ぎょっこう

新人太郎先生から、このサイトのために頂いた貴重な原稿です。
ありがとうございます!!

11/10掲載分  
11/15掲載分  
11/17掲載分  
11/19掲載分  
11/21掲載分  
11/23掲載分  
11/28掲載分 NEW

11/10掲載分

コン、コン...
漆黒のドアが、重いノック音を部屋に響かせた。

 「ご主人さま、よろしいですか?」
 「うむ、構わん」

男は、ゆったりとした革張りのソファーに体を沈めその声に答えた。
片手でブランデーグラスをゆっくりと揺らしながら。

ギィィィィ・・・
漆黒のドアは、ゆっくりを開いていく。

 「おやじか・・・何だ、ワシは今、忙しいのだぞ・・・」

男は、壁一面に映し出されている自作のビデオに見入っていた。
そう、それは今ままで「屈服」させ続けてきた数々の女達の記録である。

 「申し訳ありませんでした。しかし、お客様がお見えに・・・」
 「誰じゃ、今ごろ」

辺りは完全に暗闇に溶け込み、時計の針はすでに12時を過ぎている。
こんな時間に尋ねてくるとは...失礼なヤツだ。
男は、多少の苛立ちを感じていた。

 「それが・・・先生様が・・・」

その言葉を耳にすると、男は慌てて立ち上がった。
琥珀色の液体を真っ赤な絨毯に撒き散らしながら、ブランデーグラスが転がって行く。

 「バカモノ!、何故そのような大事な事を先に言わん!」
 「はっ・・・申し訳ありません・・・」

その家の主人と思われる男は、急いで玄関へと向かった。

ギィィィィィ・・・
その男の召し使いと思われる男は、大きな洋風の玄関をゆっくりと開いた。
扉の向こうには.....

 「よっ!、マンサクちゃん、来たよ〜!」

能天気な男がボーッと立っていた。
そのラフな服装からは、何故「先生」と呼ばれているのかが不思議である。

 「太郎先生〜!、来るなら、『来るって』電話ぐらいしてくださいよ〜!」
 「ははははは・・・ゴメン、ゴメン、じゃあ、お詫びの印にコレあげるね!」

先生と呼ばれた男は、彼の足元に大きな麻袋をよろけながら差し出した。
その袋には、何か生き物が入っているようである。

 「な、何ですか・・・コレ?」

マンサクに「おやじ」と呼ばれた男は、ラフな服装をした「先生」に尋ねた。
モゾモゾと蠢くその袋からは、うめき声のような音も聞こえる。

 「いやぁ・・・ここに来る途中で粗大ゴミ置き場に捨ててあったから・・・」

太郎は、頭をポリポリとかきながら照れている。
「おやじ」は、主人である「マンサク」に断りを入れ、その袋の口をゆっくりと開いた。

 「こ、これは!!」

「おやじ」は、その袋の中を覗いて声を上げてしまった。

                        「つづく」かどうか分からない!

P.S.おやじさん、勝手に出演させてすいません...m(_ _)m

11/15掲載分


(1)おやじさん

 私は、名も無いただの絵描き。
それも人には見せられぬ作品ばかりを描き続けている。
今でもこうして危な絵を描く事ができるのも、あの時、今のご主人様である「マンサクさま」に助けていただいたおかげである。

 それでは、恥ずかしながらも私が陥れられた時の話をお聞かせいたしましょう。
そう、あれはつい最近の出来事でした。
あの娘達に出会ったのは...。

                                 .....
つづく


(2)へなちょこさん&?????さん

 あれは、まだ私が結婚を夢見ていた頃でした。
最近、眠っている時に私の耳元で誰かが囁いているのです。

 「くっぷくぷ〜・・・」

 それも決まって明け方に聞こえてくるのです。
なぜその様な声が、聞こえ始めたのかは分かりません。
それに「くっぷくぷ〜」の意味すら...。

                                 .....
つづく


(3)しゃぶフナ&?????さん

 心地よい眠りの中、誰かが俺の体を揺すっている。
だ、誰だ...いったい...。
もう少し眠らせてくれ。
あと5分でいいから。

 しかし、その揺れはいっこうに止らなかった。

 「・・・です・・・しっか・・・さい・・・」

 なにか、聞こえる。
それも美しい女性の声だ。
...女性?...。

 俺は、睡魔で朦朧としている意識を一気に元へ戻した。

 「大丈夫ですか? しっかりしてください!」

 俺は、見た。
目の前で、見知らぬ美しい女性が俺の肩を揺すっているのを。
だ、誰だ...この人は?

