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 〜軍天使ライラ・瞬間接着剤の章

登場人物紹介・用語解説

 

軍天使ライラ(ライラ・ラグナスヒルド)

 元、神軍の軍天使。神々の復権に際し、神軍の地上制圧軍の将軍として、先の「聖戦」に参戦するが、ハイランダー、ハラルド・ロードブレスの手に敗れ、天上界を追放される。自身も、強力な剣士であり、軍師であり、地上制圧軍時代は、北の大国、カグラヴィッツ連邦王国中央、テフラ公爵領を中心に、大規模な制圧戦争を次々と勝利した手腕を持ち、戦にあっては自ら最前線に立ち、将兵の士気を鼓舞する気概と武勇を持つが、天界の姫として育てられた過去のため、いささか世に疎く、尊大なきらいはある。が、反面、精神的に脆いものを持ち、常に、どこかに自分の支えとなる指標を求めている。
 黄金の髪、純白の翼を持つ、長身美貌の乙女。


兜卒天(とそつてん)

 本名、李法月。東方、中国の馬賊の出身で、東方に勢力を広げる、崑崙の軍から逃れ、ワーレンに亡命。一見華奢な外見とは裏腹に、傭兵都市ワーレンでも屈指の挌闘家。好戦的な戦闘士としての魂をもつ反面、私生活では気弱な、受け身型の若者。ライラに淡いあこがれの心を抱き、現在は友達以上、ボーイフレンド未満の関係にある。いろん
な意味で、彼女の良い支えになっており、本人は比較的その立場に満足している。
 中国風の拳法服がトレードマークの、細身で小柄な若者。なぜか関西弁を話す。


麗=リビングウェイ(うるは)

 麗と書いて「うるは」と読む。本名は鳳麗雷。ワーレン大統領、イェンリーク・リビングウェイの娘で、彼がかつて東方を荒らしまわっていた時代の愛人、鳳雷火との私生児。生まれの割に自身を卑下するところはなく、むしろ、天衣無縫なまでにわがままな所のある、陽気なトラブルメーカー。ワーレン最大の財団、フリューゲル財団の乗っ取りに成功したベンチャー財テク娘で、旺盛な好奇心と行動力、企画力と生命力を持つ、ハイブリッド・デビルサマナー(封魔師兼妖魔召喚士)。
 紫の道士服をまとった、エキゾチックな美少女。



バージィ(バージィ・オズワルド・アリスン・ブランディ)

 北の魔法大国、アイルランド皇国の第三皇女で、現在は同国伯爵ビアレス・リュケイオンの養女。ひょんな事からワーレンに流れ着き、以来、同街開拓メンバーの一人、ダークエルフの魔女戦士ヴェルフィアにより保護され、育てられる。麗が天衣無縫なら、こちらは支離滅裂といった悪戯好きの悪童で、権力と財力をかさに、悪戯の限りを尽くすやっかいもの。保護者の教育により、ややましになったとはいうものの、火薬を愛用するなど洒落にならないところはいまだ直らない。
 ピンクのエプロンドレスに、長い金髪の、一見するぶんには可愛らしい少女なのだが。


小鉄

 半人半猫の、魔族の少年。もともとが愛玩動物で、子供の割に、かなり性的にあざとい一面がある。破滅願望があるのではと思わせるほどに悪乗りしやすく、騒ぎを起こさず、人の気を引き付けずにはいられない一面がある。子供じみた外見を武器に、難を逃れることも多いが、最後は貧乏籤を引くことが多い。


イェンリーク=リビングウェイ

 現、ワーレン大統領であり、ワーレン開拓メンバーの一人でもある、考古学者。同時に、ワーレン盗賊ギルドのギルドマスターを兼任するマルチ人間で、有能だが、いいかげんな一面を持つ。つい、人をからかってしまう、子供のような一面を持ちながら、悪乗りが過ぎると、そこに大人の欲望を持ち込む、困った男。街随一のトリックスターで、アイデア
と言いくるめと、セクハラの天才。
 ラフなオールバックと、無精ひげがトレードマークの、一見すると渋い系のオジサン。


