狂ったマーメイド  By私は殿下さん

私はルーシー オハイオ州のシカゴに住でいます。
私の趣味はいろんな人達から、いろんな噂話を聞いて、それをノートに書いておくこと。
今日は私が集めた噂話から、とても変な怖いお話を皆に聞かせてあげるわ。
このお話はクラスのミシェルから聞いたの。
ミシェルの友達の、そのまた友達の、そのまたまた友達のお姉さんのこと、名前はレイチェルって言います。

レイチェルはハイスクールではシンクロナイズドスイミングの選手でした。
あんまり良い選手じゃなかったみたいだけど、男の子には人気があったみたい。・・・だって、テクニックよりプロポーションが抜群に良かったから。髪がブロンドで水中を泳ぐ姿から金髪人魚「ブロンド・マーメイド」って呼ばれていたんだって。

ハイスクールを卒業したら、スポーツジムでインストラクターになったのね。ヨーガを取り入れたヤツです、ヨーガってわかるでしょ?!。それでますますナイスバディになって水着コンテストに出て入賞したんだって。この話を聞いて私も早速ためしたけど、ボディラインが綺麗になったと思うよ。

彼女はベルトで、自分の身体を自分で拘束して性的興奮を満たそうとする変な趣味を隠して持っていました。
「オートエロチック」って言ったり「セルフボンデージ」って言うらしいわ。私も雑誌見たことあるけどセクシーというより、ずばり狂った変態ね!・・・・・。

ではここから、お話に入ります。
ノートナンバー34 題して「狂ったマーメイド」



レイチェルはセルフボンデージを始めて1年になります。
この頃、彼女は普段のボンデージでは満足できなくなっていました。

自分で自分を拘束するのには限界があります。
ホッグタイになり、自力でいくらロープを引き絞っても手と足を接近させるのが限界なのです。
最初の頃は、この程度のセルフボンデージで充分に拘束感と無力感を味わっていましたが、次第に性的な気分と欲望がエスカレートしていき満足できなくなっていたのです。
レイチェルの性的欲望は、息が出来ないくらいに身体を締め上げ、同じホッグタイでも腕も拘束する日本の逆海老縛りや、中国雑技団の軟体曲芸のように、もう足が肩に届くくらいに身動きできないくらい激しいホッグタイになることに向けられるようになっていました。この味わったことのない苦しい拘束感と無力感を正確にイメージできず、ただ味わってみたいと妄想ばかりしていたので、このことがどんなに危険なことかはあまり考えていませんでした。

それから程無くして、レイチェルはあることから自分の欲求をかなえることのできるセルフボンデージのヒントを思いつきました。レイチェルは高い棚の上に置いた物を取るために危険を承知でキャスターの付いた椅子の上に立ちました。その時に思いついたのです。
数日後、このヒントを元に、危険なセルフボンデージを実行に移しました。と言ってもこの時のレイチェルは、いつも楽しんでいるセルフボンデージと同じで安全だと思い、極めて危険だとは考えてもいませんでしたが・・・。

両親と妹は用事でニューヨークに3日間行くことになりました。
チャンスの到来です。
レイチェルは、キャスター付の小型テーブルを買ってきました。幅50センチ 長さ1メートルほどです。
彼女は以前から考えていた新しいセルフボンデージの方法を実行しました。

買っていた金具のリングに、そのリングに長めのロープを結びつける代わりに、ロープをリングに通して折り返して輪をつくり、ロープの重なった部分だけをボールに水をはりその中に漬け、冷蔵庫で凍らせました。これは自動タイマーのようなもので氷が解ければ輪が抜けてロープのがリングから抜け落ちるというものです。
そのあいだ、入浴して身体を温めました。シンクロ選手の頃の経験で、暖めた方が筋肉関節が柔軟になり、難儀なセルフボンデージがしやすくなるからです。もっともそれだけではなく、火照り汗ばん肌の方が、食い込んでくる皮ベルトのヌメるような感触をより楽しめられるからでもあるのですが・・・。レイチェルはたっぷり温めた後、浴室でゆっくりとストレッチをしました。

