如月ハニー、そしてキューティーハニーは、悪の組織パンサークローをうち倒すために、日夜休むことなく戦わなくてはならなかった。
それはまた、トレーンクローの淫ら責めが休むことなくハニーを襲いつづけることを意味している。
キューティーハニーが、トレーンクローの囚われから解放された数日後から、パンサークローの魔の手が世界に迫っていた。
町外れの深夜の廃ビルに、暗やみに紛れ黒い人影が蠢いている。
陰謀を図っていることはあきらかであった。
異常を察したハニーは、誰にも気付かれないように学園を抜け出しビルに忍び込んだ。
割れた窓ガラスからのぞき込むと、例の戦闘員たちが何かを作っている。
−まだそれほど大規模にはなっていないようね。ここで叩いておかなくては。でも・・−
以前までの如月ハニーならば、迷わずキューティーハニーとなり敵を叩きつぶすだろう。
しかし、今のハニーにはトレーンクローによる快楽の戒めが効いている。
こうしている瞬間にもワンピースの下の白い躰は、炭火のようなくすぶった肉の疼きで充満しているのだ。
それに・・・
−もし、ここにあいつが・・・トレーンクローがいたら・・・−
すさまじい快楽の技を持った銀色の妖しい敵、トレーンクロー。
忌まわしい淫欲を操るこの媚戦士を相手に、キューティーハニーは手も足も出ずにうちのめされた。
しかも、この敵によって植えつけられてしまった淫らな快楽に飢え、肉欲に燃えてしまっている、今のこの体。
果たしてこのような状況で、あの強敵と闘う事が出来るのか。
−熱い・・躰が熱くて、切なくて・・快楽にとろけて、理性が負けてしまいそう・・ダメ。しっかりしなさいハニー!−
束の間、弱気になってしまっている自分に気付き、叱咤する。
−そう、闘うのよハニー!・・例えあいつがいたとしても、負けない!どんな時でも、悪の組織を見逃す訳にはいかないわ!―
やはりこのまま放置することはできない。
熱く火照る躰に悩まされ続けているが、みすみすのさばらせていく訳にはいかないのだ。
今も溢れる蜜液で熱く湿った下着を意識しつつ、ハニーは意を決して窓ガラスを撃ち破り中に飛び込む。
「そこまでよ、パンサークロー!」
「な、何者だ!?」
予想せぬ侵入者に、戦闘員どもはうろたえたように叫んだ。
金髪の美少女は、首もとのチョーカーに手をやり叫ぶ。
「ハニー!フラーッシュ!!」
如月博士が開発した空中元素固定装置が、その持ち主の意志を受けて輝く。
如月ハニーの青と白の衣服が光と共に弾け、紅い戦闘コスチューム、キューティーハニーへと変身する。
颯爽とジャンプし一段高いところに降り立つと、敵を葬る愛用のサーベルを片手に決める。
「愛と正義の戦士、キューティーハニー!あなたの人生、変わぁ・・ああっンッ!?」
悪の敵を絶望のどん底に突き落とす、正義を誓う宣言。
いつもの宣誓を行う、その瞬間であった。
「あっ!?ン・・アアッ?・・そっそんな・・ぁあっ?」
ハニーは突然腰が砕けたように崩れ落ちると、思わず両手で股間を押さえた。
−いっイヤァアッ?なっ中にナカになにかっ・・でっ出て・・あひぃっ動いてるふっ・ウうヒィイッ!?−
トレーンクローからの解放後、変身を解いた時に消えていた、乳首とクリトリス、秘泉という乙女の敏感な部分を淫らな振動で侵略していたバイブレータ。
そのおぞましき責め具が、あろうことか、正義の戦士への変身とともに復活したのだ。
トレーンクローの恐るべき罠。
これは、美少女・如月ハニーが美少女戦士・キューティーハニーとなったときにだけ襲いかかる、忌まわしくも淫らで、しかも強力な”対戦士用”武器になる。
言うならば、まさに”女戦士狩り”のアイテムだった。
普通の女子高生である如月ハニーには、強力媚薬の焦らし責め。
愛と正義の戦士キューティーハニーには、バイブレータによるなぶり責め。
貞操帯にからめ捕られたハニーは、逃げ場のない快楽調教が続いていることを思い知らされた。
だが、それでもキューティーハニーは、敵と戦わなくてはならない。
目の前のパンサークロー戦闘員だけでなく、戦士の体を狂わせる猛烈な快楽も、ハニーの相手だった。
「・・あぁあっぐっ・・ぐ・・ぅ・・・ふぅんんっ」
−いっイヒィっ・・だめぇっダメへぇえっ−
突然の凄まじい快楽に、ハニーは歯を食いしばり、甘い悲鳴をあげないでいることが精一杯だった。