ワンダー正光

 正体、目的、その他一切が不明の、面白グッズ通信販売商会の代表者。だが、通信販売とはいいつつ、街に請求書が届いたことは一度もない。
 おもにイェンリーク大統領の元に、一見意味不明なグッズを送り付けてくる。それだけなら、元来ただの郵便トラブルで片がつき、事件にも何も起こらないはずなのだが、そのグッズの梱包を解き、街にトラブルの嵐を引き起こすのがこの街の大統領である。最近では、「家族ゲーム」なる、街の人間を、勝手に家族の役柄にあてはめて、そう振る舞わせ
ることのできる強力なゲームが届けられ、これで悪戯を重ねるうちに、やがて悪乗りし、複雑怪奇に入り組んだ、禁断の近親相姦の蜘蛛の糸を張り巡らせた大統領を、一時、街から追放に近い状態での、脱出を余儀ない状態へと追い込んだ。
 まぁ、悪いのは結局、彼なのだが....。


自由交易都市ワーレン

 今から十年ほど前、東方の小国、ムーンティアの第五王子アレス・ファーランド王子と、そのパーティにより開拓された街で、東西を結ぶ、陸海路の重要な拠点として、その後、大きく発展する。「魔力の源」と呼ばれる特異点を近海海底に持ち、さまざまな怪現象、怪事件が多発するが、住民はおおむね、能天気な人間が多い。また、高名な戦士、魔術師が多く、そのことが、余計に武者修業の戦士、魔術師を引き付ける結果となって、別名、傭兵都市の名でも知られる。能天気な商業都市と、怪事件の多発する傭兵都市の二面を持つ、奇妙な都市である。


アスガルド

 神話時代、地上を支配していた、現実の肉体を持っていた神々の第二の王国。
二千年ほど昔、地上の半分を支配し、自らを神々と称していた、超魔法帝国フォーチュンの魔術師たち、その中の裏切り者、ロキの手引きにより、人間たちが一斉蜂起をおこし、神々に反乱を企てた際、ロキと同調した魔術師たちにより、「神殺し」を与えられた聖救世主とその使徒たち、十二聖戦士により、異世界アスガルドへの退却と、二千年の雌伏の時を強いられた神々は、星辰の導きにより、再び地上支配へと暗躍を始める。謀略と知恵の神、大神オーディンの計画の元、地上各地にさまざまな策を弄し、その超魔法力により地上侵攻を開始するが、西の大国、大アルビオン連合王国属領ハイランド王にして、地上最高の戦士、ハラルド・ロードブレスや、ワーレンの剣聖、「軍神」ナバール・ナルサス、北の魔法大国アイルランド皇国聖地カステポーを預かる竜神官にして伯爵、「竜帝」ビアレス・リュケイオン、そして、ムーンティアの王位継承者にして、「ドラゴン・マスター」の称号を手に入れた若き勇者アレス・ファーランドなど、名だたる地上の戦士らの手により、再びその侵攻を阻止される。
 現在は、地上侵攻推進派のオーディン他、名だたる神の多くが討たれ、穏健派であり、ライラの剣の師でもある、豊穣神フレイにより、再び異世界へと撤退。不可侵関係にある。



アイルランド皇国

 アルビオン隣国で、魔法先進の新興大国。50年ほど昔に、アルビオンからの独立戦争を経て、独立。大国アルビオンを仮想敵と想定しての発展により、軍事力、魔法文明は地上でも屈指。ただし、浅い歴史から、勢力の安定が図れず、テロのメッカとしても知られる。特に、同国の魔法アカデミーは、世界最高水準の頭脳集団でもある。
 バージィ皇女の出身国でもある。


ムーンティア王国

 ワーレンの政治的後見国で、ここが「事実上の自由都市」であり続けられる政治的根拠地。小国ではあるが、歴史は古く、二千年前の大戦まで溯れる。現在は、カグラヴィッツ連邦王国の一国として連邦に加盟、同時に同国最大の王国となる。魔法、軍事力は比較的後進ではあるが、同国近衛騎士団「月雫十三騎兵団」は、個人個人の武勇では、
世界最強水準の武勇を誇る戦闘集団である。また、ムーンティアは強大な守護魔竜に守られており、これに認められた王は「ドラゴン・マスター」とよばれ、その人物が王である限り、いかなる外敵もこの国に攻め込むことはできないといわれている。



