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  「西へ」 −バーシアアナザーエンド−             場面2

■ フェルナンデス 2月1日 21:00 寝室

オレは、バーシアの肩にそっと触れ、力強く自分のほうに引き寄せた。
歴戦の女戦士といえども、今はその影をひそめ、なされるがまま身体を預けてくる。
可愛い奴…でも、何故か目を開けたまま、こちらを見ている。

【[主人公]】「おい…目くらい閉じろよ」

そんなに可笑しいことを言った覚えは無いが、目元をふっと緩ませた後、ゆっくり目をつぶる。
若紫色に光る髪をなでながら、オレはゆっくり唇を近づけていった。

【[バーシア]】「んくっ…」

唇が触れた瞬間漏れ出る、甘い吐息。待ち構えていたように反応は早い。
しっとりとした唇の感触を確かめると、より隙間を埋めるように、口と口を一つにしていく。

【[バーシア]】「はうん!……ちゅぶっ…んぐっ!!」

バーシアの全てが欲しい。
その分泌される唾液の一滴ですら勿体ないとばかりに、可憐な唇を割り裂き、舌を挿れながら吸い尽くしてゆく。
小鼻をかすかに、膨らませ、甘痒いような息をしながらも、拒もうとは決してしないバーシア。

【[バーシア]】「うく…ずじゅっ…」

お互い湿った吐息を漏らしながらも、オレは、柔らかく膨らむバーシアの胸に片手を伸ばしてゆく。
こちらに来てから一層膨らみを増したその肉丘の頂点に手を這わせると、瞬間ピクンと震えるような反応を見せるが、それ以上の抵抗はしない。
彼女自身がこの愛撫を待ち望んでいたはずだから…
ゆっくり手のひらで包み込んでいくと、彼女の生命の鼓動が伝わって来る。
その柔らかくとろけそうな果実を揉みこむ度に、全身で律儀な反応を返してくる。

【[バーシア]】「はぁ…はぁ…んぐっ……」
【[主人公]】「フフ…随分気分を出してきたみたいじゃないか…」
【[バーシア]】「…くっ…」

バーシアは悔しそうに上目遣いに見てくる。が、事実のためか言い返してはこない。
仮にも北ではエースパイロットという絶対的なエリートだったわけだ。
男に見下されたような言葉遣いには、彼女のプライドが許さず、反発したくもなるのだろう。
もっとも北は北で、たっぷり宗旨替えをするように調教されていたはずだ。
だが結局のところ彼女の本質までは、捻じ曲げることはできなかったということだろう。
そんなものは、いくら薬や肉体改造をしようが所詮無駄な作業だ。
こういう気性の激しいお嬢さんを完全に手懐けようとすれば、心の底から相手に身も心も捧げるというように自ら思わせないと…
単なる調教というだけではなく、もっと大きなもので包み込む必要があるわけだが、北のお偉いさんはその辺の扱い方をわかってはいなかったのだろう。
女はモノとは違うのである。

【[主人公]】「今更、恥ずかしがる間柄じゃないだろう? それとも、感じているってのが図星なのかな?」
【[バーシア]】「な、何!?」

少しからかってやると、すぐにムキになる。そこが可愛いところでもある。
オレと出会ってから、随分様々な感情表現も豊かになったものだ。
お返しとばかりに、バーシアの細い指が、股間で布を突き破らんばかりに張り詰めている男根を、ツーッとなでてくる。

【[バーシア]】「オマエこそ…ズボンの前をこんなに膨らませて随分苦しそうじゃないか? 一体何を期待している?」

くっ…コイツ…こういう性悪な奴にはこうしてやる!
お互い様とばかりに、ニヤニヤ笑っているバーシアの笑みを強引に封じこめるように、強引に唇を奪いにいった。

【[バーシア]】「なっ!…卑怯……んぐう…んん…」

オレの予想もしない奇襲攻撃の前に、戸惑い気味だったが、順応し徐々に押し返してくる。
激しく口を吸いあうと、黒糖のような甘美な唾液の味が口腔内にじっくりと広がってゆくのだ。
バーシアの唾液には少女特有の蒼い固い果実の味わいだけではなく、むせ返るような大人の成熟した匂いも多分に含まれてきている。
北での陰惨な肉体改造と調教の連続は、少女を年齢不相応のセックスマシンとしての役割を果たさせるため、無理矢理女へと開花させたのだろう。
それが、本来バーシアが持っているはずの優しい微笑みも奪い去り、心を閉ざし、戦闘のみに生きがいを求める女戦士へと作り変えたのだった。
少女と大人の女の混ざり合う背徳の香り…それが鼻腔をくすぐり、脳内をしびれさせるように満たしてゆく。