天井には以前シャンデリアの吊られていた金具があります。凍らせてつくったロープの輪を登山で使うフックにはめ、そのフックを天井の金具に吊るしました。そしてその真下にキャスター付のテーブルを置いたのです。
彼女は全裸で、火照り汗ばんだった身体に、お気に入りの黒のV字フロントハイレグTバック1枚だけを身につけました。彼女の素晴らしい肉体美をより強調して、性的興奮に導く大切なアイテムです。
サイドは透明で後ろは紐のT字型、前は深いV型、透明なサイドの為、横から見ると全裸に見えて、前後から見ると股間に布がくっついているだけのヤバイくらいセクシーなものですが、セルフボンデージの時にはいつも身につけていました。

前後から見ても、横から見ても、レイチェルの曲線美に輝く肢体は本当に素晴らしいものでした。
形良く盛り上がるヒップとバスト、美しく発達した太ももの脚線美!V字フロントから伸びあがる、キュッとくびれて扁平で、しかもソフトに縦割れたしたウエスト、素晴らしい肉体美を強調するようにハイレグTバックが股間に食い込んでいるのです!。
火照って汗ばんだ素肌に、セクシーTバックのみを身につけ、スポーツマンらしく背筋を伸ばした姿勢でミラーの前に立って、素晴らしい肉体美に見入りました。まるで今からプールに飛び込んで水中ダンスでもしそうな肉体美です。

彼女は鏡の中の自分の肢体を眺めながら、ヒップやウエストをひと時撫でまわし、そしてハーネスやベルトや金具を手に持ち、テーブルの上に乗ったのです。
氷から水滴が、ピチャ、ピチャ、とテーブルに落ちてきます。
狭いテーブルの上に座ると両足を揃え、太もも、膝の上下にいつも使う黒いボンデージベルトを巻きました。太ももを拘束するとき、ベルトのピンが2つの穴の真ん中にきたので、ベルトをさらに締めてタイトになる穴に入れました。(このため膝が曲げにくくなるのですが、レイチェルは緊縛感を味わいたいのですね!) ベルトが美しい太ももに食い込みました。さらに上下にずれないよう、猫の首輪でかんぬき縛り様に各々のベルトに締め付けました。

ふくらはぎと足首の拘束には、今回新しいアイテムを購入しました。それは脚用のアームザックというべき拘束具です。足全体は一つの靴のように一体化して、ふくらはぎまでを包み込み、靴紐のように紐でグッと引き絞ると、ベルト以上の拘束感が味わえます。

そのフットザックの足首にリングを通したベルトにしめつけました。そしてフットザックに、脱出の為の、愛用の小さい果物ナイフを折って脛に指し込みました。彼女は初めて使う新しい拘束具のため興奮して細部のイメージをはしょって、ふくらはぎではなく脛の方にナイフを挿し込みました。
しっかり、ぎっちり、脚が縛られ1本の肉棒のようになってビクともしません。とってもいい感じです。レイチェルは満足気に固く固く拘束した美脚を付け根から足先に向かって撫でました。愛用のTバックと合いまして、胸腕を締めつけるハーネスやベルトやフットザックのあいだから見える張りつめたヒップや太ももの肉、バストが彼女の性的興奮をより高めるのでした。

次に首輪を巻き、弾性ボールギャグを噛みました。このギャグは顔を三角のベルトで締める「顔面拘束枷」です。ムード作りにぬかりはありません。落下のショックで取れないよう強くしめました。口の両端が痛いくらいです。そして胸にハーネスをつけました。

もう1本のロープをラチェットにぎっちり取り付けるのは大切な作業です。
今度は膝を曲げ横寝になりました。膝が曲がると、素晴らしい張りと曲線美の太ももに穴一つタイトに締めたベルトがミチッと食い込みました。
このロープのもう一端を、足首のリング、手首のリング、胸と腕を締めあげるハーネスの複数のリング群 (左右の二の腕を引き寄せ日本の高手小手縛りにしてしまいます)に通します。首輪のリングだけは強く引き絞られないよう一結びして、これらのリングに通して、最後にラチェットに通して、その縄尻を天井から垂れた氷の嵌ったロープに結びました。

ラチェットを通したロープ輪が締まって小さくなれば、背後のリング同士も接近して一箇所に集められます。接近すればするほど、ボンデージもよりタイトになるのです。

ラチェットに通したロープは、一方通行にしか動かず緩むことは絶対ないので、セルフボンデージには都合の良い道具です。
レイチェルは毎回ラチェットを使っていました。この状態でうつぶせのまま机上から落下すれば、自分の体重でロープを引き絞ることができるのです。しかもラチェットの作用でいったん締めると絶対に緩まないので、容易にセルフボンデージできると考えたのでした。

