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  被虐のアマゾネス 女王と王女の戦い                            あーくん 著 

第3章 皮肉な救出劇



 浣腸までされたその夜……

「よし、行くぞ」
「はい」

 数人のアマゾネス達が、城壁をよじ登り、ある部屋へ向かおうとしている。
 行き先はもちろん……

 女王のいる部屋だ。
 事前の情報によれば、女王は独立宮と呼ばれる高い場所に幽閉されているらしい。
 しかし、それを信じてはいないアマゾネス達。
 なぜなら、こういう情報はわざと偽の情報を流すのは当たり前だからだ。
 なので、陽動作戦をとるようである。

「ここが死角だとはね」
 この城壁だけは、警護兵が手薄になる時間帯がある。
 それを利用してここまで来たカルトバンたち。

「始めるぞ」
「はい!」

 いよいよ作戦が始まる。

 どっかーんっ!

 ドッ……ドーンッ!

 煙が上がり、強烈な爆音が宮殿内に響いた!
 ものすごい量の煙である。

「何事ですか?」

 アイリとレミリアの愛撫に狂っていたミア王女が言う。
 ミアは最近この二人の愛撫に御執心。特にアイリがお気に入り。
 すると、警護兵が入ってきた。
「宮殿内で爆発が起きたもようです」

「爆発?」
 ピンッと来たミア。
 カルトバンの連中だと。

 ――お姉さまを……間違いない。

「すぐに、状況を調べなさい。それと、姉上の様子と警護兵を増やしなさい」
「わかりました」

 兵士達と家臣が慌しく動き回る!

「こわ〜い」
 アイリはびっくり。カルトバンはテロリストのようなものだ。
 一般のホーリーバンの民たちは、カルトバンたちをテロリストと見ている。
 こういうことも平気でやるのは知っていたが、やはり怖いと感じている。

「王女!」
 別の兵士が入ってきた。
「女王のご様子が変だと! 急ぎお越しください!」
「え?」

 様子が変?

「わかりました、すぐに向かいます!」

 ミアは急ぎオルガの元へ向かう。

「あ……あの……」 
 おかしいと思ったのは、レミリアだった。
 だが、様子が変だと聞けば飛んでいくのは当たり前。

 なぜ、レミリアがおかしいと思ったか?
 それは……

 この女兵士は見た事がないからだ。

「何か?」
 女兵士とレミリアとアイリだけになってしまった。ミアの寝室。

「…………」
 レミリアがじっと女兵士を見る……

 ばれたかという顔の兵士。

「さすがは、レミリア殿。察しがいいようね」
「お前は!」

 この兵士……

 カルトバンだ!――

「このっ!」

 サッと近くにあった剣を持って、攻撃……
 が……

 ブシャアアアアッ!

 勢いよく何かをかけられたレミリア!

「きゃあああああああっ!」
「あはははっ!――」
 笑うカルトバンの女兵士!

 これは……とりもちだ!
 粘着性がある。これをかけられると身動きが止められる!
 とりもちは、とりもちランチャーという銃のような道具で発射されるようだ。
 現代のような電子銃とかではなく、ネジを巻いて、動く仕組み。
 くもの糸のようにとりもちが身体中についてしまった、レミリアとアイリ!

「うまく言ったか?」
 別の兵士が来た。こいつもカルトバン。

「ああ……わざわざミア王女が居場所を教えてくれるだろうよ」
「よし!」
 カルトバンの女達が、出て行く……

「ちょっと! もうううううっ!――――」

 とりもちは強力だった。
 これでは身動きが出来ない。
 二人はただもがくだけだった。


  
 ミアが急いでオルガの元へ向かう!
 それは、急いで居場所を教えることになるのだが。

「また、爆発だ!」
 次から次に爆発があちこちで起こる!
 完全にパニック状態の宮殿。

 これでは、兵士に化けたカルトバンはわからないだろう。
 みんな混乱しているのだ。それどころじゃない。

「ミア王女はどちらに! 緊急だ!」
「はい、あの上へ向かわれました!」

 あっけなく場所を教えてしまう女兵士。
 皮肉にもカルトバンの女兵士達が、オルガの元へ向かう!