【[バーシア]】「ちゅぶ…くちゅ……」

この世界の中で、今、そこしか動くものが無いかのように、無心で互いの舌を絡ませあう。
口腔内の粘膜を舌先で擦りあげ、ねばっこい唾液を、はしたない音がするのも気にせず啜り合うのだ。
バーシアがズジュッと強く吸い上げてくるので、ねっとりとした唾液を送りこんでやると喉を鳴らしながら美味しそうに飲み込んでいくのである。
それどころか、もっともっととせがむように最後の一滴までも吸い尽くそうと、頬をへこませ吸引さえするのだ。
もはやバーシアは完全にオレのものだ。
こいつを誰にも渡してなるものか!

【[バーシア]】「ちゅるっ…ちゅる…ああ…美味しい…」

相手の唾液を飲み込まされて、礼を言うような作法は北でみっちり教え込まれたのだろうか。
しかしそれが仮初のものなのか、本心からの言葉なのかは最近は気にしなくなった。
それはそうだろう? ココにいるのは、オレとバーシアの二人だけ。
そのバーシアがオレのためだけに、これだけ濃密な奉仕をして、小憎いばかりの台詞を聞かせてくれるのだ。
他に何が必要だというのだ?

【[バーシア]】「んぐ…んぐぐっ…はぁ…はぁ…」

唇の端から溢れ出る涎で、互いの口元は既にベトベトだ。それでも狂ったように、互いに唇を、獣のように荒々しく求め合うのだった。
頭の中では満足しているつもりでも、身体の別のところからはもっと深く貪欲に、と喉の渇きにも似た欲求がとめどなく溢れてくるのだ。、
吸っても吸っても、尽きることなく水蜜桃の樹液は湧き出してくる。味わえば味わうほど麻薬のように、やめられなくなるのだった。
ここに居るのは、ミサキの母親でも、元科学者でもなんでもない。
ただの発情した雄と牝に過ぎないのだ!

【[バーシア]】「はぁ…はぁ…はぁ…」

永遠とも思えた口づけを終え、オレは遂に口を離した。
大きく息をしながら、バーシアは名残惜しそうに見つめ返してくる。
絡まる視線。
オレはそんな顔を見返しながら、何も言わずともバーシアは次にやることは決まっているとばかりに着衣をスルリと脱ぎ捨ててゆく。

【[バーシア]】「………」

目の前にあるのは、飾りたくなるような研ぎ澄まされたような肢体である。
ピンと張りのある肌。女豹のようにしなやかな筋肉…
もちろん絶妙な均整がとれた身体は大人のまろみを帯び、下半身からは、牝のフェロモンが立ち上ってくるようである。
不必要に濃くない恥毛からは、男を誘うことでは如何なる香水にも負けない怪しげな陽炎すら立ち昇っているかのようだった。
しかし、そんなに魅力極まりない身体を持ちながら、バーシアは、恥ずかしいものでの晒したかのように頬を紅潮させ、軽く俯いている。
全くコイツという奴は…
そんな心配性なお嬢さんには、口に出してやるのが一番だ。
オレはバーシアを知り合って、何百回言ったか分からない台詞を口にする。

【[主人公]】「綺麗だよ、バーシア…」

途端にこわばっていた顔が緩む。

【[バーシア]】「そう思っているから、ワタシと一緒に居るんじゃないのか?」

こちらが気を遣ってやっているというのに、この態度だ。
なんだか勝ち誇ったように言いいやがって…なんだかムカつく!

