とりあえず、データ的な所を。
作者 ゆでたまご
嶋田隆司 原作担当。 昭和35年(1960年)10月28日生まれ。大阪府出身。蠍座。O型。旧姓金山
中井義則 作画担当。 昭和36年(1961年)1月11日生まれ。大阪府出身。山羊座。B型。旧姓岩本
『キン肉マンII世』は、1980年代の日本に一大ブームを巻き起こしたまんが、『キン肉マン』(公式サイト)の続編です。
「週刊プレイボーイ」(公式サイト)連載中です。
「Vジャンプ」(公式サイト)にも連載されました。こちらの連載は、2007年3月で終了。
2007年3月の時点で、「週刊プレイボーイ」版は29巻まで発売。『キン肉マンII世 -究極のタッグ編-』として仕切り直し、3巻まで発売。(アマゾンで検索)
「Vジャンプ」版は全4巻で、2巻まで発売。
アメリカでのアニメ版の放映を受けて、『キン肉マンII世』の英語版が海外でも翻訳出版されています。2004年6月に第一巻が刊行され、2007年3月現在、16巻まで発売、以下続刊中です。初代『キン肉マン』は未訳のようです。参考 VIZ
『キン肉マンII世』2002年1月9日〜12月25日 テレビ東京系 公式サイト
『キン肉マンII世 アルティメットマッスル』2004年4月7日 〜 2004年6月30日 公式サイト
『キン肉マンII世 アルティメットマッスル2』2006年1月4日 〜 2006年3月29日 公式サイト
『キン肉マンII世』2001年7月
『キン肉マンII世 マッスル人参争奪戦』2002年7月
より詳しくはULTIMATE MUSCLE特設リングを参照して下さい。
初代との融合状態でのゲーム化もなんどもされています。
キン肉マン2世 ドリームタッグマッチ WSC 【ワンダースワン】2002年3月2日 バンダイ
キン肉マンII世 新世代超人VS伝説超人 NINTENDO GAMECUBE 2002年11月22日 バンダイ
キン肉マンII世 正義超人への道 GAMEBOY ADVANCE 2002年12月6日 バンプレスト
キン肉マン2世 超人聖戦史 WSC 【ワンダースワン】2003年1月30日 バンダイ
キン肉マン ジェネレーションズ PlayStation2 2004年4月22日 バンダイ(公式サイト)
キン肉マン マッスルグランプリMAX PlayStation2 2006年7月27日 バンダイナムコゲームス(公式サイト)
PS2のゲーム、「キン肉マンジェネレーションズ」は2004年度上半期3位の売上げを誇ったそうです。
『キン肉マンII世』のノベライズ(小説化)は二種類あるようです。
『キン肉マン2世〈1〉伝説の序章 ヘラクレス・ファクトリー編』 浅野智哉
『キン肉マン2世SP―伝説超人全滅!』 小西マサテル
日本ではあまり人気が出なかったので1年で終了したキン肉マン2世は、アメリカ向けに続編である新作が作られました。とはいえ、さらに続編が作られるというほどの人気は出なかったようです。アニメが原作に追いついていたというのもあると思います。
プロレスが人気のある国は日本、アメリカ、メキシコなどですから、文化的につながるものがあったのかもしれません。
日本でのかつての人気のわりに、海外での良い評判を聞かなかったキン肉マンに多少なりとも海外で受ける力があったのは驚きです。悪い評判の方はフランスでナチスの軍服に似たデザインのコスチュームにハーケンクロイツのブロッケンJrが止めになって放映中止になったというのを聞いたことがあります。フランスは第二次世界大戦中にナチスに占領され、巴里に火を放たれかかったのですから、戦時中同盟国だった日本とは正反対の立場なのです。個人的には北斗の拳>キン肉マン>ドラゴンボール>星矢の順に暴力描写がきついと思います。なお、VIZで翻訳出版されている、英語版のレーティングを見ると、『キン肉マンII世』For older teens, 『聖闘士星矢』 For teen, 『DBZ』For all ages で、『キン肉マンII世』>『聖闘士星矢』>『DBZ』のようです。『DBZ』の何がそんなに健全なのだろう、エロネタがないところか? 絵がスタイリッシュなところか? と気になります。というか、『北斗の拳』の英語版はVIZにないのでしょうか?
参考資料『キン肉マン』『聖闘士星矢』が引き起こした<日仏アニメ摩擦
この『キン肉マンII世』は、想定読者層がアニメ、原作ともに激しく間違っていると思います。登場人物の年齢は10代に設定されていて、思春期まっさかりです。親子がテーマになるのはII世ものの必然で、そういう意味ではこの年齢設定はすごく正しいのですが、このまんがを読んで登場人物に素で共感できるのは反抗期の中学生か、高校生でしょう。
でもアニメは反抗期以前の小学生をターゲットにしていますし、原作は掲載誌もプレイボーイだったりして、大学生以上の大人がターゲットです。プレイボーイ版のキッド、ケビン、チェック、ジェイドは小学生にはいまいち理解できないでしょうし、大人にはただのバカというか、何もわかっていない子供にしか思えません。
ですが、15歳なんて、まさにあんなもんです。Vジャンプ版のチェックに反抗期がないのはそういう意味ですごく正しいです。小学生にわかるわけがない。でも思春期の中学生や高校生のアニメファンの少年少女は、本来は小学生向けだったキン肉マンのおバカでお下品な世界観にはつきあわないでしょう。
思春期って男性でも女性でも、「小学生」と「中年男性」の感性を嫌う年頃なのですよ。
自分は「子供」でも「大人」でもない、と。
でも、ゆで先生はそういう人なので、それで古くからの読者にさえも、「エロ、シモうぜえ」とぷーぷー言われているのではないかと。わたしもギャグは、食い物ネタとドジだけでいいと思います。
思春期のおたくに受けるのはいやだ、という気持ちがあるのかもしれませんが、こんな内向的な思春期の物語は、思春期の少年少女か、そういう気持ちを持ち続けたい大人にしか受けないと思います。この場合の「内向的」というのは主に「非現実的・非合理的・魔術的」というような意味です。大人しいとか、暗いとかの意味ではありません。トラウマ連発ストーリーなので、そういう面もありますが。
初代からの読者に中学生か高校生位の年の子供ができるようになったら、また違う目でこの作品が読めるのかもしれません。そういえば、ゆでたまご先生の年齢はその辺りですね。とりあえず、彼らの年齢が10代に設定されている以上、ゆでたまご先生にはこれからも10代の暴走や迷いや悲劇を丁寧に描いていって欲しいものです。キッドやジェイドや万太郎が20歳以上になったら、彼らは読者に納得のいく言動をしてくれそうですが、それは何年先の話でしょうか?