キャスター付きテーブルは、自身がテーブルから落ちて逆海老に吊られたときに、振り子作用で身体がテーブルを横に押しやるのに好都合なのです。
そして氷が解ければ、宙吊り状態から床に落ちて、イメージしていた激しいホッグタイの完成です。

レイチェルはテーブルの上にホッグタイ状にうつぶせになりました。背中に解けた氷の水滴がポタポタ落ちてきますが、そんなことより興奮して、これからやろうとする事に注意が向けられていました。

さあ、ここからバンジージャンプの要領で落ちなくてはならないのです。ロープの長さは計算されていますが、やはり怖いです。
でも怖さより、未体験の性的興奮が彼女の心の中を広く、強く、支配していました。もう耳のあたりがボクボクして喉がヒリヒリする感じです。プールに飛び込んだり、人魚のように水中でいろんなポーズで泳いだシンクロ選手の経験が、彼女にこのような大胆な行為をさせえるのでしょう。

両手を背に、ベルトで拘束された膝を曲げ、Tバックのうつむけの美しい肢体を、打ち揚げられたイルカのように全身の筋肉をひきつかせながら、テーブルの端ににじり寄ります。引き締まったヒップをプリプリさせながら、次第に半身がテーブルの外へせり出していきます。汗が滲みはじめました。興奮で心臓が口から出てきそうです。
そして、ついにこれ以上せり出ると落ちてしまう、というところまできました。不意に落ちないようバランスをとって緊張して身体に力が入っています。

レイチェルは、3度深呼吸をしました。もうドキドキです。
無意識に握りこぶしを作りました。そして、ゆっくり、ワン、ツー、スリー、と数えだしました。

「アウ!・・・ウウ!・・・フイイ!・・・」

次の瞬間、レイチェルは、そのままゴロンと横に倒れてその身を宙に放り出しました。

「・・・・・・ンブウッ!!!・・・・・・・グフッ!・・・」

次の瞬間ロープがビン!とはり、ガクンと身体が背後に折られるようなショックが走りました。
つづいて胸が締まり、二の腕が締まり、手首が肩甲骨へ引き上げられ、腰と太もも前面に痛みが来ました。
レイチェルは続けざまに声を漏らし、ラチェットとロープにリングを引き絞られ、強制的に、に急激に海老反らされながら下降していきます。

ズズズズズズズズズズズズ ズズズ ズズズ ズズ ズ ズ ズ

「・・・・・グウウゥッ!・・・ウウ!・ウ!・ウ!・・・」

レイチェルの身体が最初のショックから、逆海老反りの角度を増しながら40センチ程一気に下がり、あとはジワジワ下がっていき、止まりました。10数秒の間にリング同士が接近して、一気に胸がしまり、一気に手首をねじ上げ、一気に逆海老に反り返りました。しかもこれらが同時に起こったのです。予想外の素晴らしい体感で苦痛以上に性的興奮が増したのは言うまでもありません。

転落した彼女の身体が反動でテーブルを強く押しやりました。

・・・イエス! いい! 凄くいいわ!・・・苦しいけど、はああっ 凄くいい!・・・

・・・もう少し締めてみたい!・・・このくらいの苦しさは・・・平気よ・・・

レイチェルは腰を数センチだけ引き上げるとストンと腰を落としました。その瞬間腰が以前の位置より下にさがり、反動で逆海老反りが深くなり胸に巻いたハーネスも締まるのでした。
ハーネスがさらに胸を圧迫して、息が苦しく速くなります。

「ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ」

・・・いいわ!・・・いい感じ!・・・バストが絞られてる!身体もこれまでになく反ってる!・・・

レイチェルは苦しいのに、今までにないアクロバチックな感覚でますます興奮しました。それは自力ではどうしても得ることのできない体勢が、ロープにぶら下がるだけで自動的にできたからに加え (今までは自力のボンデージに苦心してたのですから) さらに、よりタイトに、逆海老反られていく肢体の感覚がとても「新鮮」に感じられたからなのです。
けれどもこの新鮮さから与えられた興奮が、レイチェルから冷静さを奪ったのでした。