【[主人公]】「そんな軽口を叩く奴は、こうしてやる!」
【[バーシア]】「きゃっ!」

やや小ぶりな胸に見えるが、充分弾力のある乳房を、直接掌で抱え込む。
ヒクヒクと手の中で跳ねるような若い肉感を楽しみながら、先端が十分にとがり刺激を待ちかねた乳首をコリコリと愛撫する。
その度に身体に何かが走り抜けるように、腰が砕け、クネクネと白い裸身を身悶えさせるのだった。

【[バーシア]】「あふん…ダメ…そこは……アフッ!!!」
【[主人公]】「フフ…先ほどまでの余裕は、どこにいったのかな? 胸を触られただけでこんなに反応して…」
【[バーシア]】「そ、そんな…こと言ったって…くふっ…」

バーシアが、胸への愛撫だけで、これだけ敏感に反応してしまうのには訳がある。
かつて優秀な女兵士であったバーシアには、戦闘時の能力を増強させ、不用な感覚はシャットアウトできるような特殊な脳内プロテクターが施されていた。
それがオレたちに捕まり、ティサリスの度重なる常軌を逸した”尋問”により破壊され、北での牝奴隷として、”使用者”の良いように改造され尽くした淫らな肉体が剥き出しになっているのだ。
性感だけでも通常の数倍、触れられただけで男に尻尾を振るように仕向けられた呪われた肢体を。

【[主人公]】「どうしたんだ? 目元を潤ませて…胸だけでイキたくなってきたのかな?」
【[バーシア]】「フン……ううっ…」
【[主人公]】「フフ…強がっても、こうすれば…ほら」
【[バーシア]】「あううっ……くっ……」

巧妙に乳房をタプタプと揉み揺さぶり、その艶かしい感触を心地よく堪能しながら、汗ばむ隆起を時折グイグイと揉み込んでみる。
その度にバーシアは、糸を引いたようなせつない喘ぎ声を上げるのだった。

【[主人公]】「気持ちよさそうな声を出しやがって…お前のほうこそオレをどう思っているんだ?  ほら、素直に白状しな」
【[バーシア]】「あふっ…んんっ…」
【[主人公]】「一度聞いてみたいと思っていたんだ。君みたいな気の強い女の子が何故GIGOが崩れ落ちる寸前に、オレを助けたのか。オレに惚れているってことはないよなぁ?」

汗ばむ額に、ペタリと何本かの髪を張りつけながら、恨めしげにこちらを見上げるバーシア。目は真摯なようで、奥には官能の炎が立ち上っているのが見て取れる。

【[バーシア]】「…こんな、ワタシの弱いところばかり…卑劣な!」

口ではそう言いながらも、欲望に上気した顔の奥底には、どこか怪しい期待がくすぶっているのも見逃せない。

【[主人公]】「おいおい、弱いところばかりって、肝心なところには、指一本触れていないんだけどな」
【[バーシア]】「………」
【[主人公]】「それに卑怯な手段というのは、以前君に使った怪しい機械や薬のことを言うんだぜ」
【[バーシア]】「フン…あんなの思い出したくもない…」

確かにバーシアを捕虜として捕獲した時には、オレもティサリスに交じって、考えられうるありとあらゆる責めを、このバーシアの肉体に加えつづけたのだ。
妖しげな薬なナノマシンなど、施設に備えられていた最高の責め道具の数々を。
しかし強固なプロテクトで防御されていた当時と今とでは状況がまるで違っている。
今の身体で同様の媚薬などを使われたら、まず身体が持たないだろう。
それでなくとも、これだけ性感が過敏になっているのに。

【[主人公]】「君だけにこれだけたっぷりサービスをしてあげているのに、まだ足りないと言うのかな、お嬢さんは。 貪欲ぶりにも困ったものだ」
【[バーシア]】「はぐっ…うう…ああん……くぅ…」
【[主人公]】「やれやれ…もう少し続けるとするか。我がままなお嬢さん」

二本の指で双乳の頂点で、ツンと自己主張している蕾を集中的にいたぶっていくと、進退窮まってきたのか、無意識のうちに腰をのたうたせて、苦しげに押し殺したような声を挙げ始めた。

