虚構と空想と実像の狭間で・・・ 〜赤い天使の物語より〜 書いた人:北神的離
第三章 |
薄暗い室内、 なにやらもぞもぞと人影がうごめいている。 その数、4つ。 カチャカチャ…… 金属同士が擦れ合う音が辺りに響く… どうやら鍵をこじ開けている様子だ。 カチャッ 鍵が外れる音がした。 「ふふふ………あとは中に細工をして…」 トーンを極限まで抑えた少女の声が、しん、と、静まり返った室内に響いた。 第3章 櫻色の拘束具 稽古3日目。 劇場の前にやってきたフェリアは、入り口の前に一人のまだ幼い女の子が立っているのを見つけた。 年はフェリアより2つ3つは若いだろうか、 腰まである栗色の髪を二つに分けている。 彼女はフェリアを見つけると頬をほころばせ、とてとてと走ってくる。 「あっ、セリナ様だぁ!本物だぁ!私、感激ですぅ!!」 女の子はフェリアを見上げながら続ける。 「えっと、私、ここの演劇団の見習いでヴェスタって言いまぁす☆セリナ様が来た時から ずっとあこがれてましたぁ!私、こうしてお会いできただけでもう…」 ヴェスタはひとしきり喋ると、瞳に星をきらきらと浮かべ、手を前に組んでフェリアをじっと見つめている。 「そ、そう、それは良かったわね………」 フェリアはこれまで感じたことの無い視線に、背筋に寒いものを感じつつ答える。 「さ、行きましょう、もう稽古の時間、始まってしまいますよぉ!!」 そんなフェリアの様子に気づきもせず、ヴェスタは元気にとことこと歩いていく。 「あのぉ……セリナ様……?」 フェリアは現状をいまいち把握しきれず、歩きながら頭の中を整理しようとしていると突然ヴェスタが話しかけた。 「何?」 ヴェスタは手を胸の前で組み、それぞれの人差し指をつつきながらフェリアを横目で見上げ、一言、 「あの……『お姉さま』って呼んでもいいですか?」 言いながら体が心なしかフェリアに近づいてくる。 「………………好きにして。」 フェリアは自分の想像が間違いで無い事を確信し、がくりと首を垂らした。 「お姉さまはまだここに来て間もないんですよね?判らないことがあったら何でも聞いてくださいね。こう見えても私、ここは長いんですから。」 更衣室に向かって歩きながら、ヴェスタは自信満々に言う。 「へえ、どのくらい?」 「えっと…3つの時にここに来たから………もう6年になりますぅ☆」 「うっそぉ、3歳の頃から?」 「当然です。英才教育なんか、この世界じゃ当たり前じゃないですか。」 当然のようにヴェスタは言う。 トップスターになれば、一般市民では想像もつかないような大金が手に入る。 そのため、自分の子供可愛さの感情が妙なベクトルに傾き、物心つかぬ頃からこういった所に送り込む非道な親が結構いるものなのだ。 「……あたしと一緒か……。」 フェリアは小声で呟いた。 確かその頃からだったな…爺ちゃんにいろいろ教わったのは…。 フェリアがまだ幼かった当時のことを思い出していると、ヴェスタが不思議そうに見つめる。 「どうしたんですか?」 「え?あ、いや、みんなちっちゃい頃から苦労してるな…って。」 「私、苦労してるなんて思ってませんよ。演劇のお勉強、とっても楽しいし、何よりこうしてお姉さまに会えたんですから…」 「さ、さぁ、急ぎましょ!」 フェリアはあたふたしながら更衣室のドアを開けると、一人の少女とぶつかった。 「きゃっ!」 少女は尻餅をつくと、それを見た周りの者…恐らく彼女の取り巻きだろう…が、助け起こす。 「あ…ごめんなさい…」 フェリアはとりあえず謝っておく事にした。 少女はそんなフェリアの言葉を完全に無視し、立ち上がってから付いてもいない埃を2、3回払う仕草をする。 少女の年は15、6歳くらいだろうか、年の割に小柄なフェリアよりも頭一つ分ほど背が高い。 