ガゼルマン考

ガゼルマンについて思いついたままにつらつらと。

ガゼルについて

ガゼル【gazelle】ウシ科ガゼル属などのレイヨウの総称。体も四肢も細く、走るのが速い。
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ガゼルはウシ科でシカ科ではないのですから、ケビンが呼んだように、ガゼルマンを子鹿ちゃんと呼ぶのは、まあ、間違っていますが、子牛ちゃんと呼んでも変ですね。ミートを背負うときに韋駄天と自称していましたが、それはきっと正しいのでしょう。

容姿・衣装について

顔の細いキャラです。初期からのレギュラーキャラの中では一番でしょう。同じ面長キャラでも、チェックは少しふっくらとしていて、スカーは少しエラが張っています。ガゼルは目も細く、鼻も細く、唇も薄いです。ゆでキャラはみんなそうですが、ガゼルマンの指も細いです。

ゆでキャラはみんなお尻が丸いです(サンシャインのぞく)。男キャラがです。それも本当にまるいとしか形容しようがないまるさです。なので細身であまり体に丸みがなく、体の線バッチリのコスチュームのガゼルマンの試合場面では、それが特によくわかりますね。逆にお尻を隠す衣装のチェックとかだと、確かめようがありません。車田キャラはみんな割合平たいお尻で、しかも下半身の線を露骨にさらす衣装は、ほぼありませんでした。鳥山キャラは女の子はとても丸いのですが、成人男性、それもドラゴンボールの後期とかでは、かなり筋肉の盛り上がった固い感じのお尻でした。

ゆで先生には何かこだわりでもあるんでしょうか。「丸いお尻が美しい」というフェチなのか、逆に「お尻なんてみんな丸いものだよね」という盲点なのか、疑問です。お腹や胸や肩の形には、差をつける人なんですが。やはり昔、絵の手本とした全日プロレスのレスラーあたりの尻型なんでしょうか? ちなみに若く、腰が細く、筋肉質であるほど、お尻は丸いもののようです。

肩幅が広く、胸板が厚く、全身にかなり筋肉をつけるのがゆでキャラの基本ですが、ガゼルマンはあえて太股が細目で、肩幅も狭いです。そこはモデルとなった動物に忠実に作っていますね。

衣装……今の段階では、あれが全身タイツなのか、ボディペインティングなのか、地毛なのかどうかすらもわからないので……。

ついでに疑問なんですが、ガゼルに「前の方のふくらみ」がほぼないのはどうしてなんでしょう? 全身タイツキャラも多い、鳥山キャラの場合は「あるものはある」という感じだったような気がします。もちろん、ゆでキャラでも万太郎とかにはちゃんとあるのですが。……万太郎と違い、ガゼルの股の前の部分に皺がよらないということは、やはり全身タイツではないのでしょうか。

レスラーとしての闘い

Vジャンプ版の対ザ・ファックス戦が、ガゼルマンの語られるべき闘いでしょうね。かつての友を倒すのに、ためらいのなさすぎるガゼルマンは、ザ・ファックスに傷つけられたことをかなり恨んでいたのかもしれません。過去の友に裏切られた辛さよりも、万太郎という新しい友を得ることへの葛藤が、この話のテーマなのでしょう。本編とアニメでは調子に乗りまくりですが、Vジャンプ版のガゼルマンは屈折した感じがひしひしと伝わってきていい感じです。

レスラー以外の活動について

オリンピック終了後の女の子を誘ってのカラオケの際、タキシード姿で現れた何かを勘違いしているガゼル。悪魔の種子編で彼がジェイドと一緒に特訓をしている場面を見ると、ガゼルの家はかなり成金趣味です。Vジャンプ版でのガゼルマンのおうちは、橋の下のガゼルハウスでした。実はガゼルの実家は金持ち……って感じはしませんね。ガゼルのお父さんを見る限り。

たぶん、『オレはここで敗退していた!』『サバンナの真実』などのタレント本が売れたのでしょう。そうでなければいきなり服と家が豪華になっているはずがありません。

原作の設定では、最終予選の敗北から決勝戦までの僅かな時間に、執筆、印刷、製本されたらしいガゼさんの本。
まさか、コピー誌? 

性格

父親は幼いときはいたようですが、今も生きているかどうかは不明です。Vジャンプ版の話と総合すると、ガゼルマンは貧しい家庭の出で、まじめに頑張るいい子だったのでしょうが、友人に裏切られて人間不信になったということになります。まじめはまじめなんですが、「まじめにがんばったんだから、少し位遊んでもいいだろう」とか、そういう考えをするところが世俗的というか。

役割

よく敵に倒されますが試合などで、万太郎に仇を討ってもらえない可哀想な人。あれだけ万太郎のことを馬鹿にしていたら、万太郎が「よくもガゼルマンを!」とか言い出さなくて当然かもしれませんが。

解説者としての役割は、味方が優勢なときなどに「調子に乗る」だと思います。嬉しそうに「ちくしょーっ 心配させやがってーっ!」(『キン肉マンII世』27巻27ページ)とか言うのがガゼルの役割です。そういえば、万太郎に角を投げたり、ジェイドに悪い子だキックをかましていたときから、彼は立派な「調子にのってるキャラ」でしたね。

万太郎のとりまきメンバーの中では、チェックがいない場合は、ガゼルがもっとも理性的な発言をします。性格的にはバランスのとれた人物ですが、チェックと違い、世俗的な人物です。世俗的だからこそ、常識人です。

悪魔の種子編で、セイウチンと一緒に倒れそうなバッファローマンを支えていたので、先生のことを尊敬し、心配する、根っからの優等生なのかもしれません。

友情は……万太郎との特訓を手伝ったくらいでしょうか? ただ串カツ屋での勘定ごまかしを、絵ゆで先生と字ゆで先生の友情のエピソードとして描いた、ゆで先生達にとっては友達とは、共にイケナイことをする仲間、でもあるようなので、彼も立派な万太郎のお友達。

これまでのガゼルマンの立場は、「仲間はいるけど、特定の師匠や友人のいない人」で、そこを補ったのが、Vジャンプ版の『キン肉マンII世』の万太郎とのタッグでしょう。

アニメ版ではチェックと組ませるという方向に、ガゼルマンの孤立を解消していました。

アニメ版の、ガゼルとチェックは注目をひきたがるノリノリコンビでした。
「天然あるいは天然の振りをするチェック」と「受けをとろうとしてすべるガゼル」は頭はよいが、それぞれに何かを色々と勘違いしていそうなナルシシストの優等生二人でした。プリプリマン戦とかを見ると、チェックの方が格上っぽいです。
原作の二人でミートを背負って泳いでいる時のガゼルマンの「チェックよ、疲れたらすぐに代わってやるぜーっ」(『キン肉マンII世』単行本21巻参照)というのを見ると、原作のガゼルマンは自分の方が先輩だと思っていそうです。
同じ21巻のこの場面を見ると、主導権を握っているのはガゼルマンの方でしょう。

ミート「い…急いでーっ。一刻も早くーっ!」
ガゼル「よっしゃーっ。このガゼルの韋駄天ぶりを見せてやるぜーっ」
ガゼル「ついてこいよ、チェック!」
チェック「ハイッ!」

きっとチェックの世間知らずを、世渡り上手そうなガゼルマンが補ってくれるんでしょう。
もっともガゼルマンはそれなりに実力はあるのですが「オレに任せろ」といわれても、いまいち安心して任せられないキャラです。


初出2005.2.28 改訂 2007.4.25

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