「フウウッ! ハアッ ハアッ ンウウッ!へエッ! ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ」

・・・苦しいぃ!・・・素晴らしいわ!・・・この身体を締め付ける感じ!・・・なんて凄いの!・・・このアクロバチックなスーパーホッグタイの感覚!・・・もっと!・・・もっとタイトに!・・・タイトに!・・・

脂汗を噴き出し呻きながらも、まだまだ自分の肢体を激しく、より激しく拘束しようと奮闘します。氷が解けて背中にポタポタ落ちてくる水なんて、むしろ気持ちよいくらいです。逆海老反りが増せば増すほど、レイチェルはいっそう無力な体勢になっていくのを感じました。
この動作を10回以上も繰り返し、背後のロープは15センチほどになっていました。反りが強く、もう腰を上下に振ることができなくなりました。 
額に縦皺ができ、汗が滴り落ちます。 独力でのセルフボンデージでは絶対に不可能な逆海老反りの角度です。
にもかかわらずレイチェルは増大する苦痛よりも性的興奮の方を優先していました。自分自身が欲望のあまり正常な感覚を失っていることに気づいていません。

それどころかレイチェルは焦っていました。
というのも氷が解けてしまうと、身体が床について寝転んでしまいます。そうなってしまうと体重を利用してより強くボンデージし、より激しく逆海老反ることもできなくなってしうからです。
腰を上下に振ることができなくなったレイチェルは、空中でヨーガのポーズをするように背中とヒップを強く収縮させ、胸を張って、思いっきり反り返りました。美しいヒップがキュッと締まってプルプル震えますが、この体勢を必死に持続させておいて、身体を揺さぶりました。
ただでさえアクロバチック体勢なのに、いやらしいくアブノーマルな動きです。
吹き出た脂汗が、細かな揺さぶりで散るようにポタポタ落ちています。濡れたTバックが股間に吸い付きます。

グウ・・・グ・・グ・グ・グ・・グ・グ・・・グ・グ・グ・・ググ・・・

揺さぶりに合わせて、ロープが再び締まりはじめました。
繰り返しますが、このラチェットはいったん締まると反対方向に緩むことは絶対にありません。逆海老反ったレイチェルの肢体は普通ならもとの状態に戻ろうとする力が自然に働くのですが、ラチェットの働きによってそれが阻止されます。ですから逆海老拘束から脱出するのには「縄抜け」ではなく「ロープを切断」するというシンプルな方法が必要なのです。切断による脱出の方法はレイチェルは毎回やってきた方法で、今回のセルフボンデージも安全なものだと信じていました。

「ンウッ!ハアッ ハアッ ハアッ ハアッ グウッ!ヒウッ! ハアッ ハアッ ハアッ」

逆海老縛りでモビールのように吊られたレイチェルの肢体は、まさしく水中を泳ぐ人魚のようです。
レイチェルの引き締まった腹筋が、汗にひかりながら引き伸ばされます。もうお臍が縦長に伸ばされています。
彼女の芸術的な輝かしい肢体は、ますますアクロバチックなまでに変形され、シンクロナイズドスイミング以上にアクロバチックな形によってさらに肉体美を強調されました。汗で濡れた肢体はまさにプールから水面に出たかのようです。そしてセルフボンデージによる性的興奮も絶頂を迎えようとしていました。

ズル・・・ズル・・・

氷が、特にロープに接している部分がとけてジワジワ緩み、身体が下がりはじめました。

・・・ヤバイ! 氷がとけちゃう・・・もっと! もっともっとタイトに引き絞らないと!・・・

氷にひびが入りました。微妙なショックがレイチェルの身体に伝わりました。
失敗を重ねてきたレイチェルは、ここで本当に取り返しのつかない失敗をしました。さらに逆海老反りを激しくするために、首を思いっきり仰け反らせ、再び身体を細かく揺さぶりはじまました。

レイチェルは、可能な限り無力になれるように、皮ベルトとラチェットで自分をボンデージことに一つのもののように取り付かれていました。
身体も、胸もより強く反って乳首が床に擦れるくらいになりました。