一方、戦闘員たちは、ハニーになにが起きているのか理解できていないようであった。
しかし、常々苦渋を舐めさせられている正義の使者に隙が出来ていることには間違いない。
「どうしたんだ?」
「わからん。しかし、チャンスだ」
しばらくの逡巡のあと、戦闘員たちは一斉にハニーに飛びかかっていった。
下っ端戦闘員に捕まるかと思われたその瞬間、しかしハニーはその場にはいなかった。
目にも留まらぬスピードでその場を跳び退くと、戦闘員の攻撃をかわす。
「そ、そんな簡単に捕まるわけにはいかなくってよっ・・アんぅっ!」
素早い動きでジャンプしたハニーは、しかし着地の際のわずかな衝撃を股間への刺激として強く受け身悶えてしまう。
その隙を突き、戦闘員が飛びかかる。
キューティーハニーは、風のように軽やかに敵の攻撃をかわす。
雑魚の戦闘員ごときに捕まるハニーではない。
群がる蚊をはらうように、敵を葬っていく。
しかし、雑魚とは言え戦闘員もまったくの無能ではない。
数をかさにしての攻撃を展開する。
正面からではなく、背後からも敵は襲ってくる。
「くらえ!」
「・・甘いわよっ!トウッ!・・ぅんんっ」
後ろから攻めてきた戦闘員を、振り向きざま下から上への大きく大胆に蹴とばしてしとめる。
敵を粉砕する華麗なその動きは、しかしハニーの自らの体と理性をも粉砕してしまいそうなものになる。
二本の太股の間にある秘泉は、胸の乳首同様強力な媚薬で狂わされ、涸れることなく熱い蜜を吐き出し続けている。
そのうえ、ハニーフラッシュとともに貞操帯の内側に復活した凶悪な責め具が、溶けた媚肉を掻き乱し、コネまわし、突きあげる。
戦闘スーツにつつまれた美脚を華麗に使えば、股間に貼りついた貞操帯も動いてしまう。
そして、それはそのまま、キューティーハニーを悶絶させるバイブレータの動きになってしまった。
悪を打ちのめす戦いが、そのままハニーの肉体を蝕む淫らな責めになった。
紅の髪を煌かせる正義の戦士は、敵を一人葬るたびに、理性の鎧を1枚剥がれていく。
トレーンによって植付けられた悦楽に翻弄されつづけているハニーには、勝ち目などありえない戦いであった。
−いけないっ・・こ・のままでは・・体が・・淫らな罠に負けちゃ・・この戦い、早く終わらせなくては・・ー
ハニーの瞳が潤み、理性が徐々に霞に覆われていく。
「もらった!」
その時、鞭を持った戦闘員が背後から襲ってきた。
ハニーは身をひねって避けるが、一瞬反応がにぶった為に、敵が振るった鞭をかわし損ねる。
鞭の先が、美少女戦士の背中をわずかにかすめた。
「・・・っ!・・はぐっ・・ふ・・ンッ・!・かっ・・カ・ハッ・・」
あろうことか、ハニーはそのわずかな刺激で軽い絶頂を迎えてしまった。
−・・あっ・・ソ・・ン・・ナ・・ぁ・・−
華麗な一瞬動きが止まり、美少女戦士の体が小刻みに痙攣する。
悪との戦いの最中に、極めてしまった淫らな快楽。
それは、積もり積もった肉欲を満たすには到底及ばない、ほんの小さなものだった。
しかし、わずかでも気をやってしまった事で、愛と正義の戦士の理性は、確実に淫欲のヘドロに侵されていく。
−・・っ・・・あかっ・・き・・気持ち・・ぃひ・・すて・・きぃ・・このまま捕まって・・もっと気持ちよく・−
力なく砕けそうになった膝がカクカクと震える。
ハニーの心は、瞬間、快楽に囚われていた。
しかし。
−・ハッ!?・・だめっ・・な、何を考えているのっ!?ー
ハニーは一瞬快楽に意識を奪われたものの、危ういところで桃色の幻覚から抜け出し、敵を倒すための戦いに戻る。
しかし、動けば動くほど、ハニーの肉体は淫欲に絡め捕られそうになってしまう事には変わりなかった。
敵をはらうため手刀を振るえばその動きが乳房を揺らし、勃った乳首を震えるローターに押しつける。
また、飛びかかる戦闘員をかわそうと一歩動く度、貞操帯内部に復活したうごめくバイブレータの角度も変わり、ハニーを深く責めたてる。
攻撃をかわす、敵を倒す、そのどの動きもすべて、美少女戦士を悶え狂わせる自らへの淫らな攻撃になってしまうのだ。
それでもなお、赤い戦士は愛剣ハニーフルーレを振るい戦闘員を次々と倒していく。
どんどん塵になっていくパンサークローの戦闘員。
悪の戦闘員との戦いは、明らかにキューティーハニーの優勢だ。
しかし、ハニーのもう一つの敵−快楽との戦いは、敗北寸前であった。