淡い水色の腰まである髪には、高そうな宝石を施した髪飾りが付いている。 少女はフェリアを見下ろしながら言った。 「あら、あなたが噂のセリナさんね。話は聞いているわよ……」 少女は一呼吸置いてから、激しく言い放つ。 「この泥棒猫!!」 フェリアはその言葉にしばらく額に指置き考え、ようやく言葉の意味に気がついたのかポン、と手を叩き、 「これのこと?」 と、傍らのヴェスタを指差す。 「違うわよっ!!」 「え…違うの…?あたしはてっきりこの子との愛情関係のもつれかと…」 「どこをどうすればそんな腐った結論が導き出せるのよ!!」 「じゃぁ何?あたし、いきなりそんな因縁つけられても判らないわよ。」 このままでは全然話が進みそうにないと思ってか、少女の隣にいた3人の取り巻きの一人が助け舟を出す。 「これまではここにあんまり女の子の人材が無かったから稚拙な演技でもちょっと可愛い顔つきで誤魔化しながら主役をはってこれたってのに、あなたが来たおかげで役を取られてこっちはいい迷惑よ、と、言いたいみたいよ。」 「あんた…後でお仕置き。」 少女は残り2人の女の子に命じると、正直な取り巻きの女の子をずるずると引きずって行かせる。 「な、何故ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」 やがてその叫び声が聞こえなくなった頃、少女は咳払いを一つすると、フェリアの方を向き直り、 「と…とにかく、あんたがどんな淫猥な手段であの管理人をたぶらかしたのか知らないけど、パックの役、きっと私のものにしてみせるからねっ!!」 言うと少女は更衣室を出ていった。 「な…何、あれ?」 フェリアがしばし呆然としていると、ヴェスタが顔を顰めながら言った。 「あれですか?ミスティといって、この劇場のトップスターだった人ですよ。」 『だった』の部分を強調しながら彼女は続ける。 「と言ってもさっきの取り巻きが言ってた通り、そんなに上手いわけじゃ無いんですよ。あの美貌だけでもっているような人ですから、それと…」 話を聞きながらフェリアはロッカーから靴を取り出す。 「有能な新人を見つけるとすぐに潰しにかかるんですよ。今みたいに脅したり、色々な嫌がらせをしたり…お姉さまも気をつけてくださいね。」 「大丈夫大丈夫、こうみてもあたし…あだぁ!!」 靴を履きながらフェリアは答えようとし、直後激痛に悲鳴を上げた。 「どうしたんですか、お姉さま…きゃぁ!!」 見ると、フェリアの足の裏に巨大な釘が刺さっていた。 わずかではあるが、そこから血も滲み出している。 フェリアはうずくまり、足の裏をふうふうと吹きながら、 「初歩的な嫌がらせだけど、靴の裏から刺してあったから判り辛かったわ…なかなかやるわね。」 などと論理的に説明してみせるが、 (でもこんな横から見ても判るほど巨大な釘に気づかないって…お姉さま…実は、馬鹿?) と、心の中で疑問の声を投げかけるヴェスタだった。 「お姉さま、気をつけてくださいね、この分だとレオタードもどんな細工をされているか…」 心配そうに遠くからフェリアを見つめるヴェスタ。 フェリアもさすがにロッカーを開くのを躊躇している。 やがて一つ深呼吸すると、一気にロッカーを開ける。 ばしゃぁ……… 「…やってくれるじゃないの……あの女…………」 フェリアは全身を黒く染めながら呟いた。 ロッカーの中には、墨汁が破れやすい袋の中に詰められていて、ロッカーを開けると墨汁が流れ出る仕掛けになっていたのだ。 「あーっ、ロッカーの中もぐしゃぐしゃだぁ!これじゃぁ稽古に出れませんよぉ!!」 「う〜〜ん、とりあえずあたし、体洗ってくるわ。どうせこのかっこじゃ稽古に出られないし………」 言いながらシャワールームに向かうフェリア。 「じゃ、私は代わりの服を探してますぅ。」 