「お姉さま!」

 まず、ミアがあらわれた。
 この部屋は宮殿の外れにある部屋だ。独立宮。
 情報は偽ではなかったようだ。
 だが、オルガの様子は変ではない。
「外が騒がしいな……ミア、お前が作った余興か?」

 嫌味たっぷりに言うオルガ。
 だが、貞操帯は相変わらずつけているようだが。

 ――おかしいわ……

 姉上の様子はいつも通りだ。股間の責めに悶えているだけ。
 と、その時!

「うわあああああああっ!――――」

 兵士と家臣達が、とりもちにやられていく!

「何事ですか!」
 思わず後ろを振り向くミア!

 とりもちだ!
 ミアにもオルガにもかかった!

「きゃああああっ!――」
「な、なんだあああっ!――」

 姉妹はとりもちに囚われた!
 が、カルトバンは、オルガには、即座に中和剤を噴射!
 こいつは一瞬で、とりもちを無力化する。

 解放される女王。

 ついに……女王は解放されたのだ。
 皮肉にも……

 カルトバン達に……

「何者だ」
 よろけながらオルガが聞く。
 まだ弱弱しい女王。

「カルトバンでございます」
「なに?」

 ピクッと眉が動いたオルガ。
 カルトバンは、王家の敵だ。
 いや、民の敵である。

 皮肉にもその敵に救出されそうになっている。

 しばらく考えるオルガ。
 いきなりカルトバンと聞けば、そりゃ驚くだろう。

 そして……事情を聞いている。

 だが、本来なら即座に逮捕するべき相手たちなのだが。

「私を救いにきたと……お前達が?」
「はい!」

 一瞬、いろいろな事がよぎった。
 敵であるカルトバンが自分を救うという事ことがどういうことかと……
 
 ――うっ……

 クリトリスの刺激が始まる。
 顔が赤くなる女王。

 こんな状況でも刺激は定期的にくる。
 なんて恥辱だ。

「ここから出られるか?」
 逮捕しようとはせず、逆に尋ねたオルガ。

「この部屋を出て、階段を降り……」
「それは無理だろうな」

 オルガは即座にその方法を否定。
 階段の下はホーリーバンの女兵士でいっぱいだ。
 オルガの味方はいない。

 それにうまくそこを切り抜けても、そこからは、一本道の廊下の通路になっている。
 そこに宮殿兵士がゾロゾロやってきたらもう無理だ。

「それよりも、ここには抜け道がある」
 ふらつきながらも、抜け道の指示をするオルガ。
 オルガは女王だ、あらゆる抜け道は、もちろん知っている。

「ま、待ちなさい!」
 とりもちに身体中を絡まれたミア。だが、もがけばもがくほど身動きできない。
 暴れて太ももがちらつく。
 この状況に、ホーリーバンの兵士や家臣たちが入ってきたが、
次々にとりもち攻撃にやられていく……

 逆に、部屋の出口にはカルトバンの兵士達がぞくぞく集まった。
 状況がわかったカルトバンたちが、下の階段にとりもちを巻きちらす!
 これで、誰も当分昇ってこれないだろう。
 当然、部屋にも近づけない。
 後は、オルガをここから脱出させれば、成功である。

 と、その時、オルガが注射器を持つ。
 そして……

「な、何をするのです!」
 ミア王女が叫ぶ!

「注射だ、散々打たれた奴を、お前にもな」
 とりもち拘束で身動きが出来ないミア。
 ミアの腕に強引に注射器を打ち込む!

「女王お急ぎください!」
 カルトバンの連中は、何をしているか意味がわからないようだ。
「待て、ミアを連れて行く」
「ええ?」

 なんと……

 ミアも連れて行くというのだ。

 これは予定外だった。オルガ救出の命令は受けているカルトバンの連中だが、
 ミアの連行は聞いていない。

「お、お姉さま……」
 連れて行くという言葉に不安を覚えるミア。
「お前は人質だ」
「……な、なんで……?」

 姉に人質呼ばわりされた王女ミア。

「お前達、ミアを連れて行かないなら、私はここから出てはいかない!」

「な、何を言われる!」
 動揺するカルトバン!