 「よかった、意識はあるみたいですね」

 女は、目を開いた俺を見てニッコリと微笑んだ。

                                 .....
つづく

 


11/17掲載分

(1)おやじさん

 いつものように人通りの多い商店街の片隅の路上で、売れる当ても無い作品を並べていました。
それは、単なる平凡な風景画や人物画。
自分の目でみても「売れる」ような作品ではありません。

 しかし、それは表向きの作品たち...。
本当の作品は、一般の人には見せる事ができないモノばかりである。
それらの作品は、私が気に入った人のために描き上げたのだ。
決して売り物ではない。

 だが、彼女達は知っていた。
あの作品の作者が私である事に...。

つづく


(2)へなちょこさん&?????さん

 「う、うぅ〜ん・・・」

 聞こえる...今日も聞こえる...。
私は、まだ眠っているのに聞こえてくる。
誰かが、耳元で...。

 「くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・」

 やさしく、静かに囁いている。

 私は、「今日こそ!」と思い慌てて目を覚ました。
跳ねるように上半身を起こして、枕元の時計を見るとAM5:00を少し過ぎている。
私は、その不思議な声の主を探した。
明け方とは言え、部屋の中はまだ真っ暗だ。
だが、人の気配はない。
カーテンも、窓も開いたような形跡は見当たらない。

 「あぁ〜あ、気のせいか・・・最近、疲れてるのかな私・・・」

 そんな私のグチを聞いてくれる人もいないのに、つい声が出てしまう。
一人暮らしに慣れてきたせいなのだろうか...。

つづく


(3)しゃぶフナ&?????さん

すでに辺りは、完全に闇の世界に支配されていた。
ここに存在するのは、女の体を求める男と、男のサイフの中身を求める女しかいない。
そのような街だからだ。
俺は、朦朧とする意識の中で見てはいけないものを見てしまった。
それは、女である事を象徴するシンボル。
やわらかくふっくらとした二つの肉丘。
心配そうに俺の方を覗き込んでいる彼女の胸元は大きくはだけていた。
その奥からは豊満な二つのふくらみが俺の目に飛び込んで来る。

 「おっ・・・おっ・・・おっ・・・」
 「ど、どうかしたのですか? どこか具合でも悪いのですか」

 ど、どうしたんだ...体が...体が、熱い。

 俺は、体が熱くなると同時に突然痛み出した頭を両手で押さえた。
ズキン、ズキンと頭が割れそうな痛みが、俺を襲う。
なのに視線は彼女の胸元から離れられない。
何故だ...。


つづく


(4)登呂鳳

ゆらめく紫煙が、今日も目に染みる。
これで今日は、二箱カラにしてしまった。
いつもよりペースが早いようだ。
仕方が無い...アイデアがまとまらないのだ。

 俺は、真っ白なワープロの画面とキーボードに縛り付けられていた。
そう、人は私の事を「ヘビー・エロティスト」と呼んでいる。
それもこれも、どこかの「アホ」が勝手に命名したらしい。
全く不愉快な思いだ。
いつかは、復讐を...そう、心に誓ったのはいつの日だろうか。
だが、「ヤツ」は姿を現さない。
分かっている事は、とにかく作品を書き上げるペースが異常に早いのだ。
作品...?

