黒愛の秘密:

「やぁ、全国数千万のちびっこ諸君、元気にしていたかな?」
「…ねぇ、ねぇ。博士、なんだか反応悪いわね。アンタ誰?って顔して通り過ぎられているわよ」
「それもそのはず! なんたって前回の更新から5年近くの歳月が流れておるからのぉ…もう誰も知らんワイ」
「ってアンタが諦めてどうするのよ!?」
「というわけで、屈伏を研究し続け50年。学会の最高権威、桝田部刻蔵博士と…」
「きれいなおねーさんこと水野カヲリがお送りする肉感講座の始まりよ!」


「かつての超人気コーナーもマンサクのサボりのおかげで見る影もなく…オヨヨ」
「超人気かどうかはともかく、十六夜以来のコーナー復活なんで忘れている人も多いでしょうね。一応リンクしておくわよ」
「おのれ、マンサク! 許すマジ!!」
「興奮しないでよ、博士。興奮するのは肉棒だけにして!」
「フン!」
「で、今回のネタだけど…『黒愛』って…何?」
「知らんのか、カヲリ君。なんでもマンサクが『ECLIPSE』に続いてシナリオ作りに関わったゲームらしいのぞ。あいつのことじゃ、どうせヒロインがろくでもない目にあうんだろうな」
「彼の手に掛かったヒロインで無事で終わった女性は居ないという噂は本当みたいね…」
「というわけで、今日はその『黒愛』について語っていこうというわけじゃ」
「なんだか仕組まれたようなタイミングで、やらされているわね、アタシ達…」
「ともかくコレを読んでくれたら『黒愛』が3%くらいは余計に楽しめることは保証するぞ!」
「たった3%なの!?」
「今はゼロ金利時代なんだから、それ位で勘弁してくれ」
「…わけわからないです、博士…」

「作品の舞台は、古びた館。ゲームではお約束の館モノじゃな」
「自由に行き来できるから、決して閉鎖された空間じゃないわね」
「打ち合わせ当初のイメージは、古い所では『黒猫館』。マンサクは発禁にもなった『沙織』もイメージしたみたいだな」
「古いわねぇ。最近のちびっ子は知らないわよ」
「館モノではお約束の最後は燃やすかどうかも話合われたみたいだけど、単に燃やすんじゃつまらない。いっその事、地下にメルトダウンさせようかなんて話も出たほどじゃ」
「めり込んでどうするのよ!? 全く!」


「さて、今回マンサクが担当したパートはというと、女子大生ヒロイン・乾玲緒奈の大部分と人妻ヒロインのプロットと数イベント。それに企画段階から参加していたためちょこちょこアイデア出しはしていたようだ」
「でもマンサクの出すアイデアってどうせろくでもないんでしょうね」
「普通の娼婦モノだとちょっと物足りないということで、触手なんかも出しましょうよと提案したら通ったらしい」
「娼館に触手って…そんな、なんでも有りってところがさすがクロアプ、太っ腹ねぇ」
「確かに色々と制限があるより、エロければなんでもOKってほうが一層ダイナミックなエロ展開が可能じゃからな。エロにリアルを追求するより多少ウソも方便なエロのほうが楽しめるというわけじゃな」
「触手ってウソも方便な範囲なの…?」
「もちろんじゃ! 寝取り男のほうが巨根ってのも、その範疇じゃぞ」
「なんだかよくわからないけど…それは大きいに越したことはないわね…ジュルジュル」
「何度も言う様に、女体がドロドロに溶ける媚薬なんて都合のいいもの、有るわけないんじゃが、それを言出だしたらお終いだろう。他のゲームに、人妻なのに新婚早々旦那が長期出張してしまい処女って設定のヒロインが居たが、考えてみたまえ。そっちのほうが随分妄想が膨らむじゃないか!? ええ、カヲリ君!」
「一時期流行った『真珠婦人』みたいに下郎と結婚しながら40近くまで処女を守り抜かれると、さすがにちょっと気持ち悪かったけど…」