「例え、強制連行されても、お前達は認めん!」
 さらに、動揺するカルトバン!

 女王の決意は強い。
 貞操帯を嵌められているが、この言葉は強い!
 困ったカルトバンの連中。

 オルガに対しては、我々の仲間になるようなら連行するように、逆らうなら最後は、なんと殺せと言われていた。幸い、オルガは一緒に逃げてくれるという。
 が、ミアの事は予定外だ。
 

「……わかりました」
 カルトバンの一人が答える。
 幹部候補生のあの女だ。

 ミレイアだ。

 鋭い眼光でオルガを見る、カルトバンの女戦士。
「行くぞ」
「しかし、ミレイア!」
 他の者は動揺中。
「このミレイアという者は利口なようだな。正しい判断だと思うが……」
 オルガがミレイアに助け舟。

 オルガにまでそう言われたら、仕方ないと悟ったのだろう。
 とにかく今は急ぐ事が大事なのだ。
 連行さえ出来れば、部下達は責められることはないはずだから。

 方針は決まった。

「や、やめなさい!――」
 ミアが抵抗する。が、注射の効果は抜群。
 オルガにするはずだったものだ、効いて当たり前。

 即座に、力が入らずふらつくミア。
 
「うぐっ!――」
 さらに、腹にパンチを浴びた王女。そのまま気絶……
 そして……すぐに、とりもちを中和。
「急げ!」
 抜け道は床にある。そこから裏道へ行けるのだ。
 本来は、有事の時、女王や王族の脱出口であるのだが。

 皮肉にも、カルトバンの連中と一緒に逃げる事になってしまった女王。
 カルトバンと女王は……

 ついに……

 宮殿から逃げ出したのであった。
 ミア王女を拉致して……



 迎えの馬車に乗るオルガ。馬車と荷車が数台ある。
 荷車にはカルトバンたちとミアが乗っている。
 猿轡をはめられ、声さえ出せないミア。

 ついに、カルトバンたちは、女王を保護し、王女を拉致したのだ。
 いや、女王は同意の上でだが。

 ここからアジトへ逃げるらしい。
 宮殿内では、火の手も上がっている。
 混乱させるためにカルトバンが火を放ったのだ。
 もう、宮殿内は大騒ぎである。

 ――女王が宮殿から逃走か……それも敵対する連中と……
皮肉なものだな。

 考えるオルガ。

 敵と一緒に、宮殿から逃走する女王……
 過去に聞いたことがない。
 しかも、王家が民が、敵として見ているカルトバンたちによっての……
 
 救出劇。

 なんという皮肉。

 馬車の中で、これからの事をじっと考えている女王。
 これからのことを……ゆっくり考えている。

 カルトバンの救出作戦を受け入れたのだ。
 もはや、いくら女王でもただでは済まない。
 殺されることはないだろうが、地位は無理やり退位させられるだろう。
 いや、もう退位するのは予定調和である。

 宮殿市街を抜け、さびしい森の道へ入っていく。
 もうすぐカルトバンのアジトだ。

 女王はずっと考え込んでいた。



「なんだと? ミア王女も連れてきただと?」
「予定外だ! なぜ?」

 まさか、ミアも連行してくるとは思ってもみなかった、メーラル。
 それも、女王の命とは……

「どういうつもりでしょうか?」
 カルトバンの幹部たちがざわついている。

「とにかく会う。そして今後の事を決める」
 屋敷の一番奥の部屋にいるのが、あのメーラルだ。
 カルトバンのトップ。

 カルトバンはメーラルが28代目らしい。
 王家によって、過去何回も壊滅状態にさせられては、生き残りが残党勢力として残り、勢力をかろうじて維持してきた。今は数百人はいるようだ。

