朝靄の中ひと目を避けて自室に戻った如月ハニーは、力尽きたようにベッドに倒れ込んだ。
荒い呼吸が落ち着くことも待てず青と白のワンピースを脱ぎ捨てると、股間にくい込む貞操帯に手をやった。
魔敵トレーンクローが、ハニーを開放する際に施した忌まわしい黒い帯。
屈辱の証を払拭しようと、その貞操帯をはずそうとした。
しかし。
「んっ・・ふむっ・・」
下着を脱ぐ要領で脱がせようとするが、やはり当然のようにそれを許すような構造にはなっていなかった。
今度はあちこちを触ってはずせそうなところを探す。また、解体できないかといろいろと足掻いてみる。
「はぁっ・・な・んとか・・はずさ・・ないと・あぁっ」
乳首を震わせる振動の塊と、秘泉を残酷にえぐり込んだ突起は、変身の解除と共に消えたものの、それらにたっぷり塗られていた強力な媚薬はそのまま残っている。
そして、それはここまで戻ってくる間に十分に躰に吸収されてしまっていた。
一刻も早く貞操帯を外し、汚らわしい薬を洗い流さなければ。
「はぁ・・ふゥ・んん・・と・・取らなきゃ・・ぁァあっ」
震える指がカリカリと貞操帯をひっかく。
しかし、黒々と鈍く光る忌々しい帯は、いくらひっぱったところでびくともしない。
一見して黒い革のようなそれは、なにを素材に出来ているのか判らないが、簡単に解体できるようなものでもないようだった。
ひとつだけ判った喜ばしい情報は、貞操帯には排泄を行うだけの穴があることであった。
「こ・・んな・・これでは・・こんな惨めな・・事・・・冗談じゃ・・ないわ」
だが、その空間も最小限のサイズがあるだけであり、この貞操帯を纏ったまま用を足すことは考えたくもないほど惨めな行為であることは明白だった。
それだけに、ハニーは必死になって貞操帯を外そうと足掻く。
しかし、それは徒労に終わった。
そればかりか、しっかり股間にくい込む貞操帯を弄ったことにより、不用意に秘泉を刺激することになってしまった。
「あはっ・・だっダメ・・このまま・・じゃ・・躰が・・熱くなって・・あぁ」
荒い呼吸が、やがて熱いため息に変わる。
目を閉じてうっとりした吐息をついたハニーは、唇をゆっくりと舐める。
その様子はとても以前のハニーからは考えられない程、淫靡なものであるが本人はそれに気付くはずもない。
「は・・あぁは・・はずれ・・ない・・く・くい込ん・・じゃう・・あそこが・・熱く・・なっちゃ・・あはぁっ」
貞操帯を外そうと足掻く行為は、いつしかその帯を使った自慰行為になっていた。
目を閉じたまま、前後左右に黒い帯を揺さぶり秘泉にくい込ませていく。
「んはぁっ・・ふっふぁああっ」
トレーンクローによる1週間の凌辱ですっかり快楽を教え込まれたハニーの肉体は、はしたない行為をごく自然に行っていく。
白いシーツの上で、美しい両脚をはしたないガニ股に開いて黒い魔帯をくい込ませ揺さぶる。
秘泉からしたたり落ちたぬとぬとした液体で、シーツにはすぐにシミが出来ていた。
ぐちゅっ・・きゅっ・・にちゅっ・
静かな部屋に、革がきしむ音、熱い吐息。そして蜜の湿った音が響く。
「あぁあっ・・いいっ・・いいひっ・・あっあひひっ」
ハニーはさらなる快感を求めようと、秘泉に指を這わせようとしてハッとした。
「そ・・んな・・さわれ・ないひっ・・あぁっもっと・・もっとシタイのにひっ」
貞操帯がその効力を発揮し、自分自身の指で慰さめることを許さないのだ。
一度火が点いた肉体は、一層の快楽を要求する。
しかし、トレーンクローが施した貞操帯がそれを認めない。
ハニーは胸に手をやり、小さな蕾を弄ろうとしたが、そこにも黒い帯が巻き付いている。
乳首を押しつぶすように胸を縛っている帯も、取れそうにはなかった。
「ああっはっ・・だめぇ・・胸も・・さわれなひっそんなぁっっ」
ハニーは、中途半端に感じてしまった肉体を持て余してベッドの上でのたうつ。
愛液にまみれた太股を擦り寄せ、腰をはしたなく前後に揺さぶってなんとか大きな快感を得ようとするが、どうしてもトドメの一撃になるようなものにはならない。
「あぁっ・・ダメェ・・こ・これじゃあっイッイケなひっ・・イきたひっ・・イきたひいっ」
今のハニーの声には、かつてのような正義感にあふれる澄んだ強さは残っていなかった。
憎むべき敵に押しつけられた快楽を受け入れ、さらに一層の欲望を要求してやまない。
ハニーは、貞操帯に包まれた乳房と秘泉を、両手で必死にひっかきながら、快楽の絶頂を目指して悶え狂っていた。
結局、ハニーは数時間ものあいだベッドの上で躰をくねらせていたが一度も絶頂に達することはなかった。
以前のハニーにはなんでもないことだが、一度快楽を覚えてしまった今の躰には、何よりも厳しい状況であった。
「ああぁ・・だめぇ・・だめぇ・・」
熱病にかかったかのように呆然と呟くハニー。