 いかん、こんな事ではまた「ヤツ」に負けてしまう。
なんとかしなければ...。

つづく


11/19日掲載分

(2)へなちょこさん&?????さん

 私は気を取り直し、もう一度眠りに就こうとした。
起き上がった際に半分に折りたたまれてしまったかけ布団へ腕を伸ばした時だった。
ギュツ!!
誰かが私の細い手首を強く掴んだ。

 「キ、うぐっ・・・」

 とっさに悲鳴を上げようとした私の口を誰かが押え込む。

 『えっ・・・えっ・・・な、何なの・・・』

 私には、一体何が起こったのか分からなかった。
今こうして起こっている事が、夢なのか現実なのかすら区別がつかなかった。

つづく


(3)しゃぶフナ&?????さん

 「しゃ、しゃ、しゃ・・・」
 「だ、大丈夫ですか? 救急車でも呼びま・・・」

 俺を心配していた女の声が途中で切れた。
俺の頭の中で誰かが囁いている。

 『くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・』

 だ、誰だ...俺の頭の中で囁くのは...。

つづく

 

 


11/21日掲載分

(1)おやじさん

 「おじさんでしょ? あそこのサイトのCGを描いた人って?」

 私は、驚いた。
こんな小娘に私の正体がバレてしまっている事に。
私は、平静を装い必死にごまかした。

 「バカな事を言わないで下さいよ、それに一体、何ですか、「サイト」って?」

 私に声をかけてきた小娘は、三人であった。

つづく


(2)へなちょこさん&?????さん

 しかし、腕に感じるこの痛みは現実のものであった。
あっという間に両腕が、頭の上まで引き上げられる。

 「くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・」

 その声の主は、目の前に姿を現していた。
だが薄暗い部屋の中では、その顔を見る事ができない。

 「い、いやっ! やめて!」

 私は、声を上げて抵抗を試みた。
不思議な事に体に力が入らない。
どうして...。

つづく


(3)しゃぶフナ&?????さん

 そのなつかしいような声の響きによって再び俺の意識が遠くに行ってしまった。

 「フナ〜ッ!」

 響き渡るはずの叫び声は、夜の街の雑踏にかき消されてしまった。
続いてこの街では、まずお目にかかる事の出来ない心優しい女性の悲鳴が上がる。

 「キャーッ!」

 女は、見てしまった。
それまでごく普通の姿をしていた青年が、別の何かに変わっていく瞬間を。

つづく


(4)登呂鳳

 俺は、「ヤツ」のプレッシャーに追いつめられていた。
来る日も、来る日も...。
そんな時だった。

 「くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・」

 どこからか、能天気な声が聞こえてきた。
まるでその声は、俺を誘っているようである。
俺は、その声を強く感じる方角へ足を運び始めた。

つづく

 


11/23掲載分

(2)へなちょこさん&?????さん

 私は、薄明かりの中でその声の主の姿を見ようと必死に頑張った。

 「お、お願いします...お金なら...」

 金目当ての反抗でないのは、すでに分かっている。
でも、今の状況で言える事は、これぐらいしかなかった。

 私が、なんとか見た男の姿は異様なものであった。
全身黒尽くめの衣装を身に纏い、目だけしか見えない。
まるで子供のころに見た特撮映画に出てくる戦闘員の様な格好である。

 「もう、わかってんだろ...金じゃないって...」

 男は、捕まえた私の両腕を縛り始めた。

つづく


(3)しゃぶフナ&?????さん

 人気のない深い森の奥に、その館はそびえ立っていた。
いったいこの屋敷は、どれほどの時の流れを見詰めつづけていたのであろうか。
そしてこの屋敷の主は...。

 「ご、ご主人様〜! た、大変です!」

 この館の主に仕える「おやじ」が、慌てて漆黒のドアの向こうから飛び込んできた。
その顔からいつもの冷静さが失われている。

 「どうした、『おやじ』、大変なのはお前の絵だけにしてくれないか」
 館の主「マンサク」は、笑っていた。


つづく


(4)登呂鳳

 黒い旧式のポルシェのエンジン音が、腹の底に低く響き渡る。
俺は、お構いなしにアクセルを一気に開いた。
けたたましくエンジンが吠えあがる。
低い音から甲高い音へと移り行くその瞬間がたまらない。
だが俺は、全開状態のアクセルを恨めしく感じた。
黒い旧式のポルシェが、みるみるうちに俺の視界から消えて行く。
俺と真っ赤なスクーターを残して...。