【[主人公]】「さあ、いつもみたいに胸だけでイッてみろ。遠慮しないでいいぞ」
【[バーシア]】「くぅ…ああ…」

悔しそうに歯を食い締めているが、胸から溢れ出る悦楽には勝てないようだ。一声泣くと、髪を振りたて、一層身体を弓なりに仰け反らせて、達してしまったようだ。
言葉どおり胸だけで…
これほど淫らで敏感な身体を、呪わしそうにバーシアは、よく語っていた。
なんでも北での元の”マスター”は、女だけを一方的に感じさせては、イキ果てる様を嘲り笑ったというのだ。
バーシアも、その男の意のままに、当時北での最高の技術を持って、触れば溶けるような色情狂にも似た身体に改造されてしまったというわけだ。
本来なら最強の戦闘マシンを作る人体改造技術も、恣意的に流用すれば最凶の官能ペットを作ることも可能なはず。
もちろん、普段の彼女は、鉄の意志で、じくじくと身体の奥底からにじみ出る欲情を封じ込めてはいるのだが…

【[主人公]】「だらしなくイッたようだな。じゃぁ、余韻に浸っている所を悪いんだが、オレにも奉仕願おうか」
【[バーシア]】「…ウッ…ハイ…」

少し抵抗する素振りを見せるが、うちから湧き上がってくる官能のほむらには抗えないようである。
まだ息も荒いバーシアの前に立つと、おずおずと股間をズボンの上から撫で挙げてきた。柔らかいバーシアの指先の動きがたまらない。

【[バーシア]】「もう、張り裂けそうね」
【[主人公]】「君があまりにも艶かしく泣き叫ぶんでね、つい」
【[バーシア]】「言ってくれるわね!」

慣れた手付きで、オレの着衣をゆっくり剥いてゆく。最後の一枚を脱いだときには、バーシアの眼前に男の象徴が誇らしげに突き出されていた。

【[バーシア]】「もう、こんなになって…」

そう言いながら、愛しそうに指で、たぎっている肉棒をゆっくり撫で上げる。そして、こちらを見ながら言った。

【[バーシア]】「いつものように、口でする?」

GIGOから命からがら逃げ帰り、半身を失うほどの傷を負ってからは、激しい運動はなるべく控えるようにしてきた。身体の負担になるような運動は正直辛い。
そう、セックスも含めて。
そのため、大抵は、手と口で処理してもらっていたのだ。
オレは同意の意を込めて、うなずいた。

【[バーシア]】「さっきは、いいように弄ばれたんだから、今度はワタシの番ね…天に昇る気分にさせてあげるわ」

主導権をとったせいか、小悪魔的な笑みを浮かべているバーシアが不気味だ。
ツーっと裏筋を指でいたぶっているさまは、いつにない迫力!
オイオイ…マジか!?

【[バーシア]】「グウの音も出ないくらいに、搾り尽くしてやるから、覚悟して!」

そう宣言すると、柔らかい唇を割り割いて、オレの欲望の根源に触れさせ、うずめてゆく。

【[バーシア]】「ちゅぶっ…ちゅばっ…じゅるる…」

亀頭全体を、飴玉でもしゃぶる要領でなめ上げ、舌先を柔らかいタッチで溝の上に…そしてカリの淵に沿って這わせてくる。
その間も片手でゆっくりと砲身を優しく愛撫することを忘れない。
バーシアの舌先を、次々とあふれ出る先走りの汁で汚しながら、腰の辺りに痺れるような熱い快感を感じていた。

【[主人公]】「そう、その調子だ…」

男根全体に、唾液をまぶしつけるように、可憐な舌腹を見せつつペロペロと舐め上げてくる。
そうしながらも、根元に絡めた指先から細やかな律動が絶えず送り込まれてくる。
北でイヤというほど、こういったテクニックを叩き込まれたバーシアは、決して慌てることもなく、じっくりととろ火で炙るようにオレの官能を高めてくるのだった。