快楽にとり憑かれた愛の戦士は、悦楽の頂点を目指して、淫欲の泥沼に堕ちていった。
ピピピピッ・・ピピピピッ・・
澄んだ電子音が、ハニーを澱んだ眠りから呼び戻した。
満たされぬ自慰の悶えから、いつの間にか、眠っていたらしい。
ほんの数刻、束の間の休息を取ったハニーはベッドの上で身体をうごめかせた。
「ん・・あぁはぁ・・」
ハニーは、まだ火照りが収まらない躰をゆっくりおこすと、よろける躰でシャワールームに入った。
思えば、トレーンクローに囚われてから一週間ものあいだ許されなかった行為である。
ハニーはこびり付いた汗や恥ずかしいまでの蜜液を洗い流そうと、シャワーのコックをひねった。
「はぁ・・いい・・気持ち・・」
忌まわしい記憶を全て流すかのように、頭からシャワーを浴びる。
しかし。
「んっ・・あぁ・・くっこれも・・だめだわ・・」
ハニーの白い裸体には、忌々しい黒革の貞操帯が巻き付いている。
熱いお湯はいましめの革で阻まれ、わずかに染み込んだ水気がぬとぬとになっている蜜液を流すものの、媚薬を完全に洗浄するにはほど遠い。
ハニーは口惜しく唇を噛んだ。
キューティーハニーは、トレーンクローの責めの証を洗い流すことができなかった。
いや、それどころか。
「あ・・あヒっ!?あっ・・アツ・・ひっ・・熱いっアアヒヒィイッ!?」
ハニーは急激に身体を震わせ、股間に両手をあてがうと、シャワールームの冷たい床にへたりこんだ。
もともとはジェル状だった媚薬が程良い温度の水気で溶けだし、さらに敏感な粘膜に襲いかかってきたのだ。
一瞬で秘泉を燃え上がらせた媚薬は、またも正義の乙女をのたうちまわらせた。
シャワーにうたれながら股間をひっかいてもがき苦しむハニー。
革ベルトで押しつぶされ勃つことを禁じられた乳首も、溶けだした媚薬によって一層堅くしこっていた。
しかし、その欲望で勃ちしこったその尖りを直接触ることができない。
「あアアハッ・んぐぐ・だっダメエへえエッ・・くっ・・くるっ狂っちゃフゥッうはあっ」
自分の体を抱き絞めるようにしてうずくまって悶絶するハニー。
奥歯をきつく噛み絞めて体のうずきを堪えていた美少女は、しかしすぐに唇を開いて甘い悲鳴と共に大量のよだれを吐き出した。
濡れた金髪を美貌に貼りつけて身悶えるハニーは、シャワーノズルをひったくるように掴むと直接股間にあてがう。
「ぉおォっ・・ぁおぉっいいっイヒぃ・・ヒッ・・ふぁああっ」
排泄のために設けられている、尿道口付近にわずかに開いた穴めがけて全開の水流をたたきつける。
指一本すら入らない小さな穴から入り込んだわずかな刺激に狂喜乱舞するハニー。
その動きは薬を洗い流すというような、理性的なものではないことはあきらかだ。
ここには、正義と博愛に燃える聖なる戦士の姿はなかった。
あるのは、性欲と淫欲に溺れる快楽の奴隷であった。
今のハニーは、はしたなく、汚らわしいはずの甘い快感に囚われた、淫らな牝そのものだった。
「んぁあっ・ダメ・・ダんメヘェっ・・これじゃ・・コレじゃあイケなひぃっイケなひ・いいあぁあっ」
お湯を使った自慰にのたうつ美少女。
白い肌に黒光する革ベルトが食い込んだその様子は淫媚だ。
しかし、ここまでしても、やはりハニーは快楽の絶頂を手にすることはできなかった。
シャワーの刺激ではトレーンに教え込まれた肉欲、そして媚薬が増幅させた快楽の欲望を合わせた、肉体が要求する快感を満たすにはほど遠いのだ。
蕩けるような快感とくすぶる焦燥感に、涎を流しながらシャワールームを転がり回わるハニー。
それでも、ハニーが求める快感には手が届かない。
「んぁああ・・アァア・・だめへぇ・・ダメえ・・」
シャワーノズルを股間にあてがったまま腰をくねらせるハニー。
お湯と混じって熱い蜜が貞操帯から漏れ白い太股を流れ続ける。
「だめぇ・・こ・・んなこと・・こんな事に屈したら・・敵の思う・つ・・ぼぉおっアハあぁああっ」
時折、正義の戦士である自分を鼓舞するかのように、自らをたしなめる言葉を呟くハニー。
しかし、淫らに蠢く躰は熱い股間を中心に、はしたなく快楽を貪る演舞を続ける。
「だ・・あぁっんっ・・ダメだって・・わかってるのに・・かっ体が勝手にィ・・ハァアあン」
ハニーの白い肉体が、シャワールームで淫らに跳ね転がる。
「ぁああアっダメヘぇっっこのままじゃっ・・こ・のママじゃ・ウヒィっ」
悦楽の絶頂を求めて牝の悲鳴をあげるハニー。
一週間前までの清楚で凛とした精神を宿した正義の戦士の姿は、どこにも無かった。
「あぁっ・・ぁぁアァ・・あアっアああァあっおっおかしくなっちゃ・・なっちゃフぅううっ!」
ハニーは快楽の絶頂を得ることが出来ぬまま、淫欲の泥沼に堕ちていった。
トレーンクローから解放されたハニーには、しかし平穏は訪れなかった。
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