「ところで今回男も含めて随分多くのキャラが出てくるけど…」

「どうしたんじゃ?」
「なんだかアタシと同じ名前のヒロインも居るし…」
「それは君じゃよ」
「早っ!」
「でも、クロアプのサイトを見たまえ。今の君に似ても似つかぬくらい肉感的な身体に生まれ変わっているじゃないか。女冥利につきるじゃろう」
「キッ! どうせいまのアタシはあれほどボリュームないですよ〜だ!」
「もっとも人妻ヒロインは、マンサクの怠惰なスケジュール管理のせいで片乳を揉んだ程度で巽様に引き渡されたようだ。だからかをりは現実世界でも複数の男の手を経て、ゲーム中でも旦那と主人公、また館を訪れる複数の男どもの手で揉みくちゃにされるというエロメスに成り上がったのじゃよ!」
「ああ…アタシの身体を上を複数の男の人の手が這いずり回ったなんて…アハン……ってアホな事やらせないでよ!」
「そういう台詞は股間から手を離してから言って欲しいぞ」
「……」

「気を取り直して、カヲリ君。今回は娼館がメインということで野郎も多数考える必要があったので、マンサクも少しは名前などを考えたようじゃ。そこで本邦初公開! キャラの名前の由来などを一つ…」
「へぇ」
「まずは女子大生の乾 玲緒奈。玲緒奈って名前は島田荘司氏の探偵小説に出てくるヒロイン、レオナ松崎から。彼女には結構アクティブなイメージを持っていたのでまぁいいかと」
「なんか適当ね。正体は女捜査官だし、クレバーで女豹のようなイメージかしら」
「しっ! カヲリ君、そんなネタバレはまずいぞ! 推理小説の後書きで犯人を教えるような真似は…」
「だって添付のマニュアルに書いてあるわよ…玲緒奈の正体。凄腕の女捜査官って」
「え!? そうなの……コホン。じゃあ、気を取り直して続きを…」
「大変ねぇ、博士も」
「院長の長沼 力だが、長沼という姓は、綺羅光の小説・陵辱女子学園に出てくる卑劣漢から。力は院長という立場から、権力の象徴という意味で」
「長沼ってキャラは、あの小説のなかでは目だっていたからねぇ。でも本当の病院でこんなやりまくりな院長先生がいたら速攻クビね
「それもウソも方便の範疇じゃよ。このエロゲー世界を構築する理(ことわり)の一つなのじゃ」
「あっそうなの?」
「その息子 牟礼男は『ムレオ』という名前からも分かるように、とにかくうっとうしい名前にしたかったからだそうだ」
「彼がバーシアのTシャツを着ているのは謎ね。たかぴこさんのサービス??」
「体育教師の只野は、『ただの筋肉バカ』という意味で」
「彼がス○ムダ○クに出てくる人に似ているのは気のせいね」
「水野俊夫は、なんとなく…強いて言うならキャッツアイのトシのイメージ? ちょっと頼りない優男という感じで」
「結構いい男じゃない」
「優しいだけの男で、果たして人妻の熟れた肉体が満足するかどうか…これ以外にも、ほのかの肉体を狙う卑屈なバーコード教頭なんかも考えていたようだぞ」
「そんなに身体を狙われたら、ヒロインも大変ねぇ」
「考えてみたら、黒愛の大抵のヒロインは主人公以外に身体を狙われているからなぁ。アソコが乾く間もないかもしれんのぉ。マンサクが当初担当しようとしていたキャラは5人。プロット段階では大抵のヒロインが徹底的に不幸になる展開だったそうじゃ」
「アタシを含めて逃れられたヒロインは不幸中の幸いだったわけね。マンサクの毒牙に掛かるなんて、考えるだけでも虫唾が走るわ。そう、玲緒奈だけは逃れられなかったのね。可哀想に。 でも…おかしくない?」
「何がじゃ、カヲリ君」
「シャア専用○様担当キャラが5人。マンサクが5人であわせて10名。ところが現在のヒロイン数は9名。数が合わなくない?」
「直前まで玲緒奈の対になるキャラがヒロインとして居たそうじゃ。二人絡めて高めあう屈伏展開をマンサクも書きたかったそうじゃが…」
「ふーん、でも書けなかったんだから仕方ないじゃない」
「…さすがはヒロイン、マンサクに同情の余地なし、か」
「各ヒロインのルートの中身について話を進めるけど、玲緒奈って屈伏の王道を行くような展開ね。これっていいのかしら? 随分他のルートと比べると浮いているけど…」
「一応マンサクも、ルセリナやバーシアを超える屈伏展開を、と考えてみたいだな。それに今作は主人公の性格付けもダークにしたので、主人公自ら積極的に楽しみながら調教が可能になったのじゃ」
「それってどういうこと?」
「一般にエロゲの場合、主人公の性格付けはニュートラル。あまり片寄った性格付けをするとプレイヤーが感情移入できないためだ。だけどそれだとKがルセリナに行ったような責めは主人公では不可能になったしまう。『ククク』と笑いながらヒロインを責め立てるような真似は。それで主人公じゃないキャラがヒロインを責めると結局NTRだってことになってしまうわけじゃ」
「でもバーシアに対しては、悦んで責め立てていたように思うけど…」
「あれは敵の口を割らせるための拷問って意味合いが大きいし、モナカの敵討ちって側面も大きいからな。自然な展開だったらいいんじゃよ、自然なら」
「マンサクにそんな才能があるとは思えないわ。たまたまね、きっと」
「ともかく主人公がニュートラルな性格付けのままだと、『邪悪な心が癖になる』といいながらも、実は結構いい奴ってことになるわけじゃな。でもこのままだと徹底的な陵辱はできない。そこでまぁ館の邪悪な血を引き継ぐとかいう設定にしたわけじゃよ。館に来たときは純朴な田舎青年だが、古の血が徐々に本性を露にしていくというような」
「世界中の女はオレのものって展開ね」
「玲緒奈はそんな主人公にことある毎に歯向かい、屈しないものだから余計にネチネチと…。 基本的なモチーフは囚われの美女を延々と徹底的に陵辱したいと言うところから始まったわけじゃな」
「まぁマンサクらしいといえばらしいわね」
「読んでくれただけで、これはマンサクが書いた部分だなってわかってくれる人がいるのがうれしいって言っていたぞ」
「そんな人いるのかしら?」