【[バーシア]】「うじゅる…じゅるる…はぁ…どう? 気持ちいい? フフ」

男という生き物は、一度走り始めると止まらないような性格を持っている。
それを熟知している彼女は、先ほどのお返しとばかりに焦れったいまでの愛撫を繰り返している。
オレの亀頭がピクピクと跳ね回り、先走りの粘液を吐き出し、いきり立ってくるのを、うれしそうに見ているのだ。
しかし、バーシアは敏感になっている先端を徹底して刺激するだけだ。
それ以上、早めようとも、玩弄を止めようともしない。
いきり立つそれをひたすらなだめるように…

【[バーシア]】「うふ…かわいい」

オレの息が上がってきたのを見て一層余裕が出てきたのだろう。
先ほどから攻守交替し、すっかり主導権を握ったバーシアは、肉塊全体にユルユルと唾液を擦り付け、散々に焦らしてくるのだ。
既に暴発寸前の男根を弄びながら、チラっとこちらを猫のような目で見上げる。

【[主人公]】「なんだよ」
【[バーシア]】「もっとして欲しい?」
【[主人公]】「……」
【[バーシア]】「じゃ、やめる?」

亀頭の辺りまでザーメンが上がっている状態で、やめられてたまるか!

【[主人公]】「わかった…好きにしてくれ」
【[バーシア]】「ふーん、好きにしろっていうことは、ここでやめてもいいのね。なんだか眠くなってきたし」

あくまでオレの口から言わせるつもりか。

【[主人公]】「頼むから続きをやってくれ!」
【[バーシア]】「フン! 最初から素直ならもっと楽に往生できるのに」

ようやく発火しそうな砲身が口の中に含まれてゆく。
秘裂とはまた違う柔らかく生温かい粘膜…その中に包み込まれてゆく。

【[バーシア]】「じゅるっ…じゅるる…んぐ…」

そのままゆっくり抽送を開始する。たっぷり唾液を乗せた舌腹を絡みつかせながら、口腔内の粘膜でしごいてゆくのだ。

【[主人公]】「くっ…いい…ぞ…」

焦らしぬかれた末に与えられた愉悦に、オレの口からは、情けない声が漏れてしまう。
そんなオレのつぶやきを楽しみながら、バーシアは着実に性感を追い詰めてくる。
もちろん並みの娼婦でも到底できないような技をもってして。

【[バーシア]】「もうそろそろ? いいわ…たっぷり飲んであげるから…フフ」

仕上げとばかりに、更に喉の奥のほうへ、深深と飲み込んでゆく。勃起しきった怒張が、根元までずっぽりとバーシアの口の中に収まった格好だ。
さすがのバーシアも、少々苦しげだが、北での調教の成果か、身体は受け入れてしまうのである。
並みの女の性器なんか比べようもない快楽がここにあるのだ。

【[主人公]】「くっ…出すぞ、バーシア」

たまらずフィニッシュの体勢に入り、まさに射精するというその瞬間を狙い澄ましたかのように、バーシアはフッと口から男根を引き抜いてしまう。

【[主人公]】「!??」
【[バーシア]】「ひとりで、イクなんてダメ。ねぇ、今夜は昔みたいに一緒に楽しみましょう?」

ピンク色の妖しい靄が掛かったような瞳を期待に潤ませながら、バーシアはベッドにオレを押し倒す格好で、身体にまたがってきた。
オレの砲身は、一度放出を止まられたせいもあってか、弓なりに反り返ったまま天を睨み据えていた。
肉茎は、バーシアの唾液と先走りの粘液で、ぬとぬとと濡れ光ったままだ。
その様子を、楽しそうに見つめながら、まさに騎乗位の体勢で、バーシアが覆い被さってくる。

【[バーシア]】「痛かったら、言って」

一応怪我人のオレへの気遣いは見せるが、これじゃ、まるで襲われているようだな…
ゆっくりとバーシアが、腰をおろし、男根を神秘の深淵に誘うように吸い込んでゆく。

【[バーシア]】「ううっ…」

快楽と苦痛が混ざり合ったような表情に歪めて、うめきながらも貪欲に奥へ奥へとくわえこんでゆくのだ。

【[バーシア]】「…すっかり収まったようね。 どうです? 気分は、ご主人様? フフ」

全く何がご主人様、だ。バーシアの奴、調子に乗りやがって…
頭の上からこんなふうに愉快そうに見下ろされると、おかしな気分になってくる。
これじゃあ、どちらが支配しているのだか…
しかも今日は一度も射精をしていない。その欲望に膨れ上がった男根を、男も狂わせるバーシアの生肉で包み込まれたら…
しかし、これ以上弱みを見せるわけにもいかない。こうなったら徹底抗戦だ!

