最終修正日 2007.8.28.
このページでは、画像を無断転載された場合に備えて、目に見える署名、見えない署名の話をします。
絵に署名を入れる意味は、その絵の作者が誰か明らかにするためです。
署名が入っていれば、無断転載された場合も、作者の名前が閲覧者にわかります。
ただ、多くの場合「名前がわかるだけ」ということになりがちです。
画像にサインを入れるのも、無断転載を防ぐ上で多少は有効です。
相手に「自分が作者だ」と、偽るつもりがあり、画像を加工する能力がそんなに高くない場合は、目立つところに署名があったら、あきらめるかもしれません。
また、その署名を見た人が、元の作者に無断転載されていたことを、教えてくれるかもしれません。
署名として入れるものは、「サイトのアドレス(URL)」「サイト名」「作者のハンドルネーム」「制作年代」です。もちろん、どれかひとつでもかまいません。
手近な雑誌の表紙を参考に、それらを全部入れて、格好よくレイアウトするのも、面白いかもしれません。
可能ならば、その署名も海外の人でも読めるように、日本語、英語、ハングル、中国語で入れておくのがよいでしょう。なんだか、観光地の看板のようです。
制作年代は、重要です。「この絵、私が描いたの」と偽る人は、たいがいそのハンドルでデビューまもない新人です。制作年代を明記することで、他人に制作者だと偽られる可能性は減らせます。
例えば、2007年にサイトを開設した高校生が、「1999年の残暑見舞いイラスト」を、自分の描いた絵だと偽るのは、難しいでしょう。日本語が読めない人間だと、そう偽る可能性もありますが、第三者には嘘がバレバレです。
しかし、サイトもハンドルネームも変更する可能性があります。署名を入れても、それらを変更したら、それ以前の絵は「作者不明、出所不明」になります。
そして「作者不明、出所不明」の絵は、海外で共有財産、フリー画像扱いを受けるのです。
また、相手が単なるコレクターで、自分が作者だと偽る気がない場合、署名は無断転載を防ぐ役には立ちません。無断転載禁止と画像に明記するのも、ひとつの手段です。
署名は無断転載サイトでその絵を見た閲覧者が、その作者のサイトを訪ねる場合には、役立つかもしれません。
実際に、絵の署名をキーワードに検索をかけて、元のサイトを探し出そうとする海外の閲覧者もいます。
もっとも、検索ロボット避けをしているサイトだったら、作者名やサイト名で検索しても探し出せる可能性は低いでしょう。サイトアドレスを絵に記すのは、そういう場合に有効です。
署名がはじっこに入っていれば、コレクターでも、それを切り落とすぐらいのことはすることがあります。私も絵の隅の署名を切り落とされたり、妙な飾り枠の合成でごまかされたことがあります。
逆に言えば、大量に集めるようなコレクターは、絵の真ん中に入っている署名をフォトショップなどの画像ソフトなどで、いちいち消さないでしょう。
「この絵はわたしが描いた」というかたりは、遅かれ早かれ自滅するものですが、腹の立つ相手ですね。でも絵に署名が入っていれば、海外のコレクターサイトに無断転載された本人の署名入りの絵のために、「署名を書き替えて、作者だと偽る人」の嘘がばれる可能性が少しだけ高まるでしょう。
電子透かしは画像ファイルに特定の文字情報を混ぜることによって著作者を明らかにする方法です。二人の人間ががどっちが絵の真の作者かを争ったときに、第三者が電子透かしを確認して、真の作者を判定することができます。
電子署名は、自分の絵が他人に「自分の描いた絵だ」と偽られた時のためのものです。無断転載を防ぐためのものではありません。「電子透かしを全ての画像に入れています」という警告をサイトに書いておくと、ニセモノの作者に対する牽制にはなるかもしれません。電子透かしを入れるとどうなるのかというと、フォトショップなどでその画像を開いて「透かしの読み込み」を実行して初めてその画像の著作者がわかるという仕組みです。それとこの電子透かし、スクリーンショットで複製を作った場合、透かしも複製される仕組みです。
追跡機能つきの電子署名の場合は、無断転載サイトを発見するのに役立ちますが、まず有料サービスでしょう。
追跡機能つきのDigimarcの電子透かしはプロのクリエイターのための有料サービスです。また、この電子透かしを入れるためにフォトショップのプラグインを使う場合、数万円のフォトショップを持っていることが前提になります。無料で電子透かしを入れられるフリーソフトのステガノグラファー (Win)もあります。
詳しくはこちらで。
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