すらりとした両脚には、熱い蜜液が流れつたっていた。
敵をかわし倒していく間でも、両脚はもじもじと擦り寄せられている。
そうしていないと、押し寄せる快楽で両脚の力が抜けて立っていられないのだ。
あれほど熱望していたはずの、はしたない欲望を満たすかも知れないバイブレータの出現。
だが、今、この場で快楽に溺れてしまうわけにはいかないのだ。
熱い吐息が溢れてしまいそうなのを歯を食いしばり堪えるハニー。
愛と正義の戦士は、悦楽に負けてしまいそうな躰にむち打ち、敵と戦う。
「とうっ!・・たぁあっ!」
大きなかけ声とともに、敵をハニーフルーレで蹴散らしていくハニー。
愛剣を振るう度に、上半身が大きく動き、そしてふくよかな両胸を絞めつける黒帯がわずかに動く。
媚薬に熟れ硬く勃ちつづけている乳首。
それが小さなローター型のバイブに振るわされ焦れているところに、さらにわずかではあるが急激な刺激が加わる。
「・・テヤァッ!アッ・・アァあアッンンっ!」
ハニーの気合のこもった声には、すぐに甘い悲鳴が混じってく。
バイブレータに掻きまわされている熱い蜜壷からあふれた恥液は、太股を濡らしつくしてブーツの中の足首にまで到達している。
ハイキックを繰り出す度に、どぷっと音がするように濁った蜜が吹き出る。
「・・トォッ!・・タァ・あああんンっ・・ふァ・はぁあっ」
ときおり、噛み殺すことができなかった悶だえ声をあげつつ、ハニーは戦闘員をなんとか倒していく。
パンサークローの戦闘員は、着実にその数を減らしていく。
しかし、トレーンクローの仕掛けた淫らな快楽との戦いは、ハニーにとって絶望的な消耗戦であることは目に見えていた。
それでもハニーは、激しく動けば動くほど乳首や股間のバイブレータを強く感じてしまう躰をなんとか操り奮戦する。
募りつのった焦燥感を満たすために、戦闘を放棄し自慰に耽らなかった事が不思議なくらいだった。
媚薬による快楽責めと、満たされない欲望に悩まされていたハニー。
戦士の体は、淫らな欲求の前に陥落寸前であったのだ。
だが今は悦楽の刺激を無視し、せっかく訪れた絶頂への入り口の扉を自ら閉ざさねばならない。
しかも、小さな爆発ではあったものの、一度かすかな絶頂を得てしまった体には、もう悦楽への耐久力などいくらも残ってはいない。
耐えようとすればするほど募っていく肉の焦燥感。
愛の戦士キューティーハニーは、“目の前に置かれた肉にぎりぎり届かない、短い鎖で繋がれた飢えた犬”のように、快楽の絶頂の寸前で悶え続けていた。
「・・これで・・とどめよっ」
理性が快楽に押し流されてしまう寸前で、ハニーは最後の戦闘員を倒すことに成功した。
砂になって消えていく敵を横目で見つつ、身悶えしたハニーは力なく膝をついた。
荒い呼吸は、激しい戦闘のせいばかりではない。
戦いに勝ったにもかかわらず、ハニーの美しい顔には苦悶の様子が浮かぶ。
汗で濡れた顔に赤い髪をいく条か貼りつけ、眉を八の字に歪めて唇を噛み絞める。
身悶えながら、ハニーは周囲を見渡して敵が残っていないことを確認する。
戦いが終わったことを認めると、赤い美少女戦士は、熱く悩まし気なため息を漏らした。
今回は、雑魚どもだけの作戦だったようだ。
強力な戦闘能力を持った怪人は、ここにはいなかった。
−やつは・・いない・・の?−
ほんの一瞬だけ疑いが頭を過った、トレーンクローも、やはり存在しなかった。
淫敵トレーンクローがいなかった。
その事に、ハニーの心には安堵よりも失望の情が大きかった。
−・・なぜ?どうして私はがっかりなんか・−
ハニーはそのことに気付き愕然とする。
−・トレーンクローがいたらどうしたというの?・・・トレーンクローが・・・いたら・?もし・・いたら、わたしは・・私は・また・・あの快楽に・・・―
なにかとてつもなくいかがわしい答えが出てくる前に、ハニーはかぶりを振ってそのことを考えることを辞めた。
−は、ばかばかしい。違うわ!こ・この、いかがわしい黒い帯をはずさせたいだけよ―
赤い戦士は体を悶えさせながら、口惜しそうに自らの体を見つめる。
その姿は、よく見ればあちこちに欲情の証をにじませている。
ハニーは慌てて目線をそらす。
−そ、それに、私はトレーンクローを倒しそこねている。あいつはまだのうのうとしているのよ。野放しにしておくわけにはいかないの。だから。そう、だからよ。なにも期待なんかは・・・ー