「ところでアタシはどうなのよ…」

「アタシって?」
「とぼけないでよ、水野かをり、人妻ヒロインよ!」
「おお、すっかりなりきっておるな。かをりの場合、プロットと数イベントを書いただけなのでマンサクもなんとも言えん所じゃが、貞淑な人妻の背徳感というものを狙ったようじゃ」
「そうよね、人妻は何よりも貞淑が一番!」
「優しいだけの旦那との淡白な性生活には満足できず、拘束やセルフボンデージなど背徳な遊びに溺れていくかをり。心ではいけないと思いながらも、身体が許してくれないっていうような」
「猿轡、拘束好きの真性マゾだったなんて…ああ、考えただけで…」
「カヲリ君、涎、涎… わしが考えるに、マゾって如何にして快楽を求めるかというような性の求道者的な性格があり、単なる淫乱と同義であってはならないんじゃ。縄とか猿轡にこだわるようなストイックさがあってもいいように思うのじゃが、かをりの場合、母乳やザーメン好きというような付加属性を付けられ、どちらかというとそちらがメインで扱われるようになって少し焦点がぼやけてしまったかなぁという気がするぞ」
「でもエロければそれでいいんじゃない?」
「確かにそういう意見もあるが…その辺りは買ってくださった方の率直な意見を待つしかあるまいな」


「それ以外に、今回整合性が問題って声もチラホラ聞くけど…」
「それも両刃の剣じゃな。ある程度ボリュームを確保するためには、ある程度のライターの分業はやむをえないところ。そのせいで整合性などに問題が出ることは仕方ないところじゃ。しかし逆にそれぞれが得意なシチュで勝負すれば、面白いものが出来るんじゃないかと思うんじゃ」
「なるほど…」
「ライターの提供する材料をうまく調理すれば、最高にうまい料理になるのは間違いない。やり方としては決して間違っていないと思うぞ。調整に少し時間が足りなかった部分は否めないかもしれないが、少ないリソースの中でマンサクも助けてもらったわけだし」
「マンサクは元々フェラや和姦はてんで駄目だから助けてもらいまくりだったじゃない」
「エクリ同様、そのあたりはディレクター氏に感謝じゃな」
「では、アタシも出ていることになっている黒愛、皆様是非楽しんでください! お話のつながりに難が有っても、その分演技で頑張るわ!」
「では、みんな、次の機会がもし有れば、またわしらも登場するぞ!」
「有れば…ね トホホ…」




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