勝手に使命感に燃え、両拳をぎゅっと握り締めるヴェスタに、任せた、といった感じで、後ろ向きのまま手をひらひらと振るフェリアだった。 「………ちょっと…本当にこの服しかなかったの……?」 思いっきり嫌そうな顔で、フェリアは少し小さめなピンクのレオタードを親指と人差し指の先だけでつまみながら尋ねる。 着ていた服は洗濯中のため、バスローブ1枚だけを羽織った、何とも魅惑的な姿だ。 「ごめんなさい…他のロッカー、全部鍵が掛かってたし…」 少し俯いて手をもじもじさせるヴェスタ。 その顔にはほんのりと朱がさしている。 「あ、でもちゃんと洗ってありますから、汚くないですよ。」 「それはわかっているけどさ……」 レオタードからはほんのりと石鹸の香りがする。 手入れが行き届いているのか、肌触りも申し分無い。 しかし…… 小さすぎる。 これを着て1日中稽古を受け続けろというのか… その上、持ち主は目の前で自分を明らかに『違う』目で見ている少女である。 フェリアが躊躇していると、 「私の服を着るの、そんなに嫌ですか…?」 と、ヴェスタが泣き出しそうな顔で見上げるので、フェリアは遂に観念した。 レオタードに片足を通す。 「あっ…」 ヴェスタは軽くうめく。 フェリアは出来るだけそちらを見ないようにしながらもう片方の足も通す。 「あんっ☆」 黄色い声をあげ、身をよじる。 「……ちょっと、いちいち反応するの、やめてくれない?」 レオタードを着るのを止め、ヴェスタの方を振り返るフェリア。 そのヴェスタは、しゃがんで頬杖をつき、フェリアの太腿の付け根辺りをじっと見つめる。 「うわぁ、お姉さまのここ、ピンク色でとっても綺麗ですね…」 「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 慌ててレオタードを着るフェリア。 しかしいくらフェリアの身長が低めといっても、自分よりも4つも年下の少女のもの、体に合うはずも無く、体のあちこちが悲鳴を上げる。 僅かに顔をしかめるフェリア。 しかし、贅沢は言っていられない。 もうすぐ稽古の時間になってしまう。 フェリアは、心配そうに見つめるヴェスタを連れながら、稽古場へと向かった。 「うくっ…くぁ…」 フェリアの形の良い口からうめき声が漏れる。 体を締め付けるレオタードの圧迫感には何とか慣れてきた。 しかし、この窮屈な衣装は別方向から彼女に責めを加え始めたのだ。 本来レオタードを着る時は、下に極薄の下着を着用する。 しかし、ロッカーに仕掛けられた墨汁のトラップはロッカーの中も、フェリアの全身も、全てを黒く染めてしまっていた。 当然レオタードと一緒に保管してあった物も、フェリアの身につけていたものもで、ある。 ヴェスタの用意してくれた下着もあったのだが、それを身につけた日には、一体どんな妄想をされるか判った物じゃない。 そう考え、フェリアはその下着を着けることを意図的に『忘れた』。 しかし、その決断がまさかこんな事態を招こうとは…。 いくら丁寧に手入れを施されていたとしても、本来下着を着用することを前提として作られた衣装である。 その内側の感触は下着とは比較にならないほど粗い。 服が小さいこととの相乗効果で、身動きを一つする度にフェリアの敏感な部分、局部の肉芽を刺激するのだ。 「あうっ…」 僅かに身をひねるだけで、全身を貫くような快感が走る。 しかし、まだまだ稽古は序の口。 これから要求される動作は、更に激しさを増していく……。 「あっ、」 ようやく演技を半分ほど終えた辺りで、フェリアは更なる快感に襲われた。 まだ未成熟なフェリアの胸の中央にある二つの突起が休み無く続く快感に呼応し、勃って来たのだ。 体を擦り付ける布地は、新たに出現した突起にも容赦の無い責めを与える。 