【[主人公]】「ああ、悪くない気分だ。 ところでもう少し動いてもらえると助かるのだが」

ただでさえ不自由な身体の身の上なのだ。
それにバーシアが体重をのせているので、自分で動くこともままならない。
バーシアに逆襲を試みようとするが、もぞもぞと腰を揺さぶる程度の情けない動きとなった。
クソッ…以前のオレならバーシアを組み敷いてヒィヒィよがらせたものを…

【[バーシア]】「あら? どこか痒いの? フフ…もう堪らないみたい」
【[主人公]】「よく、お分かりで」

しかし、一向に動く気配が無い。コイツ…もしかしてまたもや生殺しにするつもりか!

【[バーシア]】「大分頭に血が昇っているわね。アレ同様に。 いいわ、まとめて面倒見てあげるから」

フフと笑うと、柔肌を妖艶にくねらせ、律動し始める。ソフトに、それでいてハードに、巧みに緩急を自在に変化させながら、オレの肉棒を玩弄し、その愛欲の快楽の虜にしてゆくのだ。
まるで何か別の生き物のように蠢き、官能の甘毒を吐き出しながら、極地へ追い立てていくのだ。

【[バーシア]】「はぁ…うう…はぁ…」

一方的に責めたてているように見えて、バーシアの息も荒くなっている。
それも当然。
いくらリードしている立場とはいえ、バーシアの性感は極限まで研ぎ澄まさせれいるのである。
ましてや、その性感神経が集中していると言ってもいい肉襞を膨張した男根でグリグリ削られているのだから。
こうなりゃ相討ちくらいには持ち込んでやるか…

【[バーシア]】「はぁ…ああん…くふっ…」

額の汗が、頬を伝い、オレの胸元に垂れ落ち、互いの体液が混ざってゆく。
この部屋で、動いているモノは、オレとバーシアの二人だけ。
それがオレ達の世界の全てだ。
互いの秘肉を貪っている状態では、それ以外に何が必要だろうか?

【[バーシア]】「あくっ…ううっ…ダメ…」

体内で脈打つ男根が、バーシアを苦悶させるようだ。
白い尻をくねくねと堪らなそうに揺すりたてている。
そしてお返しとばかりに、膣の中の襞の一枚一枚が絡みつき、締め上げてくる。
北ではこの極上の肉体を使って、数々の屈辱的な奉仕をさせられてきたのだろう。
しかし今はそんなことはどうだっていい。考えたくも無い。
バーシアがオレだけのために、全神経を集中させ、身も心も捧げてくれているのだ。

【[主人公]】「ぐっ…バーシア…オレだけの……」
【[バーシア]】「ああ…うっ…ワタシはいつも…いつまでもオマエと一緒だ…」

ねっとりと潤んだ眼を互いに絡ませ、思いをひとつにする。
すると既にひとつになっている下半身が熱くたぎり、血が駆け下っていくようだ。

【[バーシア]】「あぐっ…お、奥に…当っている…」

深く、強く接合することにより、より一体感を得ることができる。
いまや身体の奥からマグマが湧きあがってくるように、身体の奥底から精の奔流が怒涛の勢いで噴出してくるのだった。

【[主人公]】「バーシア…出すぞ」

その時だった。
またしてもバーシアが、ひょいと腰を上げ、男根を股間からずっぽり抜き去ってしまったのは。

【[主人公]】「!?」

一体何が起こったのか…わからぬままに、バーシアが体勢を変えてくる。

【[バーシア]】「出して終り、なんて勿体無い…もっと楽しみましょう?」

艶然と微笑みながら、オレにしなだれかかってくるバーシア。
火照った身体にバーシアの生汗にぬめった肌がぴたりと密着し、お互いの汗を交じり合わせる。
このヌらつく独特の感触が、なんとも心地よい。
そのままバーシアの身体が、チロチロ舌先で身体のあちこちを舐めとりながら這いずりあがってくる。