 この屋敷は、宮殿からはるか彼方の離れた森の奥の奥に建てられたものらしい。

 そこに女王オルガが会いに来る……

 会う前に女王は、カルトバンたちに貞操帯を外してもらっていた。
 鍵つき貞操帯だが、連中が持っている道具なら簡単に外せる。
 
 そして、クリトリスについている淫虫を投げつけた!
 それもミアの目の前で……

 こんなものに……そして、クスリと排泄で狂わされた怒りだった。

 その行動に目を背けるミア。
 民のためだったとはいえ、さすがに悪いとは思っているらしい。



「お前だったのか」
 オルガがメーラルに会う。
 カルトバンのトップとしてメーラルが会う。
 メーラルは中年のおばさんという感じだ。
 だが、目の眼光は鋭い。
 鋭いというより、狂信者の目だ。

 家臣と女王ではなく。
 女王とカルトバンとして。

「はい」
 メーラルが挨拶する。
 敬礼ではなく、挨拶だった。
 カルトバンのトップとして挨拶している。
 お互い立ったままの会談。
 後ろには、拘束状態のミアもいる。

「早速ですが女王、あなたのお考えをお聞きしたい」
「考え……だと?」
 女王は何かを思案している。
「なるほど、一応は聞くというわけか……で、返答次第では……」
「その通りです!」

 カルトバンは王家と民の敵だ。
 信用できるはずがない。
 が、オルガとの考えは近い。

「私は、幼少の頃からそなた達は民族の敵だと教えられた。いや、私だけではない。ここにいるミアも……そして……民もだ」
 続けるオルガ。

「だが……私の考えは……そなた達に……近い」
「ならば……我がアマゾネスを……我が民族を変えてくださいませ!」
 メーラルが、言葉を返した。

「そなた達はどうしたいのだ?」
「カルトバンの考えに同意する家臣以外は、みな……粛清していただきたい!」
 メーラルが語気を強めて言う!

「そして、革命を起こし、新しい秩序と清廉さを我が民族に教育するのです!」
 家臣をカルトバン派に固めてしまって改革、革命をしようというらしい。

「世を清めるのです! 女王!」
 目が逝っているメーラル。
 これは狂信的な目だ。

 目的達成のためなら、平気で人を殺す目である。

「そなた達は性急過ぎるのだ。だから嫌われる」
 オルガはゆっくりと規制を強めるつもりだったらしい。

「それでは手ぬるい!」
「同意してもらえぬのなら……この場であなたを粛清するだけだ!」
 他のカルトバンの幹部が叫ぶ。

「殺すつもりか?」
「粛清とはそういうことです!」

 王族は気高い身分だ。殺す事は絶対に禁止されている。
 が、そういうことは、この連中には通用しない。
 いざとなれな本気で殺すつもりだ。

 実を言うと、過去王族も何人かカルトバンの襲撃で殺されていた。
 もちろん、そんなことは王族は認めないので、すべて病死か自殺扱いにしていた。

「私のやり方で……よいのなら……そなた達の望む方向を考えてやってもよい」
「……ようは……ゆっくりとやると言われるか?」

 そうだという表情のオルガ。

 メーラルは考えている。
 
「私の一存では決められません。しばらくお待ちを」
 10人ほどの人数を残して、メーラル達は別の部屋に向かう。

 その様子をじっと聞いていたミア王女。

 ――このままでは……大変なことになる。
 王家と民の危機が迫っていると感じている王女だった。



「今すぐに女王を擁して、意に反する家臣たちをすべて粛清するのです!」
「そんなことができるのか?」

 カルトバンの会議が続いている。
 だが、無茶な事ばかり言っているようだ。
 家臣は300人以上はいるのだ。その家族なども合わせるともっといる。
 そんな殺戮をやって無事に済むはずがない。
 それに、そんなことをやったら民達がついていくはずがない。

「女王が、我々についてくれるとは限らない」
「だが、完全に敵とは思ってもいない」


「ここは、女王の意に従うべきかと思います。カルトバンの歴史の中で、女王と手を組むという状況は今までになかったはずです」
 あのミレイアの意見だった。さすが幹部候補。