少しでも気を弛めるとはしたない自慰行為に耽ってしまいそうになる体を押さえつけながら、自分の愚かな考えをあざ笑う。
荒い呼吸のままのキューティーハニーは、震える手をチョーカーに当て、戦士の変身を解除した。
光の束が美しい肢体を包む。
「あっ・・・」
ハニーは思わず不満そうな声をあげた。
囚われから開放されたあの朝と同様、ハニーフラッシュの解除とともに胸と股間の責め具が消えていたのだ。
淫らな責め具が消えた。
この事に、ハニーの顔には、なぜか暗い影がよぎった。
−もっと・・快楽が欲しかった・・もっと強い快感が・・・な・・なにを考えているの、ハニー!−
淫らな考えを始めた美少女は、慌てて自分を叱責する。
しかし、それでも美少女の表情が晴れることはなかった。
はしたない快楽を消し去ることも、激しく疼く淫らな肉の欲求を満たすこともできない戦士の肉体。
愛の戦士キューティーハニーは、ただただ、淫らな愛欲にのたうち、届かない絶頂の目前で悶絶することしか出来なかった。
悪夢のような凌辱から1ヶ月。
ハニーは、躰を襲う強烈な焦燥感に苛まれていた。
貞操帯がくい込んだ秘泉は乾くことなく潤みつづけ白濁した蜜を垂れ流し続ける。
蜜が溢れるたびに疎ましい帯の内側に染み込ませてある強烈な媚薬が溶けだし、さらにハニーを快楽の淵に引きずり込もうとする。
また、パンサークローの動きもこの一ヶ月間活発であった。
ほとんどが雑魚の戦闘員ばかりの行動であったが、ほぼ毎晩の様に世界征服のための悪事を働いていた。
ハニーは熱く悶える躰を奮い立たせ、毎晩敵を退け続けた。
それはつまり、毎晩のようにキューティーハニーに変身し、そのたびに貞操帯の内側に現れるバイブに責められるということであった。
しかし、ハニーを一番悩ませていることは、媚薬・バイブの責めがありながら、一度も完璧な絶頂にたどり着媚薬に狂わされ続ける、青い肉体。
しかし、がっちりとした貞操帯がハニーに秘部を弄ることを許さない。
どんなに、せめてひと掻きでもできたら、と思ったか知れない。
ハニーフラッシュすると同時に、乳首と秘泉、そしてクリトリスを刺激するように現れる淫らなバイブレータ。
敵と戦うと同時に、快楽とも闘わなくてはならないハニー。
戦士を責めたてるその小さな淫具は、最悪の大きさで最悪の振動をする。
長さ・太さ・振動の大きさなど、全てがあとで一歩ふみこなまくては、大きな絶頂に達することができないような、半端なものなのだ。
それでも、もし美少女戦士が悪の組織と戦うことを辞め、正義の心をかなぐり捨てて貞操帯のうえから快楽を貪れば、ハニーは快楽の極みを手に入れることは不可能ではなかった。
震えるカプセルがとりついた胸先を、黄色いグローブをした手が革ベルトの上から揉みしだく。
暴れる淫棒が埋められた股間に、輝くサーベルの柄を使い、黒い革ごと秘泉に捻じ込めば。
そうすれば、間違いなくハニーは快楽に気をやる事ができるはずだった。
それも、おそらく崇高な理性を粉々にしてしまうほどの、すさまじい桃色の雷光が身体を貫いていくはずだ。
しかし。
しかし、正義の戦士であるキューティーハニーが、まさか戦闘中に、我を見失うほどの絶頂を極めるというような、はしたないことなどできるはずがない。
ハニーは、あと少しで絶頂を極めてしまいそうな、だが絶対に手を伸ばして掴みとってはいけない快楽地獄のまま、戦闘を続けなくてはならない。
戦士ハニーの時ではなく、少女ハニーのときにその責め具があったなら。
間違いなく、バイブレータを使い、よだれを流し、ねとつく蜜液を吹き出して自慰を行っていただろう。
それほどまでに、今の如月ハニーには欲望を堪えるだけの耐久力など微塵も残っていない。
しかし、変身を解くとハニーの身体と心を悶絶させていたバイブも、あっさりと消えてしまう。
つまり、ハニーには、淫らに果てることも、快楽に堕ち続けることも許されないのであった。
愛の戦士キューティーハニーは、淫魔トレーンクローから解放されたわけではなかった。
24時間、いつでもどこでも襲いかかる強烈な快感と、満たされることのない快楽の欲望。
1週間の調教期間はまだまだ序章であり、次のステップに進んだ。
ただ、それだけであった。
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