首輪リングに一重に結んだロープが振動の強い揺れに合わせ ズリ・・・ズリ・・・と、締まっていきます。その結果、背後のロープは数センチ以内に絞らたばかりか、首輪が足首のほうに引かれたまま結び目とラチェットによって二重に固定されてしまいました。もう、足指と頭がくっつきそうです。 
そうです。レイチェルは足指と頭を接近させるくらいに絶えず仰け反っていなければ、呼吸を確保できない状態にセルフボンデージしてしまったのです。
いくら元シンクロの経験があっても、何分も、数十分にもわたっての窒息には耐えられません。
しかし、レイチェル自身はこの恐ろしい失敗にまだ気づいていませんでした。
これはロープトリックという名の、イタリアマフィアが拷問にもちいるとても危険な拘束だったのです。

「ハッハッハッハッ フンン!! ハッハッハッ ンン!! ハッハッ」

・・・時間が無いわ!、もっと! もっと!・・・もっと!!・・・ 

呼吸が浅くなりテンポも上がりました。うめき声を上げながら、狂ったように揺さぶりつづけます。
のけ反って天井を見つめていた眼球が、苦しさと性的興奮でうるんできたその瞬間、氷が割れ、ロープが緩んで、身体が完全に床に落ちました。氷が高く反り上がった足に当たってビンと弾き飛ばされました。レイチェルは落ちたショックを受け首輪が後ろに引っ張られ絶息しましたが、重心が高いので自然にそのまま横に倒れ呼吸を再開しました。

「フウッ!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・ヒィーー ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ」

胸から ノサッ という感じで床に着き、続いて腹部と着きました。反りが激しいので太ももは床に着きませんでした。
うつぶせなので、ロープにより強い張力が発生し、反り上がった脚が首を後ろに引き絞りました。ほんの一瞬ですがレイチェルは自分の足首で自分の首を絞め絶息しましたが、すぐに倒れてのけぞり呼吸を確保しました。

絶息を強いられたレイチェルはその為涙目になりましたが、シンクロ競技で息の堪えには経験があったので恐怖感は普通の人より弱いものです。むしろ、二重三重の苦しさが火に油を注ぐように性的欲望を燃えあがらせました。

レイチェルは汗みどろになり、それまで経験したことの無いほど手首を捻り上げられ、胸を締めつけられ、足先が頭につきそうなくらいの逆海老縛りになりました。どんなに顎を引いて下を見ても、乳首の先端から下は視界に入りません。もっとも今の彼女には顎を引くことさえもままなりませんが・・・。

今、彼女は完全に無力になってしまいました。
普通の状態でも素晴らしい肉体美なのに、全身を黒い革ベルトで深呼吸できないくらいに締め上げて、その上に曲芸のように逆海老縛りに拘束してしまった結果、今までに見たことも無いような素晴らしい肉体美、そしてエロチックな肉体美が出現していたのです。もし誰か男性がそばにいれば、助けるどころか身動きできぬ彼女の全身を撫で回し、舌を這わせ、くびり出たバストやヒップを揉みしだきながら1発やったことでしょう。そんな魔力の肉体美が横たわっているのです。

このままでは首が絞まるので、喉元がピンと張るくらいのけ反っています。少しでもあごを引くと首が絞まり窒息します。
そして、できるかぎりもがいたり(微細のものですが)わざと顎を引いて自分の首を絞め息をたりして、これらの感触を楽しみました。
少しでももがくと、身体がきしみ、うめき声がもれてより苦痛を感じますが、苦痛を避けるどころか、レイチェルは自分の無力さに、よりいっそう興奮しました。

もう、レイチェルは苦痛と無力感に夢中です。正気の沙汰ではありません。
いつかテレビで見た、圧巻に捕らわれたワンダーウーマンを思い出しては自分をそれに置き換えて空想しました。

さあ。すっかり満足したレイチェルは、疲れてきた上に次第に苦痛が増大してきて耐えられなくなりました。そろそろ、ロープを切ってボンデージから脱出しようと思いました。今だって拷問のような苦痛なんですから・・・・・。

レイチェルは手首を返して指を伸ばし、ふくらはぎに差し込んだハズのナイフを掴もうとしました。ところが・・・・・。

・・・ !?

