その1(3/28/99)


無性にアニメが見たくなった。
最近のアニメはダメだ、とか散々こき下ろしていたくせに、これだから油断はできない。そこらへんの首尾一貫性のなさは我ながら情けないところであるが、反面「俺もまだ枯れていなかった」とバイアグラに頼らず勃起した60代のオヤジの面持ちで魔都・秋葉原に降り立ったのであった。

なんと言ってもここは魔都だ。物欲を刺激し、人心を惑わすアイテムに満ち満ちている。何をいれているのか全く分からないくらいでかいリュックを抱えた人ごみの横をすり抜け、目的地へと向かった。目指すは「リバティ6号店」。中古のLDも置いてあるので、重宝している。かくいう私も以前はディスクマップがトコトン好きだったのだが、残念ながら倒産してしまったのが、あまりにも痛かった。アニメ専門の4号店が開店した時なんぞ、うれしさのあまりこんな紹介文までかいたものだが、この時から進歩を見せない文章力は、少々情けなくもある。

さて店内に入るとDVDの時代になりつつあるせいか、随分LDが値下がりしているのが目に付く。以前萌えていたアニメのLDが、1000円を切る値段で叩き売られているのを複雑な思いで眺める。いずれDVDプレーヤ購入を考えている私としても、LDはやや買い控え気味だったのだが、ここまで安いと遂、衝動買いしてしまう。天地無用や大運動会といったやや古めのアニメに加え、最近お気に入りのカウボウイ・ビバップを中古で購入して店を後にした。
6号店に行ったついでにその上にある「アニメショップ・コミット」を覗くがめぼしいものはない。商業誌の立ち読みができる貴重なスポットでもあるのだが、掲示板で話題になった「艶母」も見当たらない。考えてみたら、この店、よく立ち寄るが買い物をした記憶はない。カス本をつかまないためにも立ち読みをすることに抵抗はないが、得体のしれない人の読んだ本を買うのは嫌という複雑な消費者心理の結果、損をしている。でもコミット、応援はしているぞ。頑張れ(笑)

その後ソフマップにも寄り、エロゲーの近況を流し見る。
でも、どれもありきたりな内容に見え、ちっとも食指が伸びない。絵が綺麗だから、というだけでは満足できない体の私としては実際購入してみないとわからないことが多い。台詞回しだとか、女の子が追いこまれたシチュエーションだとか...粘っこい展開になってないと納得できないのだ。なかなかいいのにめぐり合わないので、エロゲーからはご無沙汰している。

さて、ご多分もれず、穴に潜り(作者注:特殊漫画専門店「コミック・虎の穴」店内に入ること。虎口に入らずんば虎子を得ずのことわざにもあるように、世間の眼というものを一切気にせず、勇気を持って店内に侵入できるものだけが、他に変えがたい何かを得ることができるという例え)コミック愛姫5月号を購入。これ「ペンネームは無い」氏が隔月連載しているから購入してるんだけど、氏と他の作家のクオリティに差がありすぎるんだよね。どうにかならないかなぁ。まあ、それを承知で買うしかないんだろうけどね。

一通りの買い物を終えた私は、秋葉原を後にした。そこから神田まで歩き、なじみの天下一品で餃子定食を注文したところ、生憎ライスがなくてできないとの事。これにより、せっかくの快適なアキバダイブが暗転したことは想像に難くない。
地下鉄で帰ろうと、淡路町まで歩いたところ、駅上の交差点にあった「銀河高原ビールの店」がなくなっていた。このビールが好きな私としては、どうにも気になる店でいずれいってみようと心に決めていたのだが、無くなった今となっては妙に寂しいものがある。その日は帰りに銀河高原ビールを買い、一人で味わっってみた。久々に飲むその味はやはりうまかった。

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