「うーん、ここは...どこ?」
「気付いたかい?速女ちゃん...」
「は、その顔は幻老斎!! お前は死んだはずでは?! 」
「ふん、マンサクとかいう似非小説家のつまらぬ投稿作品『十六夜残月抄』の中では無理やり殺されてしまったが、そう簡単にわしがくたばるものか! 『屈伏』ではご覧のとおりピンピンしておるぞ!」
「お約束の人物説明調な台詞ね」
「うるさいわい! 一応言っとかんとわしらが十六夜の登場人物だとわからん読者もおるからのぉ。 そんなことより速女ちゃん、裸で縛り付けられた状態でいつまで強気でいられるのかな?」
「はっ! いつの間に! うう、解きなさいよ。相変わらず卑怯な真似をするのね!」
「ふふふ、卑怯なのはわしの専売特許だ! その卑劣さに惹かれたジジイファンが全国に3人ほどいるのが確認されているからのぉ。そんなよい子のためにもドンドン頑張らないといけないし...それにお前にファンメールなんぞ一通も来ないではないか。だから、これでいいのだ!」
「そ、それはマンサクの文章が下手クソだからよ、このあたしの輝く美貌を少しでも書ける筆力があいつにあれば、飢えた男の十人やニ十人くらい...」
「よく言うな、自分で。でも、汗とか涎のネトネトした描写は目立ったではないか。わしなんぞ嘗めてばかりいたし...ちょっぴりせつない味がした(笑)」
「ひー! そんな恥ずかしいとこばかり書かれるあたしの身にもなってよぉ!」
「ひひひ、それが楽しいのではないか...美女が汁まみれでのたうつ様が...そういう読者の願いのままに大暴れするのが官能小説の中の責め手の責務だからな!」
「でも、あの話、あれからどうするつもりなの? マンサクがネタにつまってこのまま逃亡なんかしないわよね。あー、もしかして、お前が変身してドンドン巨大化していくとか...」
「...2年前の夏に見たなあ、そんな映画。でもジジイが裸で巨大化しても、全国の大きなお友達はちっとも喜んでくれないぞ。あの映画最大の見所は、冒頭のアスカ様の麗しき美乳。それに尽きるわい。病床の身にありながら型崩れもせず見事な質感にふるるんと揺れる...」
「....お前は本当に幻老斎か? 性格ずれてるぞ 」
「もちろんわしはゲンちゃんこと幻老斎じゃ、ひひひのひー! もっとも十六夜も下書き段階はとっくにあがっているらしいぞ。11話以降でこのわしの真の恐ろしさが大爆発するそうじゃ...楽しみにしておれ! 全国3名のジジイファン!」
「ふん! その時はその時でまた身体のどこかを大きくして切り裂いてやるから! 」
「いいなあ、女の子は色々感じるところがあって。」
「うるさいわね! で、今日は人を縛り付けておいてどうする気なのよ?」
「ひひひ、よくぞ聞いてくれました。お前はその状態で読者から来たメールを口に出して紹介していくのじゃ。見事全部読めたら開放してやろう...もちろんその間にはいろいろちょっかいを出させてもらうがの...」
「な、なぜそんなことを、このあたしが...」
「ん?いやか? でも縛り付けられた身ではどうしようもあるまい。なんならこの前使った原液でも塗りたくってやろうか? 景気づけに」
「あ、あれは嫌よ! 本当に気が狂いそうになるから! わ、わかったわよ...やるわ、やればいいんでしょ!」
「ふふふ、そう、その調子。でもわしはこんな卑劣な「道具をつかっちゃうもんねー」
「そ、そんな大きいもの入らないわよ...や、やめて...」
「このエラの張り具合、見事じゃろう...わしも珍棒には自信があるが、模造品でもこれくらいの大きさになると、毛唐の女でも泣いて許しを請うという...さあ、たっぷりあそこで泣いてもらおうかのぉ」
「う!そんな爺むさい台詞、いまどき流行らないわよー...あ、でも...何か入ってくる...あたしの中がいっぱいになっちゃう!く、苦しい..あああ、う、動かさないで...」
「ほぉ、これがいいのか...グリグリと...これでどうじゃ?」
「あああ、襞と襞の間がこすれて、た、たまらない!!!」
「さあ、早くメールを読むのじゃ」
「く、くひー、あああ...東京都・剛田武、5才から..『速女ちゃん、こんにちは..十六夜での無様な痴態、毎回楽しみにしていますが是非最後までイカずに耐えぬいてください。お願いします。我慢してくれたら無け無しの100円あげます』ってあああ、当ってる、そこ当ってるわ!し、子宮に響く!!」
「そりゃそりゃ、もっと苦しめ!うりゃうりゃ」
「耐えろって...あたしも頑張っているのよ...でもあんなに焦らされてるのをどうやって...あああ..つらい、つらいわ...」
「速女ちゃん、責めが開始されてから50行以内に泣き言を言うようじゃあ、世界はまだまだ遠いぞ。気のつよい女を演出するためには、100行くらいは歯を食いしばって耐えぬくのじゃ! ほれほれ!!!」
「な、なんだか良く分からないけど、屈伏小説ってそんなものかも..」
「ひひひ、子宮の中までこねくりまわしてやろうかの...」
「ぐはっ!!! も、もう、来ちゃう!!」
「そう簡単にいかせてたまるか。お前には腰が抜けるまでじっくり味わってもらおう....」
ボカ!!!
「おい」
「え!?」
「さっきからニヤニヤ笑って気持ち悪いわね。出会い頭に何、妄想モードに入っているのよ!」
「ん?確かお前は縛られていたはずでは...」
「何寝ぼけてるのよ! そんなに都合良く事が運ぶなんてマンサクの小説の中だけじゃない。 ここで会ったが百年目、今日こそあたしは、お前を許さないんだから!!! 覚悟なさいよ!」
「わ、や、やめるのじゃ、老人は大切に...ひー!! い、痛てて...こ、この仕返しは、本編の11話以降で、か、必ずしてやるー!!」
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