もう一度、手を伸ばします。

「ハアッハアッ ンン!? ハアッハアッ」

 ・・・・・・・アレ!?・・・・・・・・・

再度、手を伸ばしました。指がピンとまっすぐです。

・・・届かない!、そ、そんな!・・・・・・・・しまった!!・・・・・ナイフを前側に挿し込んでるうぅ!!・・・

レイチェルはようやく間違えに気づきました。しかも、いままでのホッグタイとは違い、手首をうなじに届かんばかりにねじ上げて、手首の上を足が押さえるような体勢になっているのです。
二重の過ちから、手がまったくナイフに届かないのでした。
そればかりではありません。手の方に力が入ると首の力が削がれ、首輪が首を絞めてしまうのです。レイチェルの背中に今度は冷や汗が吹き出てきました。

「ンン! ハアハアハア ンン! ハアハア ンン!」

・・・このまま放置プレイ?、冗談じゃないわ、背中や首の力を抜くと首が絞まるのよ!、疲れきったら死んでしまうじゃない!・・・なんとかしなければ・・・

そうです!。イタリアンマフィアが使う「ロープトリック」という縛り方は、力尽けば自然と首が絞まるようになっているのです。
力尽くまでに一刻も早くボンデージから脱出しなければ、大変なことになってしまいます。

「ハアハアハア ンン! ハアハア ング! ハアハアハアハアハアハア」

レイチェルは必死に身体を揺さぶり、指を伸ばし続けます。

・・・このままではダメ! 身体を横に曲げれば手首とナイフが近づくはず!・・・

「ハアハアハア ンン!ヒグウッ!!・・・・・・・・・・・」

横寝に倒れているレイチェルは、横腹の腹筋運動のようにウエストにグッと力を入れました。鍛えた斜腹筋ぐググッと収縮して皺が入り、上体と脚が床から浮きます。
逆海老に反った肢体を捻るようにそのままV字に曲がります。しかしその瞬間、背筋や首の力が削がれ首が絞まりました。
首を絞めながら、極度に逆海老反った肢体をさらに横に捻るのです。こんな二重三重のアクロバチックな格好は普通の人にはとてもできません。レイチェルにしても死ぬか生きるかの死に物狂いの脱出業なのです。
窒息しながら、指をナイフに近づけようと必死に手を伸ばします。しかし、全然届きまん。

「・・・・・・・・・・・・・ンフウ ハアハアハアハアハア」

横腹筋を解くと、ビチッという音をたてて上体と太ももが濡れた床につきます。首を仰け反らせ呼吸を整えます。

もう一度。

「ハアハアハア ンンン!!・・・・・・・・・・・・・・・」

気合の声を出して、反った肢体を横V字に曲げると、また首が絞まります。
懸命に伸ばした指に力が入って震えています。
極度にアクロバチックに捻った肢体の、美しい筋肉に力がみなぎってプルプル振るえます。頚動脈が首輪に締められて苦しげに怒張しています。顎の先や、肩関節や乳首から、プルプル震えにあわせ汗がポタポタと落ちてきます。
太ももの汗がツツーッと陰部の方に流れて、脇腹から、汗が臍の穴に流れて溜まり、そこから下に流れ床に溜まっていきます。

バストも腹筋も、力を抜けば呼吸を再開して激しく波打ちます。V字フロントの上端から金髪の恥毛が見えています。

ほら! 汗に濡れた腹筋があんなにも激しく波打って、ハーネスからくびり出たバストも上下に揺すりながら汗をこぼしています。
単に痩せただけの女性では、こんなにも凄絶な感じは無いでしょう。レイチェルだからこそ・・・・・。

「・・・・・・・・・・・ヒイイイイ ハアッハアッハッハアッ」

何度力を入れてV字に曲げても手がナイフに届きません。首を絞めながら一瞬身体が浮いたら、10秒後には床に着いてしまいます。
疲れたレイチェルは首に力を入れたまま呼吸を整えます。

ああ!、なんということでしょう!。
自分で自分を拘束したというのに、それが自力で脱出できなくなってしまうなんて・・・。
自分自身で招いたとはいえ、冷静になって考えれば、これは本当に正気の沙汰ではないのです。

その時です!。
わずかに開いていたドアの隙間から、隣室で物音が聞こえました!
家族は今頃ニューヨークにいるはずです。
泥棒でした。しかも2人組みです。レイチェルの耳にもそれは充分わかりました。
彼女は存在を知られないように、必死で息を堪えました。恐怖と苦痛で身体が震えます。