「私も同意だ」
 メーラルも同じだった。
 過去の歴史で、カルトバンがホーリーバンの女王を擁する事など、考えられないことなのだ。
 それを利用してゆっくりと事を運ぶのも手だ。
 とにかく最後にカルトバンの世になればよいのだから。

「しばらく女王の様子を見るのが、正しいと思う」
 そして、メーラルは続けた。
「我々は、過去最高の武器を手に入れたのだぞ。みなの者。それを考えよ」

 確かにそうだ。女王という武器を手に入れたのだ。
 この民族の最高権力者が同意してくれるかもしれないのだ。

 これで会議の結論は決まった。



「そうか……様子見すると……いうわけだな」
「ただし、裏切ると判断した場合、ただちに粛清する!」
 あくまでまだ信用はしていないというメーラルの目であった。

「いいだろう……」
 オルガがついに……カルトバンに歩み寄り始めた……

 その時!

「なりませぬ! お姉さま、その者たちは……民の敵ですよ!」
 王家と民の敵に屈するなど到底容認できないミア。

 そのミアに……

 パアアアンッ!――

 平手打ちを食らわすオルガ!
 これには、カルトバンたちも驚いた!

 ミアのいう事は、カルトバン以外の者から見れば当然の行為なのだが。

「よくそんな事が言えるな、ミア」
「お姉さま、目を覚ましてください!」

「私を散々、恥辱と屈辱に落としいれ、鬱憤に満ちた日々を送らせた者が何を言う……」

 そう言われるとうつむいてしまうミア。

「そなたたち、私をまだ信用していないと言ったな」
「そうです!」

「なら、証拠を見せてやる」
「証拠?」

「妹のミアを使ってな」
 意味がわからないメーラル達。
 すると、突然……

「きゃああああっ!」
 王女のドレスを破く女王!

 王女のなんともいえない美しい美乳があらわになる。

 もう、オルガはだいぶん身体が動くようだ。
 クスリの効き目も消えている。
 胸がはだけ顔が赤くなるミア。
 美乳がむきだしにされた。

「ミアは、愚かな家臣や愚民の考えに近い。私はいずれ家臣にも愚民にも……罰を与えるつもりでいた」

「民にも……か?」

 この考え方もカルトバンに近い。

「これから罰を与える代表として……妹、ミアを調教する!」

 ざわつくカルトバンの幹部たち。
 驚いたのはメーラルだ。
 まさか、調教するという言葉が出るとは思っていなかった。

 ――女王は……こうなるのを見越して……ミアも連れてきたというのか?
 
 メーラルがそう思っていると……

「道具を出せ」
 オルガが命令する。

 道具とは……淫調教に使う奴だろう。
 しかし……

 清廉潔白なカルトバンのアジトにそんな者があるのだろうか?

「知っているぞ、淫罰という行為があるんだろう?」
 女王がさらに問い詰める。
「あなたは……なぜそれを知っている?」
 メーラル達はさらに驚く。

 淫罰とは、カルトバンが悪人に対し、罰を行う行為であった。
 カルトバンは、必要な性行為以外は、慎むのが掟。
 だが、この淫罰は、罰を与えるための行為であって、
 淫乱ではない行為であるという考え方だ。

 実を言うと、淫行為をするための正当化手段。
 淫罰と称し、お互い愛撫するのもOKなのだ。
 なんという都合のいい解釈だろう。

 結局、欲望には勝てないのはカルトバンも同じであった。
 しかし、それを女王が知っているとは……

「持ってくるんだ、淫罰のための道具を……」
「……わかった」
 メーラルが幹部に命令する。
 異様な雰囲気が流れる部屋になった。

 まさか、オルガがミアを調教するとは思っても見なかったのだ。

「お姉さま……」
 これは冗談ではない。本気で調教されると思ったのだろう。
 ミアの身体がビクッと動く。

 こうしてミアは、調教される立場になってしまったのである。


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