「や…やぁぁ…」 漏れる声を必至に押し殺そうとする。 そして次の動作、大開脚をしながら一回転に移る。 「ひぐっ!!」 フェリアをかつて無い快感が包み込む。 股を開いた為に、敏感な部分を広範囲に渡って、布が擦れたのだ。 開脚の動作が終わり、慌てて足を閉じるも、この意地悪な布地はフェリアの秘所を捕らえたまま放そうとはしない。 もはや一歩でも足を踏み出すだけで達してしまいそうな状態だ。 それをフェリアは気力だけで押さえていた。 (あたしは…こんな所で負けたくない!) そんなフェリアを、指導師はただ無言で見つめている………… いつになくぎこちなく、それでいて妖艶な演技をするフェリアの回りに、いつのまにか稽古を中断し、他の人々が集まってきた。 しかし、もはやフェリアには回りの人も、物も、見えてはいない。 そう、これは戦い、これまでに幾度と無く繰り返してきた戦い、 ただ、今回はその対象が快楽に打ち震える自分自身という事だけ…… 負けたくない、その思いこそがこれまでフェリアを支え続けて来た『強さ』なのだ。 そのフェリアを更に未知の感覚が襲う。 じゅくん、 (え…嘘…こんな所で…おもらし…?) 布地に感じる液体の感触にうろたえるフェリア。 実際には微妙に違うのだが、まだこのような経験をした事のフェリアは快感のあまりに失禁してしまったのだと思った。 (やだ…もう少しなんだから…止まってよ…) そう念じるフェリアの心とは裏腹に、布地の染みはじわじわとその面積を広げていく。 長きに渡った快楽と羞恥の責めも、やがて終わりの時を迎える。 フェリアは演技最後の動作、三回転半宙返りをやっとのことで決め、その場に座り込む。 はぁ、はぁ、と、大きな息をつき、辺りを見回すフェリア。 直後、自分に大勢の観客がいた事に気づき、フェリアは胸を押さえ、股間を両膝で隠し、叫ぶ。 「いやぁぁぁぁぁ!!」 こんなぴちぴちの衣装を着て、胸の突起を膨らませている恥ずかしい姿をこんなに大勢の人々に見られたのだ。 ひょっとしたらじっとりと濡れている股間にも気づかれたかも知れない。 あまりの羞恥にフェリアの瞳の端にじわりと涙が浮かぶ。 その様子に静まり返る周囲の一同。 やがて、指導師が未だ座り込んでいるフェリアの元に歩み寄ると、呟く。 「う・ま・い……」 そして一呼吸置き、叫ぶ。 「上手い、上手いぞぉ!う・ま・い・ぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 口から光線でも吐き出さんばかりの叫びに騒然となる一同。 そんな中、指導師は更に続ける。 「この恥じらいの混じった表情、苦痛と快楽に侵されながらも健気にそれに立ち向かおうという演技の何と美しいこと、それに加えてこのぴちぴちの衣装の平らな胸にぽつりと浮かぶ二つの突起がまたマニア心をくすぐるアクセントとなっていて…(以下20行省略)…上手いぞぉ、セリナ君。」 言いながらフェリアの両肩に手を置く指導師。 はぁ、と気の抜けた返事をするフェリア。 指導師は取り乱したことに照れたのか、こほんと一つ咳払いをすると、 「いや、何だ、君の動きは元から完璧と言っても良いくらいの出来だった。しかし、その所為で一つ重要な事を君は忘れていたんだよ。」 「???」 「それは感情を込めること。これまでどんな生き方をしてきたのか知らないが、君はあらゆる感情を自由に使いこなす事を本能的に理解していた…喜び、怒り、悲しみ、羞恥…しかし、それが一つの感情の欠落を浮き彫りにしていた。そう、良い酢飯を使わねばいかに上等なネタを使おうとも決して美味い寿司は作れぬようにな…その感情、何か判るかね?」 問いに、座り込んだままふるふると首を振るフェリア。 「悦び、だよ。喜びとは違う、肉体的な悦楽、それが君に足りなかった感情だ。