「こっちの部屋を探そう」

男がレイチェルの部屋のドアノブに手をかけてカチャッと開けた瞬間、別の男が声をあげました。10センチほど隙間を開けたままです。

「あったぞ! でへへへ! こんなところに隠していやがった。今時現金の入った金庫を家に置くなんて無用心な住人だぜ。くふふふ・・・この部屋と1階に灯油をぶちまけろ!、台所もだ! そして電気コンロをセットして30分タイマーをかけろ。証拠もなにもかも燃えている頃には俺たちゃ州越えよ!・・・」

「念のために逃げる時間をつくろう! 灯油を撒いてヒーターとタイマーで発火させるんだ。10分で火が出る。ポリスも人間も火事に気をとられる。そこを利用して日暮れ前に州越えよ!」

 ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

ドアの隙間からタイマーの音と灯油の臭いがレイチェルの部屋に漂ってきました。男達は下の階に降りていきました。

「ヒイーーーーーーー ヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフ」

レイチェルは再び息をしはじめました。凄まじく早いテンポです。
彼女は日本の「地獄変」という小説のあるシーンを思い出しました。それは不思議な内装の馬車に着物を着た娘が厳しいホッグタイに縛られ、馬車に火を着けられ焼き殺されるシーンでした。

「・・・フオッ・・・ウオオオオオオ!! ヒフヒフヒフ  ウオオオオオオオオ!! ヒフヒフヒフヒフヒフヒフ」

レイチェルは恐怖の悲鳴を上げました。裸同然の苦しいホッグタイの姿のまま自分も焼き殺されてしまう!。
心臓が早鐘のように鳴り、苦しく早い呼吸に悲鳴にも似た声が混ざります。
ヒーターが発火しないうちに、早くロープを切ってセルフボンデージから脱出しなければ、「地獄変」の娘と同じように焼き殺されてしまうのです。それは生きながら焼かれる地獄の苦しみです。こう拘束していては苦悶にのたうち回ることも許されないのです。想像するだけでも恐怖に顔が引きつり、眼がさらに大きく見開き喉がカラカラになりました。まさに全身の血液が逆流するとはこんな感じです。

さあ、制限時間10分! 脱出の為のレースのはじまりです!

「ヒフヒフヒフヒフ フン!・・・・・・・ン! ヒフヒフヒフ」

必死に横V字型になって、脛に挟んだナイフをつかもうとします。

「ヒフヒフヒフ ンン〜ン!!・・・・・ヒフヒフヒフ フン!・・・・・ヒフヒフヒフヒフヒフ フン!・・・・・ヒフヒフヒヒフヒフヒフ ンン!?・・・・・ヒフヒフヒフヒフ」

何度やっても駄目です。

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

もう3分も使ってしいました。隣室からタイマーの音が無情に聞こえてきます。

「ヒフヒフヒフヒフ ンアアア!!フオオオオオオ!! ヒフヒフ」

       ・・・イヤアア!! 死にたくない!・・・

眼を見開いて恐怖に顔を引き攣らせ悲鳴のような声をはりあげます。でもギャグのせいで小さな音にしか聞こえません。

「エエエエウウ!! ヒフヒフヒフヒフヒフ ンウウウウウ!!」 
(たすけてええ)            (だれかあああ)
  
ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

助けを叫んでも誰にも聞こえません。自分の切迫した呼吸音とタイマーの音だけが聞こえます。

レイチェルは、今度は反対側に転がろうとします。気合の声を呻きながら何度も身体をねじります。

「ングウウ! ヒフヒフ ングググ! ヒフヒフ ンウウウ!」

ギャグの端から唸り声によって、よだれが吹き出ているのもわかりません。Tバックが紐状になって股間にいやらしくはまり込むのもきずきません。

「ヒフヒフ ングググウウウ!! ウウウン!!・・・ンン!・・・・・・・・・・ンン!・・・・・・・・ン!・ン!・・・・・・・・・・・・ヒギイイイ!!・・・・・ヒッ!・・・・・・・ヒッ ヒッ ヒイイイッ・・・・・・・・」

レイチェルはついに俯きになるのに成功しました。上体も脚も床から跳ねるように上がり、本当に臍の先で床に立つような体勢です。でも、その瞬間から息ができなくなりました。足首の縄が首を締め上げ自分で自分を窒息させているのです。
この苦しみは水中でシンクロダンスをやっていた彼女の予想を超えていました。第一、首を絞められたことが今までになく、窒息時間も限界を越えているのです。