中国

 大陸東方、ムーンティアより東の地を総称して呼ぶ言葉で、単一の政治形態と国家元首をもった一つの国家ではなく、むしろ地理的地方に近い。政治的な交流は東西ではあまりなく、もっぱら経済、商業的な交流が主であり、西方世界では、比較的知られていないことが多い。
 麗、兜卒天らの出身地であるが、元来は一くくりにするのはいささか無理のある広範囲、多岐にわたる文化、国家を示す言葉。

日向国

 同じく東方の島国で、多くの領主に治められた小領地の集合国家。ただし、中国と異なり、それぞれが共通した文化、思想、精神を持ち、同じ王を頂点に持つことから、政治形態はカグラヴィッツ連邦と近い。独自の発展を遂げた武術、魔法体系を持ち、日向の戦士は、他国の戦士より2ランクは高い、と言われるほどに、武術、剣術の発達した土地である。これは、しかし反面、日向における鎧、そして、盾の発達を致命的に阻害し、高度の技量と鉄壁の防御に対し、致命的に低い装甲しか持たない、他国から見れば特異的にアンバランスな戦士、「侍」を生み出した。
 また、にもかかわらず日向の戦士の多くが武芸と戦いを愛し、死を恐れないことから、日向の戦士は、他国では余計に恐れられる存在となっている。
 近年まで鎖国状態にあり、現在でも他国との交流のあまり無い国であるが、同国の交易都市「下関」とワーレンは比較的交流が盛んであるため、ワーレンでは比較的、日向の文化を目にする機会が多い。
 極東にありそうなイメージが強いが、地理的に西方世界とはさほど遠くなく、ワーレンから船で数日の南洋に存在する。

大アルビオン連合王国

 北西の洋上にある島国で、世界でもトップ3の一角を占める大国。国土を守る海を天然の防壁とし、最強の海軍国と呼ばれたエスパーニュの無敵艦隊を破って以来、事実上の最強海軍国となる。先の「神々との大戦」でも、地上軍の盟主としてその地位に恥じぬ振る舞いを見せるが、英明を馳せた「獅子心王」アーサー・ペンドラゴン・コーンズ王の死後、その地位についたパウル王子は、先代とうってかわって器が小さく、世界の大きな不安の種となっている。

 

カグラヴィッツ連邦王国

 大陸中央から北方にかけての、広大な領地を持つ、大国で、連邦王国の名が示すように、各領主の地位は、それぞれ独立国の王に近い権力が与えられている。広大な領地と、多くの貴族が織り成す政治体系は、いささか複雑で、統一性に乏しく、列強最大の国土、資産、兵力を持つにも関わらず、最強の大国の地位にはない。


トゥーレ帝国

 かつては、二流の小国であったワイマール王国を、一代で列強最強の軍事大国にのし上げた奇跡の魔術師、アドルフ・ヒスター総統の支配するオカルト軍事大国。他国のそれと、系統をまったく異にする魔法体系と、独自の錬金、科学文明により開発された銃火器により武装した、戦闘国家。現在は、そのノウハウも他国に流れ、決して独占状態ではないが、それでも、いまだ一国だけ、数世代は進んだ超兵器を順次実践投入してくる、強力な国。ただし、ヒスターの真の目的は、もともと誰よりも早く「神々」の復活を察知し、彼らとの戦いに勝利するための戦闘力を持った軍隊を誕生させることであり、その神々の去った現在は、彼自身は政治の世界から半分、身を引いた状態である。
 現在、世界に広まった火薬兵器の多くは、トゥーレのノウハウを用いたものであるが、中には、古代フォーチュン時代のものも見られるので、この技術も、恐らくはトゥーレが「発明」したのではなく、発掘したものを量産できるように「応用」したものなのであろうと目されている。


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