しかし、君は初めて肉体的快楽をその身に味わった。これでもう、感情の再現が肉体と精神と良い感じにミックスして、如何なる仮面も思いのまま、これで君も立派なニャラルトホテプって感じぃ?」 「は、はぁ…」 話の後半部分はさっぱり内容が判らなかったが、とりあえず良い評価をもらった事に安堵するフェリア。 「本来はわしが直接快楽を味わわせてやろうとも考えたがその必要も無いようだな、これからは他の役者に混じって細かい呼吸を掴むと良い。大丈夫、君なら出来る。」 危険な科白をさらりと織り交ぜ、もう一度ぽん、と、肩を叩き、 「さぁ、わしの教えられるのはここまでだ。これからは自分で役を掴んで行きなさい。」 そう言って、にこりと微笑むと、フェリアの背中をぽん、と押す。 それを見ていた周りの人々から、自然に拍手の音が鳴り響いた。 「お姉さま、やっぱりすごいですぅ!たった3日でパックの役をマスターするなんて…」 二人きりになった更衣室で、フェリアを褒め称えているヴェスタ。 「…ありがと。ところで、レオタード、汗でべとべとになっちゃったし、洗って返すわね。」 「そんな、お姉さまに迷惑かけられませんよ。」 とか言いながら、レオタードを手にするヴェスタ。 おもむろにそれを鼻に当てる。 「ああ、お姉さまの汗の匂い…ずっとこのまま嗅いでいたい…」 「こ、こら、やめなさい!!」 背筋に寒いものを感じながら怒鳴るフェリア。 しかしヴェスタは意にも解さぬ様子で、 「あら?お股のところに染みが…おトイレ、間に合わなかったんですかぁ?でもそんなお姉さまも可愛らしくて素敵ですぅ……あれ?でもおしっこにしては少しぬめっているような……」 ばさっ 羞恥に顔を真っ赤にしながら無言でレオタードをひったくるフェリア。 「とにかくこれは、あたしが責任持って洗っておくから…漂白剤に浸けた後に煮沸消毒してあたしの体組織のひとかけらも残さないようにしておくから安心しなさい。」 「そ、そんなぁ……意地悪しないでくださいよう、お姉さまぁ!!」 ヴェスタの本気で悲痛そうな叫びが更衣室内にこだまする……… その夜… 更衣室内に忍び込む4つの人影。 ミスティとその取り巻き達である。 「ふっふっふ、今度はあんなものじゃ済まさないわよ…」 そう言うミスティの手には軍手がはめられ、その中には、無数のうごめく物がいた。 「ミスティ様、今度は何をやるんですか?」 取り巻きの一人が尋ねる。 「これよ。」 ミスティは軍手の中身を見せる。 「ひっ」 叫び声を上げそうになる取り巻き達。 それは、うねうねと気味悪く蠢く砂ミミズだった。 それも一匹二匹では無い。 それこそ軍手からはみ出さんばかりに大量に。 「これを、水溶性の紙に包んでレオタードの股間部に入れておくの。もし気づかないで着けた日には、股間の湿り気に反応して包み紙が破れ、中のミミズが肛門やら膣やら尿道に入り込んで………」 「も、もういいです、聞くだけで鳥肌立っちゃいましたから…」 「ふふ………そうでしょ?これぞまさに21世紀のいじめだと思わなくて?」 (21世紀って何だよ………) 自分の作戦に酔いしれ、妙なことを口走るミスティに取り巻き達は心の中で突っ込みを入れる。 「快楽が必要ってのなら好きなだけ与えてあげようじゃないの………待ってなさいよ、セリナ…」 言いながら慣れた手つきでロッカーの鍵をこじ開けるミスティ。 「さて、開いたわよ………」 シュピピピピッ ロッカーの扉が開いた次の瞬間、中から数本の矢が放たれた。 同時刻、アイルの食堂……… 「なあ、俺の連射式ボウガン知らないか?」 言いながら店の奥からレヴィンが戻ってくる。 「………知らない。」 サンドイッチをほおばりながら答えるフェリア。 その視線は、何故か微妙にレヴィンからそれていた。 つづく |