窒息の断末魔のなか息を吸い込もうと「ヒイイ」と締められた喉を鳴らします。早く反対側に倒れなくては絶命してしまいます。充血した目をカッと見開き、両の手のひらを大きく広げ、美しい肢体の筋肉を異様に突っ張らせながらユサユサと揺らして死に物狂いに倒れようとします。

「・・・・・・・ヒイイ!・・・ヒイイイ!・・・ヒイイイイイイ!!」

音を大きくさせるばかりで少しも空気を吸い込めません。まばたきすらできないレイチェルの眼球はますます赤くなり、泪が下まつげに溜まります。苦痛のあまり頭を左右にプルプル振るわせ、ギャグを噛んだ唇が紫色になっています。

「ヒイイイイイイイ!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ングウウウウウウ!!・・・ヒイイイイイイイイイイ! ゲフ!ゲフ!ゲフ!ゲフ!ゲフ! ヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフヒフ」

死に物狂いに身体をゆすり続け、ついに反対側に倒れることができました。
すぐさま首を仰け反らせると、豚の鳴き声のような声をだして息を吸い込み、咳き込んで、息をしはじめました。

「ヒフヒフヒフヒフ ングウウウウウ!・・・・・ヒフヒフヒフ」

レイチェルは再び脛に挟んだナイフをつかもうと、身体を横V字に曲げました。恐怖のあまり陰唇から少量失禁しましたが、自分が流した汗と一緒にビチャビチャになっていました。

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

タイマーは無情に進んでいきます。残り時間、あと3分しかありません。
横V字に曲げた、激しく逆海老反った美しい肢体は汗と尿に汚れながらも、死に物狂いでナイフをつかもうと手を伸ばしています。しかし、皿のように大きく開いた目からは、恐ろしさのあまり泪が流れています。

横V字を解くと、また何か泣き声と悲鳴の混ざった呻き声をあげました。
首を仰け反らせて息を吸い込むと助けを叫びます。

「ヒフヒフヒフヒフヒフ エウウウウウ!! ンウウウウ!!」
           (たすけてええ) (だれかああ)

身体を微細に震わせながら、皿のように大きく見開いた目を上三白眼にして、もう一度叫びます。

「ヒフヒフヒフ ンウウウウンアアアア!! ヒフヒフヒフヒフ」
       (だれかああ来てえええ)

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

「ンブ! ンン! ン! ンン! ヒフヒフヒフヒフ ンン! ング! ンン! ヒフヒフヒフ ン! ンング! ン! ンン!」

今度は横V字ではなく、挿し込まれたナイフを振動で落とそうと、もがいて、暴れようとしました。
激しい逆海老縛りと窒息の凄惨な苦痛と、断末魔から逃れようとする必死の表情と、振動でナイフを落とそうとして、死に物狂いに全身の筋肉をもがかせたり震わせたりする動きが、レイチェルの素晴らしい肉体の曲線美を、なおさら輝かしいものにしていました。
収縮と弛緩を繰り返すヒップの筋肉のなんとセクシーなことでしょう! 上下に揺するバストや激しく波打つくびれたウェストの、ひきつる太ももの筋肉のなんと美しいことでしょう!。自然の状態では絶対に見られないこの焦り狂う必死の肉体美。

おびただしい汗を極度に拘束された肢体から噴出しながら、死に物狂いにもがくレイチェル。両手を縛られ尾っぽを反って固定されて網にかかった人魚!死に物狂いのマーメイド!・・・でも、自分でさえもこの凄惨なまでの肉体美を見ることはできないのです。

ナイフは緩んでくるどころかフットザックに挿し込まれたままビクともしません。

残されたタイムリミットまで、あと1分しかありません。脱出レースも終盤を向かえました。
レイチェルはもがき続けます。

「ン! ン! ヒフヒフヒフ ン! ンン! ン! ヒフヒフヒフ」

「ン!ン! ヒフヒフヒフヒフ エエエウウウウウウウウウ!! 」
              (助けてえええええええええ!!)

「ヒフヒフヒフ ンン! ン! ング! ヒフヒフ ン! ンン!」


ジジジジジジジジジジ・・・・・ボッ・・・ヴオオオオオオオオ


「ン!ン! ヒフヒフヒフ・・・オオ!・・・ウオーーー!!」
              (ノオ!) (ノオーーー!!)



           〜〜〜終わり〜〜〜


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