡な顔を見合わせ、どちらからともなく淫らに微笑んだ。 そして次の瞬間、二人はより激しく股間をぶつけ合い、漆黒の輝きを見せる淫楽の極みへと弾け堕ちていった。 少女達の精神そのものが吠えたような、堕落した嬌声のハーモニーはまるで。 「「・・しッッッしあわせぇえエえええっっっっっ!!」」 それはまるで蒼と紅、2つの輝く宝玉が無惨に砕け散る音のようだった。 <完> あとがきとお詫び 拙作を最後まで読んで下さいましてありがとうございます。 ・・・途中、間が開きまくりましたこと、本当に申し訳ありません。 理由としてはいろいろとありましたが、ともかくお詫びするしかありません。 ・・・誰も待っちゃいねぇよお前の駄文なんか、という声も聞こえないでもないですが(汗) しかしまさか世紀をまたぐことになろうとは。自分でも驚きです。 さらに、不甲斐なさに嘆くばかりです。 本文に関しては、まったく、未熟さに恥ずかしい限りです。 語彙の少ないことといったら。同じ事ばかり書いてるし・・・。 でも、なんとか頑張って纏めました。 未熟さ、内容のおかしい部分、矛盾点は、どうか温かい目で笑って許して下さると幸いです。 なんだかしまらない後書きですが、とりあえず、感謝を再度。 拙作を読んで下さいまして、本当にありがとうございます。 発走除外 |