【[バーシア]】「ふん…ちゅる…ちゅぱっ…」

胸板の上で、乳房を押しつぶすほどに密着させると再び口を合わせてきた。
この上なく甘く沸騰しそうな歓喜のベーゼ。

【[バーシア]】「ちゅぶっ…じゅるっ…んぐ…んぐぐ」

片手で男根をゆっくりしごいたままで、優しい口づけを繰り返す。
バーシアの柔らかい肌を全身に感じながら、口を貪っていると、どこまでも深い悦楽の底に二人して堕ちてゆくようだった。
もはや余計な言葉は不用。
この身体の上にある温み、重み、立ち昇る匂いがあれば…バーシアがいれば他に何がいるというのだ!

【[主人公]】「バーシア…二人で堕ちていこう…どこまでも」

そう言うと、バーシアは顔を上げ、ねっとりと欲情で蕩けそうな視線で見返してきた。

【[バーシア]】「良いわね…オマエとなら、どこまでも堕ちていってやる。例えこの身が地獄の業火に焼かれようとも」
【[主人公]】「バーシア…オレもお前は離さない。この身が朽ち果てようとも」

うねうねと汗と体液に塗れた裸体を蛇のように絡ませあうメスとオス。
他人から見ればたぶんそう見えただろう。
そう見られても構うものか。

【[バーシア]】「…ワタシも、お前からは離れない。離れたりするものか」

そこで、バーシアは言葉を区切り、真剣な表情でオレを見つめる。

【[バーシア]】「オマエがワタシだけを見ている限り、な」
【[主人公]】「…バーシア…このまま二人で溶けて、一つになろう…いいだろう?」
【[バーシア]】「そうね…」

ひとしきり愛を確かめ合った後で、再びバーシアは、騎乗位の体勢で接合する。
オレの分身も、前にも増して食い締められて…くそっ、負けてなるものか!

【[主人公]】「バーシア…一緒にイこう。極めよう。行き着く先が天国の門か、それとも地獄の門かは、もうどちらでもいい」
【[バーシア]】「うん……」

淫らな性獣と化した二人が堕ちる先は、たぶん地の底の深い闇の中だろう。
あの狂ったような計画が破綻し、地球に逃げ帰ってきたときから、いやもっと以前からオレの人生の歯車は狂っているのだから。

【[バーシア]】「ううっ…ああ…ううん!」

バーシアがオレの上で跳ねるように舞い踊る。
口元を悦楽だらしなく歪め、涎を垂らしながらオレと繋がっている部分から与えられる快楽を全身で受け止めようとしているのだった。
バーシアが酔いしれるように悶え、蠢くたびに汗が飛散し、甘い女の体臭が鼻腔をくすぐってくるのだ。

【[主人公]】「…くっ…バーシア…もう…」

オレの肉棒も、バーシアの攻勢の前に発射寸前のところまで押し上げられていた。
もう少し…もう少しだ…バーシアと一緒に…それまで…

【[バーシア]】「あう…ああ…もう、もうダメ…一緒に…キテ!!!」
【[主人公]】「よし、出すぞ!」
【[バーシア]】「はぐううう…ああ…イク…!」

ドバッ…ドピュッ…

バーシアの最奥に恥辱の証しを盛大に吐き出す。
全身の肉を強張らせたまま、バーシアはオレの身体の上にヘタリと倒れこんでくる。
荒い鼻息がオレの肌をくすぐっていて、心地よい。
しばしその余韻を楽しみ、ゆっくり顔を上げたバーシアが語りかけてくる。

【[バーシア]】「ねぇ…もう一回やる?」
【[主人公]】「おいおい…オレを殺す気か? 少しは休ませてくれよ〜」
【[バーシア]】「………」

バーシアは少し哀しそうな表情をすると、そうね、と小さく言って、シャワーを浴びに行った。
その顔がいつまでも、脳裏に張り付いて離れない。何故、そんなに悲しい顔をする…

【[主人公]】「やはり気づかれているのか…?」

バーシアのシャワーの音を聞きながら、一人考えるのだった。


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