 


11/28掲載分

(2)へなちょこさん&?????さん

縛られたとはいえ、それはロープではなかった。
軟らかなタオルのようなもので軽く結んだぐらいである。

 「いやっ! いやっ! やめて〜!」

 その声とは裏腹に私の抵抗は、可愛いものであった。
現に力を入れればすぐにでも両腕を縛るものから逃れる事ができる。
なのに私は、それができなかった。

 「いやよ、いやよも・・・なんとやらってね」

 私を見つめる男の視線が、いやらしく歪み始めた。


(3)しゃぶフナさん&?????さん

慌てふためく「おやじ」の姿が面白かったのか、自慢のビデオ・ライブラリを見て笑っているのかは定かではない。

 「いえ、私の絵などどうでも・・・そ、それより・・・」
 「それより、どうした?」

 マンサクの視線は、コッテリと濡れきった女性器のドアップの映像に釘付けであった。
そう、それは彼が「屈服」させた女の一人の記録映像である。
彼は、時間があるときは必ずと言っていいほど、このビデオ・ライブラリを見ていた。
今後の「屈服」方針を固めていく為にである。


(4)登呂鳳さん

 気が付くと俺は、人気のない暗い森の中を走っていた。
愛車の真っ赤なスクーター、「ベビー・エロ」号とともに。
こいつとは10年の歳月を一緒に過ごした。
悲しいときも、楽しいときも...そして痛いときもである。
こいつとともに死に掛けた事もあった。
そのような思い出が、ふと記憶の底から蘇ってくる。

 「くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・くっぷくぷ〜・・・」

 先ほどから続くこの能天気な声のせいなのだろうか。
俺は、とにかく当てもなく道なき道を愛車「ベビー・エロ」号で疾走した。


(5)ろんさん

 俺は、ようやくつきとめた。
あの女の住処を。
あの時、俺にぶつかっておきながら謝りもしないあの女だ。
おかげて買ったばかりのノート・パソコンはおしゃかになってしまった。
許さん。
決して許さん。

 あの日は、大事な商談の日であった。
なのにあの女がぶつかってきたばかりに...。
俺の生死をかけて作り込んできた作品は、すべて水のアワとなった。

 あの日以来、俺は変わった。
いや、変えられてしまったのかもしれない。
どこからか聞こえてきた「くっぷくぷ〜」と言う囁きによって。


(6)鈴猫さん

 私は今日もあてもなく街をさまよう。
あの男の居所を探すために。
まだ何も知らない私の体を変えてしまったあの男を。

 黒い旧式のポルシェは、今日も軽快に夜の街を疾走する。
腹の底に低く響き渡る様なエンジン音を残して。
信号に捕まり、ふと横を見ると赤いスクーターに乗った変な男がこちらを食入るように見ている。
私の美貌は、また一人の不幸な男を苦しめているようだ。
私は、信号が青に変わると同時にアクセルを一気に踏む込む。
ルームミラーには、赤いスクーターのヘッドライトが小さく映る。


(7)ダークさん

 ん?...。
なんだ、この声は。
どこからか聞こえてくる、この「くっぷくぷ〜」と言う声は...。

 俺は、その声に負け時と念を送り込んだ。
もちろん決まっている。
このフレーズだ。

 「しゅう〜ちぃ〜・・・しゅう〜ちぃ〜・・・」

 


突然ですが、あなたもこの小説に出演してみませんか?

新人太郎ファンを自称して、文中で太郎先生にどう扱われてもいいと思うあなた!!

「新人太郎FAN(仮)先生あたしをメチャメチャにして!係」までドンドンメールを送ってください!

掲示板への書きこみでもいいですよー。是非皆様の協力をお願いしますー。


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